コルサ御御足活劇:女王の戯れ
あらすじ:あるフット団のメンバーがコルサに悩殺されていく話です。
注意事項:女装、脚技
本編
時刻は人気の消えた深夜、フット団の支部。とはいえここはビルの一室ではなく、赤土の岩で形作られた洞窟の中だ。この周辺ではとあるアカデミー生達が巨大ガケガニと戦闘を繰り広げていたとも言われているが、それは噂に過ぎない。
「ただいま戻りましたー」
黒ヘルメットにサングラス、水色の団員服を来た男が、満杯のビニール袋を両手にぶら下げて帰ってきた。彼は買い出しに行っていて、重い荷物に息も少し上がっていたが、
「ひえっ!?」
洞窟内の異様な光景に思わず大声を上げた。
それもそのはず。洞窟の内部が仄かなピンク色の光に照らされ、帰りを待っていたはずの団員達は、皆一様に緩んだ表情で、だらしなく口から涎を垂らして倒れていたのだから。
「おかえり、買い出しごくろう!ところで、ここの支部はキサマが最後か?」
団員の声ではないが、男はこの声をよく知っている。喜ぶにはまだ早いと興奮を抑えながら、洞窟の奥を見た。そこに佇んでいたのは、アマージョを模した衣装を身に纏ったコルサだった。妖艶な笑みを浮かべ、布を敷いた展示台の上で長い美脚を組んで座る姿には、まるで女王のような威厳があった。
「は、はい……そうです」
コルサの存在を認知すると同時に、フルーツのような甘い匂いが男の嗅覚をくすぐった。桃色の照明も相まってか、呼吸を深める毎に頭がふやけて、だんだんうっとりする心地になっていく。
「その距離ではワタシをじっくり鑑賞出来んだろう?」
コルサの誘惑的な声色がさらに男の脳みその中を、理性を掻き乱していく。
「ほら、近くに寄って観てもいいのだぞ?」
コルサは手の甲を見せ、男を手招きした。コルサの二の腕から指先まではワインレッドのロンググローブに包まれ、思わず頬擦りしたくなるような光沢を放っていた。滑らかで蠱惑的な指使いに導かれ、男は買い物袋を地面に落とし、ふらふらと歩き始めた。
コルサへ近づくにつれ果実の芳香は強まり、いっそう男を恍惚へと誘う。今の自分はまるで甘いフルーツの匂いにつられる虫ポケモン……いやそれ未満の小さな羽虫だ。男はそう考えたが、むしろ喜ばしいと歩みを止めない。フット団は元からそのような組織だ。その上、倒れた団員達の表情からして、もっとこれから『良い事』が待っているはずなのだから。
コルサの目の前にたどり着いた頃には、男は香りだけで理性の大半を失い、すっかりコルサの色気の虜となった。そんな男が真っ先に釘付けとなったのは、手袋と同じワインレッドのロングブーツを召した御御足だった。ピンクの照明に照り返すツヤが、どうしようもない位になまめかしい。
男が跪く。組まれた右脚に顔を近づけ抱きつこうとすると、目の前の脚が残像となった。
「うがっ」
何の前触れも無しに、ヒールの爪先が男の顎を蹴り上げる。コルサは戯れ半分に、返す踵を後頭部に叩き落とし、前のめりにひれ伏した背中を踏みつけ、体重をかけてじりじりとにじった。
「ンン〜……」
男の背中からは浸透する痛みが、脳からは屈辱と悦楽が全身で入り混ざり、それが彼をやみつきにさせる。己の美脚に見惚れさせ、回避できない距離まで近づけさせた所で、蹴り上げ踏み躙って、自分の思うがままに弄ぶ。選ばれし色気を持つ『強者』のみが成せるその悪戯は、ズルく、それでいて圧倒的だ。
「この変態めが」
コルサは嘲笑した。それですらフット団にとってはご褒美なのだ。
「ワタシの脚を直接堪能したいのなら、最初から遠慮せず言えば良いのだが」
コルサは平伏した男の顔を両足で挟み、持ち上げ、見事なV字バランスを取った。
((脚、コルサさんの脚に挟まれている……?))
そわそわしだす男を一瞥し、コルサは妖しげに口角を上げる。そして次の瞬間、コルサは大胆にも、男の顔を挟んでいた両足をV字開脚!重力に従い、コルサの脚の間を落ちていく男の顔!
((えっ!?))
スカートの中、桃色のズボンがむっちりと張りついた、細くも肉付きの良い太腿が男の視界に迫りくる……が、顔を両膝でサンドされ、魅惑のフリーフォールはすぐに終わりを告げた。
「はぁー、はぁー……」
両膝の中で、男は興奮のままに獣のような呼吸を繰り返す。
「スカートの中が見えた程度でそこまでの動揺、興奮!キサマはじつに揶揄い甲斐がある!」
コルサは男を地面に下ろし、脚を器用に使いくるっと男を180°回した。
((コルサさん、何をしてくれるんだろう))
男が期待を膨らませていると、4の字固めの要領でコルサの左脚が首を挟み、右脚の膝の下に滑り込んだ。
((脚!脚!コルサさんの脚が、直接!!))
男は少しの息苦しさと同時に、魅惑の脚が自分を悩殺させようと絡みついている事に、また胸が高鳴るのを感じ、思わず涎を垂らした。
「ほわぁ……」
胸にのし掛かる脚の、何と美しく色気たつことか。これであの世に葬られるなら、生涯に一遍の悔いもないと男は確信した。
「何をふやけている。お楽しみはこれからだ……ぞ!」
コルサはそのまま男を引き寄せ……おお、なんという光景か!コルサは男の首を内股で挟み、スカートの中に押し込めた!アカデミー生の何かが危険!
「むぐ〜っ!?」
フカフカで白いスカートがピンクの照明を透かし、男の視界を埋め尽くした。そして、先程とは比べ物にならない両腿の肉感と万力のような圧力を感じ、究極の悦楽と呼吸苦で悶えた。
「むご〜っ!むごごぉ〜っ!?」
男はコルサの脚を掴み、足をジタバタとさせて藻がき始めた。悲鳴はスカートの中でくぐもり、その表情は見ることは出来ない。コルサはそれを咎めるようにギリギリと太腿にかける力を強めながら、右手でスカートを押さえつけた。
「ぐぅ〜っ!ぅ〜……」
男の動きが徐々に大人しくなっていき……やがてその身体からぐったりと力が抜けた。コルサは脚の力を緩めてスカートを捲る。そこには、他の団員達と同じく涎を垂らしたまま気を失った男の顔があった。
「……これでこの支部は全員片付いた。」
コルサが開脚すると、男の身体はうつ伏せにばたりと倒れた。本当に気絶しているのだ。
コルサは男を踏みつけて出口へ向かったが、付近に無造作に落とされた買い物袋がふと目についた。迷惑料として貰ってもバチは当たらんだろうと中身を漁り、ロリポップを一本頂戴した。
洞窟の中、甘い香りと桃色の色気に満たされた空間。幸福の中で倒れた多数の団員達の中心に1人、展示台に座ってロリポップを満悦そうに舐めるコルサがいた。