キケロガの生態

キケロガの生態

番組内から一部抜粋

キケロガのメスは、目ぼしいオスを発見すると直ちに有線ビットを伸ばして相手を絡め取ります。ワイヤーを巻き取ってオスを自らの元へ手繰り寄せると、交接器を擦り寄せて脳波を送り、相手の発情を促すのです。

そこでオスの交接器が見合ったものであれば交尾をしてつがいになり、適わなければ有線ビット先端のメガ粒子砲によるオールレンジ攻撃をして追い払うか、殺す。MAの世界は弱肉強食です。より体が大きく強いメスには、つがいとなるオスを選ぶ権利があります。


時としてキケロガは、同種のオスではなくMSのオスを見初めてしまうことがあります。悲惨です。大型MAであるキケロガの交接器に比べて、一般的なMSの交接器は非常に小さいため、多くのキケロガはこれが気に入らず、つがいが成立する前にオールレンジ攻撃で殺してしまいます。(ただ殺すのではなく、捕食しているのではないかとする意見もあるようです。)

オスのMSを拘束するメスのキケロガらしき成体。よく似た別種であるとする見解もある

つがいを得たメスのキケロガは、オスに対して非常に献身的に尽くします。付かず離れず傍に付き従い、害あるものにはメガ粒子砲をお見舞いする。そして多くの場合、キケロガが自主的につがいを変えることは滅多とありません。


ただ、何事にも例外は付きものです。

我々のチームが五年前から観察している、とあるメスの個体を紹介しましょう。

赤いMSに随行するキケロガ

そのキケロガは、一年戦争末期に発見されました。赤いオスのMSとつがいになり、ソロモン要塞の月面落下阻止作戦に貢献した個体です。やがてゼクノヴァの発生によりつがいを失い、やがて彼女もまた行方を眩ませてしまいました。

しかし、先月発生したイオマグヌッソ動乱にて、同一個体と思われるキケロガがオスの白いギャンと共に発見されました。この若いギャンはハクジ装備を携行しており、キケロガのオールレンジ攻撃に耐え得る機動力を持ちます。我々のチームが発見した時、ギャンは左腕を喪失していましたが、我々の手で保護・治療しました。

破損した白いギャン。右手にキケロガのものと思われるイジェクション・ポッドを保持している

各個体の損傷度合いから見て、よほど激しい交尾が繰り広げられたに違いないでしょう。また付近の宙域では、彼女の元つがいである、赤いオスMSの目撃情報が寄せられています。


その後、ポッドだけの状態となった同キケロガ個体は再び姿を消しましたが、三匹の仔キケロガと二匹の仔ギャンが件の白いギャンに戯れつく場面が目撃されたようです。

こちらの映像では、お父さんギャンが子供たちにハクジ装備の使い方を教えています。可愛いですね。


なお、数ヶ月前にサイド6イズマコロニーで目撃されイオマグヌッソ動乱にも姿を現した「MS擬態能力を獲得したキケロガ」ですが、学会では亜種として認定されませんでした。

目撃者の証言を元に描かれた図。ナナフシのように細長い体を持つ[3]

これは、他に変形機構を持つキケロガ個体が発見されておらず、人為的な品種改良がなされた可能性が高いこと、また本来イズマコロニー周辺地域にキケロガは生息しておらず、別の地域から移入したものと考えられることが、否認された主因となっています。


キケロガについて、今後も詳細な調査を続けていく必要がありそうです。





だいたいpart9>>140のせい



(画像引用元)

[^1]井口佑(yuuiguchi)@hukutuuprunes



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