「み、見てしまった…。」

「み、見てしまった…。」


「み、見てしまった…」

ここは特異点ハワトリアの西部、ブリスティンホテルの一室。

雨の魔女トネリコは、先程焼き付けてしまった信じられない光景を思い出しブツブツ独り言を呟きながらベッドにうずくまっていた。


「ま…まさかあんな…あんなふしだらな光景がこの世にあるなんて…!」


〜少し前〜


「う~ん…ちょっと海に行って気分転換しようかな。」

今年の夏、この島で行われた一大イベント、"サバフェス"。その熱狂ぶりに創作意欲を刺激されたトネリコは、自身の魔術を編纂した資料集の作成に取り掛かっていた。しかし自分で読むならともかく人様に読んでもらうとなると表現の仕方もそれ相応の気遣いが必要であり、少し煮詰まっていたのである。

とまぁ上記の理由で海岸の散歩に出た彼女だが、これが後の大騒動のきっかけになる。



「………うっ……あっ……。」

「………?誰かいるのかな?」

岩場まで歩いてきたトネリコは、近くから小さいうめき声のような声と水音がすることに気づいた。

その音を頼りに、出処であろう岩陰に近づく。

やはりここだ。と確信し恐る恐る岩陰を覗いてみると…………。

「…!!?」



「ぷぁっ…!ちょっモルガン…そんないきなり…!それにこんなところで…」

「何を言うのです我が夫…この夏随分と待たせたのです…!、妻の我儘を受け止める事くらい、当然の償いでは?あむっ…」


未来の私、水着のモルガンが、我らがマスター藤丸立香を…せ、性的な意味で襲っていた…。


(な、ななななな///…!)

思わず身を隠し口を覆う。未来の私とマスターの関係はそれなりに聞き及んでいたがまさかこんな大胆な事までする関係だったとは…!

今すぐ立ち去ろうかとも考えたが、男女の秘事など全く経験のなかった自分は、目の前の光景に好奇心が湧いてしまい、いけない事と思いつつもう少しだけ…と隠れて覗いてみた…。


「あなたの故郷の資料で見ました…"アオカン"というのでしょう?ここは随分とその気みたいですよ…♡」


そう言って彼女は腰辺りにひざまずき、テントになっている彼のズボンを慣れた手つきで引き下げる。

(あ、あれが…)

初めて見る…あれがマスターの男性の象徴。

ズボンから飛び出たそれを、まるで愛し子の様に顔に擦り付けながら彼女は口を開く。


「いつもより猛々しいですね♡。さては溜めていましたか…?」

「い…忙しかったから…。」

「言ってくれれば、こんな事にはさせなかったのに…すぐ楽にしますね♡」

(いつも!?今いつもって!?)

驚愕する私を尻目に、大きく口を開ける彼女。そしてそのままマスターのそれを呑み込んだ。


じゅぷっ…ぢゅるっ…ごぷっ…

「あぁ…モル…ガッ…ン」

「ひもひいいでふか…?ひふか…♡」

「き、気持ちいいけど…激しいぃ…」

「もっほ…もっほみへてふだふぁい…あならのそのかほ…♡」

苦悶の表情を浮かべるマスターとだんだん速度を上げていくモルガン、そして…

「出る…ぅ…がぁ!」

「ぷぁっ…!あぁ…」

飛び出したモノを、彼女は顔で受け止めた…。

「…ごめん…顔汚しちゃった…。」

「何を言っているのです?汚してほしいのですよ…あなたに…♡」


「さて…次はこちらに…♡」

シミが出来ていた水着のクロッチをずらす。曝け出されたそこは、既に溢れんばかりの情熱を纏っていた。

「片脚を支えて下さい。そのまま押し付けますので…」

「……………うん…。」


(う…嘘…//)

彼女が覆いかぶさる。後ろから見ると結合部が丸見えだ。自分にも備わっている器官がまるで別の意思を持っているかのように艶めかしく動いている…。


「あん…あっ…もっと…もっと温めて…立香…♡」

「モルガンっ…いつにもまして吸い付きが…」

「ずっと待ってたのです♡、あなたが来てくれるのを♡、私が満足するまで離しませんよ♡ほらっほらっ♡」

「うぁっ…!強っ……!」

完全に2人の世界。もう誰にも止められないだろう。

隠れているという事実を忘れてしまいそうになる位、私は彼らの事を夢中で見つめてしまう。

「もう…限界だっ…!出すよモルガン!」

「はい♡このまま…貴方の愛を…このまま肚で受け止めさせて下さい…!♡」

(え?さ…最後までいくの…?最後ま)

「うぁぁっ!」

「あっっ♡あん…♡、はぁ…はぁ…♡」

密着しながら2人は体を震わせる、しばらくすると…彼女が名残惜しそうに体を離した。

「…まだまだ滾ってますね…♡綺麗にしましょう♡」

「ううっ…吸っ…」

再びそれを口に含む彼女。突き出された下半身からは、先程彼に注がれた愛が溢れ出していた…。


(はぁっ…はぁっ…)

頭が真っ白で…理解が追いつかない…。

これはこの世の出来事なの…?

未来の私は…こんな激しい愛を好きなだけ…。


「ぷはっ、"アオカン"どうでしたか…?我が夫♡。」

「す…凄かった…けど…これ本当に誰にも見られてない…?」

「大丈夫ですよ…"私"以外誰も見てませんから。さぁ、今度は後ろから…♡」


(そ…そうだ!今私は隠れてたんだ!早く退散しないと!)

やっと冷静になった私は音を立てないように退散。部屋に逃げ込んで今に至る。



「なんてことしてるのよ未来の私…!い、いくら愛し合ってるからって外でするなんて…!だから私に見られるんじゃない!」

布団に包まりながら怒りをぶちまける。

女王としてのプライドはないのか、私以外の誰かに見られたらどうするつもりだったのか。…いや、そんな事に怒ってるんじゃない。

「ずるい…独り占めなんてずるい…」

マスターを独り占めなんてずるい、先にカルデアに来たからって、ほぼ同じ存在の私を差し置いて好き勝手貪り尽くすなんてずるい、私にだって…私にだって想いがあるのに…!




「そうだ…マスターは"モルガン"を愛してるんだ。だったらトネリコを愛してくれてもその愛は"モルガン"のものじゃない…!遠慮する必要なんか…どこにもない…!」

心の中に燃え上がった炎は、冷静な思考を奪っていった___。


翌日、トネリコは西部を離れ、中心部のホテルの一室にいた。

「準備OK…わざわざ彼女から離れたし…防音と人よけの結界も張った…後はいろんな仕掛けも…。」

後は彼が来るのを待つだけ…。誰にも邪魔はさせない。

ピンポーンとチャイムが鳴る

「どうぞ。開いてますから。」

ごめんなさい未来の私、でも貴女は散々もらってきたでしょう?、今日は私に譲って下さい。

「失礼します…。」

ごめんなさいマスター。今日は…今日だけは…。

「こんにちは、トネリコ。」

「…いらっしゃい、マスター。」


貴方の愛を、私にください____。

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