コラさん生存if.4

コラさん生存if.4


ずっと演技をしてた。

怖くないふりしてた。

だって怖いっていっちゃったら、誰かが巻き込まれて死んじゃう。

あの時みたいに。


九年前

あの頃は『明日殺されるかも』、『コラさんの首が転がってるかも』とかの怖い気持ちを表に出してたから、使用人さんに、

「何かが怖いんですか?」

「怖いものがあるならすぐ言ってください」

って言われた時、

『この日々が終わるかも』って考えちゃって、

「怖い…助けて…!」

て言っちゃった。

ドフラミンゴに本当はつかえたくないこと

コラさんが捕まってること

全部話したら、その人は私を連れ出して、コラさんを助ける計画を立ててくれて、

本当に優しい人だった。

でも計画実行当日ってなった時に、

ドフラミンゴの部屋をのぞいたら、

使用人さんの首が転がってた。

慌てて部屋に入ってさ、

「何でその人死んでるの…?」

って聞いたら、

「お前を誘拐しようとしていた」

って返って来た

絶望したよ。

だからもう、

誰にも死んでほしくないから、

「助けて」って言う自分を殺して、

強くなって、

チャンスが来たら、

自分諸共アイツを倒すの。

それが最善の策でしょ?


なのに、

何で、

「隙を見てコラさんと逃げろ!」

ーそれじゃあ意味ないんだよ。

「それなら…力ずくでも連れて帰る!」

ーもう誰も失いたくないから!!

「やめろレイナ!無駄に体力を減らしたくない!」

「うるさいうるさいうるさぁい!!」

ローの行動を読んで、避ければ当たらないギリギリを攻撃して、

攻撃の速さも避けれるくらいに調整して、

ここまでやってもローは行くよね、

でももうヤケクソだ。

「ごめんなさい」

ロビンさんの声?

(あ、やばい)

そう思った瞬間に体に手が生えて拘束される。

そうだ、ハナハナの実の能力は拘束もできるんだ。

「なにすんの?!」

「レイナ!なぜそうまでしておれを止める?」

止める理由なんて、一つしかないよ

「だって、このまま行かせたらロー死んじゃうかもしれないんだよ!?」

「もう誰にも死んでほしくない!」

はぁとため息をつき、ローは話し始めた。

「レイナ、おれは死なないぞ?」

「死んでも生きてやるからな」

(あ…)


十三年前

スワロー島にローとコラさんがいた時、こんな会話をしたことを覚えてる。

「ねぇローは死なない?」

「は?何だよいきなり」

「だって私、家族もみんな死んじゃってるから誰にも死んでほしくないの…」

はぁと、ため息をつかれる。

「レイナ、おれは死なないぞ?」

「死んでも生きてやるからな」

「ほんと…?」

「あぁ」

「じゃあ約束ね!」

「死なないで、ぜったい!」


ローはここまで何度も死にかけてた。

病気になった時も、

頂上戦争に突っ込んでった時も、

パンクハザードで捕まった時も、

その度に生きて、

今、ここにいる。

(それなら信じてみようかな)

「もう暴れないから離して」

拘束がパッと解ける。

「じゃあ、約束ね」

「死なないで、絶対!」

「あぁ」

「それと」

「?」

「私はもうあの頃には戻れないから」

「は?」

ローは戸惑ってるけどこれ以上はなにも伝えない。

後ろを向いて、走る。

振り返らずに、

ただただ、

走る。

この決断が招く結末を

この時の私はまだ知らない。


Report Page