アルムツ続きから

アルムツ続きから


ふたりで、こっそりとオフィスを抜け出して暗がりに。


ホテルなんておしゃれな場所に行くお金は、私も、アルちゃんももってない。


うっすらと雲のかかった月は私たちを照らすことなく、同じ色のアルちゃんの瞳だけが私にとっての光になる。


唇が重なる。


興味もないけれど映ってたからみた程度のドラマのキスシーンが、頭をよぎる。

ヒロインが、背の高い相手に優しく唇を重ね合わせて、愛をささやく。


でも、そんな甘いキスだったのは一瞬で、抑えられない獣になったアルちゃんにとって、私は、ただの獲物に過ぎない。

暴力的で、私のすべてを貪るように深く、激しい、『本当』のキス。


普段のいい子なアルちゃんからは想像できないほどの感情。

それをぶつけられているのに。嫌なんて感情は一切わかなかった。


「……ぷはっ……♡」


「っ、ムツキっ……」


ただ、キスしただけ。

名前を呼ばれただけ。


それなのに、私の心臓は跳ね上がる。

普段の通り振舞うなんて、無理。


だからっ……。


「きてっ、アルちゃん」


ただ、求める。アルちゃんがしたいことを、そのまま、全部受け止めて。

全部私のモノにしたい。


「っ、ムツキ、加減、できないから」


それが、あまりにも思い上がりだったなんて、初めての私に想像つくはずがなかった。


私は、キスだけでとろとろに濡れていて、元々トイレで慣らしていたアルちゃんのものの先っぽは、先走りでしっかりぬれてて、初めて同士の私たちは、そのまま初めてしまった。


「っーーーーーー」


キスの時点で理解するべきだった。

今のアルちゃんは優しくなんてない。


正しく言えば、優しくする余裕なんてない。


大きなアルちゃんのふたなりを挿入された私は、悲鳴を上げそうになった。


けれど、それすらも許されない。

私の唇は、獣と化したアルちゃんに塞がれ呼吸の暇さえ奪われる。


でも、それは正解だった。

アルちゃんのキス。最初の時はそれを考える余裕もなかったけれど、今はわかる。

とってもじょーず。


それこそ、初めてを奪われた痛みが気にならないほどに、キスだけで私の意識が蕩けそうになってるのを感じる。

勿論、それで終わるはずがない。

ずんっ、っと、アルちゃんのそれが、奥に達するのがわかる。

体の内側を突き上げられるような重たい衝撃。


それに私の体は、それを放さないように、きゅうっと締め付けて甘えている。


「ちょっと、だけ、このままっ……」


「わ、かったっ……」


アルちゃんは、そのまま突き上げて、私を犯しつくすのを待ってくれる。

ちょっとだけ、慣れる時間が欲しかった。

このままだと、最後までもたずに私は意識を飛ばしてしまう。


だから、アルちゃんにしがみついて、アルちゃんの匂いを胸いっぱいに吸って体に入ってきたアルちゃんのそれがなじむのを待つ。

アルちゃんから感じる、体が揺さぶられるような鼓動は、中に入ってきたアルちゃんふたなりの脈動か、それとも、アルちゃん自身のモノか区別がつかなくなる。


「ごめんなさい、ムツキ。今、私……んむっ」


「……大丈夫。私は、アルちゃんがよかったから」


短い、クールタイム。

それがアルちゃんの理性を少しだけ戻したのか、アルちゃんは謝罪の言葉を口にしようとする。

でも、そんなのは聞きたくなかった。


「~~~~ムツキっ」


でも、それはいけなかったかもしれない。

その気持ちに嘘偽りはない、でも、今のアルちゃんにそんなことをいったらどうなるかなんて、考えておくべきだった。


中に入ったそれが引き抜かれ、次の瞬間には突き上げられる。

内臓全体が揺れ、一気に意識を行為に引き戻された。


待って、なんて言葉を、今のアルちゃんが紡ぐ時間を与えてくれるはずはない。

二度、三度。


私を押さえつけたまま、アルちゃんのそれは激しく私に打ち付けられる。

けれど、そんな暴力的な行為は、的確に、私の体の弱点をえぐって、トロトロにしてしまう。


それを感じ取ったのか、アルちゃんのそれが一段と膨らみ、私のナカが押し広げられる。

次に何が起こるかを、私は理解した。


そして、アルちゃんも欠片くらいしかない理性を振り絞ってそれを防ごうと体を動かそうとしている。



「っ、アルちゃん、いいよ♡一緒にっ♡」


でも、私は、そんなアルちゃんの腕をつかんで、逃がさない。



「ムツキっ……出すわ、だから、一緒にっ~~~~~~~~!!!」



「あ、るちゃっ~~~~~♡♡♡」


中に、熱いものが注がれ、満たされ……それでも収まりきらずにあふれ出す。

何度も、何度も吐き出され、その度に私の頭が真っ白に塗りつぶされていく。


「はぁ、はぁっ、ある……ちゃん、すご、かったっ」


「ムツキ、もっ、ありがとっ、もう……」


大丈夫、なんていおうとしたアルちゃんの唇を、キスで塞ぐ。

分かるよ。


「だって、アルちゃんのこれ、まだ、そのまま、でしょ?」


「っ……でもっ」


「お願い」


きっと、カヨコちゃんも、ハルカちゃんも同じ風にする。

それをアルちゃんは断れない。

だから……。


「私だけで、いっぱいになって?」


今日だけは、なんて言わずに、私はそういってアルちゃんの体に抱き着いた

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