ゴーストタウン②

ゴーストタウン②


「...すぅ..すぅ...」

町から帰り、まだ寝ている妹を前に、少し考え事をしていた

「オペオペの実...なんだか引っかかるな...どこかで聞いたことがある気が..」

町からの帰り道、スーツ姿の男どもの話していたことを思い出す

「それにしてもオペオペの実なんて言う小さな果物が50億もするなんてな!」

「ああ!政府も狂ってやがる!」「違いねえ!」

「でも、これを食べれば不治の病なんてのも治せたりするんだろ?」

「そうらしいな~まあ、俺らには関係のない話さ!」

「「ギャハハ~!」」



そんな御伽噺のような話、あるわけない。そう思い、その時はすぐその場を去った



だが、そこで思い出した

かつて愛した父様の言った、言葉

「世の中にはあくまで噂だが悪魔の実なんていう御伽噺のような力を使って、病に苦しむ人々を助けるお医者様もいるらしい。

でも、私たちにそんな力がなくても、私たちにも苦しんでいる人は救える。

技術と心があればな」

「ああ父様!俺は苦しんでいる人を救える、父様のような立派な医者になって見せる!」

「はは、心強いな!」


懐かしい言葉を思い出し、少し泣きそうになるのを必死にこらえて、

考える。

悪魔の実...オペオペの実...何か接点があるかもしれない

そういえば、このゴーストタウンには図書館らしき建物があったはず

少しでも情報をつかめないかと、建物を探索することにした



やはり予想通り、建物の正体は図書館だった。かなり広く、

ここなら欲しい情報も見つかるかもしれないと淡い期待を抱く。

図書館は屋根の一部がないからか、窓が割れているからか明るく、

本の見出しがよく見えた。

「『おもちゃと少女』...『魔法使いの家』...御伽噺のところにあると思ったがないか...」少年は悩む、図書館は広く、この中からたった一つの本を探すのは困難だ。

「『うそつきのーランド』...『海の戦士ソラ』...あああああ!?」

かなり古いが、そこには確実に『海の戦士ソラ』と書かれてあった

「うわあ!すげえ!しかも初版じゃねーかこれ!」

少年は興奮した様子でその本をぺらぺらとめくる。数分経って、ようやく我に返る。

うっかり浮かれてしまったが、今はそんな場合ではないことに気づき、本探しを再開する。...その本を片手に持ちながら。

「まさかまた読めるとも思ってなかった...しかも初版...」少年はつぶやく


すると、

「あ、」

少年の目の前には『悪魔の実図鑑』と書かれた古びた本があった



「悪魔の実...オペオペの実...」そうつぶやきながら彼はページをめくる。

「あった...」

そこには、ハートの形というなんとも異様な形状の果物について書いてあった

「『その実を食べた人間は、改造自在人間になり、

青白い球状の膜を作ることができる。その膜の内側は能力者の【手術台】となり、

通常なら治せないという不治の病ですら治せてしまうという』...」

本当なのかどうかは分からないが、希望が見えた気がした。

明日また、あの町に行ってみよう。

妹を見てみるとまだ、安らかに眠っていた。もう気が付けば夜だ。

少年は眠りについた




朝、目が覚める。

軽くリンゴを2つ食べ、今日も彼は町へ向かった

そして、スーツ姿の男たちを探した

探しても、探しても、男たちはいなかった

昨日見たものが嘘であったかのように彼らの姿は跡形もなかった

休憩のため、少し路地裏に入り木箱に腰掛ける。

珀鉛病だとばれてはいけないので、休む場所もそう簡単に選べない。

すると、

「おいそこのガキ!」

声がした。

ふり返ると、そこにはスーツ姿の男たちがいた。

「邪魔なんだよ!どけ!」

肩幅の広い男が言った。

だが、そんな言葉には目もくれず、ポーチからメスを取り出し...

男たちの喉ぼとけを掻っ切った。

屈強そうな男どもでも反応できず、バタバタと血しぶきをあげて倒れてく

そして、最後の一人の喉にもメスを向ける

「オペオペの実について知っていることを話せ」

と冷淡に淡々と彼は言った

「っひ!はい、いいます、いいますぅ!」

その男は、自分がマフィアのような軍団の下っ端であり、

その組織と世界政府とで50億もの額の「オペオペの実」という

果実の取引があることを言った。

「取引の時期は?」

「い、1週間後です」

「取引場所は?」

「アジトですぅっ!」

「組織のアジトはどこだ?」

「この島の山奥、古い洋館にありますっ」

「ボスは?」

「名前も、顔も、何も知りません..」

「そうか」

聞きたい情報は聞けた。最後の男にもとどめを刺して、その場を去った。







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