ウィッチクラフト・ラヴァーズ

少年の小さな手に握られた布が、私の身体を丁寧に拭っています。
ベッドに腰を掛けた私は上半身には何も身に着けず、下半身はレースの装飾が可愛いピンク色のショーツのみ。大きな胸を惜しげもなく目の前の少年に披露しています。
彼は顔を真っ赤にさせて、出来る限り私の事を見ないように俯いていて、とてもかわいい。
「どうしたんですか? ちゃんと隅々まで綺麗にしてくださいね? ほら、こことかですよ?」
私は両手で乳房を持ち上げて、胸の下を見せつけるように彼の顔に近づけていく。
彼は浅く荒い息を吐きながら震える手を胸に近づけていきました。
どうしてこんなことをしているのかというと、話は少し前に遡ります。
発端は前日の夜。
ジェニーさんの家のリビングにて。
私––ハイネとマスターヴェール、ジェニーさんの三人で飲んでいました。
「彼氏、欲しいです……」
「急にどうしたのよ、ハイネ」
酒が注がれたグラスを傾けながら願望を口にしました。
マスターは呆れたように私を見つめています。
「いや、この前私が酔い潰れた時に、いい感じの子とマスターがベッドインしてたじゃないですか。あれが羨ましくって」
「えっ? 何々? サンドリヨン様ついにいい子捕まえたんですかぁ?」
「一夜の過ちよ。あれは」
目を輝かせて興味津々といった様子で尋ねるジェニーさんに対して、マスターが軽くあしらいます。
ですが私は知っています。マスターはあの店に飲みに行くと、必ずあの子と一夜を過ごしていると。私が一緒の時は、酔い潰れている私を横に置いて興奮のスパイスにしながら。
完全に朝まで酔い潰れた初回はともかく、それ以降は毎回途中で起きて二人の隣で狸寝入りしながら聞いているのですから間違いありません。二日酔いによる嘔気に苦しみながらですが。
「マスターのことは置いておいてですね」
「置いておくんですか」
「置いておきます」
ジェニーさんは残念そうですが本題はそれではありません。
「私も彼氏が欲しいわけなんです。とびっきり素敵な!」
テーブルを握り拳で思いっきり叩いて熱弁します。
叩いた手が痛い……。涙がぽろりと流れ落ちます。
「ふーん。で、貴方の好みの子ってどんなんなのよ」
マスターは興味なさそうにグラスを傾けながら冷たい目で見てきます。
せっかくですからマスターにも少年の魅力を理解してもらおう。そう思って気合を入れました。
「十歳くらいの二次性徴が来るか来ないかくらいの年齢でですね、顔付きはあどけなさが残るような感じがいいですね。でも、腰のあたりにどことなく男性特有の硬い感じがあってですね。完全に子供っていう訳でもないんです。まだ大人になれないけど、もう子供でもなくなってくる。そんな肉体に釣られるように精神も子供から少しずつ変わってきているんです。でも本当は優しくて、困ってる人にそっと手を差し出して一緒に悩んでくれる。それでいてがっついていない。なんならまだ女の子のことを上手く異性と認識できていない。けど、大きな胸とか出っ張ったお尻とか縊れた腰、ちらっと見えるデコルテやうなじにドギマギしてしまう。でも、どうやってそんな気持ちを発散したらいいのか分からない。そんな感じの子がいいんです」
私が熱と酔いに浮かれて早口でまくし立てると、二人は引き攣った顔でこちらを見つめていました。ぐすん。
「これは流石にひくわよ。師匠として教育を間違ったと今思ってるわ」
「流石に私もちょっと……」
二人の理解は得られませんでした。でも、どこかに必ずいるはずです。私の理想を体現した人が。できればずっとそのまま、歳をとらないのが理想ですが。大人の男性はねっとりとした目で見てきて、昔から苦手ですし。
「ちなみに、もしいたとしても年月には逆らえないわよ。数年もしたら完全な大人になるわ。貴方が苦手な大人の男性にね」
「心が読めるんですか、マスター」
「あなたが単純なだけよ。マスターなったら多少は改善されるかと思ったけど、むしろ悪化してるじゃない」
マスターの言葉が終わると、三人揃ってグラスを傾けます。
急にマスターが何か思いついたような表情を浮かべました。
「そういえばたしか、ジェニーってそれくらいの歳の子がいたわよね」
ジェニーさんには十一歳になるジェニーさんそっくりの髪をした男の子がいます。ジェニーさんは私と二、三歳しかかわらないのに母親と仕事を立派に両立していて、頭が下がる思いです。
「かわいいですよね。ハイネさん、ハイネさんって私にぴったりひっついてきて」
「あの子に手を出したらどうなるか分かっていますよね? サンドリヨン様? ハイネちゃん?」
そう言ったジェニーさんは笑顔ですが、目はまったく笑っていません。
すごく怖いです。ぴえん。
それからしばらく飲み続けて、最終的に私は酔いつぶれて寝てしまいました。
目が覚めると見知らぬ天井が私を出迎えました。
二日酔いのせいか頭が痛いですし、寝汗で全身がべとべとしています。
「あら、起きたんですねハイネちゃん。お水飲めますか?」
「あ、はい。ありがとうございます」
水の入ったグラスを受け取って一息で飲み干します。
冷たい水は全身に染み渡っていきます。
「どう、大丈夫? 頭痛かったりしない?」
「うぅ……。頭痛いです」
「なら、今日はお休みですね。サンドリヨン様とエーデルちゃんには私から伝えておくから、ゆっくり休んでね」
とん、と軽く額を押されてベッドに倒れ込みます。
「でも、仕事が溜まってて……」
「それならサンドリヨン様になんとかさせますから大丈夫ですよ。だから今日は休んでね。もしなにか必要ならあの子がいるから」
何が何でも休ませる、という意志を感じました。
頭痛を抱えているのもあって、今日は言われた通りに休むことにしました。
ジェニーさんが出勤して暫く経った頃。
「あの、ハイネさん大丈夫ですか?」
ゆっくりと扉が開いたかと思うと、ジェニーさんそっくりの金髪をした子供が入ってきました。
ジェニーさんの息子さんです。
顔付きや体格、声の高さ、その他諸々全てが私の好みど真ん中の美少年。
見ているだけで癒されます。
ここ数カ月は忙しくてあまり会う機会もありませんでしたが、その間に少し成長したらしく、前に見た時より大きくなっていました。
彼は心配そうな顔をしてこちらを覗き込んでいます。
「久しぶりですね、元気にしてましたか?」
「はい、僕は元気ですよ。今日も友達と遊ぶ予定がありますし。逆に、ハイネさんは顔色あんまりよくないですね。大丈夫ですか? 何か手伝うことありますか?」
幼さを感じさせる笑顔が眩しい。
「もう大分良くなったし大丈夫ですよ。それより君のほうはどうですか? 好きな子の一人でもできましたか?」
ちょっと話をしようと軽い気持ちで話題を振ってみたが、帰ってきたのは予想外の反応でした。
「いますよ。好きな人」
少し頬を赤く染めて彼は素っ気なく答えた。
いるんだ。好きな人。いてもおかしくない歳だけれども。
ずしん、と心が重くなる。
ふと、体が汗でべとべとなのが気になりました。
「そ、その! 汗でべとついて気持ち悪くて。体を拭きたいから、何か拭くものがほしいかな」
彼は元気よく返事をすると、彼は小走りで部屋を出ていきました。
戻って来た彼から清拭道具を受け取ります。
笑う彼の頭を優しく撫でます。
いつまでも撫でていられるくらい可愛いですが、そうしていては体を綺麗にできません。
とはいえ、このまま彼が出て行ってしまうのも勿体ないので、もう一つお願いをすることにしました。
「ちょっと君にお願いしたいことがあって」
彼は頼られたことが嬉しいらしく笑顔を浮かべながら「なんでしょうか?」と言ってくれた。
「背中まで手が届かないんですよ。手伝ってくれませんか?」
そう言って服を脱いでいきます。
ブラとショーツのみになると、そこには赤くなった顔を両手で懸命に隠している彼がいました。
隠している指の隙間からちらちらとこちらを覗いていて、それがまた可愛らしいです。
「あの! 服、着てください!」
「服着たら綺麗にできないですよ。お願いしますね?」
彼に濡らしたタオルを渡しました。
彼は顔を俯かせて、背中を拭いはじめた。
優しく撫でるような手つき。私を気遣っているのが伝わってきます。
「背中終わりました、ので……」
思ったよりも早く終わってしまいました。
もう少し彼と一緒にいたい。なので少し勇気を出してみることにします。
体をぐるりと反対側に向けて、彼と向き合う状態になりました。
「こっちもお願い。汗すごくって」
「えっ、背中だけじゃ」
恥ずかしいけど、もう一押し。
彼の手を掴んで胸元へと誘導する。
汗でべとついた肌は彼の手を容易くくっつけてしまいました。
「こんな格好じゃ風邪ひいちゃうから。ほら早く」
「わ、わかりました……」
彼は真っ赤な顔でこくんと頷きました。
それを聞いて私はブラのホックを外して、脱ぎ捨てます。
一般的に巨乳と言われる胸よりも一回り大きい胸が外気に晒されます。
この胸を男の人に見せた事は一度もないですが、彼は特別です。恥ずかしいけども、我慢して白い乳房を曝け出します。
「な、なんで脱ぐんですか!?」
「だって、脱がないと全部綺麗にできないじゃないですか。お願いしますね」
とまあ、こんな感じの流れがあったわけです。
そうして今の私は。
「んっ、あっ……。そうそう上手、上手」
胸の下から先端まで、満遍なく拭られていく感覚を愉しんでいました。
かわいい男の子が賢明に奉仕しているのを見ると、きゅんときてしまいます。
小さく桜色をした乳輪と少し硬くなってきた乳首も彼の手で清拭されていきます。
浅い呼吸を繰り返しながら、執拗に胸の頂点を拭いてくる。
時折、乳首を摘まむような動作が入り、彼の中では理性と性欲でせめぎ合っているようです。
胸が終わるとお腹のほうへ。
お臍のあたりをごしごしと強めに拭われます。
彼の手を掴んでお臍の穴へと運びます。
すると、彼は指をタオルで包みお臍の穴をぐりぐりと擦りだしました。
捩じるように指を回すと、それが柔らかな快感となって体を駆け巡っていきます。
「んんぅ♡」
自分のものとは思えない甘い声が出てしまいました。
自分の指を噛んで、これ以上声が漏れ出ないように我慢しますが、そうすると今度は体が敏感になって……。
「ふっ♡ んっ♡」
軽くイってしまいました。
これは癖になりそうです……。
「終わりましたよ、ハイネさん。大丈夫ですか?」
彼がこちらを覗き込みながら心配して声をかけてきます。
彼はいつだって私に優しくしてくれる。
ずっと彼のことを見てきたんです。彼がまだジェニーさんのおっぱいに吸い付いていた頃からずっと。
そんな彼が他の誰かに取られるのは、いやだ。
逃がすまいと、彼の首に手を回して密着して私は背中からベッドに倒れ込みます。
さらに体の位置を入れ替えて、私が彼に馬乗りする形となった。
太腿のあたりに硬い何かが当たる感触があります。
腰を持ち上げて見てみると、彼のズボンの股間部分が大きく持ち上がってテント状になっています。
「ズボン、脱ごっか」
彼の下着ごとズボンを膝下まで脱がせると、跳ね橋のように勢いよく彼のペニスが跳ね上がりました。
むわり、と歳に似合わない雄の匂いが鼻腔をくすぐっていきます。
昔一緒にお風呂に入った時はこんなに大きくなかったし、こんな雄の匂いをぷんぷんさせてはいませんでした。
少し見ない間に成長していた事実が、私を焦らせます。
再び彼の上に跨った私はショーツのクロッチ部分を横にずらして、彼の未成熟な男根に私の膣口を宛がいます。
膣口は愛液で湿っていて、垂れた愛液が彼のペニスを濡らしていきます。
「だめ……ハイネさん、だめだよ……」
今にも泣きだしそうな懇願を無視して、私は一気に腰を落としました。
痛い! 挿入すると同時に、強烈な痛みが意識を支配していきます。
痛みの発生源に目をやると、二四年間誰の侵入も許したことがない膣は、侵入したペニスによって無理矢理広げられて血塗れになっていました。
じくじくと股間が痛み、それに合わせるように心の痛みも強くなっていきます。
どくどくと拍動に合わせて痛みが繰り返されていく。
気が付くと目からは涙が溢れ出て止まらなくなっていました。
「うぇ……、どうして……、やだ……」
しゃくりあげながら涙を拭っていると、頬に優しく手が添えられます。
温かくて安心できる手。彼の手でした。
「ハイネさん泣かないで下さい」
そう言って優しく指で涙が拭われる。
彼は今まさに私にレイプされているのに。起るに決まっている。嫌うに決まっている。なのにどうして私に優しくするの……。
行き場のない思いが言葉となって溢れ出しました。
「でも、私君のこと無理矢理襲って。君が好きな人がいるっていうから、どこか知らない所に行っちゃうんじゃないかって。もうこれしかないと思って。絶対嫌われるのにこんなこと」
「ハイネさんのこと、嫌いになる訳ないじゃないです。それに、ずっと好きだったんですから」
突然の告白に心が揺れた。
ずっと好きだった。私の事を?
「でも、私ジェニーさんと殆ど歳変わらないし、自分でいうのもあれだけど子供好きの変態ですよ?」
「知ってます。時々僕のことをちょっと他の人とは違う目で見てたことも」
「本当に私でいいんですか? 身長だって君より全然高くて、生活だってずぼらで……」
「ハイネさんがいいんです。だからそんなに自分を卑下しないで下さい」
耐えきれなくなって私は大声で泣きだしました。
彼の胸の中で一頻り大泣きして落ち着くと、お腹に当たる硬いものが気になりだします。
「ひょっとして興奮してます?」
「正直に言うと、してます。泣いてるハイネさんが可愛くて」
恥ずかしそうにして口に出す姿にきゅんとします。
彼の両肩に手を当てて優しくベッドに押し倒して、彼に跨ります。
彼の胸に手を置いて支えにしながら、乾いた血に濡れたペニスをまだ出血が収まらない私の膣口に添えました。
「さっきはごめんね。今度は無理矢理じゃなくて、二人で、ね?」
こくり、と頷いた彼は勢いよく腰を突き上げて私の膣内にペニスを捻じ込んできました。
ずん、という衝撃が腰から背中を伝わります。
痛い。けれどさっきと違って、今回は痛みの中にも甘い何かを感じます。
それを求めて腰を頑張って上下させて、お腹に力を入れていきます。
きゅっ、きゅっと膣は別の生き物のように、ペニスを締め上げていきます。
必死に腰を振っていると、彼が私のお臍のあたりを強く押しました。
外と内から子宮を攻められる初めての感覚に頭が痺れます。
「んっ♡ ふぁっ♡ なにこれっ♡ こんなのしらないっ♡ きもちいいっ!!」
「ハイネさん! 膣内、きつくてっ! もうダメですっ!」
彼も限界なのか歯を食いしばり、苦悶の表情を浮かべています。
私も限界が近いです。
離れたくなくて、両手を絡める。いわゆる恋人繋ぎというやつです。
「はっ、はっ、はぁっんっ♡ だめっ♡ もうっ♡」
「ハイネさんっ!」
彼の身体が震えたかと思うと、火傷するかと思う程の熱さを持った精液が私の膣内へと放出されていきます。子宮目掛けて、子供を作らせろと言わんばかりの激しさで吐き出される精液。それを感じて私は大きく仰け反って絶頂しました。
数秒意識が途絶えていたのか、口の端から唾液が垂れています。
柔らかくなったペニスを膣から抜き去ると、ごぽっという音とともに血が混ざってピンク色になった精液が膣口から流れ出てきました。
「うわっ、すごいエッチですね」
「うん、でもこれを私と君でやったんだよね……」
彼はじっと私の秘所を見つめています。
急に気恥ずかしい感じになりました。
ぱくぱくと開閉を繰り返しながら、精子を流れ出している私の膣口に興奮したのでしょう。彼のペニスは再び硬さを取り戻していました。
その姿は早くまた私の膣を蹂躙させろと言わんばかりです。
「あの、それ……」
「こ、これはですね。その、ハイネさんのあそこを見てたら、変な気分になってきちゃって……。ハイネさんだって体調悪いのに無理して疲れてるでしょうし、これ以上は」
「いいよ。もう一回しよっか」
私は彼の言葉を遮ると、うつ伏せになってお尻を高く突き上げる体勢になります。
人差し指と中指で小陰唇を大きく開いて、ぽっかりと空いた膣口を見せつけます。
「君の好きにしていいよ?」
「本当にいいんですか……?」
「もう、何度も言わせないでよ。恥ずかしいんだよ?」
ごくり、と生唾を飲み込む音がしました。
いきなり腰を掴まれたかと思うと、ぐちゅり、と水音を立てて硬いペニスが肉を掻き分けて侵入してきました。
まだ行為に慣れていない膣内は蕩けるような快感と一緒に、ずきずきと鈍い痛みも伝えてきます。
「んぅ♡ んんっ♡」
ピストンに合わせて声が出そうになります。
シーツに顔を押し付けて喘ぎ声が漏れないようにしました。
ですが。
「ハイネさんこっち向いてください。もっと声聞かせてください」
身体ごと頭を捩って彼のほうに顔を向けます。
喘ぎ声を隠すことすら許してくれないなんて、なんていじわるなんでしょう。
普段の彼からは考えられないです。
「ふあっ♡ やあっ♡ こえっ♡ 恥ずかしい♡ ひあっ♡ からぁ♡ あっ♡ だめぇ♡」
膣奥を亀頭で圧迫されるたびに、肺から息が漏れ出て言葉が途切れます。
喘ぎ声と嘆願が混ざった文章とも言えない、言葉の羅列が口から漏れ出ました。
パンパンと肉がぶつかる音がします。
彼の腰と当たったお尻が少し痛みますが、それすらも愛おしく思えます。
「声かわいいですよ? でもハイネさんが嫌って言うなら、これでどうです? これなら声も出ないですよ」
彼はピストンを止めて背中に覆いかぶさるようにして腕を伸ばすと、私の唇に人差し指を当てました。
私はその人差し指を咥えて舐めます。
これで声も出ませんし、なにより寂しくないです。
「んっ♡ れろっ♡ ちゅぱ♡ ちゅぱ♡ んむぅ♡」
「ハイネさん赤ん坊みたいでかわいいですね」
「んっ♡ やっ♡ 私が君を甘やかしたいのにぃ♡」
「いつも頑張ってるハイネさんも素敵ですけど、今日はいっぱい甘やかされてくださいね」
「うん♡ いっぱい甘やかしてぇ♡」
ちゅっ、と音を立てて首筋に彼の唇があたります。
彼に包まれていると、幸せでどうにかなっちゃいそうです。
人差し指に舌を絡ませていると、それに答えるかのように彼は指を動かしてきます。
舌で舐めると指の腹で舌をなぞってくる。
唾液を絡めると爪を立てて舌の付け根をカリカリと刺激してくる。
反射的にえづくと、親指も口の中に侵入してきて舌を摘まんできました。
苦しくって、でも摘ままれたところがすごく気持ちよくて、ふわふわする不思議な感覚が襲ってきました。
指だけでは足りなくなって、目の前にある掌に舌を這わせます。
すると、急に指が引き抜かれたかと思うと、掌が私の口を塞いできました。その動作に合わせてピストンが再開されます。
パンパンパンと大きな音を伴ったピストンは先程よりも早く激しいものです。
子宮を圧し潰すかのような力で奥まで一気に挿入したかと思うと。
「んむんっ!?」
大きく開いたカリ首で膣肉を削ぎ落すかのように引き抜かれていきます。
「んぅ♡ んっ、んっ、んんっ♡」
口を塞がれているので喘ぎ声はくぐもった音となって部屋に響きます。
限界が近くなって、時々視界がちかっと白く染まります。
彼も細かくびくびくと震えています。
「ハイネさん、僕もう限界ですっ!」
「だしてっ♡ 膣内っ♡ 君でいっぱいにしてぇっ♡」
声に合わせて私の腰がガクガクと震えて、膣肉が射精を促すように締め付けました。
彼の腰が一層深く押し付けられたかと思うと、ペニスが大きく膨らんで熱い精液を吐き出しました。
「ひゃぁぁぁぁんっ♡」
背骨が折れるんじゃないかというほど、思いっきり背中をのけぞらせて、白目を剝いて口から涎を垂らしながら私は快楽の絶頂に達して、意識を手放しました。
意識を取り戻すと、私は彼の胸に顔を埋めていました。
ほんのり香る汗のにおいが心地いいいです。
「あ、起きましたねハイネさん。大丈夫ですか?」
頭をゆっくりと手で撫でられます。
気持ちよくって頭を差し出すと、また撫でてくれました。
「ごめんなさい。ハイネさん、疲れてたのに好き勝手しちゃって。嫌だったですよね」
胸に顔を埋めているので、彼の顔は見えません。
私は顔を横に小さく振りました。
「そんなことないよ。君に好きって言われて嬉しかったから。何でもしてあげたいって思ったのははじめてだったから、いっぱい求めてくれて嬉しかったよ?」
「ありがとうございます。やっぱり優しいですねハイネさんは」
優しいのは君の方だよ。そんな気持ちを込めて頭をぐりぐりと彼の胸に押し付ける。
彼は何も言わず頭を撫で続けてくれている。
それが心地良くて、微睡へと私の意識は沈んでいった。
目が覚めるとすっかり日が暮れていた。
目の前では、先程まで愛し合っていた愛しい人が寝息を立てている。
あどけなさが残る寝顔は見ているだけで幸せになれます。
この子と気持ちを通じ合わせたんだなぁ、としみじみ感じます。
精神的にも肉体的にも一緒になって、これはもう紛うことなき恋人関係ではないでしょうか。
鰻登りになっていくテンションをなんとか抑えつつ、彼の顔をもう一度見る。
私がこの子が恋人なんです。これからデートとか、勉強を教えたりとか、休みの日には一日中一緒にいたりとかできる。そんな未来に思わずにやついてしまいます。
「これからよろしくお願いしますね」
触れるだけの軽いキスを、眠っている彼の唇に落としました。
うん。幸せです。
そう思ったとき。
「ハイネちゃぁん? なにやってるんですかぁ?」
扉のほうから聞きなれた声が聞こえました。
それは猫撫で声で、こちらが逃げ出さないように注意しているような印象です。
ぎぎぎ、と硬直した首を回すとジェニーさんが立っていて、後ろではマスターのものと思しき水色の髪がぴょこぴょこと跳ね動いています。
ジェニーさんの表情は逆光のせいで窺い知ることはできませんが、隠し切れない怒りが伝わってきます。
「あの子に手を出したらどうなるか分かってますよね、って私言いましたよね? ハイネちゃん?」
恐怖で歯がガチガチと鳴り、目からは涙がボロボロと流れてきます。体中から冷や汗が流れ落ちていきます。
助けを求めるように彼女の後ろにいるマスターにアイコンタクトをしましたが。
「流石に私でもこの展開はフォローできないわよ。貴方がなんとかしなさい」
特大のサンダーボルトが落ちました。