ゆらとダイヤwithコハクin焼肉屋 その2〜デートに誘え!ダイヤ!!〜

ゆらとダイヤwithコハクin焼肉屋 その2〜デートに誘え!ダイヤ!!〜


「ごめん!君達より少し早めに来たんだけどお腹空いちゃってて少し食べ始めたら止まらなくて…」

ごめん!と両手を合わせて謝るゆらさん。変装用の大きな丸メガネが可愛い。

「すいません、ちょっとイジワルしました…

ゆらさん、昨日の収録ハードだったのにわざわざありがとうございます」

「いいんだって!私だってせっかく約束したのに出来ない、はお姉さんとして恥ずかしいし。それにダイヤくんには帽子のお礼したくてさ」

「ありがとうございます…あれ?コハクと片寄さん…なんか親しげじゃ?」

さっきコハクが言ったスケジュールとか俺知らないし、ゆらさん、て下の名前で呼んでるよね?俺は苗字読みなのに。

「話してなかった?私、割とゆらさんとLINEしてるよ」

「えー⁈」

「今日の焼肉も私がコハクちゃんからダイヤくん好きそうな食べ物って何?て聞いたら焼肉、て来たからそうしたんだけど、嫌いだった?」

少し困った笑みを浮かべるゆらさん。

俺も下の名前で呼びたい…

じゃなくて!!せっかくのセッティングなのにこんな顔させちゃダメだ!

「いえいえいえ!!!滅ッッッ相もございませんんん!!!!

ただコハクと片寄さんが親密なのが羨ましいというか、ズルいというか…とりあえずびっくりしました」

「妹に嫉妬する内容が可愛くて良いね〜お姉さん好きかも」

「すすすす好きぃ⁈」

ふァァァァぁぁぁぁぁ⁉︎

ふァァァァぁぁぁぁぁ!!!?

「ゆらさん。兄の脳が死ぬので揶揄うのはその辺で」

…ハッ!?やべぇ、語彙力が死滅していた。コハクの笑顔が怖い

「揶揄っていた訳じゃ無いけど…確かにダイヤくん、顔真っ赤だもんね。ささ、今日は若い君たちに合わせた品数多いコースにしているから食べて食べて」

「私、一度高級焼肉行きたかったんですよー!!」

「お、俺もです…兄と両親は仕事であるみたいですけどルビーとコハク、俺は無くて…」

ヒカル兄さんとアイ姉さんは仕事の付き合いで行ったりしているのは知っている。お土産くれるし。

アクアは偉い人と仲良くしてるからか、たまにそう言うお店に行ってたりする。当人は

『味より話がメインだからな…普通に美味かったんじゃね?』と勿体無いことを言うのでルビーと2人でいつかシメようZE?と話をつけている。

「ホント⁉︎なら良いことしたなー!!君達、有名事務所社長の子女だからきっと凄く良いの食べてる、て思っていたから良かったー…言うて、1人6000円のコースだけどネ!

リーズナブルな高級焼肉だよ。

ホント『A6の肉しか食べたことありません』言われたらどうしようかって!」ケラケラ

「A6なんてあるんすか?

つうかA6…って何?コハクちゃんや」ヒソヒソ

「ダイヤくんや、お肉のランクじゃよ。前正月に見ていた格付けチェックでGACKTさんが話ししてたでしょ?ヒカル兄さんが無事当てたヤツ」

「ああ…コハクちゃんは物知りじゃなあ…ホレ、付け合わせのピーマンをあげよう」

「兄さんや、ピーマン好きでしょ。食べなさい」

「…ツッコミが欲しいなぁ!」

ずっとファンしている人に無遠慮にツッコミなんて恐れ多いです。

ーーーー

「ダイヤくんって高校でモテモテじゃない?普通にカッコいいし。

ね?」

「いやいや、これでも彼女いない歴=年齢ですよ!なあ?」

「自分のことなのに私に話振るの⁈

あ、私も同じでーす」

「…周りの子達、高嶺の花扱いしていてそうなのかな?私が同級生かつ異性なら君達を放っておかないね!うん」

焼きすすめてから食べ始めると最初はガチガチな俺も緊張せずに話せるようになってきた。

ゆらさんはかなり健啖家で食べ盛りの俺たちと同じか若干早いペースで皿を空けていく。

『二軒目はリーズナブルなお店で食べるか…?焼肉キングみたいな…』

とか呟いているのを聞いたけど流石に空耳だろう。うん。

だがおかわり自由なメニューをひたすら男子高校生と同タイミングでおかわりしている推しは超可愛い。

「いやーどうっすかね?コハクは同じ中学で通っている時は野球部、サッカー部のエースに告白されて断ってましたよ。こいつはモテていました」

「女子の憧れよりどり緑じゃん!!何それ!私がシンデレラの義母なら毒林檎口にねじ込んじゃうかも!」

「あえてツッコミませんが、私は粗野で知性の欠片も無くて、女が靡くのは当然、みたいな人達だったから嫌だったんですよね。

そんなこと言う兄さんだってバレンタインチョコ山ほど貰っていたじゃん。上は3年、下は1年から…教育実習生にも口説かれていたよね?」

「ダイヤくんも凄いね!私が男なら君の上履きに不幸の手紙送っていたよ」

「なんすかその例えは…

まあコハクとは違いますけど、タイプじゃなかった、というか。

幼い時に見た星の輝きに価値観焼かれたというか」

絶対叶わない初恋をアイ姉さんにして失恋してヒカル兄さんに憧れと絶望を味わって今に至る。

悪い癖でアイ姉さんに匹敵する輝きを求めているところがある。

気持ちに整理は付いてるが片想いを長らく引きずったまま、なのかもしれない。

ゆらさんははへー、と感心?呆れ?をしているのか分からない反応を見せて、コハクは呆れ笑いをしている。

「ちなみに貰ったことありますよ不幸の手紙。ビリビリに破いて捨てましたよ…職員室で」

「「職員室!!」」

「先生の目の前でやったから軽く学年集会と全校集会ありました」ハッハッハ

「あー…あの集会それだったんだ」

「犯人炙り出してやりたくてさ」ケケケ

「わーお…やられたら倍返しだ!の精神だぁ…」

以前観た話題になったドラマの一場面を真似をするゆらさん。

女優さんがマジなモノマネをすると雰囲気凄い。流石プロ。

ちなみに犯人はバレて生徒指導行きしたらしい。馬鹿正直に自筆だったからね。

話も色々し、撮影であった失敗談として

フリの筈が共演者に勢いよくビンタしてしまったらビンタを仕返されてしまった話や声優初挑戦したけど話題にならなかった話とか楽しい話を色々した。

そしてある程度箸を進めていたら石焼ビビンバの追加注文しながらゆらさんがぶっ込んできた。

「ね、ダイヤくんが片想いし続けている相手ってさ、アイ先輩でしょ?」

「!?」

「あ、分かるんですね」

「分かるよー

星に焼かれた、なんてワードで浮かぶの先輩ぐらいだもん。それに身内でしょ?失恋も仕方ないし、惹かれちゃうのも分かるよ。

先輩なら仕方ないって、相手もミキさんだしドンマイドンマイ!」

「」

なんか知らんが初恋バレと初失恋バレを推しの前でしている俺。

コハクも同情したのか肉を一枚くれた。ありがとう…っておまえの嫌いなハチノスじゃねーか。ちゃっかり俺のカルビを拝借するな。別に良いけど。

「ゆ、ゆらさんは義兄と義姉と仲良いですよね!現場で知り合ったんですか?」

空気を変えようと話題をふるコハク。ナイス。確かに、俺も知りたかった。

「そうだよ。前アイさん主演の転生したら大好きなアイドルの娘になっていた、てSPドラマにね。私はキャスト紹介も名前もあるキャラなんだけどセリフは少ない、居てもいなくても良い役。アイ先輩と一緒に映る時間は僅かだけど過ごす時間は多かったんだー」

「「へー」」

確か原作青坂アオの「推しの子」だっけか。あれを観た義兄さん、アクルビ兄姉がおかしくなったヤツ。世間では賛否両論激しいけど人気だったな。アニメ化も決まるんだっけか。

居ても居なくても、は申し訳ないけど違う、と言いたい。

「俺観てました!片寄さんは居ても居なくても、て言いますけど姉さんを羨ましくも憧れている眼差しの演技良かったです!表情もそうですけど目の演技、滅茶苦茶良かったです!!!」

「うるさっ!場所考えてよ、兄さん」

「す、すまん」 

「ふふふ、ありがとう。あの演技も先輩、ミキさんからのアドバイス。

『与えられた場所、時間、役割で相手を魅せるには我を出すんじゃ無くて役と対話して役と自分を融合させる』ってね。

演技学んでいる人からしたら当然なんだけど、役者として爪跡残そうとして必死で忘れていたこと気付かせてもらったんだ。

そこから色々あって失恋したけど、仲良くさせてもらってる感じかな」

「「へー……」」

ん?失恋?兄さんに?

「先輩とミキさんには感謝しかないよー!君達みたいな可愛いファンや、私の演技をよく観てくれているダイヤくんに会えたんだもん。だから沢山食べて食べて!」

ゆらさんは笑顔で焼いていた肉をどんどん俺たちにくれる。流石に申し訳ない。

「ゆ、ゆらさん!ゆらさんのお肉です!!悪いですよ!」

「そうですよ!!ありがたいですけど俺たちの分だってありますし!」

「ごめん。白状する。追加注文したビビンバでお腹膨れてキツイの…残したくないから助けて…?」

微妙に涙目なゆらさん。確かに白飯とスープ、ナムルのおかわり多かったしな。

よく見たらちゃっかり食べられる量は残していた。

二軒目は無さそうだな…残念。

「な、ならいただきます…コハク、行けるか?」

「大丈夫。私ホルモンはダイヤにあげたし…カルビ、頂戴」

「カルビ1枚しか食ってねぇよ俺…

ならいただきます」

「ありがとう〜!!君達本当大好き!素直で可愛い!!」

可愛い。大好き。

「兄さん、鼻の下伸びてる」ボソッ

「!よ、喜んでくれたら嬉しいっす…」テレテレ

「うん!ありがとう!!それはそうとダイヤくん、私の名前なんだけどさ、コハクちゃんみたいにゆら呼びで良いよ?せっかく仲良くなったんだし、苗字は少し距離感じるかな」

「⁉︎」

「やったじゃん、兄さん」

肘打ち、肘打ち痛い。ま、マジか… 馴れ馴れしく

ゆらさん

呼び解禁か!!やったぞ!俺!!

「アイ先輩に囚われている君が私のファン、てことは私は先輩と戦える、てことを気付かせてくれたんだもん。お礼しかないよ。もっともっと演技頑張るから、私を見続けてね」

首をコテンと傾けて微笑むゆらさん。

最高かよ。

「お、俺こそ色々ありがとうございます!ゆゆゆゆゆ、ゆらさん…」

「兄さん顔真っ赤…アクア兄さん達に写メ送ろ」

「やめろって!!」

「ふふふ、また君達と遊びたいなー 

コハクちゃん、ダイヤくん。私ともっとLINEしてね?時間はかかるけどLINEはマメだから私」

「「はい!!」」

高級焼肉は心も舌も俺たちを楽しませてくれる良いお店だった。

そして会計を済まされたゆらさんからこっそり耳元で爆弾落とされた。

「あ、ダイヤくん。今度私とデートしちゃう?私と!」

「⁉︎」

俺から言いたかった奴!!じゃない!マジか!!

今日何回、マジかって言った?俺。

「言い方悪いけど演技の練習に付き合って欲しいの。

歳下彼氏とデートする歳上女子、て役なんだけどね。君となら演技に活かせる良い表情できそうだから」

兄さん、姉さんへ

これは脈ありなんでしょうか?

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