まるで、救世主のような
※リコの行動で、えっちな悪いフリード(黒フリード)になった話(正規√)
※黒フリード化しているため、温いですがえっちです
「実はそれ、オリオへのお土産なんだ」
買った下着が自分用、しかもフリードのことを考えながら買った勝負下着だと言うのは恥ずかしくて咄嗟に嘘を吐いたリコだが、自分でも認めるくらいリコは嘘が下手な上に今回は状況も相手も悪かった。
「嘘は良くねぇなあ、リコ」
(あ、あれ? 何だか雰囲気が……)
リコが予想したフリードの反応は「そうなのか。でも流石に下着を土産にするのはどうなんだ?」と、嘘を信じて苦言を呈するか「嘘吐きは泥棒の始まりだぞ」と、嘘を見破って照れながら注意してくるかのどちらかだった。
しかし、目の前の色気を具現化したような男は愉しそうに唇を舐めるとリコの肩から腕をゆっくり撫で下ろした。
うまく言葉にできないが本能的に「危険」だと思い、平静を装ってフリードの膝の上から退こうとしたリコだが、行動に移す前にフリードの左腕が腰に回されて逃げられなくなる。
「この袋の中身はリコのだろ?サイズが違うからすぐに分かった。先に言っておくが、俺がオリオの胸のサイズを把握してるとかじゃないぞ」
(たべられちゃう)
右手に持った黒袋を揺らすフリードの瞳は獣のようにギラギラと妖しく輝いていて、これ以上見つめ続けたら襲われてしまうと思ったリコはフリードから目を逸らす。
しかし、ブラウスの上から胸を撫でてピンポイントで乳首を引っ掻いたフリードに肩が跳ねて、リコは反射的にフリードに視線を戻した。
それに気を善くしたのか、フリードはリコを見つめたまま指を動かす。
「俺が今日1日で、何回。リコの胸を見て触ったと思ってるんだ?」
「ぃや、カリカリしちゃ、捏ねちゃ、やだぁっ」
「リコの胸の大きさがこうで、可愛い飾りがこの位置。さっき見た物の布面積から考えれば、ほら。可愛い飾りがある位置に布がきてサイズが一致するだろ?」
「わ、かんない、ッ、よ……」
「善すぎて泣きそうになってるのか? 可愛いな♥」
大好きなフリードの指に愛でられて。
嬉しそうに目を細めたフリードに「可愛い」と低く掠れた声で甘く囁かれて。
触られたところがおかしくなってしまう程に気持ちが良いのは事実で。
ブラを着けているのにブラウスの上からでも分かる程ぷっくりと主張してしまった乳首に、快感と羞恥で涙を溜めるリコの目尻に、うっとりとした表情を浮かべたフリードがキスをする。
「フリード、どうしちゃったの? きャんッ……! いつもと違うし、変、だよ」
快感で真っ白になりそうになる頭を必死で働かせてリコが疑問を口にすると、フリードの指が胸から離れた。
安堵して深呼吸を繰り返すリコに、僅かに眉間に皺を寄せたフリードが口を開いた。
「どうしたも変も何もなぁ。さっき俺の膝の上であんなに可愛い姿を見せたのに、こうしてまた懲りずに俺に乗って煽るリコが悪い」
「私、煽ってなんか」
「好きなやつの一挙一動ってのは簡単に理性を壊すもんなんだよ。リコも俺と同じくらい理性飛ばせば分かるさ。何なら、俺が手伝ってやろうか」
そう言ってブラウスの胸元にあるリボンを唇で食んだフリードに、顔を真っ赤にしたリコはミブリムのような声をあげた後に叫ぶ。
「フリードのばか! かっこいい! えっち! すけべ!!」
リコの中途半端な叫びが届いたのか、将又偶然か。
「そこまでだ」
静かでありながら、どこか気品さを感じる靴音を鳴らして現れた人物——アメジオはフリードの腕からリコを引き離し、そのまま自分の胸へ抱き寄せた。