やりたいこと
あこがれの学校生活!
エアリアルの中で観たキラキラの世界に私も行けるんだって思うと、にんまり上がる口角がもとに戻らない。
学校に行ったら、いっぱい書き連ねた"やりたいことリスト"を埋めていく。たくさん友達を作って、勉強して、…恋をして。
大切な家族−エアリアルも一緒に来てくれることも心強かった。ありがとうお母さん、私きっと水星に学校を建てるよ!
私の夢なんだ!
あこがれの学校生活は、怖い思い出から始まってしまった。急に戦わされたり、捕まったり、退学させられそうになったり…。
ワケもわからず、また"決闘"をしなちゃいけなくなった。同じ人と。
負けちゃった…私とエアリアル…。
一度勝ってるからと見くびってしまったから?この人が、悪い人じゃないと思ったから?
自分でもびっくりするくらい集中できなかった。
怖い人だと思った。大きくて、乱暴で、女の子をいじめる悪い人。
でも、改めて話をしてみると、意外と大人しい人だった。お母さんのこと、良い親だって言ってくれた。
そして…。
「お前は強かった。あのときの勝ちは、まぐれなんかじゃなかった」
みっともなく負けてしまった私に、真っ直ぐ声をかけてくれた。嬉しくて、嬉しくて、私は!
「グ、グエルさん!わた…私と…結婚してくだしゃい!」
めいいっぱい叫んだ!
ドキドキして、自分が何を言ったのかもわからなかったけど、グエルさんは「そうか」と頭をワシャワシャ撫でてくれた。
強くて優しい人。
お兄ちゃんがいたら、こんな感じなのかな?
なのに
なのに
なのに
私とお母さんにとって大切なエアリアル。
もう、治らない。
お母さんは、初めて見る顔をしていた。
おこってる。
どうして?エアリアル、どうしてなおらないの?これから、がっこういっしょにたのしもうって…。どうして?
「憎いわよね?スレッタ」
おかあさん?
にくい?にくい?なにが?
だれが?
「エアリアルの仇…ジェターク家」
じぇたーくじぇたーくじぇたーくじぇたーくじぇたーくじぇたーくじぇたーくじぇたーく
−グエル・ジェターク−
『お前は強かった』
あのときの、大きな手の感触が、
おもいだせない。
グエルさんへお届けもの。
綺麗なトマトに、ぷすり、注射器からソレを流し込む。
食べてくれるかな。食べてくれるかな。
「あの…?今…何を?」
あ、
おんなのこが、みてる。
みられた
みられたみられたみられたみられたみられたみられたみられたみられたみられた
『誰かに見られたら、その時は…』
うん、わかってるよ。おかあさん。
「ひっ…」
ごめんなさい。でも、みられちゃったから。
おかあさんがね、
みたひとも、けせって。そういった。
「いや…ぁ………だれかぁ…!」
ぐえるさんは、けせなかった。
でも、もくげきしゃは、やったよ。
おかあさん。
「…………………………」
おかあさん?
どこ?
わたし、ひとりぼっち…?
あ
ミオリネさん。
ミオリネさんがいる。
おとうさん、しんだって。わたしとおなじ。ひとり。
すすめば、ふたつ。
やらなきゃ、お母さんの夢。お母さんのやりたいこと、やりたかったこと。
"クワイエット・ゼロ"
手伝ってくれますよね?ミオリネさん。
そして、あのひとたちに、かぞくをなくすこわさをあじわってもらうんだ。