クルー と いっしょ! に!

クルー と いっしょ! に!


怒られるホビローさんと一緒に買い物するクルー(というかイッカク)の話。

時系列的には実は次の「センゴク と いっしょ!(余計なものも添えて)」の後になる。七武海に成って暫く経ってる。三人称視点。











 七武海となって以降、基本的に『キャプテン』の定位置は旗上げ組(特にベポ)か、ジャンバールの頭の上である。深海を潜る潜水艦の内部は基本的に薄暗い上、ジャンバールが普通に生活できるだけのサイズ感で作られている船は抱えられる『キャプテン』と比較するとかなり広く、そんな中を歩いていれば普通に蹴り飛ばしかねないし危険だとジャンバールが言ったためである。衛生面でも軽率に床を歩かせた足で机の上に乗せる時にいちいち足先を拭くのは面倒ではないか? という意見が出たのもあり、結構『キャプテン』はクルーの誰かしらの頭の上で一緒に移動していたり、何なら大抵のクルーが被る帽子と“シャンブルズ”して移動するようになった(クルーが帽子を被っているのは身バレ防止が最優先で“シャンブルズ”用ではないのだが)。


 勿論、この移動方法は最初からではなかった。ジャンバールが来るまでは普通に『キャプテン』も床を歩いていたし、クルーの誰かしらとほぼ四六時中一緒に行動……なんて事は特になかった。『キャプテン』はオモチャ化の弊害で眠れなくなっているので、周囲の警戒の為起きている夜番のクルーの話し相手になっていたりしている事はあれど、昼は比較的1人を好んで行動していた。それが今のように誰かの頭の上にずっと居るという状況が続いているのは、言い換えればジャンバールの事を引き合いに出して言いくるめてでも誰かの頭の上に居てくれないと困る事が増えたためである。


 何故かと言えば。






「あーっ『キャプテン』またそのままの格好で!」

「しかも1人!!」


 ……、と雪の吹き荒ぶ島に上陸するためのタラップを渡ろうとしていたところで動きを止めた『キャプテン』を、慌てて追ってきたクルーが抱え上げた。既に雪にまみれ始めているユキヒョウの姿にせっせと雪を払いつつ、船内へ戻るクルーが苦言を呈す。


「必ず誰かと同伴って言ったじゃないですか! あと服か目立つアイテム付けてって!」

『・-・ ・- -・・ ・・- ・-・・ ・・ -・・-- -・-・・ --・・- ・・- ・・-- ---- ・・-・・ ・・ -・・-・ -・-・ ・・-・- -・--- -・--・ -・ ・・ ・-・-(無い方がユキヒョウの子供に見えるだろ)』

「帽子被ってる時点で野生には見えませんから!」

『……-・ --・-・ ・-・・ -・-・(確かに)』

「おいそれ言っちゃ次から『キャプテン』脱いで行っちまうって」

「あっ…と、とりあえず『キャプテン』どこか行きたいならおれ達ついていきますから! 一人ダメ絶対!!」


 左右からサラウンドで言われた言葉に『キャプテン』はフンと顔を背け――しかしその尻尾と耳がへにょ……とへたり込んでいるのを見て、クルー2名はこっそり顔を見合わせた。態度を体の末端が裏切っている様子に何とも言えず、互いに心配げな表情を浮かべる。


 最近、『キャプテン』の単独行動が加速していた。勿論七武海として命令された事をこなしている間は旗上げ組と共に居るが、潜水中やハートの海賊団としての知名度が薄い島に上陸した時は本当に気をつけていないとすぐ『キャプテン』を見失うのである。船の中に居るなら良い、問題は1人で島に降りてしまった時で大抵大慌てで探す羽目になるし、そういう時の『キャプテン』は気づけば船に戻っているという状態で見つけられないのだ。それが片手の数を超えかけた辺りでペンギンの雷が落ちたのだが『キャプテン』は聞く耳を持たず、それどころか更に隠蔽度が悪化したため船内に居る間はクルーの頭の上が定位置になったのである。流石に頭の上から重みが消えれば分かるからだが、それでもこうしてちょっとの隙に1人で出ていこうとするので、実のところ今回のように止められたのはぎりぎり半分といったところというのが現状だった。


 見つかった以上は諦めたのか抱え上げられた腕の中でぷらーんと脱力しきって動かなくなった『キャプテン』に何も言えなくなって、見つけたクルー2名は足早に船内へ戻った。そうして船内を探している他のクルー達に見つかったと声を掛けつつ、とある部屋へ連行する。その部屋に居たのは様々な『キャプテン』サイズの服が入れられたタンスの前であーだこーだと話し合いながら服を取り出しているシャチと唯一の女性であるイッカク、そして――仁王立ちしたペンギン、だ。


「――『キャプテン』。おれは、言いましたよね。次1人で行こうとしたら罰受けてもらいますよって」

『……』

「つぶらな瞳で見上げてきてもダメ! 罰として思いっきり着飾られてきてください! イッカク、止めねぇから思う存分やれ」

「はーいえへへ『キャプテン』いーっぱい可愛くなりましょー!!」

『……---・- -・-・・ -・-・ --・-・ ・-・-(好きにしろ)』


 可愛こぶる……というよりあれは本気でやるのかという遠い目じゃないか? と『キャプテン』を手渡したクルーは思った訳だが、ペンギンが言うには「(やめてという)懇願」の視線を振り切りイッカクが嬉々として服をあてがい始めた辺りで『キャプテン』は抵抗を止めた。そのままとっかえひっかえファッションショー状態で色んな服を着せ替えさせられるまま服を身に着け始める『キャプテン』を見に暇なクルーが覗きに来るのを眺めるシャチが、呆れたようにペンギンへ言った。


「というかめっちゃあるじゃん『キャプテン』用の服……こんなになってたっけ」

「皆自費で布やら糸やら買ってくる上に暇かつ手の器用な奴が要望書見ながらちまちま作ってた結果がこれだぞ。お蔭でおれ達のツナギのほつれ直すスピードが速くなったぜって作りかけの超複雑な服手元に置きながら自慢された時はお前一体どこにいこうとしてるんだと言いかけた」

「へーんどれどrいや待ってゴスロリとかあるんだけど? 『キャプテン』が着るには難しいだろこれ! つか誰の趣味!?」

「ところがどっこいこれボタンで留めるだけの簡単設計だから着脱しやすいやつだぞ。むしろそっちのチャック式とか『キャプテン』が好みそうなシンプル系は小さいボタン多数とかで手伝わないと着れないやつばっか」

「何でまたそんな振り分け……」

「『キャプテン』がシンプル系は着せろってお願いしてくれねぇかなっていう製作班の下心&『キャプテン』が好まない系は着せられる=罰だからせめて脱ぎ着しやすいようにしとこうという良心のマリアージュ」

「あー……」

「ちょっとそこで駄弁ってる男子2人デコるの手伝いなさいよ! 時間減るでしょ!」

「「へーい」」


 往々にして、女性は人形遊びや着飾る事が好きである。イッカクもその例に漏れず、鋭い声で飛んできた矛先に逆らわず2名も『キャプテン』に小物を付けたり動きやすいように裾を調整したり……と手伝い始める。暫くすれば存分に着飾られた『キャプテン』ができあがり、満足げに息を吐くイッカクの後ろで男クルー達はおおー、と感嘆の声を上げることになった。


 今の『キャプテン』は、一言で言うと「ユキヒョウの王子様」然とした格好になっていた。きらびやかな軍服っぽい見た目の服は王族らしく一見高そうなイミテーションがそこかしこに付いているし、いつも被っている帽子を改造したかのような形になっている王冠もベースの白に追加された金と赤が服と合わさり如何にも傅かれる側であるという印象をクルー達に与えた。最後に上から着せられた厚手のマントも相まって、雪国の動物の皇太子にも見える。……当人の目は心なしかくすんでいたが、クルー達はとりあえず『キャプテン』を映像電伝虫で撮る事を優先したためスルーされていた。


 暫くパシャパシャと写真を取られた後、着飾られ完成した『キャプテン』をイッカクはひょいと抱え上げる。きょと、とイッカクを見上げた『キャプテン』にニッコリ笑ったイッカクは『キャプテン』を抱えたまま(『キャプテン』にとっての)死刑宣告を告げた。


「それじゃ『キャプテン』、一緒に外行きましょ!」

『!?』

「外に出たかったんでしょ? 私が一緒に行けば万事解決じゃない! 私も買いたいものあるし、『キャプテン』も外出できるし、いい事でしょ?」

「……あ、『キャプテン』ちなみにイッカクが『キャプテン』連れ歩くの罰の一環なんで諦めてくださいね。最近多すぎますよ1人で行っちゃう事」

『……』

「誰かと一緒に行ってくれるなら問題ないって言ってるのを無視してるのは『キャプテン』ですからね。これぐらいで直ってくれるとは思ってませんけどまだやるなら『キャプテン』が本気で嫌がりそうな恰好させますから」

「……『キャプテン』、ペンギンだいぶ怒ってますからね。おれもですけど」

「この格好でわたしと一緒に居る事がこの島での行動で『キャプテン』が行動する時の条件ですからね!」

『……-・- ・-・・ ・--・ -・(分かった)』


 いつの間にか表情が欠け落ちているペンギンに、抵抗しかけた『キャプテン』の手が止まる。そのまま連れていかれた『キャプテン』を見送って、ペンギンとシャチはため息を吐いた。


「……止めると思う?」

「躊躇いはするけど止めはしないだろ。どう見たってストレスが故の行動だし」

「あーもー……そんなに頼りねぇかなおれ達」

「……やっぱり強行突破するべきか?」

「待て待てこれに関しては話すの待つっておれもお前も意見一致しただろ! 気持ちは分かるけどいい加減バインダー離せ! 変形してるから!!」

「でもどっかで踏み込まないと話さねぇぞあれ絶対。『キャプテン』だって――ローだって、分かってるだろ。本当に元に戻りたいなら、おれ達に自分が持ってる情報を……ドンキホーテ海賊団に居た頃の話を、なんならそれよりも前の事も、話さなきゃならない事ぐらい……」

「……分かってるだろうけどさ。でも絶対、今のローじゃ無理だ。このまま静かに情報集めて準備できたなら別だっただろうけど……






 ――一番の天敵(ドフラミンゴ)に対面しちまったんだ、動揺するのは仕方ねぇだろ」






◆◇◆◇






「あーっ、これ可愛い! これ丁度良いサイズじゃない!?」

『……・-・・・ --- -・-・ -・・・ ・- ・・・ --・- ---・ ・・(おれには要らねぇぞ)』


 島の商店街に足を踏み入れたイッカクが足を進めたのは、服から食器、小物まで様々なものを取り扱っている雑貨店だった。存分に着飾った『キャプテン』を抱え、どこぞのお嬢様もかくやと言える程の服に身を包んだイッカクは、今は所謂人形遊びをする時に使える小物類が置かれたコーナーで『キャプテン』に手に取ったマグカップを持たせてみたりしながら色々物色していた。傍から見ても「お人形遊びをする可愛いもの好きの女性」に見えるようで、イッカクが手の中のオモチャに話しかけていても特に反応される事もなく(少し引かれているかもしれないが)、故に『キャプテン』の手が抱きかかえる手をぽふぽふ叩いていても気づかれる事はなかった。実際この手は『キャプテン』自身が何かを見ながら買いたい時によく使う手で、オモチャが見える形で行動する際はイッカクか、最近モフモフしたオモチャ好きという外付け設定が追加されたベポが抱えている事が多かったりする。閑話休題。


「わたしの買い物はすぐ済んじゃうし、前からあの部屋にマグカップが足りないと思ってたから丁度いいわ……これ買おうかしら」

『-・-・・ -・--。・・-・・ ・- ・・- ・-・・ ・-・・・ --- -・・・ --・-・ ・・・- --・-・ ・・ --・-・ --・- -・--- ---・ ・・(聞け。というかおれは食事しねぇぞ)』

「わたし達が食事してる時、食べれないとはいえあなたの前に何も置かれていないのは寂しいもの。1つ食器が増えるぐらい……うん、ペンギン達も駄目って言わないでしょ! これも罰の一環だし、もっと他……『キャプテン』でも好みそうなもの……」

『……・-・・・ -・・- -・--- ・-・……(お前な……)』


 『キャプテン』の言葉にそのまま答えられる訳でもないので独り言っぽく呟くイッカクの言葉に、『キャプテン』は思わずため息を吐いた。ちなみに「あの部屋」とは、『キャプテン』用の服があるように『キャプテン』のためにとクルー達がちまちま買ってきた『キャプテン』サイズの家具やらが置かれた部屋だ。『キャプテン』の部屋、というか船長室はあるのだが「人」が使っていないので殺風景だし、『キャプテン』には大きすぎるため、それならとクルー達が上陸の度にオモチャでも使えるサイズの家具や道具を買ってくるようになった結果出来上がったものともいう。クルーの趣味だったり『キャプテン』が好みそうなものだったりとバラバラに買ってくるためだいぶ雑多な小部屋となっているのだが、イッカクが持っているマグカップは『キャプテン』の好みのシンプルな物だった。しかも子ユキヒョウが持てるサイズではあるが人が使えるサイズのそれに、意図を汲み取って何も言えなくなったというのもあり、『キャプテン』は抗議を諦めたのである。それを感じ取って、イッカクは苦笑した。


「……『キャプテン』。わたし達は、楽しみにしてるんですからね。一緒に食事する事」

『……--・-- --・--(ああ)』

「『キャプテン』がこの話題避けてる事ぐらい分かってますからね。本格的に敵の情報手に入れ出してから『キャプテン』が不安定なの知ってますけど、建設的な話しましょ? 戻った後にしたい事とか。どんな姿なのかなぁ『キャプテン』の人の姿……」

『・-・・・ -・・- -・--- -・・・ -・-・・ -・-・・ -・ ・- ・・-・・ ・-・・・ -・・-・ -・- ・-・ ・- ・・-- ・-・・(お前は聞きたいと思わないのか)』


 主語のない言葉に、一応人が近くに居らず声を潜めての会話をしながら動いていたイッカクの手が止まる。先程籠に入れたマグカップと同系統のシンプルな食器を持っていた手をそのまま元の棚に戻し、腕の中の『キャプテン』を反転させて目を覗きこんだイッカクは、その主語――不安定になっている原因、『キャプテン』の過去に関わる話を聞きたいのかという疑問に、静かに首を振った。


「わたしは、聞きません。……真っ先に聞くべきは、旗上げ組だと思いますし」

『……---・ ・・- ・-・・(そうか)』

「今、より不安定になってるのは、会っちゃったからって聞きました。だから動揺してるんだろうって、……シャチが」

『-・・- --・--、--・-・ ・・-・ -・・・、-・ ・- -・・・- ・-・-・ --・-・ -・ ・-・・ ・・・ ・-・……(まぁ、シャチは、対面したからな……)』

「あの3人はずっと待ってますよ。わたし達もですけど……本当に動く事になったら、メインで動くのはあの3人でしょう。万全に動くなら、あの空飛ぶピンクから何も言われても動揺しないように、ある程度の事は聞いてないと困りませんか。だから、聞くべきはあの3人からじゃないですか?」

『……---・ ・・- -・ ・・ ・-・(そうだな)』

「――ま、わたしは聞けたらでいいですし、今はショッピング楽しむだけですけどね! 『キャプテン』も気になるものないんですか? 最近1人で島に降りてたなら特に買い物とかできてないでしょう?」

『-・-・・ -・-・ ・-・ -・--・ -・・-・ ・・-- ・-・・……(気になる物か……)』


 話の流れを修正し、雑貨店を練り歩きながら告げられた言葉に『キャプテン』が不自然じゃない程度に店内をきょろきょろと見回す。元々『キャプテン』の物欲は知識欲由来の本が中心で、それ以外はとんと何も買わない。三大欲求どころか衣食住の内2つも機能していない『キャプテン』が、本以外で何か興味を持てそうなものがないか探してきてほしいというのは出る前にシャチから告げられた事の1つだった。とはいえそんな都合よくあるかしら、と小物中心のコーナーから服飾コーナーへ足を踏み入れた時だった。


『……・- ・--・ ・-・・ ・・・-、---・ ---- -- ・--・ ・-・-- ・・・- ---(イッカク、そこ寄ってくれ)』

「! 何かありました?」


 ぽす、と叩かれた腕にその視線を追うと、その先に会ったのは帽子が所狭しとかけられていた。近寄って、イッカクはその並ぶ帽子の中に『キャプテン』が被っている帽子に似た模様のキャスケット帽があるのを見つけた。成人男性が被ると丁度いいぐらいのサイズのそれだろうと当たりを付けて手に取れば、アザラシを思わせる柄のそれはフカフカで触り心地がとてもよかった。


「これです?」

『……-・・-・ ・・-・・ ・・ ・--・ ・-・--、・-・・ ・・・ -・ ・・ ・-・・ ・・ ・---・ ・- ・・-・ ・・- --・-・ ・-・-- -・ ・・・、---- --- -・・・ ・-・・ --・・ ・・ --- ・-・ ・- -・ ・・ ・-・-(戻って、体が成長してたら、これは被れないだろ)』

「確かに……じゃあこれ買います?」

『--・-- --・--。……-・-・ --・-- -・- ・-・ ・- ・-・ ・・・ -・ ・・ --- ・-・・ -・-・ ・-- -・--・ -・-・-(ああ。……似合わないなら誰かにやるさ)』


 「体が元に戻った後」の事を口にした『キャプテン』にイッカクは嬉しそうに笑い、会計へ自分が買いたい物も含めて清算を済ませた。明らかに着飾られたオモチャに凄いですねと話しかけられたり、買った物を袋へ入れている最中に近くで会計をしていた家族の子供が『キャプテン』を見て褒められたりするのに答える声が明らかに弾んでいる事に、『キャプテン』はこっそり(人であれば本当にできていたのだが)苦笑いを零した。イッカクがたったそれだけの言葉で喜んでいるのも、これまで『キャプテン』が意図的にそういった事に関係する発言を避けてきたからなので行ってしまえば自業自得なのである。


 店を出て買い物も終わりと帰路を歩きつつ、装飾を施しているためいつもの見た目からはかけ離れている帽子を外し、先程買ったキャスケット帽を被せてイッカクが笑う。「やっぱり今の『キャプテン』には大きいですねー」と口にするイッカクに対して、どうにか鍔部分を掴んで目を合わせた『キャプテン』は、そんな彼女にぽすぽすと腕を叩いた。


『・- ・--・ ・-・・ ・・・-(イッカク)』

「はい?」

『……--・-- ・- ・--・ ・・・ -・-・ -・・・ ・-・ --・-・ ・-・-- ・-・・ ・・・ -・ ・・ ・-・・ ・・。・-・・・ -・・- -・--- -・ ・・-・ -・-・ -・・-・、・・-・ ・-・-・ ・・-・・ -・・・ ・-・ ---・-(あいつらに話してからだが。お前達にも、ちゃんと話す)』

「――! はい、待ってますね」

『--・-- --・--(ああ)』


 ぱあ、と本当に嬉しそうに笑ったイッカクに、『キャプテン』は満足してその腕に体重を預けたのだった。











 ちなみに流石に船に戻った後は王子様コスは解除されたし、雪の降る島だからというのもあり雪に紛れないよう、こっそりベポが他のクルーに作ってもらっていたお揃いのオレンジのツナギを渡され、出港するまでペアルック状態になった事でとても喜ぶベポやそれに感化され同じ色のツナギを着てほしいと迫るクルー達が居るのだが、それはまた別の話。

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