クザコビのセッに関する勝手な独り言

クザコビのセッに関する勝手な独り言




これはクザコビのセッに関する勝手な独り言です

クザンは氷結人間だしコビーが自分の意に反した動き(足を閉じようとするとか)をすれば凍らせて動きを封じるからセッをしてるのにコビーの体は冷えきってると思うんだ

だけど氷結人間とはいえ精液は氷じゃないよな? 熱量があるよな? と考える内に、中出しされると体の中が暖まって嬉しいコビーがいるんじゃないかという電波を受信した

勿論コビーはそんなことクザンには言わない

しかしクザンはコビーの気持ちを見透かしてるので1発目は敢えて腹や顔といった外に出す

わざと焦らしてコビーから中出しを懇願するよう誘導するんじゃないかなぁ、って思ったのさ!




↓ 以下、唐突に始まる乱文



※※※※※



コビーは急いで目を閉じた。 直後に生温かい飛沫が顔面に降りかかる。

「ぅっ……」

予想通りの事象が起こった、とはいえ不快感は拭えない。 コビーは顔をしかめた。

下腹部を支配していた圧迫感はいつの間にか無くなっていた。 同時にコビーの内股を抑え付けていた手も離れていた。

コビーは恐る恐るまぶたを上げた。

自分に覆い被さっていた男が立ち上がろうとしているのが見えた。

「……」

コビーは体を動かせなかった。 氷を操るその男の能力によって彼の体のあちこちは石畳の床に貼り付けられているからである。 自由が利く瞳で男の様子を追う。

男は抜き身の刀のような佇まいで着衣の乱れを正していた。 とはいっても彼は全裸のコビーとは違い下衣を少しばかりずらしたに過ぎなかったのですぐに身なりは整った。

コビーは男をじっと見つめる。 男も視線に気付いてコビーを見下ろした。

「…終わったぞ」

男の言葉を合図にしてコビーを拘束していた氷が消えた。 自由を得てもコビーは体を動かさずに縋るような目線を男に送り続けた。 体を動かしたくても体力と体温を奪われたコビーには無理難題であった。

男は用が済んだとばかりにスタスタと鉄格子で出来た扉に向かう。

「……クザンさん!」

男が扉を開ける前にコビーは呼び止めた。

クザンと呼ばれた男は足を止めるとゆっくりとコビーを振り返った。

床に仰向けで転がるコビーを眺めて溜息を吐くとクザンは片手を腰に当てた。

「あららら…どうしたんだよコビー。 セックスなら終わりだぜ? おれもお前も気持ち良くイって濃い〜のいっぱい出したじゃないの」

コビーは眉をひそめた。 そんなことはわかっている。 現にコビーの顔にはクザンの精液がブチ撒けられているし、コビーの腹には彼自身が放った精液が散らばっている。 出せば終わり。 男の性欲発散は至極明快だ。

それでもコビーは今の感情を、困惑を素直に顔に出しクザンを穴が開くほど見つめる。

クザンはもう片方の手も腰に当てると長めの溜息を吐いた。

「…何が言いてェんだ? 黙ってちゃわかんねェだろうが」

コビーはしばらく考え込んだ後に口を開いた。

「……寒いんです」

返事の代わりにクザンは溜息を吐く。 それから右手で頭をガリガリと掻いた。

「んん〜〜〜、どういう意味? 抽象的すぎてわかんねェな。 はっきり言いなさいよ」

促されるとコビーの頬がみるみると赤く染まる。

その理由をクザンは理解している、が、わからない振りをして沈黙を続けた。

何も高度な駆け引きを制してコビーの真意を読んだわけではない。 目の前の青年は馬鹿の付く正直者なので考えていることが手に取るようにわかるのである。

わかり切った答えをクザンが辛抱強く待つ理由はこれまた単純で、コビー本人の口から言わせなければ楽しくないからであった。

そうして5分か10分が経っただろうか。

「……あの」

欲求が理性を上回ったらしい。 コビーがおずおずと話し始めた。

「クザンさんはヒエヒエの実の能力者だから仕方ないと思うんですけど…。

クザンさんとした後は凄く体が冷えるんです。

その、僕が悪い子だから、クザンさんを怒らせてお仕置きされるせいもあるんだと思いますけど」

体のあちこちに残る赤い跡に目を配りながらコビーは言う。 いずれも性行為の最中にクザンの不興を買い罰として凍らされた箇所だ。

クザンはゆっくりとコビーの元に歩み寄り、彼の正面にあぐらをかいて座り込む。

「……でも、クザンさんのは…凄く熱くて、その…出して貰えると、体が温まるんです。

ですがそれは、今みたいに体の外からじゃ駄目なんです。 少しは温まるけど、そこだけだし、すぐまた寒くなっちゃうんです。

―――寒いのは嫌なんです」

コビーは逆に勢いよく上体を起こした。

「だからっ…! クザンさんのを、僕のナカに下さいっ!」

クザンの眼前にコビーの真っ赤な顔が迫る。

しかしクザンは特に驚かず冷やかな表情を崩さなかった。

「おれの何が欲しいって?」

思いがけず相手の顔が至近距離にあることを焦ったコビーは目を泳がせる。

「あ……その、えっと……。 熱いの、です」

目線が外れたのを幸いとクザンはコビーの顔に右手を伸ばし、すっかり乾いた自分の精液を剥がす。

「熱いの、じゃなくて、名称。 教えたでしょ」

指で摘んだ精液の塊をクザンはコビーの唇に押し込む。 羞恥で震えている唇は力を込めずとも楽に開いた。

「んぅ、っ…」

指を入れて程なくコビーの舌が絡み付いてきた。 すぐにはクザンの指から精液を奪い取らず、舌の先でチロチロと指全体を味わっている。 相手を焦らして昂らせる動きだ。

「そうそう、やらしい舐め方が出来てるじゃないの。 誰に教わったんだ? ティーチか? ラフィットか?

いや、きっと全員だな」

コビーと肉体関係があるのはクザン1人ではない。

クザンも所属する黒ひげ海賊団の大多数は彼を1度は犯している。

とりわけ海賊団のボスである黒ひげと10人の幹部は純真無垢な彼をいたく気に入り、暇を見つけては彼のいる牢屋を訪れ、競うように性的な技術を仕込んで自分好みの娼婦に育てている。

何を隠そうクザンもその1人であった。

「んふぅ…ん、ぅんっ」

精液を飲み込んだ後もコビーはうっとりと目を伏せてクザンの指に舌を這わせたり或いは口をすぼめてチュウチュウと吸っている。

「あららら。 オイ、もういいぞ」

名残惜しく思いながらクザンはコビーの口内から指を引き抜いた。

「ぷはっ…」

指を抜くとコビーの唇から赤い舌が覗いた。 舌を起点にしてクザンの指に唾液が糸のように伝う。 唾液が鈍く光る様に思わずクザンの喉が鳴った。

コビーの唇を奪いたい衝動に駆られたがクザンは全力で抑え込んだ。

指導者が生徒の色香に惑って陥落しては教育の敗北である。

「ほらコビー、言えるだろ? この前教えたもんな?」

涼しい顔を作るとクザンは平常心で相手に挑んだ。

コビーは両手を膝に乗せて居住まいを正すと俯いた。 耳まで真っ赤にして肩を震わせている。

「言えねェんじゃお前の欲しいもんはやれねェな?」

意地悪く呟くとコビーは慌てて首を振った。 覚悟を決めたようで下唇を噛み締めるとグッと顔を上げ、クザンに潤んだ瞳を向ける。

「……クザンさんの……ザーメン…が、欲しいです…」

声は次第に弱まり、最後は掠れていた。

「どこによ?」

間髪入れずにクザンは追撃する。 コビーの顔色が瞬時に青く変わった。

「どこって、そんなの……。 い、言わなくてもわかるでしょ!?」

狼狽えるあまりコビーの声は裏返っていた。

「いや、わからねェな」

クザンはわざとらしく肩をすくめて首を振った。 次にコビーのアゴを片手で掬うと上を向かせた。

「なんせお前はおしゃぶりが大好きだ。

チンコ舐めたくて仕方ねェんじゃねェの? なァ? どうなんだ?」

アゴを掴む手の人差し指でクザンはコビーの唇をなぞる。 コビーは気分を害したようでクザンを睨んだ。 しかし脅威には程遠い。 なんなら愛嬌さえ覚える。

「そんなことありません。

だってクザンさんのは大きくてアゴが外れそうになっちゃいますから」

「お? 嬉しいこと言ってくれるじゃないの。

ん〜、でも駄目だな。 どこに欲しいかちゃんと言わねェと」

再びコビーの顔が朱に染まる。 彼は視線をクザンから外すと牢の壁へと投げた。

「い、嫌です。 そんな恥ずかしいこと言いたくありませんっ」

「じゃあザーメンはお預けだ」

突き放すように言うとコビーは露骨に顔を歪ませた。

彼の葛藤が見て取れる。 クザンは吹き出しそうになるのを堪えた。

「おれも暇じゃねェのよ。 いつまでもお前のわがままに付き合ってらんねェぞ」

ツンツンとコビーの唇を人差し指でつつきながらクザンは不安を煽る。 それでもコビーは頑なに口を開かずクザンから目を反らし続けた。

クザンはコビーのアゴから手を離した。

「よっこらせっと」

床に片膝を突くとクザンは芝居がかった動きで立ち上がる。 コビーは小さく息を飲んだ。

牢屋の扉へと向かったクザンの背中に声が飛ぶ。

「待って下さい!」

クザンは溜息を吐くと億劫そうに振り返った。

「コビー…」

振り向きざまにクザンは鋭利な刃のような眼差しを作り相手を刺した。

「言ったよな? おれァ暇じゃねェんだ。

これ以上手間取らせるなら容赦はしねェ」

クザンの足元から霜柱が生じ、目にも止まらぬ速さで床を凍らせながらコビーに迫る。

「ひっ…!」

たちまちコビーは恐怖に支配された。

「ごめんなさい! クザンさんの言う通りにしますから許して下さい!」

氷の進軍は床に落ちるコビーの影を殺し、彼の足を捉える寸前で止まった。

コビーは殆ど身じろいでいない。 けれども彼は肩を上下に揺らすほど呼吸を乱し、びっしょりと汗をかいていた。 床に落ちる自分の影を奪った氷を瞬きもせず凝視する。

「オイ」

凍てついた床を踏みにじりながらクザンが近付いて来る。 コビーはまたしても小さく息を飲んだ。

弾かれたようにコビーはクザンを仰ぎ見る。

怯えを隠そうともしないコビーの様子は元々小柄な彼を更に小さく見せた。

「クザンさん…」

正座を崩すとコビーは両足を伸ばして座り込む。 それから両方の膝を立て、限界まで足を開いた。

股の間に両手をあてがうが男の急所を隠す為ではない。

コビーは両手で尻たぶを割り開く。

割れ目には先程までクザンを受け入れていた窪みがある。 赤く腫れ上がったそこはコビーの呼吸に合わせてヒクヒクと蠢いていた。

尻たぶを開くと連動して窪みも開く。 そこはクザンの質量を覚えていて物欲しそうに待ち構えている。

「ここ…ここに、クザンさんのザーメンを…下さい…。

お願いします…」

声を上擦らせてコビーは哀願する。 目尻には涙が滲んでいた。

クザンは笑いそうになるのを必死で我慢する。

先程の性行為では抵抗する腕を凍らせて、力ずくでやっとこじ開けた彼の股を、コビーが自ら開いているのだ。

コビーの哀れで無様な痴態はクザンの全能感を刺激し性的興奮を喚起した。

付け加えるとクザンの胸は黒ひげに対する優越感で踊っていた。

黒ひげは下品を絵に描いたような男であるが己を棚に上げてパートナーには品性を求める。

他の者がコビーに下卑た言動を強いるのを酷く嫌った。 コビーの清純さも気に入っているので長所を損なう真似を許可しなかった。

従ってコビーのこのような痴態を黒ひげは見たことがないだろう。

とうとうクザンは声を出して笑った。

「はははは! 良い眺めだぜコビー。

お前にしちゃ上出来だ」

コビーは悲しそうに眉根を寄せる。

有頂天になったクザンは自分を待ちわびる股の間にしゃがんだ。

軽くコビーの肩を押せば簡単にバランスを崩して彼はひっくり返った。 クザンはその上にのしかかる。

「あ…」

真上にいる男をコビーは怖々と見つめる。 恐怖一色だった瞳に安堵が混じる。

コビーの両手は床に置かれた。



※※※※※



まずクザンは自分を受け入れる小さな窪みに中指を入れた。

「あっ」

コビーの喉が反る。

そこは何の抵抗もなくクザンの指を根元まで飲み込んだ。 指を2本3本と増やしてもそれは変わらず、余裕でクザンの指を丸飲みにする。

「んぁっ…あん、やぁ」

コビーは全身を反らして頭を振る。 彼の内部はクザンの指を奥へ誘うように吸い込む。

「慣らす必要はねェな」

クザンは窪みから指を引き抜いた。 糸が切れたかのようにコビーの背中が床に接着する。

「…ハァ…ハァ…んっ…」

ただしコビーの性器はピンと天を向いていた。

「元気だねェ」

それを横目で見ながらクザンは下衣を下げる。 自身の性器を取り出すと根元を掴み、先端はコビーの蟻の門渡りや陰囊に擦り付け始めた。

「あっ!? そこ違、違いますっ。 ひぁっ、やんっ…」

コビーは幼児のようにいやいやと首を振る。

「あのねェ、若者と違ってオジサンは勃たせるだけで一苦労なのよ。 文句言わない。

それにこれも気持ち良いでしょ。 ここビチョビチョじゃないの」

張り詰めているコビーの性器を手のひらで扱きながらクザンは言う。 先走りの蜜がトロトロと溢れ卑猥な音を立てる。

「うぁ…あぁん…駄目、イっちゃ、あっ」

コビーの腰が浮き上がる。 彼は両腕を顔の上で交差させて羞恥心を隠した。

「はいそこまで」

クザンはコビーの性器からパッと手を離した。

「え…」

交差させた腕を下ろし、コビーはおもちゃを取り上げられた子供のような表情になる。

「そんなァ…何で…。

もうちょっとでイケそうだったのに…」

「クラァ、文句言わない」

クザンはコビーの足を両脇に抱えた。 自分は床に両膝を付けて背筋を伸ばすとコビーの腰を太腿の上に乗せた。

「イクならこっちでイキなさいよ」

準備の整った自分の性器の先端をコビーの窪みにあてがう。

コビーが状況を理解する前にクザンはいきり立つ性器を彼の内部へ一気にうがった。

「あぐぅっ!?」

下腹部を鈍痛が襲う。 視界に火花が散る。 コビーは目を白黒させた。

しかしながらコビーの肉体は侵入者を歓迎しクザンの性器を包んで離さない。

「あ〜コラコラ、そんなに締め付けるんじゃないよ。 いくら嬉しいからって」

クザンは自分を飲み込んで膨らんだコビーの下腹部を撫でる。

しばらく焦点の合わない瞳で呻いていたコビーであったが視界が定まるとクザンをしかと見やった。

コビーはクザンに微笑みかけた。

「…ありがとう、ございます。

クザンさんの…とても熱くて…。 寒くないです」

「そりゃ良かった」

「でも僕…もっと温まりたいです…。

寒いのは嫌です。 だから…。

僕のナカにいっぱい出して下さい…。

クザンさんも僕を使って気持ち良くなって下さいね。

僕…何でもしますから。

どうかお願いします」

邪気のない笑顔を咲かせてコビーは告げる。

クザンはいささか呆れてその笑顔を見つめ返す。

コビーはこれまで目の前の男に何度も傷付けられ、侮辱され、犯され、男のプライドをズタズタにされてきた。

だのにどうして一向に警戒心が育たないのか。

コビーはこうやって無自覚に男を悦ばせる言葉を紡ぐ。 相手が極悪非道の黒ひげ海賊団であってもだ。 人によって態度を変える器用さを彼は持ち合わせていない。

コビーは自分の言動が男共の劣情を煽っていると気付いていないのだ。

気付かないから彼はいつまでも男共の餌食になる。 悪循環だ。

だがクザンにはそれを指摘する資格がなかった。

彼もまたコビーの善性につけ込んで我欲を満たすクズの1人であるからだ。

その証拠に今のクザンは罪悪感よりも性欲が勝っている。

「ったく…。 んなこと言われたら頑張るっきゃないじゃないの」

薄ら笑いを浮かべるとクザンはコビーの腰を荒っぽく掴み、彼の内部をがむしゃらに抉った。 前立腺を集中的に狙う。

「あぁっ! 待っ、て、ぅあぁっ、うぁっ」

強過ぎる刺激にコビーは足をばたつかせ、石畳の床に爪を立てる。 刺激から逃げようと上半身をひねる度に逆に体内のクザンを締め上げた。 クザンは絞り取られる感覚と戦いながらコビーに腰を打ち付ける。

「あんっ…気持ち、イ…っ、クザン…さんっ…イクっ…や…イクっ…」

快感で涙を流しながらコビーが浅い呼吸を繰り返す。 限界が近いそうで彼の体が不規則に跳ねている。

クザンの目はコビーの唇に釘付けになった。

開いた唇から覗く赤い舌が透明な唾液をまとっている。 舌が振動して淫らな声を生み、クザンの名を呼ぶ。

先刻と違い今は堪える理由がない。

クザンはコビーに倒れ込むと唇を塞いだ。

「んむっ…んぷ…ふぁ…」

遠慮なくコビーの口腔に舌をねじ込み、彼の舌を捉えると四方八方からくすぐり、唾液を啜る。 唇を離しては角度を変えてまた塞ぎ、徹底的に口内を味わう。

両手でコビーの頬を挟んで固定すると、色んな角度から彼に口付けた。

「んぅ、はっ…はむっ…」

コビーからも舌を絡めようとする動きはあるのだがクザンはお構いなしに彼の舌を責め立てる。 その内コビーは舌を動かすのをやめて力を抜いた。

クザンに身を任せるのが一番気持ち良いと気付いたらしい。

声による反応はなくなったが彼が昂ぶっているのは体が雄弁に示していた。 クザンの性器を咥え込む肉の壁が激しくうねっているからだ。 クザンが動かなくても肉の壁からの刺激だけで達しそうになる。 コビーよりは先に達すまいとクザンは自身を律する。

キスを終わらせるとコビーがそっとまぶたを上げた。

「…クザンさん…」

クザンは唇をコビーの首筋に滑らせた。 コビーが微かに喘ぐ。

「クザンさんの舌も、とっても熱いです。

全然…寒くありません。

ありがとうございます。 嬉しいです…」

照れ臭そうに笑ってコビーは囁いた。 彼はどこまでも自分の気持ちに正直である。

正直に生きているだけなのに、男の劣情に火を付けてしまう。 難儀と言う他ない。

クザンは複雑な面持ちでコビーを眺めた。

「…そうかい。 まァ、何だ。

そんじゃどっちも温めてやるとするかね」

「え?」

クザンは床に手を突いて起き上がりコビーの上から退く。 いきり立ったままの性器をコビーの窪みから引き抜いた。

「あっ!? 何で抜くんです、まだ出してないじゃないですか」

「慌てなさんなって」

クザンはコビーの脇の下に両手を添えると彼を抱き起こす。

「わ」

今度は自分が床に仰向けに寝転がり、腹の上にコビーを座らせた。

手の位置をコビーの脇の下から太腿の裏に移すと彼を持ち上げる。

そそり立つ性器の先端にコビーの尻の窪みをあてがえば、後は手を離すだけで良かった。

重力が勝手に仕事をしてコビーを奥まで貫いた。

「あうぅぁぁっ!」

深さにスピードが加わって凄まじい衝撃をもたらした。 コビーは目を剥いて絶叫した。

ところが悲鳴は途中で掻き消された。

クザンがコビーの背中に腕を回して自分の上に寝そべらせ、唇を塞いだからである。

「うぅんっ、ぅむ、ん、んんーっ」

すかさず彼の口内に舌を差し入れ、悲鳴をも飲み込む。

コビーの背中を縦にゆさゆさと揺すれば自身が動かなくても彼の内部を深く浅くと掻き混ぜた。

コビーは殆ど目を閉じずにクザンの体の上で暴れていた。

クザンに揺さぶられると性器が自分の腹とクザンの腹とで挟まれて擦られる為である。

背中に回ったクザンの腕が逃げるのを許してくれず、加えてコビー自身の重さが上からかかるので、コビーの性器は皮膚がめくれそうなほど強く擦られていた。

「んぁ、ぅ、んっんぅっ!」

摩擦に耐えかねてコビーは呆気なく果てた。 精液でクザンの服がじわりと湿る。

それでも動きは収まらない。 クザンが出すまでは終わりにならないのだ。

コビーは性器が千切れるのではないかと恐怖した。

(もぅ…やめて…イった、イったから…っ)

抗議したくても唇はクザンに塞がれている。

互いの腹で擦り合わされているコビーの性器は鋭敏になっていた。 コビーの精液が潤滑油の役割を担い、性器への刺激を更に過敏にする。

(やだ、も、イクの、やっ…。 おかしく、なるっ…!)

体の奥を突かれる快感と、口内をねっとりと舐め回される快感と、性器を擦られる快感の3つが波状攻撃となってコビーを狂わせる。

彼は号泣しているのだが快楽に起因するものだとクザンには解釈されていた。

「よォーし、そろそろ出すぞコビー。

1滴もこぼすなよ」

限界を悟ったクザンは一旦キスをやめて予告した。

コビーは正気を失いそうな快感から解放されることに安堵し、クザンの肩口に頭を預けた。

「嬉しい…です。

早く、ナカに下さい…。 クザンさんのあったかいの…」

クザンの肩に額を擦り寄せ、吐息混じりにコビーは呟く。

本人が意図しているかは不明であるが甘えるような仕草にクザンは酷く動揺した。

不覚にも暴発しそうになる。

「…クソっ」

舌打ちするとクザンはコビーの髪を掴んで肩から引き剥がした。 驚きで目を丸めるコビーの唇を乱暴に奪う。

「んっ…」

口付けとほぼ同時にクザンは射精した。

コビーは目を見開く。

(あっ、来たァ、あったかいの…)

体の奥へと熱い精液の濁流が流れ込んでくる。 コビーの背筋に快感がゾクゾクと駆け抜けた。

射精の勢いに押されてコビーの腰は浮き上がるのだがクザンが逃がすまいと彼の背中をがっちりとホールドし、自身の性器をコビーの奥へゴリゴリと押し付ける。

(あっ、すご、凄いっ…)

内臓を押し上げられる圧迫感すら快感と化してコビーを追い詰めた。

一方でクザンは重なる唇に隙間を作らなかった。 舌をコビーの口内に入るだけ詰め込み、彼の舌を表面も裏面も舐め尽くす。

コビーは鼻だけで呼吸するが酸素が追いつかず酸欠で頭がぼんやりしてきた。

上も下もクザンに塞がれて、苦しいのに気持ちが良い。

コビーは再び達した。 萎えた性器から微量の粘液がピュっと噴き出る。

「んぁっ…ふぅ、んん…」

コビーは心身が幸福で満たされるのを感じていた。

クザンの熱が下腹部から全身に拡がり末梢まで行き届く。

熱が体の芯まで浸透すると心もぽかぽかと温まり恐怖心や不安や寂寥感が消えていく。

(温かいなァ…) 

人肌はなんて温かいんだろう。 人肌に触れていると安心する。

暗く寒い牢屋での生活を健やかに暮らせるのはこうやって黒ひげ海賊団の面々がコビーを温めてくれるからである。

コビーは彼らに感謝していた。

その幸福が真実なのか似非なのかはどうでも良かった。


※※※※※


精魂尽き果て自分の体の上で気を失ったコビーをクザンは床へ仰向けに転がした。

上半身を起こすと天井を仰ぎ、肩を上下させて呼吸を整える。

ひと休みしたらコビーを大浴場に連れて行かなければならない。 戯れた後は彼の体を清めるのが黒ひげ海賊団における暗黙のルールとなっていた。

ついでに自分も入浴をするかとクザンは考える。 体が汗で湿っている上、シャツはコビーの精液で汚れていた。

「さて……ぼちぼち行くとするかね」

クザンの視線は自然とコビーに落ちた。

コビーは穏やかな表情で眠っている。 口元には笑みが浮かび、充足感に満ちた顔をしている。

「………」

クザンは怪訝そうにそれを見つめる。

「幸せそうな面しちまって。

そんなにナカに出されて嬉しかったか? え?」

答えない相手にクザンは問いかける。

コビーをしばらく見つめた後、クザンは重苦しい溜息を吐いた。

「…お前、これでいいのか?」

片手を伸ばすとコビーの柔らかな頬をクザンは指でつつく。 連日ここの男共の相手をし、食事のメニューも偏っているせいでコビーはこの海賊島に連れて来られた当初より痩せこけ筋肉も落ちていた。

ほんの数週間前までのコビーは海軍本部大佐として、またロッキーポート事件の英雄として世界にその名を馳せていた。

師匠である海軍の伝説の英雄ガープを継ぐ次代の英雄と期待され、民衆の希望を一身に背負っていた。

それがどうだ。 この海賊島では自分より遥かに格下の相手にも組み敷かれ、性の捌け口にされている。

当初は激しい抵抗を試みていたコビーであったが1週間もすると環境に適応した。

海賊共を悦ばせる仕草や言葉を学び、まるで自ら進んでこの環境に墜ちたような振る舞いをする。

ここは四皇黒ひげの本拠地である。 海軍や世界政府が立ち入れない無法地帯だ。 コビーの救助に動くことは絶対にない。

だからこの環境に慣れ、海賊共との生活に適応するのは処世術として正しい。

しかしながらクザンは不満を募らせる。

「あいつらは何も考えちゃいねェぞ?

今が楽しきゃそれでいい、後は野となれ山となれ、目先の欲望しか興味ねェ連中なんだぜ?

お前の将来なんざなーんも考えてねェんだぞ?」

海賊とは享楽的な生き物である。 自分の欲求を何より優先し、他者を騙し踏み付けることを躊躇しない。

コビーが海軍で積み上げてきたキャリアがどうなろうと奴らは知ったことではない。

誰もコビーに対し責任を取らない。

「そんな奴らに気を許しやがって…。

とんだ馬鹿野郎だよ、お前は」

コビーはセックスの最中だけでなく普段の生活においても海賊共に心を開き始めていた。 恐らく本人に自覚はないが、最近はよく笑う。

中でもこの海賊島のボスである黒ひげとは恋人同士と見紛うような甘い関係を築いている。

コビーを最初に陵辱したのは黒ひげであった。 だが意外にも黒ひげは「壊しちゃァ元も子もねェ」とコビーに無体を働かなかった。 ガラス細工を扱うように慎重に丁寧に、男を受け入れる器官を持たず体格も黒ひげの半分以下というコビーの体を解していった。 黒ひげのお陰で他の連中―――そこにはクザンも含まれる―――は小さな体のコビーを遠慮なく貪ることが出来るのだ。

コビーは初めての相手であり未知の快楽を与えてくれた黒ひげに懐いてしまった。 常に彼の所在を気にかけ、彼の来訪を待ちわびるようになった。

黒ひげもコビーに執心し、海賊島にいる時はコビーを牢屋から出して傍らに置く。

眠らない体質の黒ひげは寝ているコビーを膝に乗せて新聞や歴史書を読むのを好んだ。

コビーが目を覚ました後は、大概は互いの体に耽溺するが何もせず語らう日もあった。 黒ひげの知的好奇心をくすぐる話にコビーは耳を傾け、時には議論を交わした。

傍目には良好な関係の2人であるが、決して対等ではない。

コビーの生殺与奪は黒ひげが握っている。 いつ気まぐれを起こしてコビーを殺すかわかったものではない。

そもそも黒ひげがコビーを拉致した目的は彼を世界政府との交渉材料にする為である。 海賊島を国と認めさせ、世界政府加盟国にする為の道具なのだ。

交渉が成立もしくは決裂すればコビーはお払い箱となる。 その後のコビーの処遇は黒ひげさえ考えていないだろう。

今は猫可愛がりしているが、それがいつまで続くかわからない。 それこそ世界政府との交渉が終われば用済みとばかりに殺すかもしれない。

よしんば殺されなかったとしても、性奴隷として飼い潰されるかもしれない。

奴隷の末路は悲惨だ。

クザンは海軍大将であった頃に天竜人が一般人を奴隷にする様を嫌というほど見てきた。 廃人になるまでこき使われ、動けなくなった奴隷は殺処分される。

このままではコビーも同じ道を辿るに違いない。

クザンの指がコビーの頬から桃色の髪へ移動する。

「まァ…乗りかかった船だ。

おれの目の黒い内は面倒見てやるがね」

慈しむような手付きでクザンはコビーの髪を梳く。

クザンは黒ひげがコビーに飽きて捨てたら身柄を引き取るつもりでいた。

別にコビーに特別な感情があるわけではない。

コビーは海軍時代の後輩で、自分と同じくガープに弟子入りした同門のよしみだ。

知り合いが目の前で死んだら目覚めが悪い。

ただそれだけだ。

クザンは自分にそう信じ込ませていた。

「だが…おれが死んじまったらお前どうするんだ?

海軍には戻れねェ。 ここでの後ろ盾もねェ。

鍛錬もロクにしてねェお前が自分で自分の身を守れんのか?

たった1人でお前生きて行けんのかよ?」

言葉を重ねるにつれクザンの表情に暗い影が落ちる。

しばらく沈黙した後に低い声がクザンから漏れた。

「いっそのこと…。

ここで死んでおくか?」

クザンの顔から肩にかけてが氷に変化し空気を凍らせる。 牢屋の気温を一瞬にして氷点下にする。

クザンの氷結変化は肩から腕に至り、コビーの髪に触れている指まで達しようとした。

しかし、コビーを凍結する直前でクザンの氷結変化は止まった。

命が脅かされているにも関わらずコビーは無防備に眠り続けている。 クザンに髪を梳かれ心地良さそうにしている。

まるでクザンを全面的に信頼しているような穏やかな顔で。

「……やめた」

毒気を抜かれたクザンは氷を全て消し去った。

コビーの髪から指を離すと自身の後頭部を掻く。

「参ったね、どうも…。 こいつが相手だと調子が狂っていけねェや」

自嘲を込めてクザンはぼやく。 コビーとは相性が悪いらしく、彼の挙動が妙に腹立たしかったり苛つくことが多かった。 彼に暴力を振るい、泣いて許しを乞われると胸が空いた。

黒ひげや他の幹部のようにコビーと和やかな関係を結べずにいた。

彼をいたずらに傷付けずにいられるのはコビーの意識がない時だけである。

そんな自分が彼を保護しようとはお笑い草ではないか。

「………」

それでも思案せずにはいられない。 彼の今後を、将来を。

この海賊島でコビーについて真剣に考えているのは自分だけなのだから。

髪をぐしゃぐしゃと掻きむしるとクザンはコビーを横抱きにして立ち上がった。

「とにかく今は風呂に入れてやらねェとな。

そろそろ誰かしらがこいつを抱きに来ちまう」

鉄格子の扉を蹴って開けるとクザンは大浴場へと向かう。

1人で思い悩むクザンであったが、この時点で彼が知らない事実が2つあった。

1つはコビーの師匠であるガープが海軍の有志を率いて弟子を救出するべくこの海賊島へと急行していること。

そしてもう1つは黒ひげが、海賊島を国として世界政府に認めさせ国王となったあかつきにはコビーを伴侶に迎えようと考えていることであった。



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