サバフェスで同人誌を出した水着バーヌマティー
カリ化ドゥフシャーサナ
「ヴィカルナ……なんで『カリの美味しい調理方法』なんて本出したんだよ。みんなドン引いてたぞ」
カリ化ヴィカルナ
「そんな、ベディヴィエールは喜んで買ってくれたのに……」
カリ化ドゥフシャーサナ
「それはベディヴィエールが特殊なケースだっただけだぞ。ビーマとアシュヴァッターマンの反応見たか? 顔が真っ青だったぞ」
カリ化ヴィカルナ
「ああ、だから二人ともすぐに帰ったのですね」
カリ化ドゥフシャーサナ
「気が付かなかったのかよ……って、あれは……」
カリ化ヴィカルナ
「兄さんとカルナ……と、アルジュナのポスターがありますね」
カリ化ドゥフシャーサナ
「…………気は進まないけど、行かなきゃだよなあ」
カリ化ヴィカルナ
「そうですね、せめて顔を見せに行きましょう」
カリ化ヴィカルナ
「お義姉さん、こんにちは」
水着バーヌマティー
「あら、ヴィカルナ。ドゥフシャーサナも連れてきたのね」
カリ化ドゥフシャーサナ
「あれだけでかでかと兄貴のポスターが貼ってあったからな。あれを見ておいて、行かないわけにはいかねえだろ。……で、兄貴やカルナはともかく、なんでアルジュナのポスターまであるんだよ」
アルジュナ
「……貴女でしたか、バーヌマティー」
カリ化ドゥフシャーサナ
「あ、アルジュナ」
水着バーヌマティー
「あらアルジュナ、いらっしゃい。お品書きは要るかしら?」
アルジュナ
「いえ、結構です。……これは、『ダナンジャヤと三人の妻』?」
カリ化ヴィカルナ
「ダナンジャヤ……アルジュナの別名ですね」
カリ化ドゥフシャーサナ
「義姉さん、これってアルジュナがユディシュティラとドラウパディーの寝室に入っちまって12年間追放されてた時のことを描いたのか?」
アルジュナ
「…………そんなこともありましたね」
水着バーヌマティー
「フフフ、フフフフフフドゥフシャーサナ。私の耳にあの忌々しい女の名を吹き込むなと言ったわよね? もしかして、忘れてしまったのかしら?」(目は笑っていない)
カリ化ドゥフシャーサナ
「あ、やべぇ」
水着バーヌマティー
「罰として売り子の刑です。さあ、お品書きを渡しますから宣伝してきてくださいね」(ニッコリ)
カリ化ドゥフシャーサナ
「は〜い……」
アルジュナ
「……バーヌマティー。どうして、私を同人誌の題材に選んだのですか?」
アルジュナ・オルタ
「真なるアルジュナの同人誌、ですか。一部いただいても?」
水着バーヌマティー
「あらお義父さん。いいわよ、一部500QPね」
アルジュナ・オルタ
「ありがとうございます。……私も、あなたがこの同人誌を作った理由を聞きたいのですが」
水着バーヌマティー
「いいわ。……実は私、この本を最初に完成させたのよ」
カリ化ヴィカルナ
「えっ!? じゃあ、ここにある兄さんやカルナの勇姿を収めた写真集は……」
水着バーヌマティー
「以前からゲオルギウスに写真を習っていたのだけど、いい感じに夫やカルナ、そしてあなたたちの写真が集まったからね。せっかくだからベストショットを集めて写真集にしようと思ったのよ」
アルジュナ
「こちらの、『ハスティナープラの日常』は?」
水着バーヌマティー
「タイトル通りです。私とドゥリーヨダナと子供たち、義弟たちと義妹たち、そしてカルナとの幸せだった生前の日常を描きました。何しろ、アルジュナの本を思ったよりも早く描き切ってしまいましたから」
アルジュナ・オルタ
「本当に、当初はアルジュナの同人誌のみを出版する予定でしたか。……何故、題材にアルジュナを選んだのですか?」
カリ化ヴィカルナ
「お義姉さんのことですから、てっきりドゥリーヨダナ兄さんの本を出すと思っていましたよ」
水着バーヌマティー
「だって……私だけが知る夫の姿を、不特定多数の有象無象に見せる気はないもの。だから夫の話は却下。カルナの話も、私が描くと必然的に私達カウラヴァのみが知る夫の姿が多くなるから却下したわ。そうやって候補を消していくうちに、ふとアルジュナの妻であるチトラーンガダーを思い出して──」
アルジュナ
「前から思っていたのですが、貴女は私の妻の知り合いだったのですか?」
水着バーヌマティー
「生前は違うわよ。ただ、サーヴァントになるにあたって、英霊の座にいるチトラーンガダーとはメル友みたいなものになったのよ。今でもちょくちょくやり取りをするのよ。それで、アルジュナと貴女の同人誌を出したいって言ったら、『私は今はカルデアにいませんから、貴女に我が夫アルジュナの伝記を出版することを託してもいいでしょうか』って返信があってね。だから決めたの。アルジュナの同人誌にしよう! って。アルジュナの話なら、私だけが知るドゥリーヨダナの特別なシーンは無いからなんの憂いもなく描けるし、決めてから三日で描けたわよ」
カリ化ヴィカルナ
「その話、絶対水着ジャンヌオルタや刑部姫にはしてはいけませんよ、お義姉さん…………」
アルジュナ
「貴女が三日三晩部屋から出てこないとドゥリーヨダナが騒いでいたのは、まさか……同人誌を描くためだったというのですか」
水着バーヌマティー
「ええ、そうよ。大変だったわ、ウルーピーもチトラーンガダーも面識がなかったから、座のチトラーンガダーに何度もチェックをお願いしたもの。……でも、そのおかげで二人は完全再現できているでしょう?」
アルジュナ
「…………ええ、私の記憶にある二人に間違いありません。スバドラーも、そっくりです」
アルジュナ・オルタ
「スバドラーとは面識があるのですか?」
水着バーヌマティー
「夫の棍棒術の師が、彼女の兄バララーマだったのですが、夫と彼は親交が深かったのです。その関係で、未婚だったスバドラーをバララーマが連れてきたことが何度かありましてね。……かつては何度もバララーマに頼まれたものです。スバドラーがドゥリーヨダナの妻になることを認めてほしいと」
カリ化ヴィカルナ
「ああ……スバドラーがアルジュナの妻になったと知った時、兄さんは荒れていたっけ……」
カリ化ドゥフシャーサナ
「義姉さんはアルジュナ最高! って言ってたけどな。あ、義姉さん。お品書き配り終わったぜー」
水着バーヌマティー
「お疲れ様ドゥフシャーサナ。新刊一部ずつあげるわね」
カリ化ドゥフシャーサナ
「やった! 兄貴の写真に俺たち映ってるかな……」
水着バーヌマティー
「それとアルジュナ、この場であなたに感謝を。あなたがスバドラーを妻にしたから、私はドゥリーヨダナの唯一の妻でいられました。夫の師には逆らえなかったので、本当に助かりましたよ」
アルジュナ
「…………」
水着バーヌマティー
「ええ、分かっていますよ。あなたはただ、スバドラーに一目惚れして彼女を妻にしただけ。けれどそれは私にとって最大の幸運の一つでした。あなたも知っているでしょう? 羅刹バカの討伐は、あなたたちを匿った村人たちに恩を返すだけでなく、飢えていたビーマに山ほどの食べ物を与える絶好の機会であったということを」
カリ化ドゥフシャーサナ・ヴィカルナ
(義姉さん/お義姉さんがニコニコしたまま/微笑んだままビーマの話をしただと!?!?)
水着バーヌマティー
「わかった上で、ありがとうと言っているのです。素直に私の感謝を受け取ればいいのですよ」
アルジュナ
「…………では、新刊を一部ください」
水着バーヌマティー
「お買い上げありがとうございます。フフ、チトラーンガダーとの話のところは本人に聞いたから自信があるけれど、他の二人のところは完全に私の想像だから、指摘するところがあれば教えてちょうだいね」
カリ化ドゥフシャーサナ
「あ! これ、ユユツ兄が俺たちをギーで満たした壺に入れた時の写真だ!」
水着バーヌマティー
「フフ、そうよ。ギーの中で微睡む夫たちは微笑ましかったけれど……ドゥリーヨダナは動いて喋ってこそドゥリーヨダナ。ちょっとだけならいいけれど、ずっと壺の中にいられると困るのよね、私が」
カリ化ヴィカルナ
「だからお義姉さんはアルジュナと組んでユユツ兄さんと戦っていたのですね。……っ、ドゥフシャーサナ兄さん! お義姉さんの目を隠して!!」
カリ化ドゥフシャーサナ
「えっ、なんだよ急に! そんなことしな……」
(水着ガレスがビマヨダ本、ビマサナ本、ヨダナ受け本を持って歩いている)
カリ化ドゥフシャーサナ
「……ければならなかったな」
カリ化ヴィカルナ
「お義姉さん! あちらへ行きましょう! ユユツ兄さんがドゥリーヨダナ兄さん達のほのぼの平和日常本を出していますよ! お義姉……さ……」
水着バーヌマティー
「…………す」
カリ化ドゥフシャーサナ・ヴィカルナ
「手遅れだったか〜……」
水着バーヌマティー
「誰だこのふざけた本を描いた作者は!!!!!!!!燃やす!!!!!ブッ殺してやる!!!!!!!!!!!!!!!」
水着ガレス
「え、ちょっ!? バーヌマティーさん!?」
カリ化ヴィカルナ
「ガレス! 今はとりあえず逃げてください!」
カリ化ドゥフシャーサナ
「義姉さんやめろ!! って力強いな!? ホントに筋力Cかよ、さすが兄貴の奥さんだなぁ……! 誰か〜!! 兄貴を! ドゥリーヨダナの兄貴を呼んでくれーーーーッ!!!!」
カルナ
「承知した」
カリ化ヴィカルナ
「よし、ドゥリーヨダナ兄さんが来るまで抑えましょう! ビーマ! 今のお義姉さんは水着霊基です! あなたが来ても問題ありません! どうか協力──」
ビーマ
「( ᐙ )」※ビマヨダ本とビマサナ本の表紙を見てOver Killされ、ガッツ発動して耐えたもののスタン状態
カリ化ドゥフシャーサナ
「おいっしっかりしろよ大英雄!!」
ユユツオルタ
「二人とも。さっきカルナがドゥリーヨダナを呼んでいたけれど、一体何があったんだい?」
カリ化ヴィカルナ
「僕達はお義姉さんを止めていますから、あちらのお嬢さんを安全な場所に避難させてください!」
ユユツオルタ
「わかった、今行──、……………………どう、して…………? どうして、どうして…………ッ!!」(救われないモブヨダ本の表紙を見てしまいOver Kill)
カリ化ドゥフシャーサナ
「ユユツ兄ーーーーーーーーッ!!!!!!」
この後円卓VS水着バーヌマティー&復活したユユツオルタのカオス大戦になりかけたところでカルナさんがドゥリーヨダナを連れてきて一件落着。……と思ったら、肝心のドゥリーヨダナがビマヨダ本を見て卒倒したため水着バーヌさんは作者を探して殺すと叫びながらめのまえがまっくらになった夫を横抱きして去っていくのだった。