キング×システゴ
ガチムチダイナレスリング「挿れて下さい」
いつものように全裸で二人、ベッドの上。
いきなりのシステゴの言葉に一瞬呆けてしまう。
「いやお前」
「大丈夫です、しっかり綺麗に洗いましたから!」
「いやそうじゃなくて、コエロに義理立てして尻は使わない約束だったんじゃ」
「まあ色々と進展がありまして、別にいいんじゃないかなと」
「そんなノリでいいのかお前ら!?」
「自分の気持ちに自信が持てた反面、恋人にするならコエロでもやっぱりキングさんも好きなんで」
「お、おう……」
「妄想で悶々とするより一発ヤってもらってスッキリして、コエロにも頑張ってキングさんのテクニックを再現して貰う方が建設的では? という結論に達しました」
「いいの!? ホントにそれでいいのかお前ら!!?」
「コエロとはお互い了承の上なんで」
「よく認めたなアイツ……」
「はい! 認めさせました!」
「…………」
これ抱かなかったら抱かなかったでコエロから『断腸の思いで首縦に振ったのになんなんッスかキングさんは!!』って逆恨みされるパターンだ。
ヤバい、馬鹿な俺でもわかるぐらいに詰んでる。
しかし『お互い了承の上』を盾にするのって外側から見たらこんな薄氷を踏むみたいに危なっかしいんだな。
俺もカパプテラに背中から刺されないよう気をつけとこ……
「じゃあそういことなんで」
「ええいっ! 据え膳喰らわにゃ男の恥よっ!!」
腹を括ることにした。
抱かずに恨まれるよりは抱いて恨まれた方がマシだろう。
それに期待に満ちた目で見てくるシステゴのこの表情。
正直すげーかわいい。
こんなの我慢できるわけないじゃん。
「ほれ、ほぐしてやるから股開け」
「はーい」
「舐めるけど構わないよな?」
「えっ、いいんですか? コエロはやってくれないからタチの人ってそういうの嫌なのかと」
「そりゃ個人の好き好きに因るだろ、まあコエロの奴の場合は緩みすぎても困るっていうのもあるかもな」
「あー、なるほど」
「本人には面と向かって言うなよ?」
「わかりました」
こいつ絶対いつか口滑らせるわ。
一抹の不安というには余りにも確信があり過ぎるそれを一旦無視して、システゴの肛門に舌を這わす。
舌先がすんなり入る程度には使い込まれているが、やはり俺のモノを挿入するには少しキツそうに思える。
「んっ、お尻舐められるのも気持ちいですね」
「満足してくれてるなら何よりだよ」
「そろそろ大丈夫じゃないですか?」
「焦るなよ、俺のデカさなめんな」
「俺痛くても全然平気ですし、むしろちょっと痛いぐらいが気持ちいっていうか」
「ダーメ、傷物にしてコエロのやつに怒られるのも嫌だし、俺様のプライドとしても痛いの抜きで気持ち良くしてやるよ」
「ううう……でも前戯長いとムラムラして辛くて……あっ、じゃあ暇な間にキングさんのオチ◯チ◯舐めてていいですか?」
「いいけど」
本来は俺が上でシステゴが下になった方がいいのだろうが、背中が支えるため今回は俺が下でシステゴが上だ。
仰向けに見上げるように少しずつ桃色の中身を見せ始めた肛門に顔を向けて、再び皺を丁寧に伸ばすように舐め上げてゆく。
システゴはその興奮を俺の肉棒にぶつけるようにしゃぶりついてくる。
「ほんとに大きいですよね、これが今らかお尻に入るって思うとこれまで以上にエッチにみえます」
「しっかり濃いの種付けして欲しいならあんまりいじりすぎるなよな、俺そんな我慢強い方じゃないぞ」
「はーい」
恥ずかしげもなく嬉しい言葉を放ってくれるおかげで息子が暴発しそうになる。
やんわりと止めるように伝えれば竿への刺激を止め、代わりに陰嚢や鼠蹊部、腹筋や臍に舌先を這わせ俺の下半身全体を味わってくる。
鱗肌を伝う滑らかな快感と淫靡な水音に思わず尻尾の先が跳ね回る。
それはシステゴも同じで、二人分の尻尾の先端で悦びを表現しながらも長めの前戯が続けられる。
正直限界が近いが、焦って尻穴を傷つけるのは避けたい。
結局お互いの濃い雄の汗と我慢汁の臭いが充満し鼻腔がその臭いしか感じられなくなるほどまでしっかりと時間をかけて昂らせ合ってしまった。
「キングさん、早く早く」
「わかってるよ、ほら力抜け」
「んっ、はあああ〜〜〜……あ〜…………」
横向けに寝かしたシステゴの足を股をよく開かせるように持ち上げ、焦りたくなる己を必死に律して可能な限りゆっくりと挿入した。
前戯の甲斐あって侵入はスムーズに、内部も余裕がありシステゴも痛がる様子は全く見せない。
「これがキングさんのなんですねぇ……やっぱりコエロとは全然違うや」
「自慢の逸物だしな、動いていいか?」
「どうぞ」
「やっべ、かなり気持ちいぞお前の尻」
「あっ、あっ、そ、それはよかったですッ! んんっ!!」
「悪ィ、早速だが中に出すぞッ!!」
「あっ、僕もっ、僕もおっ!! あああっ!!」
お互い既に限界近くまで昂まっていたのか、俺は早々に中に果ててしまい、その事実に興奮を得たのかシステゴも釣られるように精液を漏らしていた。
腸壁の痙攣が絶頂に敏感になった先端を搾り取るように刺激し続けてくる。
繋がったまま倒れ込み、射精を続けるシステゴに口付けた。
舌を絡め合いながら暫く二人で余韻に浸る。
「えへへ……キングさん、俺のお尻そんなによかったですか?」
「めっちゃよかった、俺のチ◯コの方は?」
「最高です」
「そっか……あとさっきお前、自分のこと『僕』呼びになってたぞ」
「へあっ!? う、うわぁ……恥ずかしい……」
「何お前、無理して一人称『俺』にしてるの?」
「だって『僕』じゃちょっと締まらないっていうか、ヒールレスラーっぽくないっていうか……」
「お前の意外なカッコつけてるところ知れて俺は嬉しいよ、ホント可愛いなお前」
「もう、キングさんったら……」
二人、笑い合う。
「よっしゃそろそろ第二ラウンドいくか? 何か希望あればお前に合わせるぞ」
「じゃあお尻もキングさんの大きさに慣れたみたいなんでもっと奥まで突いて欲しいです!」
「それだとお前の方から乗っかった方が体重で押し込めていい感じになるぞ、背中も邪魔にならないし」
「繋がったまま体位変えられますかね? なんか引き抜いちゃうの勿体無くて……」
「なんでお前はそう可愛いことしか言わねーんだよ全く……ほら、俺が抱き起こしてやるから」
「はううっ、繋がったまま動くだけで中が擦れて気持ちいい……」
「これからもっと気持ち良くなるんだから覚悟しとけ」
「へへへっ、キングさんとの気持ちいいこと、もっともっと教えて下さいね?」
本当に限界だった。
コエロへの忖度なんて完全に頭の中から吹き飛んだ状態で、俺は猛る雄を以って貪るように喰らい尽くすように、システゴを一晩中全力で愛し続けたのだった。
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「…………ということで合っているな?」
「はい」
「何か申し開きは?」
「ありません全て事実です全部俺が悪いです」
あれから数日。
俺はスピノの部屋に呼ばれ土下座していた。
システゴの奴が思いっきり口を滑らせた上に無自覚煽りでコエロのストレス負荷を限界突破させたらしい。
で、その結果がこれ。
やるじゃんコエロ、お前自身が手を下すより効果抜群だよ。
「最近はお前と親密になるために寝ていたが今回は残念ながら罰としての行為を行う」
「あのぉ……自覚もあるし反省もしていますですので、こう……手加減の方をですね」
「こういうときはなんと言うべきだったか……ああ、そうだ」
プライベートでは滅多に見せないリング上での演技力を全開にして、スピノが肉食獣の瞳と牙で獰猛な喜悦を押し付ける。
「雌にしてやる、覚悟しろ」
「いやあああああああああああああああっ!!!」
システゴへの圧倒的な雄を見せつけてやったその時以上に、スピノの圧倒的な雄を見せつけられた俺は、耐えきれず、雌に、堕ちた。