やりとり意訳

やりとり意訳


※『盲目の正義』のヴェルゴ中将とifローのやりとり部分解説です。『』内が意訳部分となります。












「トラファルガー・ロー。七武海の顔触れも随分変わった。貴様はいつまで居座り続けるつもりだ」

「さてな」

『七武海も長くなったが、進捗いかが?』

『うーん、まだなんとも』


「飽きもせず毎度挨拶に来てくださるが……ところで、管轄はどちらだったか」

「そんなことを訊いて何になる」

「一度観光にでもと思ってな。中将クラスが暇してんだ、さぞ平和な地域だろう」

「七武海様のご要望なら基地の最深部に招待してやる。居心地は悪くないと囚人共に評判だ。貴様も気に入るだろう」

「ヴェルゴ中将殿、あんたが案内してくれるならそれもいい。楽しそうだ」

「……手出ししてみろ。殺すぞ」

『そちらの状況は?』

『問題なし。G-5は深部まで掌握した』

『基地内外共に、ということでいい?』

『勿論。囚人まで掌握済みだ』

『ふーん、今度遊びに行っていい?』

『冗談はやめてくれ』


「新入りの“怪盗”とやらも何か狙いがあるのだろうが、愚かなことだ。海賊の浅はかな企みなど、正義の前では児戯に等しい」

「ヒーローごっことはツラのわりに随分と愛らしい趣味だな」

『ドフラミンゴが何か企んでいるようだが、こちらで探るか?』

『(怪盗? 誰、新聞新聞……麦わらの友達がこんなやつだったような……)海賊のくせに怪盗とかヒーローの真似事か? あと、こいつ人相悪くない?』

『(あっこれ分かってないやつ)』


※壁ズドンから自然に距離詰め、まばたきなり指なりでモールス信号的なやり取り。


「何を怒っている」

「口を慎め、宗教家。貴様からの発言を許した覚えはない」

『内緒話か?』

『静かに。次に陥落状況の報告を続ける』


「貴様によって葬られ、闇に誘われた同胞がどれほどいたことか。私は決して許しはしない」

「身に覚えがねェな」

『こちらで把握している陥落者の割合は二割四分。そちらは』

『二割。四分って何。おかしい……また勝手に増えてる……』


「そうだろうとも。己が手を汚すことなく君臨し続ける悪神め」

「神か。何もしてねェつもりだが」

「確かに神は何もしない。だが貴様は邪神だ。穢れた舌で誑かし人を堕とす」

『仕方ない。信仰は侮れないものだ』

『何もしてないのに』

『縋りたい奴は縋らせてやれ』


※舌ぺろりで対話終了。


「ヴェルゴ『大佐』、よく見るがいい。お前が見逃した悪い神様だ。大きく育って良かったな?」

『この辺でいいだろ。助かった。適当に煽るからそちらから手を出してもらって後は流れで随時終了ということで』

『(ぐぬぬ仕方ない)』


「何、血を拭く必要などない。じきに枷からも、この世からも解放してやる」

「人殺しは地獄行きの罪だって知らねェのか、不信心者め」

「貴様を落とせるのであれば地獄もいい」

「一緒に地獄に落ちてくれるなんて、実にお優しくて立派な海兵さんだな」

『すぐ自由にしてみせる』

『よっ、海の裏切り者!』

『地獄巡りは約束通り』

『了解』


「薄暗い穴倉でしか息も出来ぬ毒蛇が。いつか牙を圧し折り、その腑を白日の下に晒してやる」

「────それは楽しみだ」

『本当に、いつか外で自由に動けるようにしてみせる。待ってろ』

『楽しみだ』



 ……と、言うイメージでした。

 同じ話に入れると不仲感を損ないそうなので分けましたが、かえって読みづらいかもしれません。



 少将を陥落させようと提案したのはヴェルゴです。手堅く実力もあり疑問を抱くタイプで優しく適度に柔和。実は涙に弱いらしいよというヴェルゴの垂れ込みがあったため、ifローは意識的に涙を見せているだけでしたというオチです。


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