グエルとミオリネの立場が逆だった世界2
2話
ミオリネとの決闘の後、格納庫へ戻って来たグエルとスレッタ。
グエル「そ、その巻き込んでしまったすまない」
スレッタ「あ、い、いえ。だって、私が勝手にやったことですから。私のほうこそごめんなさい。その、私のせいで、ミオリネさん?の婚約者じゃなくなっちゃって」
グエル「は?どういう意味だ?」
スレッタ「あの、グエルさんは、ミオリネさんのこと好きなんじゃ……」
グエル「いやいやいやいや!」食い気味
スレッタ「っひ!?」
グエル「あ、すまない。でも、俺があいつを好きなんてあり得ない。寧ろ婚約者でなくなって大いにほっとしているところだ」
スレッタ「そ、そうなんですね……」
グエル「その、それよりも。お前の方が嫌なんじゃないか?俺と、ここここここここ婚約者になっちまって」顔真っ赤
スレッタ「そ、そそそそそんなほひょありまへんよ!?」顔真っ赤
グエル「いいのか?婚約者だぞ? 婚約者っていうのはあれだぞ? 将来俺と結婚することになっちまうんだぞ!?」
スレッタ「あ、しょしょしょしょしょにょ、ひ、ひましゅぐひゃひょわりりほすほど、ひょっとふえるはんをひってひへへふぁ、ひょの………」
キャパオーバーでオーバーヒートし、倒れてしまうスレッタ。
グエル「す、スレッタ!?」
ニカ「大変、大丈夫?」
グエル「皆来てたのか?」
格納庫には地球寮の面々が集まってきていた。
マルタン「うん、グエルが決闘するって知って、皆で駆け付けたんだよ。そしたら、その子が困っていたから。ハロバイクの乗り方を教えてあげたんだ」
グエル「そうだったのか、面倒かけてしまってすまないな。それからありがとう」
チュチュ「礼なら言葉よりも料理で返してくれよ。今日こそトマトが入ってない料理作ってくれよ」
グエル「……デザートがトマトパフェでいいならいいぞ」
地球寮は餌付け済み
このお話ではグエルは野菜の試食と料理の試食をしてもらうかわりに地球寮のお食事係をしているよ
料理には必ずトマトが入っていて、みんな若干うんざりしているけど、美味しいからうんざりしながらも食べてくれるよ
ヴィムに呼び出されたミオリネ
ヴィムの右手が振り上げられ、ミオリネの頬を打ち据えようとする前に、ミオリネは体を後ろへ引いた。
ミオリネの顔があった宙を空しく掻いたヴィムは自分の張り手を避けたミオリネをねめつける視線を強くする。
ヴィム「貴様、どういうつもりだミオリネぇえええ!?」
ミオリネ「それはこっちの台詞よクソおやじ。嫁入り前の娘の顔を傷ものにするつもりなの?」
ヴィム「親に口答えするんじゃない!」
ミオリネ「親ねぇ、それも、今日で終わりよ」ぱちん!
ミオリネが指を鳴らすと、黒服の男たちとラウダが部屋に入ってくる。
ヴィム「な、なんだ貴様らは!?」
ミオリネ「ヴィム・ジェターク。あんたにはジェターク者CEOの座を降りてもらうわ」
ヴィム「な、なんだと!?馬鹿な冗談はやめろ!お前たちも小娘の言うことを何故きいている!?」
黒服ズ「………」
ミオリネ「無駄よ。そいつらは私の許可なく喋ることはないわ」
ヴィム「っく、何故だ!?どうしてお前がそんな権限を持っている!?」
ミオリネ「おじい様よ。あんたにジェターク家を任せていたんじゃ、家が潰れるって、おじい様は私が物心ついたときから経営学や処世術といった帝王学を叩き込んでいたの。私がいつ跡取りになっても問題ないよう、社内の根回しも一緒にね。本当だったら、おじい様が亡くなった後、すぐにでもアンタを蹴落としてCEOになる筈だったんだけど、私にはドミニコス隊のエースパイロットになるっていう夢が出来たから、そのための時間を作るために、あんたを据え置きしていたのよ」
ヴィム「な、なんだとう!?」
ミオリネ「まったく、本当に救えない奴よ、あんたは、CEOになるために実の兄や実力のある社員を暗殺したなんて、教えてあげたときには、おじい様もそれは落ち込んでいたわよ」
ヴィム「そ、それなら、何故今になって………まさか!?」
ミオリネ「そうよ。あんたがデリング総裁を暗殺しようとしたことはもう分かっている。あんたが部下に手配させたつもりになっていた爆弾も仕掛けられてもいない。でも、音声と動画はきっちりと撮ってあるから、証拠は十分にあるわ」
ヴィム「っく!くそ!私をどうするつもりだ!?地球に送りつけるつもりなのか!?」
ミオリネ「アンタにはちょっとテスターをやってもらうわ。ま、死ぬよりはマシでしょ?死んだ方がマシかもしれないけど連れて行きなさい!」
黒服「はい!ミオリネ様」がしぃ!
ヴィム「くそ!離せ!やめろ!クソ!ミオリネ!覚えていろ!必ずお前を殺してやる!殺してやるぞおおおお!」
ラウダ「大丈夫?姉さん」
ミオリネ「大丈夫よ。それよりも、これから忙しくなるわ。頼りにしてるんだから、よろしくねラウダ」
ラウダ「うん。任せてよ姉さん」