カパプテラ×キング
ガチムチダイナレスリング「そういえばお前タチやらないの?」
ふと気になりカパプテラにそう尋ねてみた。
頻繁に自分の尻を使うようになって興味半分、そして以前は全く気にしていなかったがこちらだけが一方的に尻を使わせてもらっていることへの負い目が半分といった風情からの発言である。
こいつも雄である以上はそういう欲求がありそうなものだが……という考えは俺が基本はタチだから故の偏見なのだろうか。
「そうですねぇ……やはり私はお尻の方が気持ちがいいですし、何より愛されている実感が段違いなので」
「そっかあ」
「キングのお望みとあればやらないこともありませんが、正直そちらは自信ないですよ?」
「んー……まあ折角こういう話の流れになったし、物は試しでやってみるか!」
そういうことになった。
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「如何ですか?」
「ああ、気持ちいいぞ」
肛門を舐られ、緩んだ尻穴に指を差し入れながら陰嚢や陰茎を舐め上げ、広がったところにもう一度舌を挿れて更に奥まで舐め上げられる。
すっかり使い慣れた尻穴は正直そこまで丁寧に解さなくてもいいのだが、これ自体がプレイの一環だと長い前戯を受け入れた。
「なんか手持ち無沙汰だなァ、お前のも舐めさせろよ」
「そうですか? ではお願いします」
以前なら『そんな、これは私目の役割でありキングに対して不遜な!』などと断られそうだったものだが普通に了承された。
まあそんなことを言うようなら最初から俺に挿入するなんて断っていただろうし、コイツとの関係性も随分と変わってきたようだ。
肉棒を舐め続けながら、器用に仰向けの俺の身体に乗っかるように位置を変えて尻をこちらの顔まで向けてきた。
カパプテラの竿がちゃんと硬度を得ていることを確認して咥え啜り上げ、陰嚢を含んで口内で玉を転がし、肛門に舌を挿れて舐め上げる。
お互いがお互いの陰部を舌で味わい尽くす。
「先に一発抜いておいてあげましょうか?」
「やっぱり一発目から尻でイきてェなあ、こうやって感度上げといてくれる分にはありがたいんだが」
「私目の方もその調子で昂らせていただけると助かります」
「へいへい」
伸び続ける前戯の時間を受け入れてる自分自身がちょっと意外。
がっつく方だという自覚はあるので『さっさと吐き出させろ!』と憤る自分を想像するのは容易いのに、この淫靡ながらどこか安らかでもある時間を長閑に楽しんでいる俺がいる。
カパプテラを変わったと評した俺自身も気付かぬ内に変わっているのかもしれない。
「ではそろそろ失礼させていただきます」
前戯をカパプテラ側から切り上げ、立ち位置を変えて俺の肛門に亀頭を当てがった。
腰を押し進めればそれほど大きくもない逸物は全く抵抗なくその一切を尻穴に呑み込まれる。
とはいえ腸壁を擦る感覚も心地よく、先端は感度のよい場所をちゃんと捉えられる長さも有していた。
『最低限の大きささえあれば後は相性とテクニックだよ』と語るご主人を今までは鼻で笑っていたが、どうやら負け犬の遠吠えと切り捨てるには俺も見識不足だったようだ。
丁寧に感度を上げ続けたおかげでこの時点でも結構気持ちいい。
「どうでしょうか?」
「ああ、いい感じ。 そっちは?」
「正直ちょっと緩過ぎるので意識して締め上げてもらえると……」
「緩々になるまで舐め続けたのお前じゃん!?」
「そこは申し訳ないとは思いますが、キングを満足させられない方が問題なので正直に自己申告致しましたことお許しください」
「まあいいけどさ……そんなにアナル舐め楽しいなら俺がタチのときも前戯でやっていいんだぜ?」
「覚えておきます」
やっぱり緩いんだ……
と脳裏に浮かぶ凶元の無表情面を思考から追い出しながら、告げられた通りに尻穴を締める。
カパプテラの腰が動き始めた。
自信がないと言っておきながら、こちらの反応を細やかに拾いながら気持ちのいい場所を的確に攻めてきてくれる。
そうなると逆にこちらが上手くやれているかが不安で、尻の中の逸物がどう感じているのか把握できている自信がない。
「俺の方はすごく気持ちいんだけど、お前は?」
「それなりには……もう少しお時間を頂ければ達せると思うのですが」
慣れない行為とそれからくる不安感からか、上手く感度を上げきれていない様子だった。
よし、それなら竿以外からの刺激でも昂らせてやろう。
そう思い立って繋がったまま上半身を引き起こし、カパプテラに口付けた。
嘴を割るように深く深く舌を絡めながら腕を背中に回し、足も腰へと絡めていく。
そうやって全身をホールドして、上半身をベッドの上に戻していった。
多少は動き辛くなっただろうが、ここに至ってはもうあまり関係のない話だ。
全身で体温と鼓動を感じつつそのまま背中に回した指先で快感に震える身体を確かめながら、熱烈に舌を吸う。
鼻から抜ける呼気の荒さからも興奮が一段階昇ったことが分かり、一気に吹き出し始めた汗が追い討ちでそれを証明する。
先に限界に達したのは俺の方だった。
互いの腹筋を白く汚しながら、青臭い雄の臭いが濃く立ち込める。
「キング、私も……ッ!!」
「ああ、好きなだけ出せよ」
尻だけで射精させられた俺の興奮が伝わったのか、はたまた俺を絶頂させるという使命感の肩の荷が降りてリラックスできたおかげか。
直後にカパプテラも達し、腹の中に熱い体液をしっかりと注ぎ込んでくる。
「嗚呼、私としたことが勝手に中に……」
「気にすんなよ、俺も中に出された方が興奮するし」
そう笑ってやればあちらも微笑みを返してくる。
「感想は?」
「とてもよかったです、が……矢張り私には向いていないのか、達した直後なのに尻が疼いて物欲しそうにしています」
「あ、お前も? 実は俺もお前のエロい姿見てたら突っ込みたくて堪らなくなってきた」
そう互いに悪戯な笑みを浮かべ合いホールドを解いてやれば、カパプテラが俺の腰に騎乗位で跨ってくる。
硬度を維持したままの精液塗れの肉棒がカパプテラの肛門を易々と貫いた。
一度絶頂を迎えて上がりきった体温に、その体内は火傷するほど熱い。
「結局こうなっちまうのか」
「気分転換にはよかったんじゃないですか?」
「そうだな、マンネリ感じないようにたまにするにはいいかも知れないな」
「それではこのまま暫し主導権を頂きますよ、キング」
「応よ、好きなだけ玩具にしてくれて構わないぜ」
昔は苦手だった獲物を見定め舌舐めずりするような淫靡なその表情を今では素直に嬉しく感じられる。
変わってしまったものに感慨を抱きながら、変わらない悦楽に二人でどっぷりと溺れていった。