アンキロ×アンガ

アンキロ×アンガ

ガチムチダイナレスリング


「アンガ、今晩の予定空けとけよ」


アンキロからいきなりそう告げられてキョトンとしてしまった。


「なんだい? 俺相手じゃ不満かい?」

「いや何というか、いつもワシの趣味に付き合わせとる感が強いからそっちから誘ってくるのが意外というか……」

「アハハ、俺もすっかり男の味を覚えちまったってことさァ」


そうカラッと笑いながら背中をバンバンと叩いてくる。

そう言えば最初も冗談混じりで誘ったらこんな感じで乗ってきてくれたおかげで肉体関係になったのだったか。

とはいえ相手は本来ノンケであると言う前提をしっかり配慮して調子に乗らないというのは自身に深く刻み込んだ戒めでもある。

端的に言えば怒らすと怖いのがトラウマで少しだけ苦手意識。

単純に殴ったりしてくれる怒り方なら全然平気なんだがなぁ……


「あんまり乗り気じゃ無いのか? まぁ最近はアンペロと懇ろだしなァ、アンガは」

「そういうのとは違うわい!」

「じゃあ大丈夫だな、今晩よろしくなァ」

「お、おう」


そういうことになった。





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浴室から出てくるとベッドの上で裸のアンキロの股間は既に臨戦態勢だった。


「期待してくれとるのか?」

「溜まってるからこっちから声かけたのさァ」

「じゃあ先に一発抜いておくかの?」

「応、頼むわ」


固く張り詰めたアンキロの逸物を咥えながら、自らの尻を弄り慣らしていく。

久しぶりに味わうアンキロ自身はいやに美味く感じられた。

溜まっているらしいので遠慮なく吸い上げ、舐め回す。

程なくして濃く粘り気のある精液が口内に満たされた。

わざとらしく音を立てながら飲み下す。


「ふぃー、ありがとさん」

「ん、美味かったぞ」

「毎回思うがよくそんなもん飲めるな?」

「まあ慣れというか趣味というか……」

「ふぅん、そんなもんかね」


上澄みも抜いたのでベッドに仰向けになり、股を開いてアンキロを誘う。

アンペロの巨根で遊び慣れた尻は軽くほぐしただけだというのにアンキロの肉棒を易々と受け入れた。

無論アンキロの逸物が小さいわけでは無く、むしろ我が愚息とは比べるのも烏滸がましほどに大きい。


「やっぱりちょっと緩いな」

「す、すまん……」

「気にするこたァないさァ、緩くてもけっこう具合はいいんだぜい?」


そう笑い飛ばしながら一層深く腰を突き入れてくる姿に、どうにかワシの尻で満足させられているようで胸を撫で下ろす。

こちらも腸壁全体を苛む甘い痺れに、サイズの不足など微塵も感じていない。

もっと乱暴な腰使いでもいいぐらいだと感じてしまうのは若さに任せてがっつくアンペロとの行為に慣れ切ってしまったが故か。


「んー? イマイチ楽しみ切れてないのか?」

「あ、いや……そんなことは……」

「悪いが鞭打ちや罵声を浴びせる趣味はなくてな」

「それはせんでいい!!」

「そうか? アンペロとはあんなに楽しそうにしてるのにさァ……」

「あれは遊び! あくまで遊びじゃけぇ!!」


キングや兄弟に茶化されるならそのまま乗るところだが、アンキロ相手で行為真っ最中となると慌てて否定してしまう。

まあ悪ノリが極まってしまったのは事実だし、アレで感じているのも事実なのだが……

アンキロがあっちの道に走るのは色々と怖すぎる。


「雄の矜持としては雌役にあんまり余裕かまされるのもなァ」

「そういうつもりじゃ……ワシはちゃんと気持ちいいのじゃが」

「もっと気持ちよくしてやるって言ってるのさァ」


アンキロの身体が覆いかぶさってくる。

腹筋と腹筋、胸板と胸板が密着し感じ合う体温と汗の臭い。

顔も近づき、真っ直ぐにこちらを見据えるアンキロの双眸は既に至近の距離に達した。

そして遂に唇が触れ合う。

初めてのことだった。

相手はノンケだと避けてきた行為を相手からされた衝撃が脳髄を穿つ。

思わず一度両肩を掴んで押しとどめてしまった。

顔が熱い、きっとアンキロにはワシの顔が真っ赤に見えているだろう。


「アアアアアンキロ……あの、ワシら雄同士……」

「分かってやってるが、嫌だったのかい?」

「嫌なのはアンキロの方なんじゃ……」

「まあ雄同士で口吸い合うのは抵抗あるが、相手がアンガなら構わねェさァ」


そう微笑んで再び口付けてくる。

今度は受け入れた。

軽く触れるだけだった先ほどとは違い、舌を挿入し吸い上げてくる。

恐る恐る舌を差し出せば絡め取り、抽送を続けながら濃密な口付けも止まらない。

汗に濡れた鱗肌を重ね、四肢で抱き合い、尻尾をもつれ合わせる。

肛門はもう肉棒を受け入れることを当たり前とする性器と化し、雄に貪られる快楽をひたすら享受する。

アンペロに雌ブタ扱いされるのとは全く別の次元で雌に堕ちてゆく。

思考に余裕がなくなり、脳裏が白んでゆくのが解る。

それなのにアンキロの口に塞がれて不鮮明な音色で漏れ出す呼気が嬌声なのか絶叫なのかはもう解らない。

気づけば絶頂に痙攣しながら精を漏らしていた。

達した直後の少し醒めた感覚の中、尻の中に熱い体液が注がれたのが分かる。

アンキロもこちらの絶頂に合わせて果てたのだろう。

重ねた口を外し、暫し虚脱しながら荒い息だけが仄暗い部屋に反響する時間が過ぎ去ってゆく。

乗しかかるアンキロの体重がやけに愛おしい。

多少は落ち着きを取り戻したものの、困ったことに顔の火照りはなかなか治ってくれなかった。


「ハァ、ハァ……こうしてやった方がやっぱり興奮するだろう?」

「あ、あぁ……アンキロも楽しんでくれたかの?」

「凄くよかった」

「そうか……」


そう笑ってアンキロが身体を少しずらして、興奮に勃起したワシの乳首を吸い上げてきた。

脇の下を撫で回しながら、尻の中で未だ硬度を失わない肉棒を再び動かし始める。


「アンガならこれぐらいで参ったりしないよなァ?」

「て、手加減してのう……?」

「フフフ、しっかり雌にしてやるさァ」


一度やらかして怒られてから無意識にあった遠慮というか隔意を見透かされたのかもしれないし、単に他意なく雄同士の行為に慣れてきたので快感を追求しただけなのかもしれない。

それでもアンキロとの距離がより一層近づいたことと、今感じているこの多幸感は間違いない事実だろう。

…………このまま惚れてしまったらどうしよう?

アンキロの腹筋を再び白く汚しながら、快感の荒波に余裕がない頭の中でそんな妄言ばかりがぐるぐると回り続けていた。


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