また会えたね

また会えたね


「……ごめん」

黒い火花が最後に微笑んだのは虎杖だった。

自分の身体から力が抜けていくのを感じる。目の前の少年はとても辛そうな顔をしていた。

あぁ、私はまた人を傷つけてしまった

また、大切な人を泣かせてしまった

また、不幸を背負わせてしまった

「ごめん……なさい」

私の意識はそこで途切れた。




目の前に花畑が広がっている。

私は死んだのだろうか。

見覚えのある懐かしい花畑。ここでよく花を摘んだなと思い出に浸っていると、ふと誰かの声が聞こえた気がした。その声に導かれるように私は重たい足を動かすことにした。

声が聞こえる方向に進む足はだんだん早くなる。遠くに人影が見えた。その人影は近づくにつれて大きくなっていく。

そして─────

Report Page