コワーキングiitoco!!これから3年間でやりたいこと
えはらまさふみ今年8月3日。
コワーキングiitoco!!は2周年を迎え、なんとか3年目に突入。
今まで2年間、佐久地域では初めてのコワーキングだったことと、人口10万人を切るような地域でそもそも成り立つかどうかも分からなかったため「夢を実現する場」以外は特に方向性は示さず来たわけだけど、2年間やってきて感じたことをもとに、3年先くらいのビジョンは描こうと思う。
時代の変革期にどう生きるか
時代を見れば、ご存知の通り、変革期まっ只中。
日本は人口減少社会を迎える中、資本主義にも行き詰まりが見え隠れし、資本主義に代わる何かなのか、資本主義のアップデートなのか、新しい方法論を各地各所で模索が始まっている。
例えば、鎌倉資本主義。
面白法人カヤックが鎌倉で、地方発の資本主義の新しい形を模索し始めている。
資本主義の代表的な指標のGDPに、地域環境資本・地域社会資本という概念を取り入れ、鎌倉の町の良さやあたたかさを指標化し、資本主義のメカニズムに組み込み、「豊かさ」を再定義しようとしている。
https://kamakura-capitalism.jp/
クラウドファンディングのキャンプファイヤーでも有名な家入さんは、小さな経済圏を作ることがこの時代の突破口になる可能性を示し、地域に特化した「キャンプファイアー×LOCAL」をリリースし、その後も新たな仕組みを世に生み出している。
また、VALUやタイムバンクを代表とする評価経済という新しい概念。
中央集権から脱却し、個人が評価を集めることで活躍できる経済が登場し始めている。
こういった動きはほんの一例で、全国各地でそれぞれが、理想の世の中を目指し、様々な方法論を模索している。そしてその中には、多様性だったり個性だったりを活かした豊かさの追求や、持続可能性といったキーワードが見え隠れしているような気がする。
時代の変革期だからこそ、正直、何が正しいのかなんてわからない。
だからこそ、自分の頭で考えて、行動していかないことはリスクになる。
そして、一地方都市である僕の住む佐久も例外ではない。
この転換期に、地方の一コワーキングとして、向こう3年間にどんな未来を描き、何をしていくのかを、文書というカタチにしてみた。
どんな未来を実現するか
最初に一言で、どんなことを実現していきたいかというと
だ。
もう少し言葉を足すと、
『豊かに生きる』ために、佐久らしさを活かした100年後も「この文化が佐久にあってよかったね」と思ってもらえるような具体的なコンテンツの土台を作る。
だ。
具体的に何を実行するか
そのために、この3年間で以下7つのコンテンツを実装していきたいと思っている。
①AKKSKCMプラン
②コミュニティ農園
③ベーシックインカム的地域通貨の仕組み
④地域コミュニティとのHUB機能強化
⑤トークンエコノミー・シェアリングエコノミー研究所
⑥サクっとスタートアップスタジオ
⑦全国のコミュニティのHUB
このあと、具体的にひとつひとつ説明していきたいと思うが、その前に「豊かに生きる」とはどういことなのかを、僕なりに定義づけしてみたい。
豊かに生きる=余裕と生きがい
表現としては何となく伝わるかもしれないが、もう少し具体的にしてみたい。
豊かさを説明する上で、一つの考え方が役に立つと思う。
よく聞く概念なので、皆さんご存知かもしれないが「マズローの5段階欲求」というやつだ。
では、どんな5段階の欲求があるのか。
低いほうから順番に「生存の欲求」「安全の欲求」「所属と愛の欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」だ。
もう少し具体化すると、衣食住や経済面など身の安全がまずは最低限確保され、気の合うコミュニティにいくつか属し、そのコミュニティの中でも何か役割を見つけ皆から必要されるようになり、物的にも精神的にも満たされると、自分の使命というか、自己実現を追い求めたいと思うようになるわけだ。
自己実現が何かといえば、社会のために自分の身銭を使ってでも、自分の能力や可能性を最大限発揮して役立ちたい、という表現をするとわかりやすいかもしれない。
このように人間に5つの欲があるとするならば、この5つの欲が満たされている状態は『豊かに生きている』といってもよいのではないだろうか。
さらに「豊かに生きる」という状態をこの理論をもとにもう少し分解すると、
生きることへの「余裕」が確保され、「生きがい」へとチャレンジできる状態
と言い換えることもできるのではないか。
生きがいとは「自己実現」で、余裕は「生存・安全・所属・承認欲求」が満たされて物的にも精神的にも満たされているということだ。
ポイントは、「余裕」がないと、「生きがい(自己実現)」に意識が向かないということだ。
だからこそ「余裕」があって、「生きがい」にチャレンジできる環境があることが「豊かに生きる」ために必要な条件だと思っている。
その「余裕と生きがい」を確保する環境を、この3年間の間に整えたいと考えている。そのための具体的な活動が、上述した7つのコンテンツだ。
「豊かに生きる」と実装する7つのコンテンツの関係性
簡単に図に表すと、こんな形になる。
まず、
①AKKSKCMプラン
②コミュニティ農園
③ベーシックインカム的地域通貨の仕組み
一部セーフティネットを引きつつも、自分の好きなことを仕事にしてチャレンジしていく中で、個を強くする、ひとりひとりがある意味経営者並みの人材になろうという意味合いだ。
次に、
④地域コミュニティとのHUB機能
を強化し、地域のコミュニティ同士が広くゆるくつながれるようにする。
そうすることで、価値観の合う仲間がもっともっと増えて、良いコラボが生まれやすくなるはずだ。
これは、こちらから仕掛けてコミュニティを形成していくのもそうだし、最近新たに佐久地域にうまれて来たコミュニティと積極的に繋がっていくのもそうだ。
この土台の上に、
⑤トークンエコノミー・シェアリングエコノミー研究所
⑥サクっとスタートアップスタジオ
を立ち上げ、それぞれの自己実現へのチャレンジや、地域の良さを活かしつつ地域課題の解決することにつながればよいと思っている。
ここでいうスタートアップは、それなりの資金調達も必要とする、大きめの起業だ。この段階になると、個々が独立して、力を持っている状態ではないと連携ができないと、感じている。また、資金調達も、もっと滑らかに行える仕組みを実装して行きたい。
そして、
⑦全国のコミュニティのHUB機能拡大
全国にも価値観の合うコミュニティが多く存在している。
それは、自分自身「移働」する中ですごく感じていることだ。
そしてさらに感じたことは、地方のコミュニティ同士は決して競合せず、共創できるということだ。ある地域でやっている面白いことはTTP(徹底的にパクる)に限る。競合せず、むしろ、その地域のそのコミュニティとつながり、交流が生まれる。それはその活動を超え地域をお互い盛り上げていくことになると考えている。
ざっと、こんなことをこれからの3年間で形にし具体的に動かしていこうと思う。そうすることで、100年先も『豊かに生きる』ための環境が、すべてとは言えないが、整うと思っている。
AAKKSKCMプランとコミュニティ農園は両輪の活動
さて、まずリスタートからの1年目は、AKKSKCMプランとコミュニティ農園をメインに実装していく。この両輪は「佐久らしい文化」の根底に考えているものだ。
せっかくなので、iitoco!!アドベントカレンダー2018の中で、この2つの軸の、2019年の動きを紹介&告知していきたいと思う。