カイドウと二匹の猫達
もう定番になっている身請け設定
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「うにゃにゃー」
「わにゃにゃー」
「おーおー大声出すなよお前ら、餌やるから黙れ、赤鞘来ちまうからな」
少し前は城の奥で俺一人だった部屋も随分賑やかしくなった
全ておでんが連れてきたやつらのせいなんだが
世の中にはこんな自身達に似た猫がいたのか
「「ニャア」」
そいつらはおれに気づいたと思うとボテボテと俺の方にやってくるとあぐらの上に左右バランスよく座った
おれに似た猫、ここでは仮として(睚眦)ヤアズと呼んでいる
名前の由来は昔のある国での伝説の龍の子供から拝借した
ちなみにおでんの方の猫の名前はでんがく、本人曰くおでんという食べ物の始まりとなった食べ物らしい
ヤアズ、お前は干物でいいか
「ウニャニャニャ!」
すぐさま干物を手渡しすると食べ始める
でんがく、そういやお前は何が好きなんだ?やっぱりおでんが食いたいのか?
「わにゃにゃー!」
赤鞘に猫のミンクがいるからおでんは色々詳しかった
それによると普通の猫には塩分を高いものを与えない。それが条件とのこと
ヤアズは干物なら何でも食べて楽だが
問題なのはでんがく、こいつは少々おでんに似てるだけありグルメなのが面倒だ
乾燥昆布を与えるがすぐ食べなくなるし仕方ないので
簡易倉庫にあった乾燥ちくわと乾燥大根と乾燥はんぺんをおでんからもらった鰹節と水を混ぜて自身の口からの火で茹でた簡易のおでんを作った
これが少し手間だが食いつきがいい
おれは口から火が出せるので何かとおでんからやれ具を乾燥だの焼いてくれだの言われることも多い
まったくおれは焚き木じゃねえってのに…
結局二匹して作ったおでんを満足そうに食べている
城に住まわせてもらっている以上はおれも匿われてる身でおでんに文句はいえない
ただ、おでんが部屋に来るまでの間というのは寂しくも暇であった
おでんも王族、赤鞘との仕事でしばらく部屋に帰らない日も多い
ただこいつらがやってきてからは少なくとも楽しみが増えた
寝るときには柔らかい毛が寄り添い、朝方になると自然と起こしてくれる、孤独が薄れ自然と笑顔になる
猫も犬ほどではないが芸を覚えるらしい、こんどはどんな芸をこいつらに仕込もうか
最近の楽しみである