シトリス編
「いままでありがとう。楽しかったわ」
男は昨日シトリスと最後の夜を過ごし、己の中にあるすべての欲望を吐き出して幸福の中で生涯終えた
「いただきます」
シトリスは本体である葉で男の身体を溶かしながら養分を吸い取っていく
深く愛情を注いだ獲物ほど美味しいものはないとシトリスは考えていた
シトリスはこれまでの男との思い出を噛み締めながらゆっくりと食事を行う
これはシトリスにとってもっとも特別な時間であった
「ごちそうさまでした」
そして頭蓋骨だけになった男を安置する
そこには無数の頭蓋骨が並んでおり、それらはかつてシトリスの愛を一身に受けて生涯終えたものたちの末路である
「あなたたちはどうするの?あの子と一緒がいい?それとも、もっとがんばる?」
シトリスは性玩具として捕らえた女性たちに声をかける
すでにシトリスは男の最期を迎える少し前に女性たちの一斉間引きを行っており残されたのは男のお気に入りであったキープたちのみである
キープという言葉には次回へのものという意味も込められていた
今集められた女性たちは前の獲物の好みに合わせたものであり、新しい獲物を迎えるうえでは最小限にというのがシトリスの考えであった
シトリスは2つの選択肢を女性たちに与える
男と同じようにここで生涯を終えるか
あるいは新たな獲物に奉仕する日々を送るか
キープされた女性たちはシトリスがもたらす恐怖による支配に対して受け入れたかあるいは割り切ったものたちであるため誰一人不満を口にすることはなかった
「そう……あなたたちはあの子と一緒になりたいのね」
2人の女性が男と生涯を終えたいと宣言した
1人は早くから子供を亡くしており、男を実の子供のように想い溺愛しており、かねてより男と最期を共にしようと考えていた
もう1人は病気にかかり奉仕ができなくなってしまったため療養していたが、治る兆しはなくこれ以上は足を引っ張るだけだと身を引くことを宣言した
「よくがんばったわね。おやすみなさい」
シトリスは2人の消化をはじめる
間引きのときのような恐怖を与えて見せしめを行うものと違い、痛みも苦しみもなく安らかに彼女たちは死を迎えた
そして2つの頭蓋骨を男の隣に並べて安置した
「あの子と一緒に仲良くね」
シトリスはそういって微笑みかけた
キープたちは再びシトリスによって養分を少しずつ奪われる状態に戻り、新たな主人を待つことになる
人間の好みは千差万別である以上元キープたちも次に助かる保証はないため気を引き締めることとなる
蟲惑魔の森
「どんな子に会えるのかしら?楽しみね」
シトリスは新たな獲物の捕獲を開始する
性玩具の女性たちは従来の蟲惑魔同様に疑似餌を用いて罠に嵌める形をとっているが愛を注ぐ獲物に関してはそうはいかない
いくら美しい疑似餌があったとしても力づくでは人の心は動かせない
捕まえて愛を注いだとしてもそれを受け入れるのは難しい
そのため暴力行為は一切禁止とシトリスは決めていた
シトリスは蟲惑魔の森から人間の住処に近い領域に近づくとまず母乳蜜を排出してそれを豊満な乳房に塗りたくる
甘く優しげな母乳蜜の香りは獲物を引き寄せられるからだ
シトリスは豊満な乳房をたぷんたぷんと揺らして広くに拡散させる
その後はじっと我慢強く待つ
通常の捕獲手段と違い明らかに効率が悪いため実際に使用するのは蟲惑魔のなかでもごく僅かである
しばらく待つと男がシトリスの乳房の香りにつられてふらふらと現れる
男は視界に人外の美貌を持つシトリスを見て一歩たじろぐ
だがシトリスは捕獲に乗り出すことはない
焦ってことを行えば相手に敵としてみなされてしまうからだ
「ふふっ、こっちよ〜。おいで」
シトリスは優しく男に声をかける
ときに乳房をゆっくりと揺らして、ときには胸を腕で下から持ち上げて強調し、その美貌とスタイルから与えられる母性によって男を虜にしていく
「どう?おっぱいに包まれてみたい?」
シトリスは両手を広げて男を誘う
男はふらふらとシトリスの乳房へと吸い寄せられるように歩み寄り、近づくとごとに高まっていく甘い香りに脳が焼かれていく
「ほら、おいで」
シトリスは男の手を引いて自らの乳房へと導きぎゅっと抱きしめるとその温もりに溺れさせていく
「おっぱい気持ちいい?」
男はシトリスの胸の中に顔を埋めて母乳蜜を吸っている
彼女の胸に包まれたものはどんな恐怖も忘れ理性を失ったケダモノとなるのだ
もはや男がどれほどの後悔と絶望に苛まれていたとしてもすべて忘れて甘えたいという欲望しか残らない程にそれは甘味であった
「もっと味わってもいいのよ」
シトリスは男の頭にそっと手を回して乳房をさらに奥まで吸い込むように誘導する
男はそれを抵抗する素振りすら見せず受け入れ、やがてゆっくりと身体から力が抜けていく
「ふふっ、可愛い」
シトリスは男の頭を撫でながら耳元で囁くように声をかける
男はしばらく確かな重さと大きさを持つ乳房とその香りと母乳蜜の味を堪能していたが、やがてもじもじと下半身を動かそうとしているのに気がついた
「あなたのここ悦んでる。おっぱい気に入ってくれたのね?嬉しいわ」
そういってシトリスは男の肉棒を手で扱きはじめる
刺激を抑えゆっくりと丁寧に行う
「おっぱい直接飲んでもいいのよ」
男は言われるまま先端の突起に口を咥えるとそこから母乳蜜を吸い出す
シトリスは男の頭を撫でつつ乳房を咥えさせて肉棒を擦りながらそれがもたらす快楽と喜びで男を溺れさせる
「もっと気持ちよくなって」
シトリスの手淫はゆったりとしたものから射精を促すような素早いものへと変化していく
男はシトリスの乳房に吸い付きながら腰を大きく震わせるながら必死で射精感を堪える
「気持ちいいの我慢できてえらい、えらい」
シトリスの与える快楽は男の心を退行させる
愛玩動物として可愛がられることへの幸福感を高めていく
「我慢しなくていいよ。おっぱい飲んで、たくさんびゅーって出して」
とどめとばかりにシトリスは男の肉棒を激しく擦る
男は耐えられずに乳房から口を離しそうになるがシトリスは手助けをして頭を乳房に押しつけて抱きしめる
「ほら、びゅーってしていいのよ?」
シトリスは耳元で囁いたのと同時に絶頂を迎えた男は精液を放出する
「んっ、いっぱい出てる」
溢れ出した大量の精液がシトリスの手を汚す
それでもなお男の肉棒からはまだ出続けるためシトリスは汚れなど気にすることなく手を動かし続けて男を快楽の海へと沈めていく
手淫は再びゆっくりとしたものに変わる
「ねえ、私と一緒に暮らさない?そうすればもっと幸せにしてあげる」
シトリスは男の頭を撫でながら問いかける
「んむっ、ちゅぱっ」
男は母乳蜜を飲み続けながら必死になって首を縦に振る
そしてやがて全てを出しきると疲労からぐったりと身体を弛緩させていき身体をシトリスの乳房に身を委ねて寝息をたてる
「お漏らしがんばってえらいね。疲れちゃったのかしら?ゆっくりお休みなさい」
そういってシトリスは男を抱きしめて巣穴へと連れ帰った
男は人としての尊厳と自由を引き換えに蟲惑魔の愛玩動物としての幸福を手に入れる
そしてシトリスは男のために性玩具を手に入れる活動を再開しまた多くの犠牲者をだすこととなる