ゆらとダイヤwithコハクin焼肉屋 その1〜お姉さんは腹ペコ〜
今日はゆらさんと食事。
彼女からお誘いがあったのだ。
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『久しぶりダイヤくん!今度前に話をしていた食事に行かない?』
このLINE来た時、俺は震えたね。物理的に。
丁度隣にいたルビーと有馬パイセンにギョッとされたし。
内容を見てルビーからは
「良かったじゃん!望み薄いけど!!!」
パイセンからは
「思い出作り行って来なさい」
揶揄い100%、片や普通に祝われ?た。
「私も誘われたよ?高い焼肉屋さんだって!!やったね、ダイヤ!」
コハクも一緒と分かるかまでは。
優しく肩ポン、とされて
「神様っているね。そう上手くことは運ばない、な意味で」
「自分が引き金でスキャンダルにならないことを喜びなさい?」
と含蓄ある響きで2人に言われた。
パイセンはまあ分かるのだが、ルビ姉も凄く深みがあった。
「…うん」
返事に良い言葉が浮かばなかった。
出来るものなら…本当に出来るものなら2人きりが良かったなぁ…
「夢は夜見るものだよ?兄さん」
コハクが笑っているのが、見えた。
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「ダイヤ、服滅茶苦茶悩んでたね。良いチョイスだと思うけどヒカルお兄ちゃんに聞いたの?」
「正解(エサクタ)。俺が選ぶとホラ、チャラチャラした感じになるし。こう、高いお店行く時は行き慣れている人に聞かないとな」
兄さんは家着はダサTだけど着こなしが良い。色々アドバイス貰ったのだ。
「チンピラファッションはお父さんからの遺伝かなぁ…まあ、上手い人に聞くのが1番だからねー
あ!あそこだよ!!ゆらさん言ってたお店!」
「食べ放題無いんだよな…」
そこそこな金額の店は父さんと母さんに連れられて行ったことあるけど
一品一品高いのは無い。親父達やアクアは仕事の付き合いであるらしい。悔しい。
「兄さん、高いお店は良いお肉を食べながらプライベートな話や秘密にしたいことを話するのが目的だからバカみたいに沢山食べたかったら牛角で良いの」
「なんならサイゼやガスト、さとでも嬉しい」
「バーミヤン もありだよねー
すみません、3人で予約されていると聞いてます、片寄ゆらの連れです。
入店可能ですか?」
コハクが先に店に入り店の人に尋ねている。こいつは人当たりが良いので店や大人との折衝が得意だ。
コハクが手招きするのでおずおずと中に入る。
お邪魔しまーす。
照明くらくない?マジで隣のコハクの顔も見辛い。
「…なんでこういう店て暗いの?」
「人目を気にする人達が来るから。だから有名人がプライベートを満喫出来る場所なんだよ。ほら個室でしょ?
もしかしたらTVで知っている様な人が乱痴騒ぎしていたり…噂だよ?」
「高級店怖い…」
場違いだよ…芸能事務所社長の息子だけどバンピーだし。知り合いや仲良い人に芸能人多いけど。
なんでコハク平気なんだろ。俺緊張してるのに。
「だって私からしたらただの食事会だし。ダイヤはゆらさんに会うから気負ってるし緊張してるけど私は無いもん」
「ナチュラルにお兄ちゃんの心読むな。
…分かりやすい?」
「めっちゃ分かりやすい」
「絶ッッ対、背伸びして色々固めてきたの丸わかりじゃん!カッコ悪いじゃん!!」
「大丈夫。女からしたら男が見栄張ってるの丸わかりだから。それを好ましいと相手に思って貰えるかが大事なんだよ?私彼氏いないけど」
妹にメインイベント始まる前に謎に慰められエールを送られる。
改めて高級店で何しているんだろ?俺。
「お客様.片寄様既にいらしてますのでお席案内します」
「「あ、お願いします」」
そんなアホなことしていたら店員さんが俺たちを呼びに来た。
ゆらさん既に来てるのか…!緊張してきた…!!
待ち合わせの時間より10分ほど早く来たけどそれ以上に早く来てくれているのはもてなす側の意識的なものだろうか?
このおもてなしの精神を我々h
「…兄さん、緊張誤魔化したいから関係ないこと考えたいのはわかるけど、手と足。
一緒に出てる」
「………きんちょうする」
こちらです、とある個室の前まで連れて来て店員さんは一礼して去って行った。
ついにゆらさんとセカンドコンタクト…!
「気楽に美味しいお肉を食べて、可愛い妹と美人に囲まれて食事をする。そう思えば良いんだって!
ね?ゆらさん!」
「いただきまー………⁉︎
へ?う、うん!!そうだね!気楽に楽しく食べよう!!!」
…コハクが戸を開けると満面の笑みで一人焼肉を始めているゆらさんがいた。
「すいません、兄は緊張しちゃって…お腹、空いていたんですね」ニコニコ
「………ごめん!我慢できず、カルビ3人前の内1人前分食べちゃった!!!」
元気あって、ぼかぁ大変良いと思います。