幼くも雄は雄
ベリーメロン「あまり、見ないで……」
屋敷わらしは目の前の少年に下着姿を晒しながら恥ずかしげに身を捩った。
妖怪故に肌は病的なほど白く、痩せ気味な幼い体つきだ。
そんな体を見て何が面白いのか、少年は目を一切逸らしてくれない。
(同じくらいの、男の子にじっと見られてる……)
どうしてこうなってしまったのか。知り会って一日も経っていないはずなのに。
ひとえに言ってしまえば、屋敷わらしがあまりにも無防備だったゆえだろう。
◯
友達の友達といっても、親しくなるとは限らない。それも異性ともなればなおさらだ。
屋敷わらしの友人である幽鬼うさぎの連れてきた少年と知り会った時は、そこまで彼と関わることはないだろうと思っていたのである。
遊びに来た幽鬼うさぎと少年を古屋敷に招き入れ、談笑したり軽く遊びに、そのまま泊まることになっても屋敷わらしは気にすることもなかった。
しかし
「きゃっ!」
夜になって人々が眠りにつく時間。妖怪であるため眠り必要ない屋敷わらしだが、服くらいは着替えようと下着姿となったところだった。
そんなタイミングで少年が部屋にやってきたのである。
「ど、どうしたの……?」
見た目としてはわらしと同じ十を超えたくらいだろうか。妖怪少女である屋敷わらしは現世に長く留まっているのもあり、そういう意味では年下と言えるだろう。
それはそれとして恥ずかしく、屋敷わらしは脱いだ黒いドレスで胸元を隠す。それでも全てが隠れるはずもなく、白い地肌は少年に見られてしまっている。
目の前に露わとなった同年代の少女の半裸を目撃することになった少年はといえば、慌てることよりもその光景に見入ってしまっているようだ。そのまま誘われるようにズイズイと近付いてこられて、屋敷わらしはちょっと涙目になる。
そして少年は喉を鳴らしながらこう言い出したのだ。
もっとちゃんと見たいと。
「な、何を言ってるの……嫌に決まって……」
じゃあ幽鬼うさぎにお願いすると言い出す少年。友達だからきっと見せてくれるはず!そんなことを言い出す彼は、昼間とはまるで別人のようだ。
本で読んでから女性の裸体が気になって仕方ないらしい彼は、屋敷わらしの下着姿を見たことでとうとう興味への探究心が勝ってしまったらしい。
(わたしが駄目だったら、幽鬼うさぎが……)
屋敷わらしの大事な友達である幽鬼うさぎが、恥ずかしいことをされるかもしれない。そう考えると屋敷わらしは断りの言葉も言い切れなくなった。
あまり主義主張をしない幽鬼うさぎはきっと友達だからという言葉からのお願いを断らないだろう。付き合いがそれなりに長い屋敷わらしにはよくわかるのだ。
「す、少しだけなら」
屋敷わらしの思考の果てに出た言葉に、少年はとても嬉しそうに微笑んだという。
◯
そうして時は冒頭に巻き戻る。
子供用の下着なんて見て何が面白いのか、屋敷わらしにはわからない。けれど同年代の見た目をした彼女の下着姿は、性に興味を抱き始めた彼にはとても刺激があるのだろう。
ズボンを押し上げるモノに気付いて屋敷わらしは恥ずかしげに目を逸らしたが、少年は気にすることなく屋敷わらしに裸を見たいと願い出した。
「ちょっとだけって……」
断りかけるが幽鬼うさぎへ矛先が向くと考えて言い淀む。
屋敷わらしは大きな瞳に涙を貯めつつも、身を包む下着を脱いでいく。
生まれたままの姿になった屋敷わらし。
そうして初めて見る女性の裸体に、少年の興奮は最高潮となったようだった。伸ばされた手が屋敷わらしの地肌に触れていく。
「んっ……触っていいなんて、いってない」
勝手な行動に抗議の声を上げるが、控えめな屋敷わらしの声では少年の暴走は止まらない。
そのままベッドに押し倒されて華奢な身体に乗っかられ、屋敷わらしの幼い肢体を少年の手が無造作に這い回っていく。
「み、みるだけって……んっ……いやっ……」
いっそ本気で抵抗してしまえばヒトの子供程度なら黙らせることが出来ただろう。
しかし屋敷わらしはこの少年に危害を加えてしまうことで、友人である幽鬼うさぎが悲しむのではと思うと行動に移せなかった。
子供と言えど男なのか、抵抗するか迷う屋敷わらしを尻目に少年の手は幼い千房へと到達した。
「んっ……んぅ……」
ひんやりとした屋敷わらしの肌を這う、興奮で熱くなった少年の手。膨らみなどほとんどない胸だが、初めて生の女体を目の当たりにした少年の暴走は止まらない。
「ひぅ……お、落ち着いて……んぅ……」
異性に触れさせたことなどあるはずのない幼い乳房に、少年の指が這い回っていく。
膨らみがほとんどなくとも男に比べれば柔らかい乳肉は、指の動きに合わせて微かに形を変えた。
「ん、んん……」
なんだかとてもイケないことをしている。早く少年を止めなければならない。それがわかっていても屋敷わらしは動けない。
ひんやりとした乳肉がサワサワと撫でられ、軽くまとめるように揉まれ、そして先端に指先が触れれば控えめな声が漏れるだけ。
そんな反応は少年の幼くも確かに存在する雄をムクムクと成長させて、さらに行為に没頭させてしまう。
「も、もう満足した……?」
涙の溜まった瞳で少年を見つめる屋敷わらしだが、希望が叶えられるはずもなかった。
彼は鼻息を一層荒くしたかと思えば、屋敷わらしの薄い乳房にしゃぶりついてきたのである。
「〜〜〜〜っっっっ!?」
触られるだけでもゾワゾワとしたのに、ヌルリと湿った感触に包まれたとなれば屋敷わらしの混乱は当然のものだった。
生暖かい唾液が塗り付けられるように乳首にまとわりつき、屋敷わらしは声にならない叫びを上げる。
腰を仰け反らせながら暴れようとする屋敷わらしだが、興奮しきった少年の腕力は思った以上に強い。
「やだぁっ!なにもでないっ……なにもでないから、すっちゃだめぇっっ!」
吸い上げるように口をすぼめられれば、屋敷わらしは嫌々と首を振って悲鳴を上げる。
吸われてない方の乳首にも、少年の指がコリコリと刺激して来るのでゾワゾワした感覚が一向に止まらない。
少年が落ち着くまで長々とそれが続けられれば、屋敷わらしはすっかりと脱力してしまった。
「ん、んぅ……幽鬼うさぎには言わないから、もう許して……」
少年も幽鬼うさぎとの交友関係は続けたいはずだ。ならそろそろ平静を取り戻して、落ち着いてくれるはず。
だがぐったりと力の抜けた屋敷わらしからは、少年が初めて嗅ぐことになる甘酸っぱい匂いが香っていた。その出処を探せば少年の視線は、屋敷わらしの下半身で止まる。
「だ、だめ……」
両手で覆い隠す屋敷わらしだったが、力の抜けた腕では発情期の少年を止めることもできない。
弱々しい抵抗を無視してあばかれた無毛の丘はしっとりと湿気ており、幼くぴっちり閉じた陰唇はほんのりヨダレを垂らしている。それに少年は吸い寄せられるように口付けた。
「ひうっ……やあっ、きたないから、だめぇっ……」
必死に細い太ももを閉じようとする屋敷わらしだが、少年はその感触すら楽しんでいるらしい。
頭を抑えて引き離そうとしても屋敷わらしの細すぎる腰をガッツリ掴んで離してもくれない。
「おしっこ、するところなのにぃっ……やだやだやだぁっ……」
クンニなんて知らない屋敷わらしにとって、少年が本で得た知識はあまりにも未知なものだった。
快楽を知らない女陰は舌によって抉じ開けられ、滲み出た蜜は少年をさらに興奮させてしまう。
「や、だぁ……ひうっ……♡」
ぽろぽろと泣きながら喚きつつ、ほんの少しずつ甘いものが混ざっていく。
やがて唾液をたっぷり塗り込まれてから秘部を解放されたが、その頃には屋敷わらしの拒絶の声も鳴りを潜めていた。
「ぁ、うぅ……だ、めぇ」
屋敷わらしは潤んだ瞳を向けるが、快感への好奇心に狩られた彼はもう止まれない。
本で読んだ知識のままにズボンを降ろすと、勃起した肉棒を屋敷わらしのソコへと押し付けてきた。
ひんやりとした熱のない肉体に、熱く滾った肉の棒。それを意識してしまい屋敷わらしは震え上がる。
「いれ、ないでぇ……だめ……」
本能的に屋敷わらしは嫌がるが、すでに濡れた秘部は少年のモノを拒めない。
根本まで挿入された時には、初めて異物を受け入れたことに頭が真っ白になっていた。
「〜〜〜〜〜っっっ!!」
ハジメテはいとも容易く奪われた。妖怪故の頑丈な身体は、初めての異物にも柔軟に対応してしまう。
目尻にたっぷり涙を溜める屋敷わらしだが、少年が腰を揺らし始めれば悲しむ暇もなくなった。
「ひうっ……やだっ……ぱんぱんしないでぇっ……♡」
体温のない屋敷わらしの膣には、少年の肉棒は火傷しそうなほどの刺激を与えてくる。
少年もまた読んだ本とは違う展開になりつつも、生者では味わえない冷たい肉の感覚に腰が止まらないのだろう。
屋敷わらしの細すぎる腰を本能に駆られるまま掴んでひたすら腰を打ち付ける。
「んあっ……ひぐっ♡だめ、だめだめだめぇっ……しらない、こんなのしりたくないぃっ……♡」
知らない世界に思考が塗り潰されそうになり、屋敷わらしは悲鳴を上げる。
しかしその声に悲哀はなく、ただただ快楽に振り回される女の叫びだ。
「ふあっ♡やぁっ……んんぅっ……」
少年が腰を打ち付けるたびに屋敷わらしは甘い声をあげ、その小さな身体を震え上がらせる。
まだ幼く平たい乳房も、振動を受ければふるふると揺れてしまっていた。眼前でそれを見ていた少年が我慢できるはずもなく。
「ひゃうっ♡やだぁっ、ぱんぱんしながら、おっぱいいじめないでぇっ……なにもでないのに、そんな………ひああっっっ♡」
生きた身体を持たない妖怪の屋敷わらしから母乳などでるはずがない。
それなのに少年は屋敷わらしの乳房にも強い執着を顕とする。
口をすぼめて必死にしゃぶりつく様子は赤ん坊のようだが、生憎その下半身は雄を隠していない。
「んんっ、あうっ……♡だめぇ、むりだからぁ……こわれちゃうからぁ♡」
少年が屋敷わらしの乳房を解放してみれば、唾液にまみれた桜色の先端はぷっくり膨れ上がってしまっていた。
それが屋敷わらしの羞恥心をより強く煽り、カァと頬を赤くさせる。
少年の乳房への責めは片方だけに飽き足らず、今まで吸っていなかった方にも向いた。今度は吸うよりも前歯を軽く押し当てて、屋敷わらしの幼い乳首を味わっているようだ。
そして当然の如く少年によるピストンはより速まるばかりで、屋敷わらしの心を崩していく。
「ふあっ、やだ……しらない、こんなのしりたくなっ……ひうっ♡」
泣き叫ぶ屋敷わらしの様子に比例するように、より激しさを増していく少年の腰の動き。
それが何を意味するのかも知らずに屋敷わらしは悶えることしかできない。少年もまた本能のままに腰を打ち付けて、やがてその時が来た。
「ひうううっっっ♡なにか、あついのが……でてる……」
一際強く腰を打ち付けると同時に震える少年の身体。同時に体温を持たない屋敷わらしの体内へと、彼が人生で初めて吐き出したであろう精液が注ぎ込まれていく。
屋敷わらしは呆然としながらも、それが何なのか理解に時間がかかっていた。
(おなか、あつくなって……ボーッとする……)
考えようにも頭が回らない。その間にも少年の腰は再び動き出していく。
性欲を初めて知った幼い身体が一度程度では終われるはずもなかったのだ。
「あっ……♡」
もはや屋敷わらしは拒絶することもなく、少年を受け入れるしか出来なかった。
◯
「屋敷わらし……どこ?」
廊下から幽鬼うさぎのそんな声が聞こえて、屋敷わらしは物音を立てないようにその身を縮こませた。
少年の前に跪かされ、目の前にそそり勃つソレを口に含む屋敷わらし。
「ん……ぐ……ぢゅぷ……」
あの夜からしばらく経っても、少年は屋敷わらしを求め続けてきた。
たまに遊びに来た夜だけだったのが、いつの間にかほぼ毎日来るようになり、そして今では昼間でも関係なく。なによりこうやって幽鬼うさぎが近くにいる時でも関係なく。
拒否しようにも幽鬼うさぎを誘おう!と言い出しかねかい少年を止めるため、屋敷わらしは彼のワガママを受け入れるしかない。
「んくぅっ……♡」
頭を押さえられ、喉に熱いものが放出される。
冷たい屋敷わらしの身体はそれはそれで心地が良いらしい。
「んぅっ……♡」
少年の手が屋敷わらしの薄い身体を這う。それだけで身体が震え上がる屋敷わらしだが、少年は止まらない。
屋敷わらしは疼く身体に嘘をつくように、幽鬼うさぎのためだと自分に言い聞かせていく。
そして
「……ここ?」
その時、幽鬼うさぎが一つの部屋の扉に手をかけた。
それがどこの部屋だったのか。それはまた別の話である。