わたしをいっぱい導いて
黒庭勇者さん「水遣い、今日も手伝ってくれる……? その、むずむずしちゃって……」
「わかりました、お手伝いしますよ」
夜営のテント、勇者様に誘われた私はゆっくりと衣類を畳みます。
(むらむらしたら、発散する、大切なこと、大切なこと、ですっ)
そう自分に言い聞かせますが、やっぱりどきどきしてしまいます。
……最初は魔物の状態異常が原因でした。無垢な勇者様が、イかないと身体がずっと熱を持ってしまう状態異常にかかってしまったことがこのような関係になったきっかけです。
勇者様は『発情する』という現象も、『絶頂を迎える』という行為も、知らなかった無垢な方。そんな勇者様に医療行為として慰めることを教えたのは私です。
その深夜も、むらむらした勇者様に簡単な仕方を教えたりしました。
……ですから、勇者様の性的な事情は私が把握しておく必要がありますし、求められたら極力答えるべきと思ってます。
「ひとりだと、あんまし発散できなかったの……なんで、かな」
「ひとりでもしたんですか?」
「う、うん、その……少しうずうずしちゃって」
癖になっていたのなら私の責任です。もっと深く、たっぷり発散させてあげる手段を覚えさせてあげるべきだと思いました。
勇者様に優しく問いかけます。
「なにか、思い浮かべましたか?」
「思い浮かべて、ない。ただくちゅくちゅしただけ……」
「それだと、本当に発散するだけになっちゃいますよ」
「そうなの……?」
「はい。そうですね、そういう慰め方が癖にならないように、少しだけ教えてあげます」
「……やった」
頬を紅潮させながら喜ぶ勇者様を見ていると私もいけない気持ちになってしまいますが、今は我慢です。
「勇者様は好きな方とかいますか?」
「い、いないよ。強いて言うなら水遣いが好き」
「ふぇ」
いきなり計画が狂ってしまいました。好きな人の姿を思い浮かべてシてみましょう、と言うつもりが、私を指定されてしまいました。
「どうしたの……?」
「いえ、なんでもありません。そうですね。では、目を瞑って好きな人を思い浮かべてください」
「こう……?」
言うとおりに勇者様が目を閉じます。
「そして、思い浮かべたら……その方が乱れてる姿を想像してください」
「乱れてるって……?」
「お、おなにー、してる姿です」
自分で言ってて興奮してしまいます。いけないとわかっていながら、教えるのはどうにも変な気持ちになってしまいます。
「水遣いが、オナニー……」
「はい、むらむらして、シてる姿です」
段々、勇者様の息が荒くなります。ですが、まだ勢いが足りないみたいです。でしたら、もう一歩踏み出してしまいましょう。そっと私も自身の敏感なところを触ります。
「ほら、ゆうしゃさまっ、みずつかい、おなにー、してますよ……♥️」
くちゅ、くちゅ。
水音を立てて誘惑します。
「おな、にーっ」
「はい、びんかんなとこ、くちゅくちゅして、きもちよく、あぁ…♥️ きもちよく、なってます……♥️」
「くちゅ、くちゅ……♥️」
勇者様が導かれるようにそっと指を奥に奥に伸ばしていきます。
「みずつかい、みずつかいっ……♥️」
私の名前を呼んで、気持ちよくなろうと必死です。
「ゆうしゃさま、みずつかい、いっぱいきもちよくなってますよっ、ほら、ゆうしゃさまも、きもちよくなりましょ……♥️」
わたしもだんだん激しくなっていきます。だんだん激しい水音がいっぱいになって、我慢できなくなっていきます……
「にゃあ、あぁ、いいの! ひくひくしてる、の! あぁ、あああぁ……♥️♥️♥️」
「いく、いっちゃいます、ゆうしゃさまっ、いく、いく、ひゃ、ああぁぁああ♥️♥️♥️♥️」
ふたりでびしょびしょに濡れてしまいました。下着もぐっしょりです。
「よ、よかった」
「しあわせなきもちに、なれましたか……?」
「みずつかいのことおもいうかべてると、もっときもちよくなれる…!」
「はいっ、わたしで、たっぷり、もうそうしてくださいね」
勇者様は無垢な方。だったら、優しく導くのも私の勤めと言えるでしょう。
「つぎは、おっぱいむにむにでもうそうする」
「私のおっぱいですか…?」
「ふにふにして、いくの!」
「でしたら……触ってみますか……?」
「うん……♥️」
いっぱい、幸せになるのならそれに越したことはありません。
私も勇者様も夜はたっぷり甘い時間を過ごす。そんな生活も素敵です。
「ふにふに、ふにふにっ」
「ひぁ、あぁ……♥️ おっぱい、いいです……♥️」
夜のいとなみはいっぱい続いていく。
それはふわふわな夜の幸福でした……