アリサの甘々、ナナセの憂鬱

アリサの甘々、ナナセの憂鬱


 ナナセは扉の隙間から覗く光景に憂鬱としていた。自分を拉致かつ軟禁し、堕とそうとしている憎いはずの青年アルマの醜態に。

 魔法都市に向かう道中の宿にて、ナナセの寝室のすぐ隣の部屋ではなんとも淫猥な光景が繰り広げられている。


「ぁんっ♡ご主人様……本当に甘えん坊ですね♡」


 一人はメイドのアリサ。極めて冷静で何でもできるハイスペックメイド。そして主人が求めれば何でもするし、ナナセへの調教すらノリノリで手伝う危険人物だ。

 もう一人はナナセがこうなった元凶とも言えるアルマ。14歳のナナセより一回りは年の離れてそうな青年なのだが、イマイチナヨナヨしていて情けない……とナナセは見做している。

 なんせ彼は赤ん坊のように乳房に甘えてくるのが大好きで、今なんて


「ご主人様、今日は野菜の冷製スープです……たーんとお召し上がりください」


 真っ白な乳房に垂れる冷たいスープ。アリサはソレに身震いしつつ、アルマに話しかけていく。

 ナナセが覗き見る中でアルマは待ってましたのばかりに垂れてきたスープを啜り始めた。

 じゅるるっ、じゅぷっ、じゅずずず……と音を立てて、アリサの白い肌を汚すように口を鳴らしていく。

 一種の女体盛りというやつなのだろう。ナナセは過去に貴族にやらされた嫌なものを思い出してしまう。


「んあっ♡ぁんっ……♡ご主人様、お味はいかがですか……♡」


 垂らされたスープを綺麗に全部舐め取ったアルマは最高だとアリサに告げる。冷静で普段は何を考えているのかわからないアリサだが、その頬の赤みから明らかに喜んでいるのは間違いなかった。


「まだまだスープはありますから、私を器にご主人様が満足するまでお召し上がりください……♡」


 再び乳房にスープを垂らし始めるアリサに、アルマは大喜びで啜っていく。時折敏感な乳首を舌先で弄られたからか、アリサは何度も甘く喘いだがそれを拒むことはない。

 そして食べ終えてからも、熱くなった身体を冷ます方法は決まっている。


「では、ご主人様……次は何をお求めになりますか?」


 生乳を晒しながら囁いてくるアリサに、アルマは悪怯れることもなく「お前を食べたい」と告げるのだ。


「では、まずはご主人様にも気持ち良くなってもらいましょう♡」


 言いながらアリサはベッドに腰掛けたアルマの前に跪くと、すでに膨らんでいるズボンの下のモノに微笑んだ。頬を軽く擦り付け、アルマにより強く意識させていく。

 やがてチャックの留め具を噛むと、ゆっくり降ろしていくアリサ。


「凄い匂いですね、ご主人様……♡」


 ズボンを降ろしたと同時に飛び出してきたアルマの肉棒に、アリサは恍惚とした表情で呟く。

 そのままふぅ……と息を吹きかければアルマの身体がビクつき、その様子もアリサは楽しんでいた。


「それでは失礼します……んっ、ちゅぷぅ……♡」


 躊躇いもなく、アリサはアルマの肉棒をその艷やかな唇で咥えていく。

 咥えると言っても、ただ奥まで一気にではなく、ゆっくり焦らすように肉棒を中ほどまで含む。するとアルマの腰が震えて……そのままアリサは頭を前後に振り始めた。


「んっ……♡んくっ、じゅぷぅっ……ちゅぱっ……♡」


 アルマの頭が前後する度にどんどん大きくなっていくアルマの肉棒。口の中を圧迫される感覚はアリサも感じているようで、その瞳は恍惚とした色に染まっていた。

 そして根元まで呑み込むと、舌でカリを舐めながら喉奥に先端を擦り付け始めていく。


「じゅるぅっ……ぁんっ♡ずちゅぅっ……くちゅっ……♡」


 いやらしい音を立てながら肉棒に刺激を与えていくアリサ。そんなアリサの頭をアルマは優しく撫でていくと、それに反応するようにアリサの舌の動きも激しくなっていく。

 それに対してアルマが情けない声をあげるも、アリサは止まらない。そのまま出せという意思表示を感じ取り、アルマは抗うこともなく彼女の最奥へと精を放っていく。


「んんんぅぅぅ〜〜〜っっっ♡♡♡」


 喉を埋め尽くす大量の精液にアリサが呻く様子が見て取れたがそれも一瞬。彼女は余すことなくアルマの精液を飲み干していく。

 竿の中に残ったものまでちゅーちゅーとストローのように。

 そこまで終えて、やっとアリサはアルマの肉棒から口を離した。


(あ、あんな顔で飲むなんて……)


 そこまでの一部始終を覗き見ていたナナセは、自身のトラウマである口淫になんとも言えない感覚を覚えていた。

 未だに口の中に残る貴族のブツを噛み千切った感覚は忘れようがない。そもそもそれ以前に何度も性奴隷として無理矢理使われた経験が、ナナセに呪のように染み付いてるのだ。

 そしてそんなナナセの覗きなど知らずに二人は行為を進めていく。


「一回ではまだ足りませんよね……♡」


 あれだけ出したのにまだまだ硬いままのアルマの肉棒。微笑んだアリサは言いながら自身もベッドに上がると、仰向けになってスカートを捲りあげていく。

 ナナセなら絶対自分から着ないような透け透けの黒いショーツは、欠片も下着としての役目をこなしていなかった。


「どうぞご主人様……メイドの身体をご堪能くださいませ♡」


 ショーツをズラして秘部を直接見せてくるアリサに、アルマは躊躇なく挿入していく。怒張した肉棒は極上の銀髪メイドの膣の中でより硬くそそり勃つ。


「んっ……あぁあっ♡ご主人様のが、奥までぇっ……ひゃんっ♡」


 あまりにも淫らな光景にナナセは頭を抱えるも、そこから視線を外せなかった。

 アリサの爆乳に顔を埋もれさせ、アルマは甘えるようでありながらも下半身の動きはケダモノと化している。


「ひあんっ♡あっ♡ご主人様っ……わたくしの、おっぱいも、なかもっ……ぐちゃぐちゃにされて……あぁんっ♡」


 一切の情け容赦のないアルマによる行為。頭ではアリサの胸に好きなだけ甘えたり出ない母乳を啜ろうと必死に乳首を吸い続け、下半身では凄まじい勢いで腰を叩きつけている。


「どうぞ、お好きにっ……ご主人様のためなら、わたくしはっ……ひあんっ♡」


 もはや予告もなくアルマは射精していた。それでいて行為は止まる気配がない。

 二人の行為はどんどん激しさを増していく。最初は正常位から始まったが、いつの間にか耳を口で責めながらの激しい後背位へと移っていた。


「あんっ♡ひうんっ……♡そんなに、耳を刺激されてっ……私……もうっ♡」


 普段は冷静なくせに胸と耳を責められたら本当に弱々だなとアルマは語りかけ、さらに腰を振るい打ち付けていく。アルマによる激しすぎる行為にアリサはもはや普段のクールさの欠片もなくヨガることしかできない。

 そのままアルマは熱い奔流をアリサの中へと放つと、まだまだ興奮冷めやまずに騎乗位へと移っていった。


「ぁっ♡はぁっ、はぁ、ん……んんぅっ♡ご主人様……あなた専用メイドの、おっぱいですよ……♡」


 アルマにしなだれかかりつつ、アリサは重力に引かれる乳房を彼の口元へ差し出していく。それを待っていたかのようにアルマはしゃぶりつき、腰を突き上げ始めた。


「あんっ♡あぁっ……ご主人様の、もっと硬くなってますっ……♡」


 乳を吸われながら激しく最奥を強引に突き上げられる快楽にアリサが喘ぐ。結合部からは激しい交尾で泡立った二人の体液が溢れ出していた。

 それから何度も何度も絶頂を迎えた二人はそのまま倒れ込むようにして寝入ってしまう。アルマはアリサの胸に顔を埋めるようにしたまま、アリサはそんなアルマを愛おしそうに抱いたまま。


「おやすみなさいませ、ご主人様……♡」


 アルマはもはや流石と言える有り様で、アリサの乳房をずっとちうちうと吸っている。

 アリサはそんな彼の頭を優しく撫で回しながら甘やかしていくのだ。





(毎日、あんなことばかり……)


 そこまでを見ていたナナセは気付かれないように扉前から離れ、シーツにくるまるように自室のベッドに横になる。

 アルマ達によって軟禁同然に連れ回されることとなったナナセだが、彼は毎晩のようにあんな様子だった。アリサ以外にもサキュバスのリリムとも激しく絡み合うのだ。

 下半身に情けなくて、男としても情けなくて、どっちつかずでうじうじ悩んで、欲望を言い訳にナナセを犯したり無理矢理甘えたり、そして甘えん坊過ぎて女の子にママ呼ばわりしながら甘えるのが大好きなアルマ。


(どうして……)


 どうして自分はさっさと離れてしまわないのか、ナナセにはそれが一番わからない。リリムにかけられた逃走抑止の魔法はとっくの昔に解除されているのに。

 どうして自分はもう少しだけ一緒にいてみよう。そう思ってしまったのだろう。


「んっ……んんぅっ♡ちがい、ますからっ……♡」


 いつの間にか下半身に伸びていた手は、疼く秘部をゆっくり指で掻き回し始めていた。下着はもうぐっしょりと愛液で濡れていることに、ナナセはなんとも言えない気持ちになってしまう。


「ぁっ♡んんっ……♡これは、ただうずいてるだけ……♡あのひとのせいで、そうなっただけ、です……んぅっ♡」


 アルマとアリサの行為を脳裏で反芻しつつ、ナナセの指は止まらない。

 ある横暴な貴族により一ヶ月間ほども性奴隷生活を強いられ、エッチなことなんて大嫌いになっていたはずのナナセ。彼の行為を見て疼いてしまうなんて、そんなことあり得るはずがない。


「んんっ……あっ、ひぅっ♡これは、うずきをおさめてるだけ……おさめてるだけです、から…………もうすこし、だけ……んぅ♡」


 そう言い訳しながらもナナセの火照りは治まることはなく、疼くのを言い訳にしながら自慰を続けていくのだった。


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