隠しヒロインショウコちゃん
とある日、私はゲーム部の皆から渡されたゲームの試作品を一人で遊ぼうとしていた。
どうやら、彼女達はレトロゲームのギャルゲーに手を出してみたらしい…
『"そこは乙女ゲーじゃないんだ…"』という疑問はあるが、どうやら参考に出来る物が身近にあったらしい…
何を参考にしたかは気になるが、初めて見るとしよう…
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名前を決めた後、ギャルゲーでよく見る様なプロローグを終え、初めてヒロインに出会う所まで来た
はてさて、どんな娘が来るのかな?
『おはよう、〇〇!今日も一緒に学校へ行こう!』
『お、お姉ちゃん、待ってよ〜!』
「"………これ、モモイとミドリだよね?"」
物凄く既視感のあるキャラがヒロインだった…
しかも、主人公の幼馴染だという…
「"あの娘達、自分をヒロインにしたのか…"」
これはゲームだ、現実ではない。
…しかし、現実の知り合い……しかも私の生徒を攻略していると思うと、複雑な気分だ
「"進めようか………"」
正直、嫌な予感がするなぁ…
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「"このギャルゲー、私の生徒達ばっかりだなぁ…"」
ゲーム部、セミナー、C&C、特異現象捜査部、ヴェリタス、エンジニア部、トレーニング部の娘達が勢揃いしていた…
もしかしたら、モモイ達は知り合いのミレニアムの生徒達全員をヒロインにしたのだろうか…
正直、キャラが多すぎる気がしてならない…
ちゃんと扱いきれているのだろうか?
……しかし、一人だけ…一人だけ異彩を放つヒロインが居た
『さて、〇〇さん。今回はどのヒロインの好感度を知りたいのでしょうか?』
………うん、ショウコだ。
この娘は間違いなくショウコだ。
まさか、お助け役として彼女が選ばれているとは…
現実では沢山彼女に助けられて感謝しかない私だけれど、ギャルゲーの中でも助けられる事になるとは…
だからなのか、頻繁に頼ってしまう…
「"的確なヒントもくれるし、どうしても迷っちゃうんだよなぁ…"」
どうやら、そういう所も現実のショウコにそっくりらしい…
思わず、再現度の高さに少し関心してしまう…
『………〇〇さん、実はまだ貴方に教えていない方の好感度があるのです。』
何回もギャルゲーショウコに好感度やヒントを聞きに行っていると、彼女がそんな事を言い始めた?
「"もしかして、隠しヒロインかな?"」
特定の条件をいつの間にか、満たしていたのだろう…
果たして、どんな娘なのだろうか?
もしかして、リオかな?
それとも、最近仲良くしているらしいヒナかな?
そんな事を呑気に考えていた私だったのだが…
『………私ですよ、〇〇さん。』
「"へ?"」
今、何て………
『好感度は100、MAXです。良かったですね、私の√に直行です♪』
彼女にそう囁かれた瞬間、あれよあれよとストーリーは勝手に進んでいく。
そして、最終的に私はショウコと……
『"責任"、ちゃんと取ってくださいね。』
何故だろうか?
ゲームの中のショウコに言われている筈なのに、本当のショウコにそう言われている気がした………
「"今日はもう辞めようか…"」
ほんの少しだけ、ほんの少しだけだけど…
現実のショウコと顔を合わせた時、私はちゃんとした顔が出来るのだろうか?
…そんな不安が頭を過った
終わり
オマケ
「"………う〜ん。"」
「どうしたんですか、先生?そんなに私の顔をジロジロ見て…」
「ああ、ごめんねショウコ。いや、やっぱりゲームよりも、現実のショウコの方が可愛いなって………」
「………先生、貴方はもう少し自分の発言に付いてよく考えた方が良いですよ?」
「"ええっ!?"」
「落ち度ポイント加算ですね…」ボソッ
今度こそ終わり