ふたり?ぼっち旅Vol1
「人間は約二百年で記憶の容量が無くなり、脳がパンクするらしいぜ。」
[………。唐突にどうした]
「いや、なんかそんな話を昔、誰かがしてたなと思いだした。」
[………ふぅん]
「だとしたら忘れるのは当然のことだったのかもな。」「むしろ客観的視点になっちゃあるが全部覚えてる、おれの今の状態の方が異常なんだろうよ。」
[……それを聞いてどうしろっていうの?]
「いや、おれもお前もいつまで生きれるのか分からねえけどよ」「お互いを忘れるくらい遠い記憶になってもこうやって隣り合ってたらいいなって思っただけだ」
[……そのためにおれたちは耐えましたからね]
「そういえば思ったんだが」
[?どうしたキッドの頭?]
「お前らのことはなんて呼べはいいんだ?」
[あ、あ!わた、おれのことは♥✓✝✞✚◑▲△▽△◁⚫、と!!]
「なんつってんのか全然分かんねえ」
[自分の名前をみんな呼ばれたがってる…!
だからアレだ。ウィルだ。そう呼んでくれ、収集がつかない]
「あー、“おれ”が言ってた『ウィル』って誰のことだって思ってたらお前らのことか」
[うん、そう名乗りましたからね]
「ついでに聞くが…何人いるんだ?」
[え?え、なに、頭ァ!?おれたちの事また忘れちゃった!?]
「いやそうじゃなく」
[私のコト覚えてますよね!?]パバババ
「すごい勢いで姿変わってるから見えな…いやちゃんと覚えてるし見えてるな」
「…………」モコモコ
[なんでこんなモコモコしてんの!?]
「…………」モコモコ
[ここ冬島なんだし寒いかなって……]
「………」モコモコ
[だからって頭にこんな可愛いの着せるか!?見た目が若返ってるからってこれは可愛すぎるだろ!]
「…………」モコモコ
[い、いいだろ!?似合うと思って買ってきたら想像以上に似合ったんだ!]
「………」モコモコ
[あーもう、内部で口喧嘩が……]
「ウィル、これ温かいし着心地いいな」モコモコ
[ほーらね!頭は気に入ってくれた〜!
いやいや、せめてもっとシンプルなのに…!]
「それにお前らがおれに似合いそうって思ったから買ってきてくれたんだろ?」モコモコ
[そ、そうです…!]
「だから、それが嬉しい」ニコ
[キッドってそんな穏やかな笑顔出来たんですね!?]
「テメェ、ダリーナだろ」
[あ、バレた。]
「そういえばみんなもだが、ダリーナもいるんだな」
[あ!この人もいるんですよ!]
「?」
[キッド]パッ
「…………!?」
[………あたしが死んだあとから、ずっと見とったんよ。]ポン
「……ドルヤナイカ?」
[あん時よりちっさなっとるやないか。ずっと心配してたよ]ナデナデ
「……………」
[………おーい?]
「…」ダバァ
[え!?か、頭泣いてる!?]
「目“が“ら“な“ん“が“出“て“る“」グズグズ
[わー!?ちょ、泣かないで頭ぁ!]
「な“ん“だ“こ“れ“」ダバダバダバ
ふたり?はゆっくりと歩いていく。道筋は迷うことがあれど歩みを止めることはない。
彼らを見た者は後にこう語った。
見た目だけならティーンの青年と何故か見た目がコロコロ変わる異常な存在。
それでも彼らはとても楽しげであったという。
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アダマント(ユースタス・キッド)
Picrewの「ぱぴメーカー」でつくったよ! https://picrew.me/share?cd=4DQjOCe077
別に儚くないし決してヒロイン属性ではないのに儚めヒロインに書いてしまった気がする。色々荷が下りたので緩くなった。雑に切れた髪はウィルが整えてくれました。未だにものの味は分からないけど温かいのは分かる。
ウィル
合計32人で構成された一人。見た目と話してる人や声が一致してないことが多々。キッドが帰ってきたので色々内部で話してる。ドルヤナイカとダリーナもちゃっかり馴染んでる。見た目ごとに服装が変わるし趣味が一人ひとり違うので中で大論争してる時が多い。
おまけ
「クソっ…怪我しちまった……」
「…………」
「おお、ヒップ。…わりいが救急箱かなんかねえか」
ガシッ(キッドがお姫様抱っこされる)
「!?」
「……か」
「頭が怪我したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」(※お姫様抱っこしてるのはヒップです)
「え、」
「何ぃ!?」
「おい、医務室開けろおお!!!」
「頭ぁああああしなないでェええええ!!!」
「え、ちょ、」
「うおおおおおおおおおおおおお」(キッドをお姫様抱っこしたままダッシュ)
「ちょ、ヒップ!落ち着け!!あと降ろせェえええええ!!!」ダダダダダダダダ
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キッド海賊団のみなさん
あんな出来事があった後なので過保護気味。
ユースタス・キッド
自分より細身かつ小柄な女の子にお姫様抱っこされた205cm23歳男性。