ギュッと求めて②
葡萄星ベッドの上で向かい合った状態で唇同士が触れ合う。彼の柔らかな唇が私の体を伝って全身に伝播する。
あれだけ余裕ぶってアクアを誑かしてはいたが実のところ私ももう彼を求めてやまなかったのだ。
でも焦ってはいけない。今すぐに彼と繋がってしまいたい感情を抑える。
二人でゆっくりと、ねっとりと時間を掛けた接吻を繰り返す。舌を絡めずにただ触れ合うだけのキスはお互いの欲情を高めていった。
5分程度だろうか?そんな熱を煽るキス続けていて次期に荒い息だけが静寂な部屋に聞こえていた。
「あかね…」
ほんの少し、理性を堪えられなくなった彼に思い切り、けれど優しくギュッと抱きしめられる。
同時に大きくしなやかに伸びる右手の指が私の頭を支えてくれた。
どうやら逃す気は無いようだ。
首筋に顔をあてがい大きく深呼吸する彼。
先程まではほんの少し寒さに身が震えるぐらいに冷えていたのにちょっと彼とくっついていただけで汗ばんでいた。
…汗くさい匂いを嗅がれるのはちょっとだけ恥ずかしいかな。
この後お互いグチョグチョになるまで淫れるのは知っているのにそんな乙女心に笑いが溢れそうだ。
ちなみに彼は私の匂いが好きで、そんな私に甘え上手な変態さんらしい。えへへへ。
その事実に悦びを覚える私も人のこと言えないんだけどね。
それとは別に強いハグに密着し合っている。
お腹を辺りを熱くて硬い大きな『ナニカ』が強く主張し始めていた。
まだキスとハグしかしてないんだよ?どうしようもなく我慢なんかできないんだね。
「ちょっと触るねアクア。」
彼が満足するまで続いたハグを終えて、大きなテントを張っているズボンの上から私の手で触れた。
2枚越しからでも感じるその熱さ、私の指で触れるか触れないぐらいでゆっくりと摩る。
時折強く触れる時に彼の口から漏れるくぐもった喘ぎが愛おしい。
「アクア、ズボン脱いでくれるかな?」
ハーフパンツが降ろされて山を作るボクサーパンツが露わになる。
先端は既にカウパー液で大きなシミを作っていた。
そういえば昔、何かでボクサーパンツを履いてる人は女性関係にだらしがないみたいな、そんな記事を読んだ気がする。
俗に言うとヤリチンで、すぐに関係を持ちたがる男性のことを指すらしい。下世話な記事かと思っていたが、あながち外れてはいないのかもしれない。
まぁ私の目が光り続ける限りは他の子と関係を持つなんて絶対許さないけど。
ただ、そんな生来の女たらしの情欲が私だけに向けられていることがちょっぴり誇らしく思わず笑みが溢れてしまった。
「ふふふ、アクアのここ、スゴイことになってるね。どうしてかな?」
「…ずっとあかねが触ってるからだろ。」
目を逸らしムスッとした声が聞こえる。
羞恥心に満ち、紅くなってる顔が可愛くて仕方ない。
「あれ?嫌だった?」
わざとらしく、疑問符を浮かべる声に
「…嫌とは言ってない…。」
と更に真っ赤になる彼は見ているだけで最高だった。
「そっか、じゃあ触るね?」
先ほどよりもほんのちょっぴり刺激が大きく彼のソコに伝える。
小さな声で堪えるように
「あかね…!」
と喘ぐ声は私の鼓膜を揺らして身体全身を主に下腹部に疼きを与えた。
その時、煽られ続けた理性の限界を迎えたアクアにベッドの上で押し倒される。
「ハァ…ハァ…やり過ぎだ…。俺も容赦しねェぞ?」
「いいよ…早く来て。」
普段の私からは想像もできないような甘い声が出ていた。
煽り続けて欲情の限界を迎えたのは彼だけじゃなかった。熱や声と感触に下腹部に溜まり続けたフラストレーションは私にも限界だったみたいだ。
トップスが開けてそのまま脱がされてナイトブラが露わになる。そのまま躊躇なんかせずにブラもあっさり脱がされた。
全てが露わになった私の胸を凝視される。
本人には濁されるがアクアは絶対おっぱいが好きだ。最初はあまり感じなかったはずなのに今では胸全体が敏感になるまで揉まれ続けていたし、普段から眠るときは私の胸部に頭を預けて熟睡することも多い。
もしかしたら幼少期に母親を亡くしてしまった彼はもっと甘えたいという深層心理の欲望なのかもしれない。
減るものでもないし、彼が安心して、或いは興奮してくれるのであれば私の胸なんていからでも触ってくれたって構わない。それに私自身それは気持ちよくてたまらないのだから。
既に汗だくで強い湿気すら感じる。そんなことなど気にも留めずに周りの乳房から焦らすように触られる。ゆっくりと先端の部分に触れられると甘い声が漏れてしまう。
「ここが良いんだな?」
指といじられ続ける最中に耳元でアクアの声が、その吐息が身体が敏感に仕上がった身体を刺激する。
次期に手や指だけには飽き足らずお口で先端をぬちゃりと舐められて、吸われてどうしようもない快楽が身体を支配した。
既に絶え絶えになった荒い息と快楽に溺れる甘い声を出すことしか今の私には出来なかった。
「もう熱い。」
一言そう呟き、Tシャツを脱ぎ、程よく鍛えられたアクアの上半身が露わになる。
そして今日初めての濃厚なキスが始まった。
舌先が貪り合うように内側をなぞり上げる。その度に混ざり合った唾液はもはや誰のものかはわからなかった。
「んぅー…」
くぐもった声の出どころはどこかわからない。そんなものの答えを求めても意味なんて無い。
このキスでこのまま何処かへ堕ちてしまっても良い。そう思えるほどに敏感になった口腔は快楽と多幸感に包まれていた。
混ざり合った唾液は上下の関係にある私の方に溜まりそのまま飲み込んだ。
私のものと混ざり合った彼を構成する一部の体液が喉や食道を通り、私の体内にあることが私の子宮をキュンと意識させてどうしようもなく幸せな気持ちになった。
「すごいトロンって顔してるな。可愛い。」
口も耳も目も鼻も肌も、五感から幸せを受け続けてた私はお茶の間に見せられないようなそんな顔をしていたらしい。
「これからが本番だぞ、あかね」
既に下着としての意味を成さずグチョグチョになったショーツを簡単に脱がされてアクアのまで秘部を晒す。
「もうびちょびちょじゃねぇか…まぁ無理もないな。」細長く男性らしい硬い指がゆっくりと蕩け切った秘部刺激し、すぐに私の胎内へとおかし始めた。
一年近くかけてゆっくりと胎内の奥をアクアに開発され続けた私は言葉に形容できない嬌声を上げることしかできない。
糸を引くナカを指でかき混ぜられて、彼に知り尽くされた私の弱点を刺激されて、頭がチカチカと脳内が点滅し、イキかけたときに、ピタリと彼の指が止まってしまった。
「…な、にゃんで?」
子宮が、胎内が刺激を求めて脳信号を出し続ける。イキたい。気持ちよくなりたい。そんな感情に支配された私にアクアは答えた。
「なんでって…あかね見てたら俺ももう我慢の限界だからだ。」
糸を引くパンツを下ろして、露わになる剛直な彼自身がそこにはあった。長時間、パンツの中で蒸れ続けたソレは雌を発情させる匂いを発していた。熱くて、硬くて、大きいソレが飢えた子宮にあてがわれたところを想像しただけでもう…。
「いくぞ…。」
「速く…きて///」
どれだけ欲望に支配されても、どこまでいっても優しい彼は最後の理性で優しく私の飢えた蜜壺にあてがい、やがてそれは淫らな音を立て、彼のソレは私のナカへと沈み込んだ。
ズシリと重みを感じる愛おしいソレは既にドロドロに堕ちている胎内にこれまでにない快楽が私の身体を支配した。
大きな刀はやがて、私の鞘に全て収まり、アクアの腕に包まれてギュッと全身で密着する。
逃げ場なんてない。逃げる気なんてない。生まれる衝撃を余すことなく全て胎内で快楽に変えてしまいたい。欲情の限界を迎えていたアクアも私も全ての理性を解放して、快楽を貪り合う獣となって互いを求める。
ゆっくりとしたピストン運動から徐々に腰を振る速さは上がっていき、肉体同士がぶつかり合う音と私たちの快楽で出た嬌声が部屋の中を響き続けていた。
「…あかね///あかねっ///」
大きく私の名前を呼ぶ彼、愛する彼から呼ばれた名前が脳を焼き切れそうな脳を更に刺激して快楽物質が全身に伝播することを深く実感する。
「好きだっ///大好きだ///」
普段はクールぶって口にはしない言葉が頭の中をグルグルする。
「はぁーッッ…あぅ…ッん…っ!ああぁっ///私もッ…私も大好きだよっ///アクアッ/////愛してるよっ///もっとぉ…///まだ足りないッからっ//」
「あかねっ///出るっ///」
「頂戴っ///全部っ全部っ!」
刹那、あてがわれた刀が大きく震えるように感じた後、私の身体求めて止まない愛の証が私の鞘にいっぱい吐き出された。身を焦がすような精液が内側から浸食するかのような、そんな感覚に私たちは陥っていた。
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「すごかったね…二人とも汗だらけで。お風呂気持ちいい。」
「ごめん、我慢が効かなくなってた。」
あの後、溜まりに溜まった私たちの情欲は一回だけで済むはずがなく、仕事柄を活かして様々なシチュエーションで何度もしてしまった。汗や様々な体液がシーツをビチョビチョにしてしまったからだるい身体を動かして最低限のお片付けをして二人でバスタブに浸かっていた。
「いいよ全然。癖になりそうなぐらい気持ちよかったし、次の休みの日にまたシよ?」
「…あぁ…。」
お風呂上がって身体を拭いて、そのまま動けないと言い訳をしてアクアにお姫様抱っこでベッドまで運んでもらった。
流石に体力の限界が尽きてこのまま眠る…かと思いきや服を着てないことをいいことに身体の色んなところにキスマーク付け大会が始まってしまった。勝敗は内緒にするとして、ようやく睡魔に誘われたアクアは私の胸の中に寝息を立てていた。頭を撫でていると私も興奮からようやく冷めて、眠りついた。
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心地よい…とは流石に言えない一日中屋外でロケをした後よりも深い疲労感と共に目が覚めた。全身を、主に昨晩、彼にたくさん注がれた愛の証によって身体中が重くその怠さで動くことが億劫になっていた。
この時期、いつもなら寒さを覚えそうな朝?もはや昼だが
今もなお胸の中で眠り続ける愛しの彼の温もりのおかげで寒くはなかった。
アクアのことをギュッと抱きしめる。
昨日のことを思い出すと今でも少し顔が紅潮してしまうけど、今までの思い出も、今日の目覚めも、これから作っていく私たちの日々も、全部を大切に共に積み重ねていきたいと感じた。少なくとも今は夢の中から彼が目覚めるまでの時間を満喫することにした。
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柔らかな温もり。目が覚めつつあるアクアはその温もりをただ享受していた。人工的なボディソープの奥にある優しい香りに埋まり、自身の顔に寄せる。長く艶やかに伸びる髪の毛を溶かすように指が抜けその感覚は悪くなかった。
窓の隙間から差し込む光が彼の顔を照らす。まだ起きたくない、もう少しこの柔らかな夢の中にいさせて欲しい思いを裏腹にようやく彼は目を覚ました。
「んう…。」
「ふふっ、やっと起きたね。」
耳元、かなり近い距離からあかねの声が聞こえる。
「おはよう、アクア。」
一度手放してしまった、愛おしい声が鼓膜に触れる。
どうやら彼女の身体に顔を埋めて眠ってしまっていたようだ。比較的悪くない頭だと思ってはいるが寝起きで思考がまとまらない。なんとなくこの時間が終わってしまうことがほんの少し名残惜しく感じた。
徐々に回っていく思考でようやく、その状況に軽く羞恥心を覚えた。
「おはよあかね…。悪い…。ちょっと疲れてたみたいで。」
「私だって疲れてたんだけどなぁ?誰かさんのせいで」
「ごめん…」
「ふふふっ!いいよ謝らなくて少しからかいたかっただけだから。すぐに服を着て朝ごはん…いや?お昼ごはんかな?とりあえず作ろうかな?何が食べたい?」
「じゃあホットサンドとサラダを頼む。コーヒーは俺が淹れる。」
「うん。じゃあお願いね。」
にっこりと笑みを浮かべたあかね。
可愛い笑顔だった。