サーヴァント・セイバー(カレヴィポエグ)

サーヴァント・セイバー(カレヴィポエグ)




○マテリアル


「サーヴァント・セイバー。エストニアの王、カレヴィポエグだ。建築から農業、戦いから冒険まで大体出来るぜ。よろしくな、マスター!」

カレヴィポエグ イラスト


・概要

カレヴィポエグ。カレフの息子。

エストニアの国民的叙事詩『カレヴィポエグ』の主人公。

巨人の英雄カレフと雷鳥の娘リンダの息子。怪物の如き巨人でありながら、民衆の英雄。古代エストニアの王にして、冥界行まで行った生粋の探索者。

魔術師殺しの逸話も多く見られる。

伝承上では、ハリネズミのアドバイスに従い、投石と木板とレスリングがメインウェポンのユニークな英雄である。


彼は様々な冒険を繰り広げた後、故郷のエストニアを守るための戦争に参加した。

だが、その最中で死んでいく兄弟や民の死に耐えられず、王位を返上。

晩年を過ごすための地を探す旅の途中で、川底の剣に両足を切られて死亡した。


彼が死した後、その身を惜しんだ神々は彼を古い身体のままで蘇らせた。両足の無いまま、彼は岩に右手を縛り付けられ、プルグ(冥界)から湧き出す悪霊悪鬼を永遠に見張る任に命じられた。

彼が右手を動かす度、地震や津波等の災害が起こると云われている。

そして、いつの日か彼が岩の枷から解き放たれ、エストニアに戻る時、真の栄光が齎されるとされている。



・プロフィール

【真名】カレヴィポエグ

【CLASS】セイバー

【性別】男

【身長・体重】189cm・90kg(これはサーヴァント時のサイズ、巨人時は30m以上に及ぶ)

【出典】フィンランド神話、エストニア神話、『カレヴィポエグ』

【地域】北欧

【属性】混沌・中庸・地

【その他属性】人型・超巨大・巨人・魔性・王


【特技】:レスリング、農業、土木作業

【好きなもの】:人間、冒険、労働

【苦手なもの】:戦争

【天敵】:ワイナミョイネン(とイルマリネン)


【ステータス】

筋力:A++

耐久:A

敏捷:C

魔力:B

幸運:D

宝具:A


【クラス別スキル】

◆対魔力:A−

◆騎乗:C

【保有スキル】

◆カリスマ:C+

◆カレフの息子:A+

◆魔力放出(雷):B

◆激流投技:B−



大抵の人物とは付き合えるが、ワイナミョイネンとは反りが合わない。あとイルマリネンとは顔を合わせづらいらしい。

(セイバーが会った鍛冶師にして神イルマリネンとワイナミョイネンの親友イルマリネンは源流が同じだけの別人。既視感こそ覚えど実感は湧かないだろう)


・人物

 明朗快活でマイペースな、お世辞にもカッコいいとは云えない青年。

良く言えば豪快、悪く言えば大雑把。

だが、非常に落ち着いた顔を見せることもある。掴み所が無い性格。

 基本的には巨人の剛力に任せた真っ向からの肉弾戦を好むが、肩を組んでおいての不意打ち、暗殺、毒殺、騎士道なんてクソ喰らえのダーティな戦術も行える。

その一方で、必要以上の殺害を極度に嫌っている。戦場において殺す殺されるが当たり前なことは百も承知の上で戦いに必要のない犠牲を疎んでいる。

マスターの殺人行為を必ず止め、戦意喪失した相手マスターの殺害・魂喰い等の命令ならば従わせるのに令呪を必要とする。

“まとも”な魔術師なら扱うのは難しいだろう。


 王としての威厳は少なく、市井で一般労働者として働くことを好んでいる。

現代にもあっさりと順応し、動きやすい衣装としてジーパンを特に気に入っているらしい。


 セイバーの霊基でのカレヴィポエグは彼の様々な一面が集合した姿である。

「巨人の英雄としての苛烈さ」、「エストニアの王としての寛大さ」、「戦争を疎んだ冒険家としての柔軟さと弱さ」。総合すると、この三面性を持ったサーヴァントだといえる。


・スキル説明

【クラススキル】

◆対魔力:A−

 A以下の魔術は全てキャンセル。

 事実上、現代の魔術師では○○に傷をつけられない。

 数多くの魔術師・悪魔を打ち倒したセイバーはこのスキルを高ランクで保持する。しかし、伝承により呪いには弱い。

◆騎乗:C

 『セイバー』のクラススキル。

 冒険では舟を自在に扱い、侵略者との戦いにおいては馬に跨り、奮戦した。

 

【固有スキル】

◆カリスマ:C+

 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。

 セイバーはエストニアの王として、侵略者を幾度となく撃退した。

また、土地を開拓しトウモロコシを齎したことから民衆の英雄としても親しまれている。

◆カレフの息子:A+

 カレヴィポエグ。父である巨人の英雄カレフと母である雷鳥の卵から生まれた幻想種リンダの混血、カレヴィポエグは非常に高い神秘を有している。

 天性の肉体と怪力、魔性等の複合スキル。彼はその巨体と怪力を以て、エストニアを開拓し、ペイプシ湖にロシアまでの橋をかけ(途中で止めたが)、冥界の王を打ち倒したという。

◆魔力放出(雷):B

 フィンランド神話の天空と豊穣と雷の神ウッコはエストニア神話の主神ターラと同一視される。

 ウッコの祝福を受けて生まれ、ターラによって地獄を見張る番人に命じられたセイバーは、セイバーのクラスで現界する際一時的に雷の権能を借り受けている。

◆激流投技:B−

 ペイプシ湖での王位を巡った3人の兄弟との投石合戦の際、セイバーは身の丈ほどの大岩を対岸まで投げ飛ばし、エストニアの王となった。

 投擲の亜種スキル。巨人の剛力から放たれる石は、敵を過たず打ち砕く。

アーチャークラスではないため、ランクが低下している。


・【宝具】


「―――ッっと!しゃあねえ、こいつを抜かせてもらうぜ!起きろ!」

「はいよー。ちょっとはりきっていくよー。……

『―――歌えよ、カレビデ。漕げよ、カレビデ。

剣、七年、七星、七鏡に象られば。

巨影撃ち振るいて、業を為す。

凪、雷、そして人。汎ゆる事象を断ち得たり。

聖剣発動。かの名を謳え。『七に連なる水響の剣(スウリ・カレフ)』』―――!」


『七に連なる水響の剣』

ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大捕捉:50人

 スウリ・カレフ。

 カレワラの鍛冶師イルマリネンが巨人カレフの依頼により打ち出した神造兵器。

七つの鉄と七つの湖と七年をかけて生み出された至高の傑作。朽ちず腐らず曲がらず、汎ゆるものを両断する。

 聖剣と魔剣両方の性質を帯びている。

真名開放時には、ウッコ・イルマリネン・ターラといった天空神の権能を借り受け、剣の周囲に極小の嵐が発生し、辺りを雷撃とともに薙ぎ払う。

 また、インテリジェンスソードでもあり、宝具の詠唱である呪歌を歌い上げるのもこの剣そのもの。

性格は面倒臭がりかつ適当でかなりマイペース、剣の癖に布団で寝たいとかいい始める。

だが、主には非常に忠実。

総合して、犬の忠誠心を持った猫のような性質だといえる。―――最大の問題は、彼(彼女)にとっての主は一人と一柱存在することだろう。


セイバーは自分の意思であまり宝具を使用したがらない。



「……グゥッ…ハァ…ァ……!ハァ……マスター、…の命に、より…、こいつをッ―――」

「はいよー。いそいでいくねー。……

『―――カレビよ、廃せよ。渓流にて、廃せよ。

この身、業を果たせし呪と在らし、カレビの旅路は帳を降ろす。

カレフの後胤、されどプルグにありて、今一度の罪は無く。

この身、捻れた因果を唱歌せり―――。

故知らぬ者よここで果て。誰ぞ地臥せよ。『不義に報じる湖底の残映(ウレコフトス・カレヴィデ)』』―――。」


『不義に報じる湖底の残映』

ランク:B++ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人


 ウレコフトス・カレヴィデ。

 『七に連なる水饗の剣』が持つ魔剣としての側面。呪詛宝具。剣に宿った「報復」の概念の表象。

長男をセイバーに殺されたイルマリネンが込めた呪にして、セイバーが報復により死去した逸話の再現。

 セイバーの霊核が致命的な損傷を負うと、剣自体が手傷を加えた対象に自動的に飛んでいき、致命傷を与える。

 単なる物理攻撃ではなく、呪詛に類する攻撃であり、どの逸話でもセイバーの両足を切断し死に至らしめたことから、「この攻撃は必ず相手に命中する」という因果を帯びている。

そのため、回避するには報復を避ける運命力つまり幸運値を必要とする。

 セイバーは死によりその罪を償った&生前にセイバー自身も剣に呪いをかけた逸話から、この宝具をある程度自由に扱うことが可能。

しかし、イルマリネンへの禊のため、こちらの宝具も(マスターの命が関わるとなれば些事の葛藤だが)あまり使いたがらない。


―――セイバーがうっかり魔術師に剣を盗まれたとき、彼は湖畔の河でそれを見つけた。

彼は、剣に「また一緒に旅をしよう」と言った

剣は、彼に「ここがいい」と告げた。

それを聞いた彼は静かに微笑むと、「次にここを通る‘‘資格無きもの’’の脚を断て」と言い含めると、寂しげにその場を去った。

剣は黙ってそれを見送った。


……次に彼がここを訪れたのは晩年。戦と死に疲れた冒険家は、イルマリネンと彼自身の言葉通り、河底の剣に両足を切られ、プルグ(冥界)へと旅立った。


・余談


ーーーカレヴィポエグの本質は「旅を終えたもの」である。彼の本体は未だ世界の裏側、冥界に存在し、蔓延る悪魔たちを永久に見張り続けている。

右腕が赤黒い岩で覆われているのは神々から付けられた枷の証。

サーヴァントとして召喚される彼は当に‘‘影法師’’であり、人間的な生活を楽しむのも殆どただのポーズであると同時に、心から楽しいと感じている。

人間の正の文化も負の文化を慈しみ、ただあるがままを受け入れる様は神としての視点に近い。

「慈悲深き巨人」としての伝承通り、道に悩む人間がいれば、彼はきっとその身を賭して力となってくれるだろう。


聖杯にかける望みは無し。マスターの生存が第一。


他適正クラスはアーチャー・ライダー・バーサーカー

アーチャークラスだと、冒険者としての側面が強くなり、3人の乙女の加護を受け、宝具として‘‘自分の大きさと力を自由に操作出来る’’帽子を持って来れる。

ライダークラスだと、王としての側面が強くなり、エストニアに農作とトウモロコシを齎した逸話が宝具となる。

バーサーカークラスだと、巨人の側面が強くなり、魔術師ならば見境なく虐殺する10m近い巨人の姿となる。

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