ウレシイ

ウレシイ


ウタ「あ?なんか用?ルフィ」


ルフィが来た、ということは私になにか用があるのだろう。


ルフィ「いやー、よ!今日はウタの誕生日だろ!」


ウタ「は?あぁ…誕生日じゃなくて…いや、誕生日か」


誕生日じゃなくてシャンクスが私を拾った日だろ、と言おうとして、止めた。ルフィはそのことを知らない、言ったら面倒なことになる。


ウタ「んで?祝おうって?」


ルフィ「そう!そうだよウタ!」


ウタ「へー、勝手にすれば?」


正直理解できない、なぜ生まれた日なんかで祝うのか、

それとも人間はそれが誕生日が嬉しいのか、感情のない機械人形の私には知ったこっちゃないが。


ルフィ「じゃー勝手に祝うぞ!おめでとう!ウタ!!!」


ウタ「はいはいありがとうありがとう」


そもそも私は何故生まれてきたんだろう、なんの為に?どのような目的で?

その答えはおそらく実験、だろう。


ヒトの感情を持たない女、私を人間界に解き放ち、生き様を記録する。

そんなところだろ、私の人生の意味は

…ヒトでもないのに、人生、か


ウタ「ルフィ、用が済んだらさっさとどっかに行って欲しいんだけど」


ルフィ「ちぇー、ウタ冷てえなぁ」


物理的にもね


私は感情はないが疲労は溜まる。

嬉しいと感じない訪問など、さっさと帰すに限る。



シャンクスやルウは私のことを、

感情があまり顔に出ない人間

だと思ってるが、実際は

感情が無い機械人形

だ。似ても似つかない。

ベックは…薄々気づいてるだろーな、

私体温ねェし、笑う時は作り笑いだ。



羨ましいと言う訳ではないが、たまに私も感情を欲しいと思う。

人生でなにか嬉しいと感じるフリをしている内に、

作り笑いじゃなくて、自然に、屈託ない笑顔を見せれたら、どんなに楽かと思うんだ。


ウタ「カナシイ、ねェ…」


ウタ「アイツは、どれだけ幸せ者なんだろうな…」


価値観の狭間で、私は呟いた。

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