エリアルちゃんが接待する話

エリアルちゃんが接待する話

ベリーメロン



「んっ、うぅ……」


 さわさわと胸をいやらしく這い回る男の手。

 エリアルはその手に抵抗できずに、ただなすがまま触られていた。

 その手の持ち主は、多くの魔術書や知識や相応の権力を持つという中年の魔術師。

 彼は娘ほど年の離れたエリアルに背中から抱きついて、ひたすらに乳房を揉みしだいていた。


(きもち、わるい……)


 目尻に涙をためて、エリアルは不快感に震える。

 どうしてこうなったか。それは彼女の義母であるノエリアが、禁術の研究資金と情報のためにこの男に協力を求めたからだ。

 ノエリアはこの魔術師が何を求めるかをよく知っていたのだろう。まずは自分に従順で逆らわないエリアルに貴女が必要だから手伝ってと囁き、この魔術師に何度も顔合わせさせていった。

 人見知りで物静かなエリアルは、彼から向けられる嫌な視線に不信感を抱いていたがノエリアからの頼みは断れない。

 そんな少女の様子を見て、魔術師がノエリアとの契約の対価として求めてしまったのは必然の流れだった。


(はやく、おわって……)


 髪を嗅いでいるのか、荒い息がエリアルの首をかする。服の上から延々と胸を触られるのは、エリアルでなくても不快なのは言うまでもない。悪寒が走り、ふつふつと鳥肌が沸き立つ。

 されどエリアルの願いとは裏腹に、魔術師の手はエリアルの服を脱がしていく。ノエリアにいつものローブはやめておけと言われて着てきたシャツを、彼はプツプツとボタンを外していった。


「ん、やめ……」


 言いかけて口を噤む。この魔術師を怒らせて、契約がこなされなければノエリアを怒らせてしまうかもしれない。あの人に捨てられたら……と考えたエリアルはそれ以上の言葉が出てこなかった。


「んん、んっ……」


 はだけたシャツから覗く簡素な下着を魔術師はゆっくりとずらしていく。晒された乳房は決して大きくない。膨らみ始めた程度のものだった。エリアルはまだ1●歳を迎えて間もないのだから当然だろう。

 かわいいおっぱいだねぇ?と魔術師はねっとりと褒めるとその乳房を丁重に揉みほぐしていく。


(いつまで、触ってるんだろう……)


 乳房に触れるねちっこい指への嫌悪感にぞっとしつつ、始まってからずっと続けられる行為の意味がわからなかった。

 ただ触られるだけなら……我慢してしまおう。確か夕方には終わるはずだから。とエリアルは魔術師を悦ばせる気もなく、そのまま終わることを望んでいた。

 こみ上げてくる吐き気を胃に返し、終わりをひたすらに待つ。

 そんなエリアルの思考とは相反し、彼の指は別の動きを始めていく。


「んぅ、あっ……」


 微かに溢れるエリアルの声。

 魔術師の指が突如乳房の先端を引っ掻いて、思わず声が漏れたのだ。

 びっくりしただけ。そう考えるエリアルに、畳み掛けるように指先が乳首を引っ掻いていく。


「ん、んん、んぅっ……」


 カリカリ……カリカリ……乳首をひたすらに引っ掻く男の指。エリアルは青い瞳をわずかに潤ませつつも、気のせいだと自らに言い聞かせていく。


(はやく、おわれ……おわれ……)


 されど魔術師は今度はエリアルの乳首を引っ掻くことに執心し始めた。

 かわいい声だね?とねっとり囁かれれば、肌がより強く鳥肌を立てる。なのに、少しずつ強くなっていく感覚はエリアルを焦らせていく。


「んっ、ふくっ……んんっ……ひうっ……」


 カリカリ♡クニクニ♡ただひたすらに引っ掻くだけではなく、エリアルの反応を見ながら魔術師は緩急を付けながらバリエーションを増やしていく。


「い、や……んんっ……ちが、うのに……んあっ♡」


 くにっ♡と摘ままれる乳首。掻くだけな飽き足らず、魔術師はだんだんとエリアルの乳首をあの手この手で苛めていく。

 ボタンのように押してみたり、ひっぱたくように弾いたり、強めに摘まんでみたり。


「あっ、んんっ、ひあっ……♡」


 違う、違う、違う、とエリアルは必死に思考で否定するが、身体は魔術師の手中に収まっていた。

 身悶える十代前半の小柄な少女を、すっぽりと背中から覆う男はその様子にさらに笑みを深めている。


「ぼく、しらない……こんなの……んんっ……やだ……やなのに……♡」


 どんどん余裕がなくなってくる。知らず知らずに否定の言葉が溢れても、魔術師は気にせずにエリアルを苛めていく。

 体格差のせいで、こうもすっぽり背中をとられては逃げ出すこともままならない。

 さらに激しく乳首を苛め出す彼の指に、エリアルは唇を噛み締めつつも訪れるソレから逃れられなかった。


「いや、イキたくな……んんぅぅぅっっっ♡」


 びくりと震えるエリアルの小柄な身体。キュンキュンと下腹部に響き、エリアルの下着を愛液が汚していく。


「はぁ、はぁ……♡んぅ……い、イカされ……」


 涙はとうとう決壊し、頬を濡らす。こんな男に絶頂させられた。それがとにかく嫌だった。

 されど時間は終わりにはまだ遠い。震えるエリアルに、魔術師は尻を向けるように言い出す。


「…………っ!」


 心底嫌だったが、このまま乳首を弄くり回されるのとどっちがいいか。二択を前に悩みつつも、機嫌を損ねないように四つん這いになって尻を向けた。


「ん、くぅっ……」


 スカートが捲りあげられ、濡れた下着が男の目に晒される。羞恥心で死にたくなるが、彼は躊躇うこともせずに下着を脱がした。

 完全に脱がされて、その下着が彼のポケットに突っ込まれるのまで見届ける。帰りは下着無しを余儀なくされそうだ。


(アソコ、見られてる……さわられるんだ……そして……)


 最悪の気分だった。こんな男に、色んなモノが奪われるなんて。

 おもむろに幼い尻を撫で回されて、エリアルはこれからナニをされるのか想像してしまう。

 魔術師はニヤニヤと笑いながら、エリアルの濡れた秘部――ではなくピッチリと閉じた肛門を撫でた。


「ひっっっ!?」


 思わず声が漏れるエリアル。汚物を吐き出す場所を触られるなんて、思っても見なかった。確かにここに来る前にソコも洗えと言われたが、匂いが気にするからだろう程度にしか考えていなかったのだ。

 魔術師はエリアルの震えに楽しげに笑うと、取り出した薬瓶に指を浸していく。ヌルヌルとしたよくわからない透明な液体からは何か危険な予感がしたが、エリアルに逃れる術はない。


「ひぐっっ……」


 薬に浸された指が、今度はエリアルの肛門に沈んでいく。挿入されることなんてあり得ない場所への挿入に、エリアルは息が詰まるような悲鳴を漏らした。

 ヌルヌルとした液体は、本来激痛をもたらす指の挿入を手助けし指をすっぽりと受け入れさせてしまう。


「や、やだ、ぬいて……こわれちゃう……ゆるして……」


 内臓を内側から撫でられる異物感にエリアルの脳が警鐘を鳴らす。されど男は指を引き抜くどころか、肛門の中で指を折り曲げた。


「ぎっっっ!?や、やめ!やだっ……あ゛、あ゛あ゛っ!」


 あり得ない。こんなことされるなんて。エリアルは泣き叫ぶが魔術師は指を止めようとしなかった。

 薬のヌルヌルを馴染ませるように指を蠢かし、エリアルの悲鳴を楽しむように弄くり回す。

 ゆっくりと、変化は訪れ始めた。


「や、だっ……ぼく、おなかっ……あつっ……」


 熱を持つように熱くなる肛門。男の指が蠢く度に不快感に苛まれていたはずなのに、徐々にそれが熱へと変わっていく。

 今度は液体が直接垂らされ、塗り込むように指が出し入れされていく。


「んんっ……んっ、ちが、う……こんな、ぼく……んぅっ」


 口を噤む。こんなことあり得ない。認めたくないと。

 されど魔術師はエリアルの反応により一層笑みを深くして没頭していく。

 ぬぷぷぷぷぷっ♡ぐりっ♡ぐりっ♡と指が汚物が通る場所をひたすらに刺激していった。


「やだぁ……こん、な……んんっ♡ちがうっ……ちがうのに、んんぅっっ……♡」


 徐々に強くなる熱。エリアルはこんなことはあり得ないと願うが、それのは裏腹に身体はそれを快楽だと受け入れていく。その時はすぐに訪れた。


「いや、やめ……やだっ……こんなの……んんぅぅっっっっっっっっ♡」


 ぬぷんっ♡と指が再びすっぽりと挿入されたと同時に、エリアルの小柄な身体が震える。秘部からは愛液が溢れ、男から見てもそれが絶頂なのはわかってしまう。


「はぁ、はぁ……うそだ……そんな……ぼく……おしりで……」


 震えるエリアルは現実を受け止めたくなくてさめざめと泣くが、魔術師はその様子が楽しいのだろう。

 時間はまだまだあるから、たくさん調教してあげるね?と囁かれたエリアルは絶望に暮れるしかなかった。



○○○



 その日の仕事が終わりフラフラとした足取りで、自室になんとか辿り着く。ベッドにそのまま倒れ込み、エリアルは何も言えずに震えていた。

 すでに数日は経つのに、未だにエリアルのカラダには悪影響が残っている。

 あの後、魔術師は最後まで指だけでエリアルを弄んだ。秘部には一切触れず、乳房と肛門をひたすらイジメ続けるだけで。

 イキたくないのに何度もイカされ、感じたくないのに強く感じさせられる。大嫌いなのに、気持ち悪いのに、エリアルの身体はあの魔術師に翻弄されていた。


「んっ……だ、め……」


 男に触られた乳房に自然と手が伸びる。服が擦れるだけで感じるほどに乳首は開発され、エリアル自身が触ればあれほどではないが確かな快楽が生じてしまう。

 肛門には触れることが憚られ、一切触られなかった秘部を撫でていく。ぐっしょりと濡れた秘部はエリアルの指を拒むことなく受け入れ、それが自慰を加速させていく。


「んんっ……ふあっ♡んぅ、あっ……♡」


 嫌なのに、認めたくないのに、指が止まらない。

 それでいて自分ではあれほどにならない。


(僕の、カラダ……おかしくされちゃった……)


 不快感と嫌悪感に涙が滲む。数日経っても仕事に身が入らぬほどに身体は開発されていた。

 それでも少しずつだが、快楽は忘れていくはず。日が経てばきっと完全に落ち着くはず。もうあの魔術師と会うこともないのだから、大丈夫なはず。

 だから、今はこうして身体を落ち着かせるのだ。


「んっ、あっ……♡」


 そう言い聞かせながら、エリアルは今は自慰に耽っていくのだった。





 そうして、ひと月ほどが経ち、身体の調子も落ち着いて、影響も薄れてきた。

 そんな日だった。

 エリアルがもう一度、あの魔術師から指名されたのは。


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