わたし

わたし


おきた

めがさめた

からだがある

たましいがある

ふつうのにんげんだ

でもめはあかない

でもからだがうごかない

でもだれかのたましいがはいった

わたしがうごかせない

だれがうごいているの



おきた

めがさめた

おとうさんとおかあさんがいた

でもおかあさんはしんだ

おとうさんはなかなかった

ぼくはぶたれた

ないたらうるさいって



おきた

目がさめた

からだはうごく

こえもまだ高い

きょうもあいつとあそぶ

あいつはぼくをまってたんだって

なんのことだろう

ふつうに生まれただけなのに



おきた

目がさめた

ぼくにはじゅつしきがないらしい

だからぼくはだめな子らしい

でもあいつはぼくをそんなことはないって言ってる

なんで言ってることがちがうんだろう



おきた

目がさめた

ぼくは今日もなぐられた

つらよごしがまだいるのかって

そんなことを言われても

生んだのは父さんたちだろうに



おきました

目がさめました

たましいはまだ2つあります

だれのなんでしょう

少なくともぼくのではありません

だれかのが入ったんでしょうか



起きました

目がさめました

今日も今日とてどんてん日和です

ぼくの心も晴れません

いつになったらこのたましいはぼくだけになるんでしょうか



起きました

目がさめました

今日も家に1人です

あいつはいますが人間ではないです

なぜぼくを見てくれるのかも分かりません

待っていたと言いますが僕は待たれていません

だれのことを言っているんでしょう



起きました

家出がしたいです

でもできません

従者に父親におばや村の人間

色んな人がいるからです

どうすればいいのでしょうか



起きました

幸福というものをテーマにした本がありました

どうやら本にそっていけば幸福になれるそうです

だったらぼくは幸福のはずです

家もあって親もいて不自由なくすごしてちるのですから




かえして




起きました

目が覚めました

相変わらず味気のない朝ごはんです

味がしない

あいつに食べさせています

たまに聞いてきます

いつ出ていくのかと

知りません

ぼくが聞きたいです



起きました

死にたいです



起きました

目が覚めました

変わらない朝がやってくることはとても清々しくて辛いです

何のために生きているのでしょう

僕はあいつのために生まれてきたのでしょう

ならば僕の意義はそれだけですか

人間っていやですね



起きました

幸福についての本を読みました

なんか馬鹿らしいです

縋るのが嫌です

どうしてここにいるのでしょう



起きました

目が覚めました

朝が来ました

親もいます

家もあります

ご飯もあります

不自由ない生活です



起きました

僕は今日も起きました



起きました

僕は今日もおきました




起きません

今日もぼくは起きました



おきません

きょうもぼくはおきました



おきました

きょうもぼくはおきません



おきません

きょうもぼくはおきません




起きた。

今日も俺は起きている。


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