(※グロエロ注意)ウサギの解剖
「ウサギの子宮は二つあるって話、前にしたよな、真人」
呪力を込めた屠坐魔を真人の下腹部にずぷりと刺し込み、正中線を縦に真っ直ぐ、肉ごと皮膚を切り開く。
「ア゛あ゛あ゛ あ゛あ゛ッア゛ア゛」
真人が悲鳴を上げているが無視だ。
できた縦筋、まるで陰唇のようなそこは腹圧でごぷぷと品のない音を立てて肉と血を吹き溢す。両手の五指を入れて皮を掴む。左右に引き、開いてやる。
「ぎイ゛イ゛イ"イ"イッ!!」
ミチミチと音を立てて開腹され、真人の内臓が露わになった。
鮮やかな赤、瑞々しいピンク、淀んだ赤黒。
それぞれの色の臓器が血でぬらぬらと煌めきながら、真人の身動ぎに合わせてヒクリヒクリと脈動している。
その鮮やかさが、不健康なほどに真っ白い肌、淡い桜色の乳頭を携える柔らかな乳房を一層眩しく飾り立てる。
「ハァ…はぁ…ハァ……」
「治すな。気絶もするな」
ぐちゅり。
瞳孔を瞼の裏へぶれさせ、意識を飛ばしかけていた真人への気付けの意味も込め、乱雑に腹の中身を手で掻き混ぜてやる。
「イ゛イ゛イ゛イ゛イ"イ"イ"イ"イ"イ"!!!!!」
けたたましい絶叫を上げて真人の体がガクン、と大きく跳ねる。
だが腕脚をベッドに括られている真人が逃れることはできない。
ただの縄だ。少し丈夫めな、荷物をトラックの荷台に括る時に使う程度の普通のロープだ。それを千切れるだけの力がもう真人にはない。
腹の中身を触られる痛みだって、以前までの真人ならここまでひどく感じたりしなかっただろう。
「見てろ」
真人の血が真っ赤に滴る掌でその股ぐらをまさぐり血を塗りつけながら、使い込んだ穴を軽く慣らし拡げる。
そしてこんな状況でも濡れる淫らな陰部に、コイツの欲しがる肉棒をブチ込んでやる。
「う゛ッ」
ぐちゅり、ぐちゅり。
深く奥まで挿れて緩く動かしながら、切創の方の裂け目に手を入れ真人の下腹の中身を探る。
「オ゛ッゴッ げ、え゛ッ」
真人は激痛に痙攣しながらついに嘔吐したが、今は真人に苦痛を与えることが目的ではない。
動く手触り。掴んだそれを引き上げる。他の臓器を掻き分け強引に、途中で他の臓器や邪魔な内膜を引き千切りながら上へ、真人に見えるように。
「ほら、見つけたぞ」
抜き挿しされる性器の動きが表から見られる肉袋、奥が二股に別れて膨らんだそれは、真人の膣と子宮だ。
「ぶえ、え、げほ」
口と鼻から血を垂れ流す真人の目はこちらを向いていない。
「ちゃんと見ろ」
子宮の片方を握り潰した。
「ぎゅイ゛ッ」
ひゅっと息を吸い込むような音を喉から立てたきり、真人は声を発さずベッドの上で体を二、三度大きく跳ねさせた。
真人の体からこぼれる血がじわじわと染み出してシーツを染める赤を広げる。
真人は今身籠っていた最中だったような気がするが、どちらの子宮に入っていたかは分からない。握り潰したのは気持ち大きく膨らんだ方だ。ぷちゅりと中で何か潰れる感触はした気がする。
ガタガタ、ガタガタと身体的な痙攣か恐怖か、真人の体は震え続けて止まらない。
「み、見っ、見るッ み、見るから…ァ!」
何度も何度も瞼を落としそうになりながら、やっと真人は必死に開かれた自分の腹の中身を見ようとしてくれる。
「見ろよ、オマエの子宮だ。ちゃんと二股に別れてるだろ?」
膣と二股の子宮を掌で揉むように軽く握りながら真人に見せてやる。
目を見開いた真人はひゅうひゅうと息を漏らしながら涙を流していた。
「認めろよ、真人。オマエはウサギだ」
「…あ、う、…ヴ、おれ、は……ウサ、ギ……」
真人はうわ言のように俺の言ったことを繰り返す。
「だから二つの子宮で重複妊娠もできるし、中出しされたら確実に妊娠する。オマエはウサギだから」
開腹されたまま犯されながら、真人はぼんやりと自分の体の中身を眺めて瞳をふらふらと揺らしていた。
「なんで…… おれのからだ、こんな きもちわるい」
真人はもう術式がうまく使えない。
渋谷での自己認識で体内の一部をウサギに模して作り替えてしまったことに無自覚なことからも分かるだろう。
「真人、どっちの子宮に欲しい?」
膣奥、左右の子宮口に交互にぶつけながら問いかける。
「こっちか?」
「痛いっ! 痛い…!」
握り潰した方の子宮を握りながら子宮口を押し込むと、真人は痛がって泣く。
「じゃあこっちか?」
反対側の子宮口を押す。
「壊れた方の子宮なら孕まずに済むのにな」
「いたいの、いやだ……」
「オマエはウサギだから絶対妊娠するのにか」
幼子のように言葉を漏らす真人は涙を流しながらガクガクと何度も頷く。コイツはこれからできて殺される胎児の命よりも、自分の痛みを和らげることを選んだ。
「……嫌だ!! 嫌だ!! 痛い! 痛い!!」
膣を外側から掴みながら、捩じ込む一物で真人の子宮口を強く叩く。
力づくで押し込み、オナホのように握った膣を扱きながら、子宮口をこじ開けて子宮内に挿入する。
「うう゛ぅ゛ッ!! がぁあ゛あ゛ッ!!」
ぐぼん、と音を立てて狭い子宮口で俺のモノを咥え込んだ真人の子宮を握り、ズルズルと前後させる男根で内壁を叩く。
「痛いいたいいたい!! いやだ! いやだっ!! たすけてぇ…!! 孕…みたくないぃッ!!」
ガクンッガクンッとベッドを揺らすほど腰を跳ね上げ、またシーツに血溜まりの面積を広げていく真人は恐らく、こんな中でも交尾刺激の排卵反応を起こしている。それが真人自身も薄々分かっているんだろう。
「出すぞ、受精しろ」
「やだっ! やだっ!」
そう言いながらも何度も腰をカクカクと上げる真人の体は明らかに子種を欲しがっていた。
「――――」
真人の中に精を注ぐ。子宮をたっぷりと白濁液で満たされた真人の卵子が逃げ切れることはありえないだろう。
「う、く……ぅ……」
性感の興奮が切れたか、余韻でひくひくと体を震わせながら、真人は呪霊の癖に失血で気をやりそうになっているようだ。
ぬちょり、と血まみれの真人の膣や子宮を握っていた手で腹腔内の粘ついた血糊を掬い上げ、ふと思いついて真人の口に運ぶ。
「ん、く……ぅ」
ちゅうちゅう、と乳飲み子のように俺の指に吸い付き自分の血とその他脂や内臓維質混じりのものを一生懸命舐め取る真人が可笑しかった。
フェラも指フェラも教えこんだからか。
触れる口内の粘膜も、時折チロチロと舐めてくる舌も冷たい。
「もういいぞ」
俺がそう声をかければ真人は口を離し、虚ろに焦点の合っていなかった目を閉ざす。
舌から伝う血の赤混じりの唾液は胸に垂れたまま、舌も出したまま。
開きっぱなしの腹も放っておけば治るだろう、と今日はこれで終わりにしてやる。