やめなよAL-1S Epilogue

やめなよAL-1S Epilogue

鳥籠


アリスは目を覚まして泣いていました。それにビックリしたモモイやミドリ、ユズがアリスの事を慰めてくれました。

「どうしたのアリス!?」

「アリスちゃん、大丈夫?」

「だ、誰か呼んできた方がいいのかな?」

いつもの3人でした。アリスにとってはいつもの風景であり、恋しかったものだった。しかし、求めてた場所に戻れた嬉しさだけでなく、何も出来ずに戻ってきてしまった辛さがあり、アリスは泣き続けました


数日が経ち、アリスはクエスト『オツカイ』の帰り道を歩いています。あの後、3人にアリスの経験した話をしました。不思議な事にあちらで何日も過ごしたのにこちらでは半日も経っていないようでした。モモイ達は真剣に聞いてくれました。みんなで頼んでヒマリ先輩達にも手伝ってもらいましたが何も分かりませんでした

夢…というものだったのでしょう

モモイ達はアリスを元気づけようとしてくれました。その行為は嬉しかったのですが、あまり迷惑をかけたくないので夢を見たという事にしました。

アンドロイドでも夢を見れたのです!…できれば悪夢じゃなくて良い夢が良かったのですけど

そうやって自分を納得させてようやくいつも通りの自分に戻れた気がしました。いつもの日々、締め切りが近くなって、大変なので回復アイテムを買いに行く『オツカイ』に行った帰りでソレを見つけました

どうしてこの道を選んだのかわかりません。いつのまにか人通りの少ない道に入って、そこで黒いモヤを見つけました。それが何かはわからない。だけど、アリスはそれが『あちら』につながるものだと確信しました。

やっぱり夢じゃなかった!

コレを通れば再び行ける。今度こそ助けに行ける。そう思って飛び込もうとして——

『これ以上私から奪わないでよ』

——足が止まった。

アリスは動けなかった。行ったところでどうなるのでしょうか。あちらのモモイはアリスを求めてはいない。そう思ってしまうと足が震える。アツコの顔が頭に浮かぶ。アリスは勇者なのに、一緒に戦うと約束をしたのに、あとで向かうと言ったのに何も出来ずにいた。そんなアリスが本当に勇者なのでしょうか?アリスなんかが役に——

「揺れるな——!」

! 誰かの声が聞こえた気がした。その言葉にアリスは気づく。アリスはあちらのモモイを助けたいと。アツコの夢を一緒に見てみたいと。その気持ちは揺れることのない確かにアリスの中にある気持ちだと。それに気づいた時アリスの震えが止まっていた。

そしてモヤに向かって駆け出した







1人の少女が再び別の世界へと飛んだ。それを見ていた者がいた。その姿は白いローブに仮面を着けた者だった。少女の行動を見届けた後、その姿はモヤと一緒に消えたのだった




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