アロス「あれを読める人は皆人じゃないのでは?」

アロス「あれを読める人は皆人じゃないのでは?」


「すみません、墓守はいますか?」

「あれ?アロスちゃんがここに来るのはめずらしいですね」

「ええ、墓守さんに一つだけ聞いていなかったことがあるので」

「聞いていなかったこととは?」

「『追憶』への高い耐性の理由です」

「そんなに高いですか?部長や司書さんほどありませんよ?」

「その二人を引き合いに出す時点で相当高いですよ、それに肝心の副作用も声掛け一つで落ち着くようで今まで聞いた中で一番症状が軽いですし」


「で、なぜ耐性が高いんですか?」

「そんなに変わったことはしてないと思いますけど、なんていうか、『少しずつ相手を受け入れる』みたいな」

「私は部長のように器用なこともできませんし、司書さんみたいに強く意思を保つこともできません、ですから時間をかけて少しずつ『追憶』を、相手をしっかりと理解して自分の中にしまっておくことにしたんです」

「?そんなことをしたら間違いなく発狂してしまうはず……???」

「アロスちゃんもまだまだですね~、一気に読もうとするから発狂するんですよ!さっきも言ったように時間をかければ発狂しませんって!最初はきついかもですけど慣れれば少し体調が悪くなるだけで大丈夫です!」


「時間とかそういう問題じゃない気が……」

「部長も司書も参考になりませんでしたが貴方も割とおかしいですね……これが『類は友を呼ぶ』というやつですかね?」

「私を人じゃないみたいに言うなんてアロスちゃん酷い!じゃあ他の部員に私と同じ方法を取らせて確かめましょうよ!」

「テロでも起こす気ですかあなたは!時間をかけても普通は発狂するんですよ!」







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