汚いウマ娘が突然現れたので虐待することにした
相手が善人過ぎても困る話俺は何時ものようにあにまん掲示板を覗き、気まぐれに数本のSSを放流して♡が付くところを見て愉悦に浸っていた。
すると突然部屋を謎の光が包み、ウマ娘が部屋に現れたではないか!俺は睡眠不足であろうと判断し、すぐに就寝した。
深夜、用を足すために目を覚ますとウマ娘がまだ居た。どうやら幻覚ではなかったようだ。
とりあえず他人の目に触れるとまずいので、家に閉じ込めておく事にする。
泣きじゃくっている彼女を風呂場に連れ込み衣類を奪い取る。それらは取り出せぬように機械に詰めてロックを掛けた。
当然、浸かっているお湯には薬品を投げ込み色水にしておくことも忘れていない。
湯から上がった彼女の尻尾を引っ張り上げ、くまなく熱風をかける。小さく悲鳴を漏らすが俺は容赦をしない。
それから俺の部屋に上げて乾燥した塊を食わせる事にし、その際にやや温い白い液体も与えておく。
下着を着けさせぬままメイド服を押し付け、ベッドに座って呆然とする彼女をそのままに明かりを消した。
おやすみなさい。
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少し時間を遡る
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「ここは…?あっ、声が変わって…この手、この身体…あのボタン、本物だったのね!」
歓喜に震えた。念願の美少女…ウマ娘になれたのだ。女の子の身体ってどんな風なんだろう、期待に胸が膨らむ。物理的にも膨らんでいるが。
『ウマ娘になれるが代わりにあにまん民と強制的にエッチさせられるボタン』光とともに僕の前に現れた謎アイテムだ。お察しの通りノータイムで押した結果、こうして不思議パワーで召喚されているってわけ。
「は?…アンタ誰だ、今の光は?」
コタツでノートパソコンに向かって何やらやっていた、部屋の主らしき男性が狐につままれたような顔でこちらを見ている。うん、とりあえず前の僕よりはさわやかな感じだな、ラッキー。
「えっと、えへへ……お、お兄さん、あにまん掲示板って知ってますぅ?」
状況的にまず間違いないだろうが聞いておく、この男がぼ…私のお相手だろう。少し近くに寄り、手頃なクッションに座り直す。
このお兄さんと私はえっ…セッ…『すること』をして、本当のオンナノコに今からなるんだと思うと、否が応でも身体が高まっていくのを感じる。
「知ってるっていうか…今書き込んでたとこだけど、ウマ耳?動いてる…本物???」
「本物でーす。あっ、同じスレ見てるじゃない。そのスレタイのやつ押して来たんだよ」
なんとなくノートを覗き込むと、彼が見ているのは奇しくも私の見ていたスレだった。説明の手間が省けて実に丁度よい。
「えっとね、だから…その、そういう事で…ね?」
とはいえ元が僕だから『一発ヤろうぜ!』等とは言えずに『わかってるよね?』アピールをする。うん、カワイイ。
自分がされてもヘタレて手が出せないだろうな、とは思うが。
「んー…寝不足かな。ていうか溜まってんなぁ、はぁ……」
「…えっ?」
しかし男はため息を一つつくと、そっと横になって私の膝に頭を載せて寝息を立て始めたのだ。
(こ、こ、このクソボケがーーーっ!)
お馴染みの画像を頭の中に思い浮かべる。まさかの即寝とは!読めなかった、この海のリハクの目をもってしても!
なんとなく男の髪を撫で回しながら、時間が過ぎていく。期待に高鳴っていた胸は鳴りを潜め、頭とお腹の奥の方にあった熱が冷めていくのを感じる。
(私、これからどうなるんだろう)
熱の抜けた身体に、押し寄せる不安。身一つで何処かに飛ばされて、しかも身体は変わってしまっている。家族はどうなるのか、戸籍は?無いのなら仕事に就くことは?
今、膝に乗せている男の庇護に縋らなければ何一つ持たないままホームレスになるしかない。しかもウマ娘はエンゲル係数が高い、最悪だ。
それでそのまま反社に釣り上げられて風呂に沈められ、それは嫌だと抵抗しようものならうっかりウマ娘パワーで殺ってしまってムショ行き……いや、それならまだいい。米国あたりのスパイに拐われて研究所行きかもしれない。
どんどん悪い妄想が頭を駆け巡り、血の気が引いていく。軽い気持ちで妙なボタンを押したことを、既に私は後悔し始めていた。
「んっ…少し冷える…」
ぶるり、と身体を震わせ腕を擦る。コタツを入れているせいか部屋の暖房はかなり控えめのようだ。ゲームでは冬の中山に水着で出走することもあるウマ娘だが、走っていなければ寒いものは寒いらしい。
(…なんだか催してきたわ、トイレ何処にあるんだろう)
冷える、ということはこういうことでもある。彼の住まいがどのようなものか分からないが、きょろきょろと辺りを見渡したところ掃き出しでは無い小さな窓とドアが一つ、それと収納一箇所といった形。そして窓の外は壁などがなく夜空が見える……二階?戸建てかな。
考えながら、近くにあったみかんを拝借する。いやちょっと待て、トイレ我慢してるのに水分を取ってどうするんだ。
(うー…やっぱりダメそう、探しに行こうかな…)
とはいえ女の子ってどうするんだろう…とりあえず座ってすれば良いのか。それと尻尾を漬けてしまわないようにしないと…腰に巻けばいいかな。
そんなことを頭に思い浮かべながら膝の上の頭を退かし、立ち上がる。じっとしていたのに動いたからか、より近くなった気がする。
(そういえば男より持たないんだっけ…ああ駄目駄目!考えたらいけない!)
尊厳を守るべく内股気味に部屋の扉を開け、そこに見えたのは階段。やはり戸建てか…見た感じで二階にはトイレが無さそうなので降りていく。やや蹴上の高い階段を一歩降りるごとに、水気も下りてくるような錯覚を覚える…。
(ここは…風呂場か。トイレは別の所っぽい)
とりあえず人の気配はないが、そろりそろりと歩いてトイレを探す。催してすぐに探すべきだったとは思うが後の祭りだ。
(ドアにプレートが貼ってある、ここね!って…え?)
しかし私の目の前に現れた扉にはドアノブがなかった。どういうことだ。いや、木ねじが抜けたのだろうか、ドアノブがあったであろう場所に小さな穴が空いている。
トイレを見つけた安心感から、一気に波が押し寄せてくる。駄目だ、待って、もう少し持って!
唇と内股をキュッと締め、扉の穴に指を掛けて引っ張る。早く、早く早く!開いて!!そして気温差で少々重くなった扉は開き…その勢いで手首が自分の下腹部に当たる。
(あっ)
その一撃は、限界を迎えたダムに蟻の一穴を開けるには十分すぎた。
(あっ、やっ、だめ、ダメっ!目の前に、目の前にあるのに!)
じわり、と滲み出る感触。続けて生暖かさが広がる。
(止まって、お願い、止まって……止まってえええ……)
もはや流れ始めた濁流は逗まることなく、床に大きな水溜りを作り、湯気が上がる。
「どうして…どうして、私、こんな…うっ…えっぐ……うぇぇぇぇ……」
自分で作った水溜りの中で、へたり込んだまま泣き始める。情けなくて、恥ずかしくて。なにより人様の家でこんな粗相をしては、絶対に叩き出されてしまうと恐れて。立ち上がる気力すらなく、幼子のように私は泣き続けた。
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(……随分と業の深い夢を見たもんだ)
奴隷少女に膝枕を求めて仮眠を取っていたら座ったままお漏らしをさせてしまう…等という夢を見て飛び起きる。
そういえばその前には俺の部屋にウマ娘が急に現れたので膝を借りる夢を見ていた気もする。だが俺の頭は普通にクッションの…ちょっと横に置かれていたし、別に頭が濡れていたりもしない。それからズボンも濡れていない。
(水の夢はフラグだし…トイレに行っておこう、大の男がおねしょとか笑えんし)
そう思って部屋を出ると、何処からか女のすすり泣く声がする。えっ、なにこのホラー展開は。心做しか空気も湿っぽくて靄がかかっているような…。
僅かに緊張感を抱きながら階段を降り、トイレに向かうと…そこには水溜りで泣きじゃくるウマ娘が居た。
(……は?)
ウマ娘である。どう見てもヘアバンドの類には見えない耳と、やたら質感のいい尻尾。そして見慣れた制服を着た、トレセン生以外の何者にも見えないウマ娘が、何故か泣いているのだ。
否、泣いている理由についてはわかる。見ての通りだ。だが何故ここにいるのか、そもそも実在していることについては全くわからない。
(状況はわからんが、このまま見ているわけにも行かないな)
「あー…えっと、君?どうしたんだ?」
声を掛けたウマ娘はビクッと身を震わせ、ぎこち無く振り返る。
(か、かわいい……!)
間違いなく一級品の美少女であった。涙で赤く腫れているがパッチリとツリ目がちの目に、すっぴんでも瑞々しい唇、スッと通った小高い鼻。シャープでありながら柔らかさを感じる、まさに掛け値なしだ。
「あ…あ…わた、私…ごめんなさい、ごめんなさい……!」
しかしこちらを見ると青褪めた顔になり蹲って震え始めたではないか。どうしてそうなる。いや理由は想像がつくが、これは人に見られたら564%俺が署に呼ばれる状況だ。
これはまずい、と心の中にお兄さまを召喚しエミュレートを開始する。正直俺がやってもキモいだけだが、コレに賭けるしか無い。
「そのままじゃ風邪を引くよ。さぁ、こっちに来て」
お兄さまなら震えて泣いているウマ娘の肩に手を置くような不埒な真似はしない。ならば、と屈んで手を差し伸べ、向こうから動くのをじっと待つ。
しばらく待っていると彼女は顔を上げ、不安そうな顔をしながらも返事をする。
「でも、私…とんでもないことを…」
「そういうのは後にして、まずはゆっくり落ち着こう?ほら、ついて来て」
彼女がゆっくり立ち上がるのを待って、風呂場に先導する。もちろん手を引っ張るような非紳士的な事はしない。
お風呂の椅子に彼女を座らせ、お湯張りを開始。浴室暖房がないので、その肩にはとりあえずバスタオルを掛けて少しでも暖かく。
「追い焚きよりは早く沸くと思うけど、待てなかったらシャワーを使ってもいいよ。扉のすぐ外に洗濯かご置いとくから、脱いだのはそこに。それと事情はゆっくり温まってからでいいから…あ、それとこれ。○ブ。」
優しく微笑みながら早口にならぬよう声を掛け、入浴剤を渡してから風呂場を出る。上手くやれただろうかと不安ではあるが、風呂上がりに気を遣わせないよう掃除を済ませることにする。
(の、前に自分も用を足しておこう。そういえば昨日換えのノブを買ってきて今日取り付け予定だったな…間の悪いことだ)
手早く小用を済ませ、掃除を開始。まずは雑巾で吸い取った小水をバケツに絞る。そういえばエロ同人で、こうやって集めたのを飲み干す変態行為をするのを見た覚えがあるな…等、少々思考が逸れる。流石にリアルでやるのは無いな、あくまでもフィクションだ。
今度は真水に漬けてよく絞った雑巾で水拭きし、乾拭きで仕上げ、除菌消臭スプレーを掛けておく。よし、綺麗になったな。
「…開けても大丈夫?」
掃除をしている間に風呂が湧いたとアナウンスがあったことを思い出し、脱衣所の外から声を掛ける。これが結城リト神なら、洗濯かごに脱衣を入れようとした彼女が浴室の引戸を開けたタイミングとカチ合うのは確実なタイミングといえる。
勿論そうならないように「大丈夫です」と返事があるのを待つ。
「それじゃ洗濯するから…タグの確認するよ、ごめんな?」
「いえ、その…なにからなにまで…」
浴室から申し訳無さそうな声が帰ってきたのを確認し、着ていた物をを物色する。なるほど、全部洗濯機でやって大丈夫なやつだ。それとどうやら向こうも気にしているのか、お湯で流して絞ってあるようなのでそのまま洗濯機へ入れた。
それと俺自身も着替えを済ませておく。一緒に洗うのはデリカシー不足なので、後で洗うために籠に放り込んで別の場所へ。
「温かいの用意しようと思うけど、コーヒーとホットミルクはどっちがいい?」
「お気遣いなく…」
「僕も飲みたいからさ、一人だけ飲むのもなんだし、ほら」
「じゃあ牛乳のほう…」
ボソボソと返事をしたのを確認し、飲み物の用意をする。それとお茶請けに適当なクッキー類も部屋まで持って行っておく。
「あの…すみません。ちょっと手伝ってほしい…」
そんなこんなで階段を往復していると脱衣所から声がかかる。なんだろう。
「どうした?服は今から着れそうなのを探すから済まないが部屋まではタオルで…」
「あ、その…それはいいんだけど、尻尾が乾かなくて…それでその、ドライヤー、掛けてくれませんか…?」
「はい?」
「えっと…髪は頑張ったけど、どうしても難しくて」
「わ、わかった。手伝うよ…入って大丈夫?」
意を決して脱衣所の扉を開ける。バスタオルを巻いた姿の彼女は、不安そうな顔で尻尾を忙しなく動かして……
「あ、ご、ごめん!タオル!タオルもう一枚巻いて!」
「えっ……きゃあっ!」
慌てて後ろを向くと、パサリと布の落ちるような音がする。ギリギリのところでTo LOVEるは回避できたらしい。
考えれば当然の話で、ただ巻いただけでは尻尾で持ち上がってしまうのだ…いや俺は見てないが。
「ええっと、もう大丈夫です」
「あ、うん…こっちこそごめん、それじゃ乾かすよ」
タオル姿でお尻をこっちに向けた彼女にドキドキするが、煩悩を振り払って尻尾を手に取り、ドライヤーをあてていく。
「ひゃ…あ、いえ、少し驚いただけで。んっ…」
全体が乾くように様々な角度から温風を浴びせる。時々擽ったいのか身をよじり、揺れるお尻が大変目の毒だ。
「…よし、乾いたかな」
「ふへぇ…♡あ、終わりました…?」
「それじゃ櫛を通すね」
「え?」
乾いて毛の広がった尻尾に、とりあえず椿油を馴染ませて丁寧にブラッシング。見れば髪の毛先が少し湿り気を帯びている…根本がちゃんと乾いてないな、これは。
「ひゃ、んうっ、あ、そこぉ…♡」
スーッとブラシが通るたびに、艶めかしい声が上がる。とても耳に悪い。
「ふっ…ふーっ、はぁ……あ……♡」
「よし、これで出来た。とりあえずここは冷えるし、一度部屋に行こう。暖房も少し強くしておいたから」
「ふぇ?あ、は、はいっ!」
改めて声をかけると彼女は尻尾をビンッと跳ね上げ、俺の顔に直撃する。サービスタイムか?
「あっ!ごめんなさい…」
「いや、大丈夫。飲み物を持っていくから先に行っててね。それと頭乾ききってないみたいだからタオルもう一枚どうぞ」
「あ…はい、アリガトウゴザイマス…」
二階に上がる彼女を見送り、顔を水で洗う。火照った頭に冷たい水が染み渡ると、心做しか頭も少し冴えるような気持ちだ。…そういえば少しふらついていたな、湯当たりだろうか?
──────────
熱に浮かされたようにボーッとして、ベッドに腰掛ける。ウマ娘の耳じゃなくても解るくらい、心臓が煩く跳ねているのが聞こえてくる。
(ホントにアレ同じあにまん民??)
至れり尽くせり、こんなに優しくされたのは人生で初めてだ。むしろ男のままでもここまでされたらメスになりそうなくらい。
コタツの上には開けたばかりのクッキー缶と、蓋をされたマグカップが二つ。用意をしてくれたのだろうが、一人で勝手に食べるのは憚られた。…さっきみかんを食べてしまったせいで、なんだかバツが悪い。
「お待たせ。こんなのしかなかったけど、とりあえず着ておいて。外で待ってるから着たら声を掛けてね」
戻ってきた男は畳まれた服を置くと、そう告げてすぐに部屋の外に出て行ってしまった。…とりあえずタオルのままというのも居心地が良くないし、と思い服を広げる。
黒一色のワンピース。そして白いフリル付きエプロン。誰がどう見てもメイド服である。
(前言撤回、やっぱあにまん民ですわ)
少々ジト目になるが、元はと言えば私の目的も『そういう事』なのだから話が早いとも言える。お風呂に入ってノーパンノーブラでこんなのを着せるのだから、やはり『ご奉仕』を求められるのだろう。
それを責めるつもりはない、何しろ私にとっても『よく解る』類のものだ。サイズの大きめな服に袖を通し、エプロンを身に着ける。
「き、着替えました」
少し上擦った声で男を呼ぶ。これから食べられちゃうんだ、と思うと先程とは違った液体が下腹部を湿らせていく。
「とりあえずキツかったりは…無さそうかな?ブカブカかもしれないけど、一番着やすそうだったから」
「大きいかな、って思ったけど胸元はこのくらいが良さそうです」
「それ実は僕のサイズなんだ。余興用というか…」
なんと、まさかの女装まん民。彼シャツならぬ彼メイド服とは。
「それで…その。ウマ娘なのは分かったんだけど…どういうことなの?」
んん?あー、寝ちゃう前のこと覚えてないって感じかな。
「ええっと、実は…」
「事実は小説より奇なりっていうけど…うーん」
「でもホントなんです、だから、その…お、お願いします!」
恥ずかしさから少々吃りながら説明を終え、頭を下げる。実際こうなっている以上、私はこの男に縋るしかないのだ。
「あぁ、頭を上げて…とりあえずその、なんだ。焦らなくていいから」
「でも…」
「まずはゆっくり休んで、それから考えよう。僕はここでいいから、君はベッドを使って。それじゃおやすみなさい」
そう言うと男はリモコンで電気を消して、コタツに潜ってしまった…やはりクソボケでは?
(どうしよう…)
ここはやはりコタツに入り込んでおしゃぶりからその気にさせるべきか。エロゲーのヒロインならそうする、だが私だ。そんな度胸はない。
体が火照り、胸が苦しい。けど、同じ部屋の中で単走を始めてしまうのは恥ずかしくて死にそうだ。
悶々としたまま、毛布に包まり目を閉じる。布地からほんのりといい匂いが鼻をくすぐり、私の女の部分を強く刺激する。
“そういえば、いい香りがする人とは遺伝子から相性がいいって、聞いたことあるな”
(去れ!フジキセキよ!!)
頭の中に現れたフジキセキを振り払うように頭を振り、一層強く目を閉じる。疼く身体と脳に耐えながらそうしていると、やがて私の意識は夜に溶けていった。
──────────
それから三ヶ月
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色々なことがあった。
親が亡くなって一人暮らしだった彼のところで世話になることを決め、家事手伝いを始めたこと。
翌朝以降、彼と私以外は『馬』を知らないウマ娘プリティーダービーの世界になっていたこと。
世界線が変わったことで彼の給料(給食員だそうだ)と預金が爆上がりしていたこと。
取り急ぎ普通の服と下着をUmazonで揃えたこと。
尻尾や髪のケア用品を整える為、二人で買い物に行ったこと。
ここまで来てなおも自分から迫る勇気がなく、彼も手を出そうとしてこなかったこと。
時折激しく疼く身体を抑える為、彼の洗濯物に顔を埋めてそろぴょい伝説をしていたこと。
一昨日もそうしていたら出走中に彼が帰宅してきたこと。
その後二人でベッドに入った結果、シーツを水浸しにしたこと。
そして今日、彼から小さな箱を渡されたこと。
順番が逆になっちゃったなと、はにかみながら告げる旦那様がとっても格好良かったこと。
“子供がウマ娘なら、トレセン目指しちゃう?”
“それも良いけど、俺としてはまず健康に産まれてきてほしいかな”
笑いあって、二人でそんな話をしたこと。
本当に色々あったけど、私は幸せです。だからこれが夢なら、どうか醒めないでください。夢の続きはこれからなんだから。