カキスグ♀

カキスグ♀



※女体化(カキスグ♀) カキツバタに女性経験がある描写あり











中途半端とはいえ連休に入った学園内はどこか寂しく閑散としていた。


皆ほんのささやかな休日を実家で過ごす為に帰省するなんて、長期の休暇であっても実家に戻るのが億劫でいつも学園で過ごしている自分からしてみればマメだなぁとガランとした部室でカキツバタは思っていた。


リーグ部のいざこざ、スグリ休学の件が落ち着いてしばらく経って、活気を取り戻した部室も集まる部員がいなければ寂しいものだとぼんやり考えてカキツバタは置いてあるお菓子を口に放り込む。


食べ慣れた甘ったるいチョコレートの味がいつもと違い味気無い。

誰も来ない部室にいても意味がないと伸びをして自室に戻ろうと思った矢先、ふとある人物が浮かんだ。


そういえば今度の連休は帰省せず学園に残ると言っていたのを聞いた気がする。

どうせ暇なのだからとカキツバタは1年生寮のフロアへと歩を進めていた。





本当に何となくで誘っただけだった。

否、存外寂しさから誘っていたのかもしれない。

スグリの好きな映画が見れると入会している動画配信サービスをちらつかせ部屋に誘ってダラダラとベッドに2人、座って見ている。



画面の中で躍るスパイ役のインテレオンとそのトレーナーにキラキラした目で釘付けになっているスグリの横顔を見ながらよくこの関係に着地できたなとカキツバタはぼんやり考えていた。


先のリーグ部でのいざこざで互いに暴言で殴り合ったのは記憶に新しい。

スグリが休学した時はもう二度と会えないのではとさえ思って、復帰した彼女が以前の様に笑った事に酷く安堵した。


それから、手持ちポケモン達を鼻歌混じりにブラッシングしているスグリを見て、何となくでキスをして、色々あって今に至る。あの時気持ち良さそうにブラッシングされていたオオタチのいかりのまえばをモロに喰らったのも、可愛らしい見た目のニョロトノがオニゴーリの様な形相で睨んできたのも、他の手持ち達はスグリを守るようにぎゅうぎゅうと彼女を囲んでいたのも忘れる事はできない。

何故かカイリューとカミツオロチはやれやれ、という顔をしてたっけか。


互いに付き合う宣言などせず何とも形容し難い関係をずるずると続けている。



今までだってそうだった。求められるまま、流されるまま付き合って、キスして、セックスして、別れて、それを何度か繰り返して。

別れ際はいつだって同じ事を言われた。


「カキツバタって別に私じゃなくてもよかったんだね」


失望と疲れが入り雑じった表情で振り返る事無く去っていく背中を何度も見送った。


今、横にいるスグリだってそうなるのだと思う。

同じ事を言って、自分の元から去っていくのだろう。

失望と疲れが入り雑じったあの顔で。


離れていくのなら仕方がない、スグリの意思なのだから。


楽な方楽な方に流れて何も求めず、何も与えなかった自分は酷い男だという自覚はある。

しかし執着という熱は遥か昔に忘れてしまった。


遅かれ早かれ別れるであろうスグリに対してがっついて引かれない様にキス以上に踏み込めないのは離れてしまう事への恐れか、はたまた見当違いな祈りか。


ごろりとベッドに背を預け、テレビの明かりでチカチカと色を変える天井を見上げながら、ゆっくりと視界が狭まっていくのを感じて、カキツバタは意識を手放した。


「…………」


ぱち、と目を開けて自分は寝ていたのだとぼやけた頭で理解した。

明滅している明かりにまだスグリはテレビを見ているのかとぼんやり考えて横目で画面を見てギクリと固まってしまった。


良く言えばミルタンク、悪く言えばケッキングみたいな女が男相手に全部晒してだらしない顔で腰を振っている。


所謂アダルトビデオを、何で、何で……いや本当に、なんで…!?


テレビからあやしいひかりでも出ているんじゃないかと混乱しながらもカキツバタはこの動画に見覚えがあった。

無料視聴が可能だったから暇つぶしに見て、女優が全く好みではなかったから萎えて寝たのを思い出した。


簡単な操作は教えていたため恐らくスグリは映画を見終わった後、再生履歴からこの動画を拾ったのだろう。

音量が最低まで落とされているのは寝ている自分への配慮か、それともアダルトビデオなんて見ている事を知られたくないからか。


ちら、とスグリを見上げる。

角度が悪いせいでどんな顔で見ているのかはわからないが、仄暗い部屋であっても分かる程に、見えてる頬も耳も火が着いたみたいに真っ赤だ。

湯気が出てるのではないかとさえ思うほどに真っ赤っかである。


それを見て、カキツバタのイタズラ心が疼いた。

気付かれないようそろりそろりと起きてテレビに釘付けのスグリを後ろからがばりと勢い良く抱き締めた。


「〜〜〜〜〜〜!!!?」


寝ているポケモンの不意をついた時よりも数段激しい反応に思わず吹き出してしまう。

スグリのとてつもなくうるさい鼓動を腕に感じて笑いが止まらなかった。


「へっへっへ!元チャンピオンさまもとんだドスケベでやんすねぃ、こ〜んなのがお好きなんで?」


「あわっ!?わ…わや……!!」


陸から水辺に戻れずひたすら跳ねてるコイキングの様に口をパクパクとさせたスグリに笑いが止まらない。


「いやぁ〜元チャンピオンさまでもAVに興味津々なお年頃なんでやんすねぃ」


「……カキツバタは…こういうおっ……胸が大きい、のが好き…なんっ…か…?」


「……はい?」


真っ赤な顔でわーわー喚くか早口で言い訳するか、どちらだとニヤついていたカキツバタは予想外の返事に固まる。


……何て、なんて?


「お…おれさ…胸、ねっから……カキツバタは……興味無い……のか……って……」


「……は…?」


真っ赤な顔で、俯きながら中々に凄い事を言ってると当の本人は気付いているのだろうか。

今更ながら腕の中のスグリから柔らかい石鹸の匂いが強く香っている事に気付く。

動画目当てとはいえ男の部屋にのこのこやって来るなんて無用心だなぁと、自分が誘ったという事を棚に上げ呆れていたが、つまり、それは。


「……スグリ」


「ま、待って……コレ…」


黄色いウエストポーチから出されたのは新品の避妊具の箱で。

もじもじと恥ずかしそうに箱を握ったスグリは全身がマグマッグの様に熱くて真っ赤だった。


「はぁ〜〜〜〜〜」


スグリのいじらしさに、変に気を使って我慢していた自分の馬鹿さに、盛大な溜息が出た。


避妊具の箱を受け取る指先がガチガチに冷たく震えている。

自分との行為を想像しながらこれを買っているスグリが脳裏を過って、もう駄目だった。


「あー……スグリよぅ…これじゃオイラのは入らねぇよ」


「えっ!?」


避妊具の、ましてや見たこともない自分のアレのサイズなんてスグリに分かるわけがないよなぁと乾いた笑いが出た。


しかしSサイズとは何だ失礼な。


きっと何も考えれない程焦って買ったのだろうなと安易に想像ができて、また笑いが込み上げる。

一方でそんな自分とは異なりスグリはこの世の終わりじゃないかという程に項垂れていた。


「かっ、帰る!」


「おっと」


閉じ込めた腕に力を込める。

ここまで散々煽っておいて、逃げようだなんて、許す訳が無かった。


「ゴムならツバっさん持ってんのよ」


「えっ……え?」


「スグリよう」


わざと耳元で囁いてやる。

すると面白い程スグリの身体が跳ねた。


「たぎったままじゃ、帰さねえよ?」


この馬鹿みたいにうるさい鼓動は果たしてどちらの物なのか。







「ん……」


抵抗らしい抵抗などせず、大人しくスグリはベッドに仰向けに寝た。

頼り無げなタンクトップを捲り上げると心配になる程薄い腹と慎ましやかな乳房が露になって思わず唾を飲む。


「へぇ、スグリって陥没乳首なんだな」


「うぅ…あんま見んで…」


恥ずかしげに顔を背けるスグリを尻目に薄い桜色の平坦なそれの片方を指でぐにぐにと弄って、もう片方は尖らせた舌先で乳輪を丹念になぞる。

もっと、もっととねだる様にじわじわと硬く立ち上がる乳首を口に入れて含み、柔く歯を立てたり舌先で弄びながら、もう一方の手で片方の乳首を摘まむ。

小さな乳首を虐める度に、甘い声が上がり、背がしなる。

じゅ、と音を立てて吸ってやれば甘い声に艶が乗って、緩く腰を揺らしているのが見えた。

そろそろいいかとスグリのズボンに手をかけ下着ごと脱がせようとして焦った彼女の手で遮られた。


「あっ、わや…!おれさ、先にあやまっとかねぇといけねえ事さあって…」


この期に及んで何だというのか。

早く中に挿入たくて、今にもはち切れそうな熱を抱えているのにお預けはあんまりではないかと睨むとスグリは気まず気に目線を泳がせた。


「おれ、はじめて…で…めんどくさい、かも…しんね……」


消え入りそうな声で告げられた言葉に、何かが弾けた。


「わや…!かっ…カキツバタ!」


衝動のまま乱暴にズボンごと下着を脱がせれば、存外白いつるりとした秘所が露になり恥ずかしさからスグリが顔を背けた。


引き出しから引っ張り出してきたローションを掌に乗せ体温で緩く温める。

早く挿入たくて挿入たくて仕方ないがスグリに無理をさせる訳にはいかないとなけなしの理性が歯止めをかけた。


「んっ…!」


割れ目に指を這わせ、撫で上げる。華奢な身体とは対照的に肉付きがよくふっくらとしたその奥に指を滑り込ませ、緩く緩く、柔い肉の裂け目を撫で、更に焦れる様な動きでゆっくりと指をスグリの奥、熱い肉路へと沈めていく。

指を動かす度ぬちゅぬちゅとスグリの愛液とローションが混じり合う卑猥な音にぞわぞわと熱が背を走る。


「あ……ぁ…っ!」


「ははっ…すげえ濡れてるな…スグリよう気持ちいいか?」


清楚な石鹸の匂いとスグリの匂い、それに混ざりつつある濃い牝の匂いに聞くまでもないがカキツバタは尋ねる。

初めての感覚に余裕が無いのか、スグリはただ弱々しく泣きながら喘ぎ、震えていた。

その反応が少し物足りなくて、浅い部分で指を沈めたり引き抜いたりを繰り返しているうちに溢れた多量の愛液を指で掬い、裂け目の上部、硬く膨らみ始めた肉芽へと擦り付けた。


「んぁ!!?それ…やだ…!ひぅ!」


包皮に包まれた肉芽を極力優しく剥き指で挟みコリコリと弄ってやれば面白い程に背をしならせ下肢を震わせていやいやとスグリは頭を振る。そのはずみに髪留めが外れ、後ろで縛っていた髪がふわりと下りた。

前髪が下りたせいでただでさえ幼く見える顔が余計に幼く見え、背徳感に唾液を飲む。


「やだ!やだ!かきつばた…それ、やだ!!」


快楽から必死に逃れようと震える腰を引くスグリを逃がすまいと更に肉芽を擦り上げ、責め立ててやればぎゅ、と目を閉じたスグリの身体がビクリと跳ね、高い悲鳴を上げた。

何が起きたのか理解出来ず、ふぅふぅと荒々しい息をこぼし、震えながらこちらを見上げるスグリに思いっきり心臓が揺れたのをカキツバタは感じた。


「……入れるぞスグリ」


限界なんて疾うに越えていた。ガリ、と乱暴に口で避妊具の包装を破き装着する。その一連の動作すら焦れったくて堪らない。

痛い程に昂まっていたそれを見たスグリがひっと喉を鳴らしたがお構い無しに潤み、蕩けきった入り口に先端を擦り付け、ゆっくりと押し込んだ。


「うぐ……ぅ"……ぁ"ぁ…むり…!むりだ…って…!」


苦しそうな息を吐きスグリが仰け反る。解し、濡れそぼっているにも関わらず肉路はギチギチとキツくカキツバタを拒んでいた。


「むり…!むりだべ…!くるし……」


「スグリ」


苦し気なスグリを黙らせる様に口を付け口腔を蹂躙する。柔く熱い舌を拾ってぬるついた裏側を撫でてやればくぐもった悲鳴を上げつつもおずおずと舌を絡め返してきて堪らなく愛おしさがこみ上げた。

ぎゅうぎゅうと焦がれる速さで中に全て納め、恥骨を押し付けながら唇から離れる。名残惜しそうに糸を引く唾液に更に熱が上がる。


「かき、つばた…」


ふと未だ苦し気なスグリがこちらを見上げ、困った様に眉をハの字に下げてゆるく笑いかけた。


「おれ…はじめてで、めんどくさくて、ごめんな…」


きゅ、と投げ出されていたままの腕で抱きついてきたスグリの体温に心臓が甘く跳ねる。


「でも、かきつばたがはじめてで、にへへ…おれ、うれしい…ドキドキしてる…」


自身の陰茎を包んだ柔らかい肉がきゅうと収縮し、締まるのを感じた。


「はぁ…」


つい漏れ出してしまった溜め息に、悲しそうな息を溢したスグリを安心させようと頭を撫でる。この溜め息は軽蔑から吐き出されたものでは断じてない。


「……オイラも」


首にあるホクロをちゅ、と軽く吸い笑う。


「スグリのハジメテの男で良かったよ」


スグリの腰を掴み、ゆるく腰を引いた。離すまいとぬるつく内肉が蠢きながら陰茎に吸い付く感触に思わず息を飲む。


「……動くからな、スグリ」


回されていた腕を優しく外してベッドに縫い付ける。不安気なスグリの表情を上から眺めながら、彼女のぬるついた内肉の甘えるような蠢きを味わいつつ、動いた。


「ぁ、ぁう……!」


スグリが堪えきれずに漏らした甘い呻きに堪らなく愛おしさがこみ上げる。


ああ、そうだ。

流されるままなんて嘘だ。初めて自分から言い出して、執着して、キスをした。


ポケモンバトルで誰よりも楽しそうに笑うスグリに、ポケモン達に深い愛情を持って接するスグリに、疾うの昔に心臓を掴まれていた。


「かき、つばた…あ……っ!」


細い腰を掴んだ手に更に力を籠め、スグリが壊れるんじゃないかと思えるほど激しい抜き差しを繰り返した。

抽送の度に濡れた音とスグリの小さな嬌声が仄暗い部屋に響き、ぐっと下腹部が重くなる。

動きに合わせて健気に揺れる小さな胸房が目に毒で、喉奥から変な音が鳴った。


「かきつばた…!かきつばた…ぁ!すき…すき…!」


泣きながら好きだ好きだと言う度にスグリの柔い内肉はキツく引き締まり、ぴったりと吸いついてくる。汲み出す様に愛液が溢れ、腰を打ち付ける度に濡れた音が激しくなる。


「すき…!すき…すき……!かきつばた…ぁ、ぁ!おねがい…おねがい…!はなさんでな…!」


「嬉しい事、言ってくれるねぃ…スグリ…!」


スグリの細い脚が腰に絡む。意識しているのか、はたまた無意識なのか胎内射精をせがむような仕草にジリジリと視界が焼ける。

馬鹿みたいに何度も何度も腰を激しく打ち付けては自分の子種を求めて吸い付いてくる子宮口の感触に舌舐めずりをする。


「んぁ…!あぁぁぁぁ!」


腰に絡んでいた脚に力が籠りスグリは大きく仰け反った。


「ぐ…っ!」


一拍遅れて思いっきり精液を吐き出したカキツバタは強烈な快楽に息を吐きゆっくりとスグリの中に埋めていた陰茎を引き抜く。

ぷっくりと避妊具の先端に溜まった精液の量に苦笑いしてそれを外すと中の精液が漏れない様に口を縛り床に捨てる。

甘い喘ぎを上げ、びくびくと痙攣を起こしているスグリの頬を撫でて軽い口付けを落としてやればへにゃりと嬉しそうに笑う彼女に、また熱が上がる。

避妊具はまだある、それに夜はまだ長い。

火の着いた10代の性欲はまだまだ激しく燃えていて、再び避妊具の包装を破いた。





翌朝起床したカキツバタは横にいるはずのスグリがいない事に血の気が引いていた。

避妊具が無くなるまでがっついたのがいけなかったのか、意識も曖昧で喃語の様な言葉を繰り返すスグリを離してやらなかったのがいけなかったのか。


………全部か。


床に散らばった避妊具を見て今更ながら酷い倦怠感と喪失感が襲ってきて、汚れたベッドでもう一眠りしようか、というところで扉がノックされた。


「カキツバタ、あけて」


不意に聞こえたスグリの声に服も着ずに勢い良く扉を開いた。


「わ、わぎゃー!?服くらい着るべ!!?」


スグリの姿を確認した瞬間、彼女を抱き締め部屋に引きずり込む。もう何処にも逃がしたくなかった。


「何処行ってたんでぃスグリ…」


「え…シャワー浴びに部屋さ戻ってた…」


自分の部屋のを使えば良いのにと思ったが戻って来てくれたので不問にしよう。

珍しく冬用制服を着ているスグリを姉のゼイユの真似かとからかえば誰かさんのせいで首もとを隠さないといけないからなとムスッとして返された。

その横顔が可愛くて、スグリの頬に手が伸びる。


「なぁスグリよう、ちゅーしていいかぃ?」


「ふざけた事言ってねぇでシャワー浴びて歯磨きしろ」


「なんだよさみしい事言いやがって!昨日はあ〜んなに可愛かったのに…カキツバタ、すき、すきって何度もなぁ〜んども…」


「あー!あー!!!カキツバタのバカ!!バーカ!!!」


真っ赤にして怒るスグリも可愛くて可愛くて、吹き出してしまう。


疾うに忘れていたと思っていた執着という熱は自分の中にまだ灯っていた。


「スグリよう、今日はカイリューに乗って近くの街までデートしようぜぃ」


「いや部屋の掃除とシーツの洗濯が先だべ…?」


「はい決定〜!映画観て買い物して何か食おうぜ」


「ええ…」


困惑するスグリの肩を強引に組み、耳元で囁く。


「ゴムも切れちまったからよ、買いに行かねぇとな?」


「は…わや!?」


「今日もするだろ?よ、ふ、か、し」


連休はまだ始まったばかりなのだから。

真っ赤になってわやわや鳴いているスグリを尻目にシャワールームにカキツバタは消えた。



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