シナモンと家族

シナモンと家族

鉄華団おいしーなタウン支部

今日はシナモンが家に帰ってくる日。

拓海達はさっそく新たに家族の仲間入りした

夜空(ブラックスカイ)をシナモンに紹介することに。


ブラックスカイ

「初めまして門平さん……

 ブラックスカイ改め、夜空です。

 …以後、よろしくお願いします……」

【礼儀正しく頭を下げる、夜空】


シナモン

「あ、ああ…君が話に聞いた……

 ……うん、よろしく。」


ブラックスカイ

「……本当はもう少し早く、

 顔見せをしたかったのですが……

 なにぶん、わたし自身を形成する

 アンダーグエナジーが安定している時にしか

 外に出られないので……

 お顔合わせが少々遅くなりました。

 申し訳ないです……」


シナモン

「あ、うん。

 そこは大丈夫さ。気にしてないよ。」


ソラ

「門平さん、この子…夜空は

 わたしの心の一部から生まれた存在です。

 だから、この子は『わたし』なんです。

 …できれば、わたしと同様の扱いをしてもらえると助かります。」


シナモン

「そ、そうか。

 …うん、わかった。」


……



シナモン

「拓海……

 相変わらずだな……」


拓海

「父さん、夜空の件に関しては

 他ならぬソラのお願いなんだ。

 …こればかりは惚れた弱みでどうにもならないよ。」

【拓海、肩をすくめる】


シナモン

「そうか……。

 まぁ、僕もあんちゃんにお願いされたら

 どうにもならないから

 気持ちはわからなくはない、な。」


拓海

「はははっ♪」


シナモン

「……それにしても……

 うちの家族も大分増えたなぁ…

 僕とあんちゃん、拓海……」


拓海

「…ソラに夜空とそらみ。

 居候のリム(ダークドリーム)・プリム・プーカ。」


シナモン

「…いつもうちに寝泊まりしているわけではないが、

 血の繋がらない拓海の娘達……」


拓海

「エルちゃんにエルレイン…

 …ゆりに……それから…(以下略)」


シナモン

「……やっぱり、

 今でもその子達の

 父親であろうとしているのかい?」


拓海

「うん。…一度この関係を始めた以上、

 あいつらが求める限り続けるつもりだよ。

 それに…案外悪いモンでもないよ、コレ。」


シナモン

「やれやれ……」


シナモン

(でも……確かに悪いモノでもない、な。

 …見知らぬ世界でひとりぼっちから始まって…

 あんちゃんに出会って……拓海が生まれて……)


【シナモン、他の家族達に視線を向ける】


あん

「さて…みんな~?

 久々に門平さんが帰ってきたことだし…

 今夜は予定通り、

 なごみ亭貸切でパーティーよ♪」


そらみ

「ですよ~♪」


ゆい

「……ちなみに食べた分は

 給料から天引き、ね♪」


ダークドリーム

「うわっ、ケチっ!?」


プ―カ

「横暴プカー!」


ゆい

「おばあちゃん、言ってた!

『食事をおごることはしても、タダ飯は決して許すな!』

 …………………って!」


プリム

「……ん?

 『タダ飯は決して許すな』…ってことは…

 もしかしてなごみ亭で従業員のために出されてた

 まかないも……?」


ゆい

「…しっかり天引きしてるから!」

     ドーーーーーーーーーーンっっ!!


ダークドリーム

「う、噓…………!?

 ………………はっ!?

 もしかして私の給料が

 ソラやプリム達よりやたら低いのって……!?」


ゆい

「リムちゃんは

 まかないを沢山食べるからねー?」


【ニコニコ笑う、ゆい】


ダークドリーム

「……!!!

 …そ……そんなの……

 まだ習ってないからわかるわけないでしょーーっ!?

 ゆいの鬼! 悪魔! 人でなし! 大魔王!!」


ゆい

「ふふっ、リムちゃん……

 飲食店を経営するってのはね………

 慈善事業じゃやっていけないんだよ…♪」




ソラ

「あはは……さすがは ゆいさん。

 高校在学時に、なごみ亭・次期店主を

 本格的に見据え始めただけあって…

 その歳で考えられない程に、したたかです。」


あん

「うふふ…♪

 このしたたかさ、よねさんにそっくりね♪」


ブラックスカイ

「ふむ………

 このしたたかさ…ヒーローにも

 意外と必要なのかもしれませんね……」





シナモン

(今ではこんなに沢山の家族が……

 ふふっ…とても賑やかで…

 あたたかい、な……。)

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