ウタの計画

ウタの計画



「今日はルフィの誕生日♪しかも…ふふっ♪」


ウタは朝から浮かれていた。それもそのはず今日はルフィが20歳になる特別な日。

今日という日のためにずっと計画を練っていたのだ。今から楽しみで仕方がない。


「ボクの計画は完璧…!今日こそルフィとの初夜を過ごすんだ!……でもその前にしっかりと祝ってあげないとね……ここ数年はルフィの誕生日を完璧に祝えてなかったし……」


ここ数年は配信の依頼などでルフィと誕生日を過ごすことができてもせいぜい数時間しか過ごせていなかった。今回はようやく1日を思いっきり使ってルフィを祝ってあげることができることが嬉しくて仕方がない。


「プレゼントは用意してあるし、ご飯の後に一緒に飲むお酒もある。あとは料理の下拵えをしっかりとしなくちゃいけないね。ボクの料理……喜んでくれるといいんだけど……」


少しだけ不安に思いながらもルフィだけの王子様は料理の準備をするのであった。


ーーーーー

時刻は夕方、そろそろルフィがこちらの家に来る時刻だ。

今更だがウタの心臓はものの見事にバクバクと激しく動いていた。


「あれ…?よくよく考えたらボクとルフィの2人きり……シャンクスは出張で帰って来れないし………あ…心臓痛い…」


この歌姫、普段は王子として世界中のファンより愛されているがたった1人の男が相手となると一気にポンコツと化す。

何度も自分から夜の誘いを行なっているのに胸を触られただけで顔から蒸気を出して気絶など、とにかくルフィに弱い。

そして気絶する度に健康な男の子であるルフィが必死に自らの欲望を抑えこんでいるとは露とも思っていない。


ガチャっ……ウターーー!ハイッテイイカー?


「来たね…!ルフィ!」


そんなことを考えているとルフィが合鍵を使って家に入ってきた。

先ほどまで考えていたことは一旦置いておいて祝った後の展開を予想して笑みを浮かべながらルフィを祝うことに全力を尽くすのであった。


ーーーーー


「えへへ♪ルフィ、ぎゅううう!」


「ウタ……酔ってんな?」


「酔ってないよ!ボクがルフィより先に酔うわけがないじゃらいか!」


食事を終え、後片付けやお風呂も済まし、2人でするはじめての飲酒を行った。

数十分後そこにいたのは全く酔っていないルフィ(年下)とあまり飲んでいないにも関わらず既に出来上がりルフィに抱きついているウタ(年上)だった。


「あんま今抱きつくな……」


「えー何でさー、ボクに抱きつかれるのは嫌なのかい?ボクは君のことが大好きなのに……」


「……嫌なわけねェ!けど今はダメだ!」


「えー………わかった!ルフィは恥ずかしいんだね!」


そう言いながらより一層ルフィの身体へ自分の身体を擦り付ける。

ルフィのウタを見る目がどんどん熱が篭っていくのを知らずに自らの豊満な胸を腕にくっつける。


「恥ずかしがらなくていいんだよ!ボクはルフィよりも年上だからね!」


ルフィがそんな目をしているとは全く思わずペラペラと本などで学んだ実際には経験したことのない知識を含めて話しマウントを取るウタ。

酔っているとはいえやけに上機嫌なことを不思議に思いルフィが理由をウタに聞く。


「なあウタ、随分と機嫌がいいけどよ、どうしたんだ?」


「んー?ふふふふ……よくぞ聞いてくれたね!僕の計画を今こそ話そうじゃないか!」


「計画?」


「そう!こんなに機嫌がいいのはルフィの誕生日をしっかり祝えたことが嬉しいのと……ルフィと一緒にこれから初夜を過ごせるからさ!」


「………………」


ルフィの目が情欲に染まる。

ウタは気づかずに自分の計画を話し始める。


「まずルフィの好きなものをたくさん作ってあげてルフィの喜ぶ顔をたくさん見る!次に一緒にお風呂とか後片付けをして穏やかの過ごす!最後に一緒にお酒を飲んでルフィが酔ったところをいっつもヘタレちゃうボクがリードして初夜を迎える!これがボクの計画──────」


いつの間にかルフィに抱き抱えられベッドに向かっていた。

少しの振動が妙に心地よい。


「あれ?あ!運んでくれたんんん!?」


ベッドに寝かせられたと思うとルフィからいきなり舌を入れるキスをされる。

そしてルフィの口から何やら甘い液体が流し込まれる。


「ん……ごくっ……はれ……これ、おしゃけ……」


「………あとでぶん殴ってくれ……するぞ、いいな?」


「あ……うん、きて……ルフィ……ボクをいっぱい愛して……」


ーーーーー

翌朝……


窓から入ってくる太陽の光を浴びてウタは目覚める。


「あれ……?……ボク、いつのまに寝て────いっ!」


身を裂くような激痛と凄まじい倦怠感がウタを襲う。

思わずベッドに倒れ込む。それと同時に何やらズッシリと重たい下腹部からドロリとしたものが溢れてくるのを感じる。そこでようやく自分が服をほとんど着ていないことに気づく。そして………


「なにこれ……何でボク裸……………………あ……」


思い出す。昨日と日を跨いだ今日の出来事を。


『もっと欲しい……もっとボクを愛して……』

『おう……!』


『ちょうだい…!ボクに全部出して…!』
『ウタ……好きだ……大好きだ……!』


思い出すだけで気絶しそうになるが必死に堪える。

あんなルフィは見たことがない。いつも優しくボクを守ってくれるルフィの辛そうな、けど気持ちよさそうな顔。

ボクの意思とは裏腹に口から溢れる艶やかな喘ぎ声。今でもあの声は本当にボクなのかと疑問に思うほどだ。


そして……絶え間なく溢れてくる幸福感と快楽。


それらが重なってどうしようもなく顔が熱くなる。思わず顔を手で覆い、チラリと隣を見やる。そこにはいつのまにか目を覚ましていたのか起き上がってこちらを横目で見ているルフィと目が合う。


「あ………お、はよう……」

「……お、う………」


お互いに顔を手で覆い朝の挨拶を行う。こんなぎこちないルフィは初めて見る。


「あ、のよ……身体……痛くねェか…?」

「え…?……ちょっと痛いかな…?初めてだったしね……」


「……悪ィ……おれ……」

「謝んないでよ……元々そういう予定だったからね。……まぁ結局最後までリードされっぱなしだったんだけど……」


不満点があるとすればそこだけ。あとはすごい幸せな気分だ。

ルフィと繋がれたことを思い出すだけで心があったかくなってくる。


「まさかあれだけボクのことを愛してくれているとはね!あんなルフィ初めて見たよ!」

「お前だけだ。あんなことになるのはよ」


「嬉しいなぁ……あのルフィがボクにだけあんな顔を見せてくれるなんてね……」

「ウタだってすごい可愛い顔してたぞ。すげェクるものが」


「変態!!わざわざ言わなくてもいいじゃないか!」

「お前が先に言ったんだろ!?」


顔を赤くしてまたいつも通りの関係に戻っていく。

いつも通りの中にこれからは男と女の関係も増えていくんだけどね?

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