コスプレ冥神街に行く

コスプレ冥神街に行く


 ある晴れた休日の繁華街の通りを小さなざわめきが包んでいる。その中心に居るのは、受肉してお忍びデートに来ていた閉ザサレシ世界ノ冥神(サロス=エレス・クルヌギアス)とその従者(ということに名目上なっている)の青年だ。

 尤も周囲の人々は彼女たちの正体には気付いていない。そもそも冥神の存在すら知らない、信じていない人間が多数を占める。騒ぎのわけは単純に彼女の格好にあった。

(あぁ……恥ずかしい……!)

 髪はツインテールに縛り、服装は谷間が胸元の半ばまで開いたアメスク風。彼女も決して胸が小さい方では無いのだが、敢えてそれより少し胸元のサイズの大きいのを着ているせいで上から覗かれると乳首がチラついてしまう有様だった。上下共に丈は短く、臍は丸見えで太もももほとんど丸ごと露出していた。

 そんな若々しく露出度の高い格好に反して鮮やかな赤色の唇と普段通り着けられている耳飾りは貞淑な印象を放ち、全体として却って下品でアンバランスなエロスを醸し出していた。

 しかも受肉した体の肉体年齢はおおよそ冥界での彼女の外見をほぼ再現して20代後半から30代前半ほど。ただでさえコスプレじみたファッションなのに、そんな熟れた肉体に纏っていたのではコスプレどころか傍目にはもはや痴女にしか見られない。

 強大な神である彼女が何故このような格好をしているのか?その理由は意外というか、隣にいる人畜無害そうな優男風の青年だった。

(あんな風にしょんぼりされたら断るに断れないじゃない……)

 青年は元々は冥神の司る冥界にやってきた死者の一人に過ぎなかったが、ちょっとしたことから彼女と親密になり恋仲にまでなっていた。冥神は彼に心底惚れてしまっていて、そのため彼の頼みを断りきれなかったのだった。今では普段着になってしまったゴスロリを始め、今回だけでなくさまざまなエロ衣装を経験させられていた。

 久々の現世でのデートだったが、格好のせいで周囲の男の視線がじろじろと集まってきてまるで集中できない。

(見られてる…胸、乳首……お腹も嫌ぁ……太ももだって…)

 少し垂れかかった乳房も、ほんのりと色づいた乳首も、油断を隠せない腰回りと太ももも、彼女にしてみれば全て人に晒せるものでは無かった。

 少しでも腕で隠そうとするが、そのたびそれとなく青年に腕を引かれたり抱き寄せられたりで阻止され上手く行かない。

(まさかとは思ったけどやっぱり楽しんでる……!意地悪…!)

 思ってはいても口に出して文句を言うことはない。冥界の女神がこうも惚れた弱みに振り回されるとは彼女自身これまでの数億年の生涯で思ったこともなかったろう。

 周囲の人々が小さな声で囁き合うのが聴こえてくる。

「すっげぇ」「唆る」「エッロ…」

 一方ではそんなふうに品定めをする男どもの声。

「何考えてるの…」「恥ずかしくないのかしら?」「みっともない」

 また一方ではそんなふうに罵る女性たちの声。

 歩を進めるたびにまた別の声が現れては喧騒の中に置き去りになっていく。

 冥神はいやらしい目で見られるたびに少しずつ興奮し始めていた。謗る声が耳に入るたびに恥ずかしさを思い出させられ、それも却って興奮を高めていく。

「乳首勃ってねぇ?」

 聞こえてハッとして胸元に目を向けると、その通り服を押し上げて乳首が主張している。それでもやはり青年は隠させてはくれない。どころか、追い討ちのように胸をまさぐってくる。

「……っ……♡」

 冥神は顔を真っ赤にしてしまう。目は焦点がぶれ始め心ここにあらずという有様で、呼吸は乱れている。

「なんだよアレ。AV撮影か?」

「キッツい格好だけど逆にエロいな」

「どんなプレイ仕込まれてるんだろ」

「雌臭そう」

「色ボケのBBAか…」

「されるがままかよ…マゾか?」

 そんな心無い言葉が微かに聞こえてくる。突き刺さる視線に興奮は止まるところを知らない。

 そうしてしばらく歩いた後、二人は通行人の視線を浴びながらラブホテルに入った。


「エレス様、どうでした?」

 部屋に入るなり青年は問いかける。

「どう…って…恥ずかしかったわ……とても」

 冥神は半泣きで答える。青年は彼女に近づくといきなり下着の上から彼女の秘所を撫で回した。

「んあっ♡」

「それだけですか?本当に?」

 くちくちくちと音を立てながら股間を刺激する。何を答えさせようとしているのか言うまでもないだろう。

「ど…ドキドキしたわ……♡恥ずかしいのに……ジロジロ見られてるのに……酷いことを言われてるのにおまんこキュンキュンしちゃったのぉ……♡」

 青年は満足そうに笑う。

「よく言えました。ご褒美ですよ」

 そして冥神の秘所に指を挿し入れながら力強く圧迫した。

「んひぃぃぃぃぃ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 神の威厳も何もない素っ頓狂な喘ぎ声だった。

「ほら、好きなトコですよ」

 入口から浅いところをぐにぐにと指圧し、同時に指の腹でクリトリスを押し潰してやる。

「ほおぉっ♡おっ♡おっおぉぉぉ⁈♡♡♡」

 まるで吠えるような声を出しながらぷしっ、ぷしっと潮を噴く。みっともなくガニ股になり自分から腰をヘコつかせる。その様はまるで服装さながら頭の緩いビッチギャルのようだった。偉大なる冥神が自分の何百万分の1も生きていない若造の指先一つで手玉に取られていた。

 青年は冥神に腕を上げさせ、腋に顔を近づける。そこにはじっとりと汗ジミができていて、年頃の女性特有の甘ったるい体臭と汗の匂いを放っている。すんすんと軽く嗅いで満足げにすると次は袖を捲らせ、現れた素肌の腋に直に舌を這わせ始める。

「ひゃっ♡ひゃあぁっ♡♡♡」

 冥神は擽ったそうに身を捩る。それでもこれといった抵抗をしないのは、青年が自分の腋を好んでいるのを知っているからだ。

「久しぶりだからかな?すごいニオイですよエレス様。素敵です」

「い、言わないれぇっ♡♡♡♡♡あせくさいワキ舐めながらホメないれぇ♡♡♡」

 青年はそれから冥神の腋に口づけをしたり横乳の方を舐めまわしたりしながら、彼女がへばってしまうまで手淫を続けた。

「おぐぅっ♡♡♡♡♡おぅぅぅ………♡♡」

 ベッドにカエルのように足を開いたまま横たえられた冥神。

 締まりなく笑うそのアヘ顔の上に青年のペニスがぼろんという音を立てながら乗せられた。かなり大ぶりのそれは冥神の顔を横切ってその倍近い長さで、持ち主の穏やかな容姿に見合わない筋ばって血管の浮いた禍々しいフォルムは冥神の白く滑らかな肌と鮮烈なコントラストを形成していた。

「あっ……♡」

「僕ばっかりニオイ嗅いじゃって悪いですから…エレス様もどうぞ。僕だって汗まみれですよ」

 むわ、と熱気と共に臭気が冥神の鼻腔をくすぐる。

「イっ……くぅぅぅぅ♡♡♡♡♡♡♡」

 その濃い雄臭を嗅がされただけで冥神は果てた。腰はガクガクと痙攣し、股間から潮が飛び散ってシーツを汚した。

「れろっ♡ちゅっ♡はむっ♡おいひい♡アナタのチンポらいしゅきっ♡」

 べろべろと舌を盛んに動かして幸せそうに青年のペニスを味わう。美しい顔をみっともなく崩したあまりにも下品な表情に青年は興奮を隠せないようで、彼女を見下ろしながら舌なめずりをする。

 不意に口元に亀頭の部分が差し出されると、冥神はますます嬉しそうな顔になって口に含み、少しずつ喉の奥に飲み込んでいく。青年のペニスは太さも一級品で、下手をすれば顎を外してしまいそうなほどだった。

 ずっぽりと限界まで咥え込み終えた瞬間、勢いよく精液が流し込まれる。

「〜〜〜〜〜っ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 どぷどぷどぷっ!そんな音がするようだった。喉に焼けるような熱が叩き込まれ、栗の花のような匂いが肺を満たした。射精のびくびくという振動が舌と上顎を擦り刺激する。冥神は窒息寸前になりながら性感に酔いしれた。

「もう我慢できません…挿れますね」

 じれったそうに忙しい手つきでゴムをつけると、青年自身が余韻を破るように勢いよく体内に侵入してくる。子宮が亀頭に思い切り殴りつけられる。

「お゛っ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

「っあーっ……カワイすぎますよエレス様!」

 青年は激しく腰を振り立て始める。腰を引くたびにカリで愛液ごと襞が引っ張られ、押し込むたびに弱い箇所が圧迫され打ち据えられる。

 可愛い可愛いと褒めちぎられ、そのたびに子宮がきゅんきゅんと疼く。

「お゛ほっ♡おっお゛ぉぉぉ♡♡♡♡♡」

 冥神が舌を突き出し口を窄めて呻き始めると、青年はすかさずそこに自分の舌を絡めてキスをする。

「んふっ♡ふぅぅーっ♡♡♡♡ふーーっ♡♡♡♡♡」

 垂れ気味の乳房をたぽたぽと手の中で感触を楽しむように弾ませ、少し色の濃い乳首を親指でぐりぐりと潰す。イく瞬間に思い切り乳首を潰されるのが彼女の深イキのスイッチ。ベストタイミングでそれを起動され、膣は万力のような強さで青年を締め付けた。

「んぎゅっ♡♡♡」

 冥神が絶頂の短い悲鳴を漏らすと同時に青年も果てる。

 ずるりとペニスを引きずり出すと、ゴムの方だけ膣内に捕まってしまったようで少し遅れて引っ張り出された。

 青年はそのゴムの口を縛ると、冥神のツインテールの片方の根元に髪飾りのように結える。冥神はまるで素敵な贈り物を貰ったというようなぼうっとした表情をする。

「とりあえず持ってきたの無くなるまでヤりましょうね。無くなったら…神様、作っちゃいますか?」

「…はい…♡」


──数時間後。

「ハイ、チーズ♪」

 パシャリ。青年に肩を抱かれ記念撮影として写されたその写真の中の冥神の姿。

 熟した身体をアメスクに包んで、黒髪ツインテールの根元に使用済みゴムを結え。

 ゴムはさらに膝まで下ろしたパンツと乳首にも結び付けられ、一本は口にも咥えている。

 そして、股間からどろりと滴る白濁。

 あまりにも下品な姿。目元を掌で隠しているこの写真では、彼女を知る者が見たとしても彼女だと気づくことは到底できないだろう。しかし、品の無さ以上に彼女を知る者らの目を眩ますであろうのは…。

(本当に意地悪でエッチな子…。でも……大好き……♡♡♡)

 写真の冥神の浮かべる、長い生涯でも最高級の笑顔だ。

 

 

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