アリウス

アリスがアリウスで目覚めてから数日が経ちました。しばらく過ごす事で気づいた事があります。ここには何もない。ゲームなどの娯楽だけでなく勉強を教える事もなくて学園として機能してないという事です。そんな場所で生徒達が行うのは自分たちを追い出したトリニティへの復讐のために訓練をするという事でした。そしてマスク越しでもわかるほどに彼女達に笑顔はありません

他の生徒と話をしようと思い声をかけましたが誰も話してくれません。時には恐ろしい顔で罵倒してくる人もいました。そんな事があり、必然とアリスは1人でいる時間がほとんどでした。部屋に1人でいる事、アリスはここに来てから寂しさを理解しました。寂しさからかつての日々に思いを馳せる事が多くなりました。ゲーム開発部での活動、部長のユズやモモイとミドリの事を

(モモイ…ここではアリスとは友達ではないのでしょうか？)

モモイは元の世界に戻れる方法を探してくれている。その手伝いをしたいと言ったが、モモイはそれを断った。そこに壁を感じて悲しくなる。モモイはアリスを別世界の者だと理解して、それでも見捨てなかった。やはり別世界でもモモイはモモイなのだ。それに、ここに来てからモモイが笑っている姿を一度も見た事がない。それをアリスは放って置けなかった。何よりアリスがモモイの笑顔を見たい。だから

(アリスはここでもモモイと友達になってみせます！)

そう決意をした