ウィン×ドラゴンフライ
cbとある森の奥、近隣に住む人間なら絶対に近づかないような場所で、夜の闇に覆い隠された2つの影が重なり、揺さぶるように動いている。
1つの影は蟲───ドラゴンフライと呼ばれる人のような骨格をした巨大なトンボ。
1つの影は人間───あどけない顔つきで髪の色と同じ緑のリボンで結ったポニーテールを揺らす少女、風霊使いウィン。
人が見ればその影は少女がその背丈より大きな蟲に襲われ、無惨に食い殺されるその瞬間だと誰もが思うだろう。
「あ………♡んっ………♡そこ気持ちいい……♡」
しかし少女の口から零れるのは恐怖や苦痛に満ちた叫びでは無くその幼さを残す顔に似合わぬ嬌声であった。
ドラゴンフライも普通では決して出さない甘える様な、切なさを感じるようなきぃきぃとした鳴き声を上げている。
雲が風に揺れ、その隙間から月明かりが差し込み闇の中から露になりハッキリと見える様になった彼女達は────交尾をしていた。
ドラゴンフライの股から露になっている生殖器をウィンは異種族の、普通の女性なら嫌悪する蟲である彼を迎え入れる様に足を開き、己の女性器へと受け入れている。
ドラゴンフライも彼女の柔らかい肌を傷つけない様に4本の手で支えながら腰を使い、淫らな水音を立てるウィンの秘所に生殖器を突き立て、擦り上げる。
1人と1匹は見つめ会い、互いの粘膜が擦れあって生まれる快感をひとつも零さぬ様に交わりあっていた。
そうして響く水音に紛れてネズミか何かが動いた様で近くの草むらががさりと音を立てた時、突然ドラゴンフライの様子が急変する。
怯えるような鳴き声を上げ、腰を使うのを止めてしまったドラゴンフライをウィンは撫でながら優しく囁く。
「大丈夫だよ………今ここに君を傷つけるような人は居ないからね………」
震えるドラゴンフライは少し羽が欠け、背中の甲殻にも治ってはいるが傷跡が残っている。
明らかにこの森に住む生き物の攻撃による物ではなく人間の、それも遊び、痛めつける様に付けられた傷跡だった。
恐らく傷を付けた相手はドラゴンフライを殺したらフェロモンで仲間を呼ばれる、だからギリギリ死なない様に、しかし放って置けば死ぬようにしたのだろう。
ウィンが偶然この森に実験で使う薬の素材を探しに来てドラゴンフライ見つけた時、その傷は酷い物で、何度もこの森に通って手当をした事で傷は殆ど治ってはいるがドラゴンフライの心の傷はまだ癒えてはいない。
小さな音でも襲われた状況を思い出させる音や、物に怯える様になってしまった。
ウィンは自分に覆いかぶさりながら震えるドラゴンフライの生殖器を自分のナカで優しく締め付けて恐怖を想起させる音では無く、自分に注意を向かせる。
「今は私を見て?怖い事、気持ちいい事で忘れちゃおう?」
優しくドラゴンフライを撫でると少し落ち着いた様で甘いきぃきぃとした鳴き声を上げ、再び腰を使い始める。
身を震わす恐怖よりも、自分の方を向いてくれる事に、ウィンは嬉しくなったのかつい笑みが零れてしまう。
最初は興味本位だったかもしれない。
傷が治ったドラゴンフライが丁度発情の季節らしく、しきりに身体をもぞもぞとさせていたが命の恩人であるウィンに求めるのを躊躇って居るようで自分より大きな彼が何だか可愛く感じた事、ウィン自身も年頃な為「そういう事」に興味があった事、そして何となく彼と波長が合った事もあってドラゴンフライとの、異種族である蟲との交尾を彼女は受け入れた。
最初はちょっと痛みもしたがその度にドラゴンフライは労わるようにゆっくりと動いてくれたし、何より人間に襲われた筈なのに自分になつき、甘えてくれる。
自分を求めてくれる彼を見てウィンは決心した様子でドラゴンフライへと囁きかける。
「ねぇ…今日は、ううん。これからは最後まで………しない?」
何時もはナカに出す前に彼の生殖器を抜き、手で達するまで扱きあげていたが中で、最後までウィンの中で擦り上げて彼の精を子宮で受ける。その事を理解したのかいつもより興奮した様子で鳴く彼にウィンは答える。
「うん…♡君の子供、産みたいの…♡」
昆虫族のモンスターの中には他種族の雌を単独で孕ませる為に精子と卵を持ち、相手の胎に植え付ける種類のモンスターがいて、このドラゴンフライもその1種である事をウィンは知っていた。
彼女の友人や先生はきっと反対するだろう。
しかしウィンはもう決めた。決めてしまった。彼の子を産む、それはウィンの中では既に決定事項なのだ。
故郷を出て今住む場所に来た時の様に自分で1度決めた事は絶対に曲げない。
「だから…うぁ♡いっぱい気持ち良くなって……あぅ♡私のナカにびゅーって出して…♡」
興奮で抽挿が早まり、ウィンのナカで生殖器がびくびくと震わすドラゴンフライを更に煽る様にウィンは囁く。
彼女自身も膣壁を今までにないペースで擦上げられ、孕むと決めてずくずくと疼く子宮へのノックによって先程より淫靡な声が漏れ、ふわふわとした絶頂への高まりを感じている。
そんな興奮の中でも力を込め過ぎないよう、傷つけない様に抽挿を行うドラゴンフライにウィンは愛しさを感じて顔をぐっと近付けて口付けを交わし、その瞬間ウィンは心から後悔してしまった。
(もっと…♡早くやれば良かった…♡)
キスを交わしながら己の奥を突かれるとなんと気持ちがいい事か。
一発でキスハメにハマったウィンは彼の頬にそっと手を置き、その手つきとは裏腹に激しく口付ける。
「んっ………♡ちゅぅ……!?あ………♡あうぅ♡ひぃん♡」
夢中でドラゴンフライとのキスを貪るウィンに突如衝撃が走り、子宮にじんわりとした快感が押し寄せる。
キスハメで深い快感を得ていたのはウィンだけではなかった様で、激しいキスがトリガーになったのかドラゴンフライは身を震わせて射精し、己の精子と卵をウィンの子宮へと送り込んで来ていた。
「あぁ…♡くっ…るぅ♡………ッくぅ♡」
キスによって最大限に性感が高まっていた所に流れ込む精にウィンの子宮は打ち震えて絶頂へと至る。
ぬぽっと粘着質な水音を立ててウィンの秘所から生殖器が引き抜かれても尚、彼女は絶頂の最中にいた。
「…………っ♡これっ……♡止まらなっ………♡う゛ぁ………♡」
今まで感じた事の無い、怖い程強い絶頂。
性感が高いままの体は絶頂による余韻のひくつきですら甘い快感へと変えて、彼女を頂きから降ろそうとしない。
「ふぅ゛ー♡ふぅ゛ー♡う゛ぁ………♡あっ……♡………あぅ?」
ドラゴンフライの体に抱きつきそれでも収まらない快感の波に息荒く翻弄されるウィンの頭が優しく撫でられる。
「ん……♡ありがとう…♡」
強く、どろどろに溶かされる様な性感とは違う、優しいじんわりとした心地良さにウィンは少し落ち着きを取り戻す。
暫くそうして撫でられて体が完全に落ち着くと、ウィンは草むらにドラゴンフライと横になり、身体を彼に預けながら見つめ合い、問いかける。
「ねぇ、もしよかったら私と一緒に暮らさない……?」
一人と一匹は心と身体を重ね、互いを必要としていた。
だからこの問いかけの答えも、答えを聞いたウィンが満足気にはにかむ事も、決まっていた事だった。