よく笑う人のほっぺたは…

よく笑う人のほっぺたは…


『マキノ〜!ウタのこと縫ってくれ!』


『あらあらこんなに無茶して…ウタちゃんももっと自分を大切にしないとダメよ?』


『でもおれウタと一緒に遊びてェもん!』


『キィ!』


『ふふ、まるで兄妹みたいね。おいでウタちゃん。縫ってあげる。』


〜〜〜


『はいどうぞ。だいぶ綿も減ってたから縫うついでに詰めてあげたわ。』


『おう、ありがと!うわーすげェ柔らかくなったなウタ!』ムニムニ


『キィ…///』


(照れてる…のかしら?)



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「うーん、やっぱりルフィの肩は落ち着くなぁ…作曲も捗る…」


 ルフィが暇そうにしてる時、私はよくこうしてルフィの肩に顎を乗せている。じんわりと伝わる体温と力強い鼓動は私のお気に入りだ。


「お前ずっとおれの肩に乗ってたもんなァ。」


「うん、私の特等席だよ。それに…こういう事も出来るからね!」


 そう言って私はおもむろにルフィのほっぺたをつまむ。感触は人の肌なのにゴムみたいに伸びて面白い。


「うわっ…!?なんだよーいきなり顔触って!」


「私がオモチャだったとき散々触ってきたでしょ?その分私にも触らせてくれないと不公平よ!うりうり〜♪」ムニムニ


 ルフィのほっぺたはなんとも言えない心地よさで中々やみつきになりそうだ。まだオモチャになる前にフーシャ村で引っ張り合いして遊んでた時を思い出していると─


「う…でもなんか納得いかねえ!おれにも触らせろ!」


「えっちょっと待ってってひゃぁぁぁぁぁぁ!?」


 くるりと後ろを向いたルフィに押し倒されて今度は私がほっぺたをつままれてしまった。思わぬ反撃と成長したルフィの男らしさにドキドキする。


「ウタのほっぺたすげェ柔らけーぞ!水水肉と餅の真ん中みてェだな!」


 ……ドキドキした私が馬鹿だった。この幼馴染にはデリカシーというものが無いのか?内心ため息をついてルフィを跳ね除けようとした矢先にルフィは言った。


「それによ、ウタのほっぺたは今のうちに触っとかねェと勿体ねェだろ?」


「ん?どういうこと?」


「前にチョッパーがよく笑うヤツはほっぺたが硬くなるって言っててよ、ウタはこれからおれたちとたくさん冒険してたくさん笑う事になるから硬くなる前に触っとくんだ!」



 ……そういうところ本当にズルい。



「あれ、ウタなんか顔赤くねェか?悪いおれそんなに強く引っ張ったか?」


「い、いや別にそうじゃないけど…」


「そっか!ならしばらく触るぞ!」


 結局動けなかった私はルフィの気が済むまでほっぺたを触られ続けたのだった。



 赤くなった顔の理由は…ルフィにはまだ内緒。

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