グエルとミオリネの立場が逆だった世界

グエルとミオリネの立場が逆だった世界


1話

デリングの命令により、教師からデリングからの命令ということは伏せられて

転校生であるスレッタの面倒をみるように言われるグエル

父親に従順なグエルは脱走さわぎを起こさないため、学園の発着場で出迎えるところが出会いになる。


グエル「はじめまして、お前が転校生のスレッタ・マーキュリーか?」

スレッタ「ふえぇっ!? は、はい。その、わ、私はスレッタ・マーキュリーでふ!」

グエル「緊張してるな。すまない。俺は図体がでかいからちょっと怖いよな?本当だったら同性の女子生徒に案内をしてもらう方が良いと思うんだが……」

スレッタ「い、いえ、そ、そんなこと、ない! です。私、その、が、学校とか、はじめてで、こうやって、同い年くらいの、人、とも、話すこと、めったに、なかった。から」

グエル「そうか、そうしたら、慣れるまで俺と喋る練習をしてくれ。俺もちゃんと話をしてくれる奴が出来ると嬉しいからな」

スレッタ「あ、はい!」


学校の施設の説明や、学校に通う生徒の特長などをしっかりとスレッタに教えて、面倒ごとに巻き込まれないように教えてくれるグエル。

そんなグエルにスレッタのポンタポイントはぐんぐん上昇していく。が、民度が終わっているアス校の実態に不安にもなる。


グエル「スレッタは水星出身だからスペーシアンだ。だからアーシアンにはなるべく関わらないように気を付けろ。それから申し訳ないが、お前を推薦してくれている企業の格はそれほど高くないから、なるべく上位格の企業の子息とはあまり問題は起こさないように注意しろ」

スレッタ「アーシアン? 地球生まれってことですよね? でも、なんで地球生まれの人とあまり関わっちゃいけないんですか? も、もしかして、すごく怖い人とか!? 釘バットを振り回したり、鎖を振り回してお金を出せって脅してくるとか!?」

グエル「それはアイツだけ、いや、そういう怖い奴はいない。いや、一人いるが、悪い奴ではない」

スレッタ「え、じゃあ、なんで関わり合いになっちゃだめなんですか?」

グエル「他のスペーシアンから目を付けられるからだ。平和に学園を卒業したいと思うなら、あまり関わらないようにした方が良い。だから、この案内が終わったら、俺とも少し距離をおいた方が良い」

スレッタ「え? ど、どうして、ですか?」

グエル「俺にはアーシアンの友人がいるからだ。お前を巻き込みたくない」

スレッタ「………い、いや、です」

グエル「え?」

スレッタ「グエルさんは、アーシアンのお友達のために、面倒なことになってもいいんですよね? それは、間違ったことじゃない。と、思うから。だから、私も、間違ってないと思ったら、アーシアンの人と関わり合いになります」

グエル「そうか………分かった。じゃあ、連絡先を交換しておいてくれ。何かあったら、すぐに俺に連絡しろ。いいな?」

スレッタ「あ、はい………ふふ。やりたいことリスト。一つうまりました」

グエル「やりたいことリスト?」

スレッタ「はい、学校でやりたいことのリストです。友達を作って、連絡先を交換するの、夢だったんです」

グエル「そうか、たくさん叶うといいな」

スレッタ「はい!」

きゅうううう!(お腹のなる音)

スレッタ「は、はっ。す、すみません!失礼しました」(恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい)

グエル「腹へったよな。気づいてやれなくてすまない。そうだ。良かったらごちそうさせてくれないか?」

スレッタ「え、い、いんですか?」

グエル「ああ、こっちに来てくれるか?」


野菜を育てる温室と、その隣には調理室がある。

温室で野菜をとり、調理室で手早く調理するグエル。グエルの様子を見て、スレッタは関心した様子で見ている。

グエル「お待たせしました。採れたてトマトとニンニクのパスタと、トマトいっぱいサラダとトマトのオニオンスープ。デザートのフルーツトマトとクリームチーズのパルフェです」

スレッタ「す、すごい! グエルさん。魔法使いみたいです! 私、食べ物が作られるところはじめてみました!」

グエル「そ、そこからなのか……!?」(店員の真似をしてウケを狙ったのに外して恥ずかしいと思ったが、スレッタの育ちに愕然としている)

スレッタ「い、いただきます!………(ぱああああっ!)」あまりのおいしさに震えている

スレッタ「おいしい。おいしいですぅううう!私こんなおいしいもの生まれて初めて食べましたぁああ!」あまりのおいしさに泣き始めている

グエル「え、ちょっと、そこまでか? ちゃちゃっと作った簡単な料理なんだが……」嬉しい

スレッタの涙や鼻水をふきんでふきとってやるグエル。泣きながらグエルのご飯を食べつづけるスレッタ。その二人の元へ、ミオリネ・ジェタークが舎弟と弟を連れてやってくる。

ミオリネ「へぇえええ。私という婚約者がありながら、女といちゃつくなんて、いい度胸じゃない。グエル・レンブラン」

グエル「み、ミオリネ!」

スレッタ(お、おひりあい、でふか?)まだ食ってる

ミオリネ「食べながら喋ってんじゃないわよ。この間女!」

スレッタ「ふ、ふみまへん」でも食ってる

ミオリネ「ちょっとグエル! 浮気するにしたって、もっと品のある女にしなさいよ! なんなのよこのくしゃくしゃ頭の田舎丸出し女は!?」

グエル「やめろミオリネ。そんな言い方はよくないぞ。その、スレッタは、その、まだあまり俗世に慣れてないんだ……」目をそらしながら

ミオリネ「目を合わせてもの言いなさいよ!ったく、というか、浮気を否定しないってことはそういうことなわけ?」

グエル「そ、そんな、こと………」ちょっとスレッタを横目に見て頬を染めるグエル

ミオリネ「喜色悪い反応してるんじゃないわよ!」

まだ手をつけられていなかったトマトパフェを横取りするミオリネ

スレッタ「!?」食ってる

グエル「あ、ミオリネ!それはスレッタのために作ったパフェだ!返してくれ」

ミオリネ「ふん、婚約者のあんたの作ったものはあたしのもの。あたしのものはあたしのもの。よって、このパフェはあたしのものよ!」

言いながらパフェを喰うミオリネ

ミオリネ「~~~~~~っ!」あまりのおいしさにトロ顔になるミオリネ

ラウダ「ちょ、姉さん!?」

スレッタ「~~~~!」

パフェを盗られた怒りにかられ、ミオリネに頭突きをしようとするスレッタとそれを止めるグエル

グエル「止せスレッタ! 後でまた新しく作ってやるから!」

ミオリネ「ふん! そんなことは永遠にさせないわ! グエル。あんたはこれから私のジェターク寮に入ってもらう。これからうちの寮の専属シェフとして私のために料理を作らせてあげる。ついでのその気弱な性格を私にふさわしいジェントルマンになるように調教してあげる!」

スレッタ「そ、そんこと……させません!」

ミオリネ「ふん。ここではね。欲しいものは決闘で勝ち取るものだって決まっているの。つまり、あんたがこのパフェをまたこいつに作ってもらうには、私と決闘して勝つしかないのよ」

スレッタ「……だったら、やります! 私、貴方と、決闘します!」

グエル「お、おい。スレッタ!やめろ」

ミオリネ「ふん。面白いわね。あんたが負けたら退学してもらうわよ」

スレッタ「はい! それで、何で決闘をすればいいんですか!?」

ミオリネ「何するのかわかんないのに、喧嘩売ってきたの? どんだけ馬鹿なのよあんた!?MS戦よ!」

スレッタ「MS戦……だったら、絶対負けません! グエルさん! パフェを作って待っていてください!」

グエル「お、おい。スレッタ」

ミオリネ「絶対負けないですって!?言ったわねこの赤狸! 絶対ほえ面かかせてやるんだから!」


決闘タイム

ラウダ「姉さん。あんな狸女の決闘を受けるなんて……」

ミオリネ「ふん、あの田舎ものに都会の俗世の理を教えて調教してやるわ! これが終わったらグエルに祝勝のトマトパフェを作らせて、あの女の目の前で食べてやるんだから!」



グエル「スレッタ。ここで待っててくれ、俺がMSの発進許可をとってくるから」

スレッタ「あ、はい」


グエル(すまない。スレッタ)

スレッタを騙して格納庫に置き去りにしてエアリアルに乗り込み、決闘場へ向かうグエル。

スレッタの実力を知らないので、スレッタが退学にならないように自分が決闘を受けるつもり。


グエル「お前もすまないな。でも、スレッタを退学にさせないためなんだ。力を貸してくれ」


決闘場


ミオリネ「来たわね。水星産赤狸。へえ、なかなかいい感じのMSね。いたぶりがいがありそうだわ」


決闘委員会のラウンジ

シャディク「両者、公顔」

ミオリネ「って、グエル!? なによ。あの女逃げたの?」

グエル「ちがう。ここに来たのは、俺の意思だ。ミオリネこの決闘は俺が受ける。条件も、俺が引き継ぐ」

ミオリネ「ふぅん。あの女を庇って来たってわけ? で、あんたが負けたらどうすんのよ?あたしに何をしてくれるってわけ?」

グエル「俺が退学になる。そのあとのことも、お前の言われた通りにする。だから、スレッタのことは放っておいてやってくれ」

ミオリネ「数時間前に出会ったばっかりの女に随分な入れ込みようね。まぁ、いいわ。その条件のんであげる。シャディク決闘相手を変更して。とっとと決闘を初めてちょうだい」

シャディク「了解、それでは決闘の口上を」

ミオリネ「勝敗はMSの性能のみで決まらず」

グエル「操縦士の技術のみで決まらず」

ミオリネ・グエル「「ただ、結果のみが真実!」」

シャディク「フィックスリリース!」


グエル(スレッタのMSをあまり破損させるわけにはいかない。なら……距離を取りつつ、ブレードアンテナを狙う)

ミオリネ「とか考えてるんでしょうけど、甘いわよ!」

ビーム射撃を受け止めつつ、ミオリネのディランザがエアリアルに正面から接近する。

ミオリネ「そんな攻撃、ディランザの装甲にしてみれば小便みたいなものよ! 真正面から叩斬ってやるわ!」

ラウダ「姉さん。言葉が下品すぎる」

グエル「お前ならそう来るだろう。ミオリネ」

ディランザの突進の勢いを乗せた槍の斬撃をぎりぎりまでひきつけ、エアリアルを半回転させ攻撃をかわすグエル。

そのまま一気にビームサーベルを起動させ、ディランザのブレードアンテナを切り落とそうとする。

ミオリネ「はぁ!?んの、小癪な真似してんじゃないわよ!」

グエルの狙いに気づいたミオリネはその攻撃を槍の柄をエアリアルの胴にたたきつけ、吹き飛ばすことで逃れた。

しかし、胴を狙った攻撃をグエルはビームサーベルで防いでいた。

攻撃の衝撃は大いに減らされ、更に、柄は焼き斬れた。

ミオリネ「っち、なかなかやってくれんじゃない。でも、ここまでよ!」

グエル「っく!」


アラームが鳴り、ハロバイクに乗って侵入者のスレッタがエアリアルとグエルの元へ駆けつける。

スレッタ「グエルさん!もう、勝手に私のエアリアルに乗らないでください!」

グエル「す、スレッタ! すまない。でも、俺が戦えば、お前は退学にならずに……」

スレッタ「ならないです! エアリアルと私は、あんなのに負けません!」

ミオリネ「あんなのですって!? シャディク! 決闘相手を再変更よ!」

シャディク「りょ、了解したよ。ミオリネ」

スレッタ「私は、勝って、グエルさんのパフェを食べるんです!」

ミオリネ「パフェをおいしく食べるのは、私よ!」

ビームサーベルでそのままミオリネのディランザのブレードアンテナを狙い、エアリアルの腕を振り上げるスレッタ。

それに対し、ディランザの銃砲でカウンターをしかけようとしたミオリネだったが、エアリアルの攻撃の方が早く、ブレードアンテナは切り落とされ、それと同時にディランザのブレードアンテナに取り付けられていた飾りの羽が決闘場に舞い散った。


スレッタ「勝った! 勝ちましたよグエルさん! 早く帰ってパフェを食べましょう!」

グエル「その、スレッタ。言い忘れていたことがあるんだが」

スレッタ「はい?」

グエル「その、この学園一のモビルスーツのパイロットは、ホルダーと言ってな。そのホルダーは、その、俺の花婿になることが決められているんだ」

スレッタ「は?え?花婿?でも、グエルさんは男の人ですよね?」

グエル「ああ、男だ。でも、父さんがそう決めたから、俺は花嫁なんだ。そして、お前がさっき倒したホルダーがミオリネだった。ミオリネを倒したことによって、今、お前がホルダーになった」

スレッタ「え、ええ、じゃ、じゃあ?」

グエル「ああ、お前が、俺の花婿になったんだ」

スレッタ「ええええええええええええっ!?」


エアリアルのガンドアームは展開されていないので、まだエアリアルはガンダムだとバレていません。




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