ひろプリ with デパプリ パート8
空色胡椒「すぅ…すぅ」
「はわわ、眠ってるエルちゃんやっぱりかわいい~」
「プリンセスも、皆さんと過ごせて楽しかったんですよ」
「もちろん、私たちもだよ」
「そんな、私たちの方こそ。沢山お世話になっちゃった」
公園内の木製のテーブルと椅子へと向かったソラ達は、食後の休憩を各々取っていた。昼寝中のエルちゃんを囲む者、芝生が気持ちいいと寝転ぶ者、モールで購入した物やお土産を改めて確認する者。天気にも恵まれたこの時間帯は、わかっていてもついつい気が緩みそうになる。
―そしてそんな時に限って奴は現れるのだ。
「やっと寝たか」
聞こえたその声に全員が周囲を警戒する。ソラ達にとっては聞き覚えのある、ゆい達にとっては昨日聞いたばかりの不吉な声。奇襲を仕掛けるわけでもなく、ソラ達の正面にある空間がゆがみ、ゆっくりとその男が姿を現した。
「スキアヘッド!」
「やっと寝たか……?まさかお前、エルちゃんが眠るのを待ってたのか!?」
「こちらにとってもその方が都合がいいからな」
拓海の問いかけに眉一つ動かすことなく答えるスキアヘッド。前回たまたまエルちゃんが眠って戦いに参加できなかったこと、それが自分たちにとって有利に働くことを踏まえてのこのタイミングということらしい。
「何度来たところで、あなたの好きにはさせないよ!」
「今は私と品田もいる。簡単に勝てるなどと思うな」
エルちゃんを抱えているツバサの前にましろとあまねが立つ。他のメンバーも既に変身アイテムを手に取っている。
「確かに。だが、今回はちょっとした余興を兼ねた実験だ」
そう言いながらスキアヘッドが何かを取り出す。三角形のようなプレートに取り付けられた紫色の石。ソラ達には馴染みのないそれはしかし、ゆい達にとってはひどく見覚えのあるものだった。
「あれって、スペシャルデリシャストーン!?」
「はにゃ~!なんでスキアヘッドがそれを持ってるの!?」
「答える必要もない。言ったはずだ、実験だと」
かつてゆい達が戦った敵、ブンドル団。そのボスだったゴーダッツが独自に作成していたスペシャルデリシャストーンの模造品。自分たちを幾度と苦しめた怪物、強化されたウバウゾーやゴーダッツ自身の巨大な力のことは今でも覚えている。それを可能にしていた石をある意味ゴーダッツ以上に危険な雰囲気を持ったスキアヘッドが手にしている。それだけでゆい達に緊張が走るのも無理のないことだった。左手にスペシャルデリシャストーンを持ち、スキアヘッドが右手を地面につける。
「アンダーグエナジー、召喚」
発生したアンダーグエナジーがいつものキョーボーグのように二つの物に吸い込まれるのではなく、スペシャルデリシャストーンに集中して注ぎ込まれる。紫の石が徐々に黒く染まり、そして強烈な光を放ちながら新たな実体を形成していく。
二本の角に黒い毛皮のようなマント。巨大な上半身のみが大地から生えているかのようになっており、足は見当たらない。頭部からは人間の髪―長髪にも見えるものが伸びている。その顔にあたる部分はランボーグやキョーボーグとは全く異なるもの、上半分は黒に近い濃い紫、下半分は淡い藤色。青い瞳は吊り上がり、口はまるでゆがんだ笑みを浮かべているかのよう。そしてその額にはアンダーグ帝国の幹部たちがはめていた黒い石の代わりに、スペシャルデリシャストーンが設置されている。
得られたエネルギーが大きかったのか、その体躯はこれまでに表れたキョーボーグを遥かに上回る。何よりその姿はまたしてもゆい達に衝撃を与えるものだった。
「あの姿……ゴーダッツそっくり」
「ゴーダッツって?」
「らんらんたちが戦ってたブンドル団のボスだった人だよ!」
「あれは最終決戦の時にやつがとっていた姿だ」
「キョーボーグ以上に強力な力。ゴーダッツとやらの名前。そやつと我々の力の合成。名づけるならばゴーボーグといったところか」
「ゴーボーグ!!」
「さて性能の確認だ。やれ」
スキアヘッドの指示を受けゴーボーグが動き出す。その両の手を地面に向けて振り下ろし大地を突き刺す。途端に周囲にアンダーグエナジーがあふれる。
「なにこれ、ちょっとやばくない?」
「またランボーグを生み出すんでしょうか?」
「いや違う。この感じ……まるで」
ぐるりと自身とソラ達を囲うようにアンダーグエナジーが展開され、そのまま空に向けて上昇する。まるでドームを形成しようとしているように、徐々に徐々に彼女たちの立っている場所の空が覆われていく。そしてドームが完全に彼女たちを包み込んだ次の瞬間、そのドームが姿を消した。外部からの干渉を遮るように消えたのだった。後に残ったのは静寂のみ。まるでそこには何もいなかったかのような静けさが、その場にあった。
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「な、なんですか、ここ!?」
突然周囲の景色が変わったことに戸惑いの声を上げるソラ。さっきまで自分たちがいたはずの公園とはまるで違う。近くにあった芝生も木々もなく、動物の声や心地よかった風も感じられない。あるのは赤黒く染まってしまった空、岩のようなオブジェ、そして足元の砂。薄気味悪さと居心地の悪さ、身体を震わす寒気すら感じる空間にソラ達は戸惑い、ゆい達は驚愕していた。
「ここはアンダーグエナジーで形成された異空間。お前たちを逃がさないための檻ともいえる。いうなれば、アンダーグフィールド」
「アンダーグフィールドだと……だが、この技は」
「まるでマリちゃんのデリシャスフィールドだな。まさかこんな技が使えるとは」
スキアヘッドの言葉に苦い顔をする拓海とあまね。本来はレシピッピを奪われないため、戦闘による被害を抑えるために展開されていたデリシャスフィールド。しかし敵側がそんな優しい理由でこんなフィールドを展開するはずもない。
ここにつかまってしまった以上、変身できないゆいたちを守りながら戦う必要がある。彼女たちをここから逃がす方法を探すにしても、目の前のゴーボーグがそれを許してくれるはずもない。かつての敵のボスと同じ姿にスペシャルデリシャストーン一つに注ぎ込まれた大量のアンダーグエナジー。昨日の敵とはまたわけが違う。
「これでお前たち全員を取りこぼしなく始末できるな」
「そんなこと!させません!」
「よせ、スカイ!」
即座に変身したスカイが単独で飛び出していく。敵に何かさせる前に一撃を。そう考えての行動だった。が、
「ゴーボーッグッ!」
ぶんっと腕を一振りするだけで昨日のキョーボーグを上回る風圧が発生する。離れた場所にいるゆい達も思わずよろめいてしまうほどの勢い。その一振りがスカイに向かった。
「スカイ!」
咄嗟に変身して飛び出すブラペ。それでも先の風圧で動きを一時制限されてしまったことから先にスカイのもとに辿り着くのはかなわなかった。
「くぁっ」
直撃は避けた。それでも目と鼻の先の地面にたたきつけられた腕の衝撃は、避けるために体勢を崩したスカイの身体と意識を飛ばすのには十分だった。無防備に吹き飛ばされるスカイの身体をブラペが何とかキャッチする。
「まず2人」
「?っ、何!?」
ゴーボーグの額のストーンが輝く。スカイをキャッチしたブラペの足元が不自然に歪んだかと思うと、2人だけを包むように小型のフィールドが形成され始めた。先ほどのフィールドほどの大きさはなかったため、あっという間に2人が包み込まれ、地面にフィールドごと吸い込まれていった。
「拓海!」
「ソラちゃん!」
ゆいとましろが声を上げた時には既にフィールドは完全に大地に吸い込まれてどこにも痕跡は見当たらなかった。突然の事態に動揺が走る。
「成功か」
「スキアヘッド!2人をどこへやった!」
ぽつりと言葉を漏らしたスキアヘッド。キッと彼をにらみつけ、すぐさまフィナーレへ変身するあまね。ましろ、ツバサ、あげはの3人も変身し、臨戦態勢を取る。
「答える必要はない。お前たちもそれぞれの場所に行くのだからな」
再度ゴーボーグのストーンが輝くと、今度はまた別のドームが3つ形成されゆい達を分断する。
「ゆい!ここね!らん!」
「あまねちゃん!」
「エルちゃん!」
「ツバサ君!」
手を伸ばそうにもドーム状のエネルギーがそれを許さない。一瞬にして彼女たちは抵抗も許されず、敵の能力にとらわれてしまった。徐々に互いの姿が見えなくなり―
「移送完了だ」
そのフィールドにはもうゴーボーグとスキアヘッドしか残されていなかった。ゴーボーグのあげた成果に対して喜びも称賛もなく、スキアヘッドは彼女たちが吸い込まれていった地面を見つめる。
「さて、この余興。どこまでの成果をあげるか」
勝ち誇るでもなくあくまで淡々と。相も変らぬ不気味さと不吉さをまといながら、スキアヘッドはそう呟いてからその場から消えるのだった。
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「あまね!あまね!聞こえてる?返事をして!」
何度も画面に向かって呼びかけるローズマリー。しかしそこから普段なら帰ってくる声が聞こえてくることは無かった。
「なんてこと…急がないと!」
大急ぎでクッキングに事件の発生について話したローズマリー。かつてクッキングダムを救ってくれたプリキュア達の危機。すぐさまクッキングより救出に動くための許可がおり、レシピボンの守護を任されていたコメコメ達も必要に応じて動けるように命を受けた。
(さっきの通信……こちらからの返答は期待していない、一方的にこちらに情報を届けるためのもの。流石あまねね。咄嗟に動けるなんて)
向こうの映像と音声だけが届いた一方的な連絡。敵に動きを察知されないようにとあまねがローズマリーに向けた報告とSOS。その中でローズマリーは確かに見聞きした。スペシャルデリシャストーンを敵が使用して怪物を生み出したこと、そして現れた怪物がかつてのゴーダッツによく似た姿だったこと、さらにはデリシャスフィールドによく似た、でも正反対なフィールドの中に彼女たちが閉じ込められてしまったことを。フィールドが展開され切ったと思われるタイミングであまねからの通信がノイズしか届かなくなったことを考えると、そのフィールドには通信を阻害する機能が付いていると考えられる。
そう考えると今まで届いていた分の通信がなければ自分たちはこの異常事態に気づくことが相当遅れていただろうし、もしかしたら手遅れだったかもしれない。本当にあまねの咄嗟の判断力に救われている。それでも今動き出せるのであれば、できることもチャンスもまだある。まだ探せる。
「ローズマリー隊長!」
ローズマリーに声をかけたのはかつてプリキュア達と交流を持ったクックファイター、セルフィーユ。まだ若く比較的最近選ばれたということもあり、経験を積んでもらうためにローズマリーは直属の部下として彼女を迎え入れていた。
「セルフィーユ!いい所に来てくれたわ。一緒に来てちょうだい!」
「は、はい!ブラックペッパー先輩達、大丈夫でしょうか」
セルフィーユ、彼女もまた拓海を先輩と呼ぶ1人である。拓海とあまね、この2人はまだ変身能力を個人で保有していることもあり、クックファイターとの交流が他よりも多い。
特に拓海に至っては、正規の訓練を受けていなかったにもかかわらず、手にしたデリシャストーンと父親譲りの天性のセンスをもってブラックペッパーとして戦っていたこともあり、クックファイター達からは一目置かれる存在になっていた。
ブンドル団の件が収まってからのこの1年の間でも、拓海は時折クックファイター達やローズマリーと訓練してきてそのセンスを発揮、ますます戦闘や石の制御、癒しの力等の腕を上げていた。まるで若い頃のシナモンのよう、とはクッキングの談である。
そんな拓海は自分より後にデリシャストーンに選ばれたセルフィーユに、時折戦闘や石の使い方のレクチャーを担当しているのだった。
「きっと大丈夫よ。でもだからこそ、今できることをやらないといけないの。一緒に会いに行きましょう!」
「はい!……って誰にですか?」
「……あなたの元上司よ」
ええっ〜!!??というセルフィーユの驚きの声を背に受けながら、ローズマリーは一直線にとある人物の元へ駆けていくのだった。
近づいてくる足音に男は心当たりがあった。いや、正確にはこんなところに来る相手など、片手の指の数も居ない。その中でも大人の歩幅と子供の歩幅が混ざっている事実と、その靴が地面を蹴る音。判断材料は十分にある。
特に入口に目を向けるでもなく、目を閉じながら独房の壁に向かって座っている男は、足音が止まったタイミングでその口を開いた。
「何の用だ、ローズマリー?」
「よく分かったわね。流石にクックファイターのトップをやってただけはあるわね」
「フェンネル様!あなたの知識を借りる必要があるのです。ご協力をお願いします!」
目を開き扉に視線を向けるフェンネル。真剣な表情のローズマリーと、切羽詰まったようなセルフィーユが彼の独房を覗き込んでいた。
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「なるほど。確かに私が作った試作品の中には破棄されているものもある。だか私とてその辺に捨てるほど愚かでは無い。次元の狭間、それこそ元々スペシャルデリシャストーンを持っている者でもなければ辿り着けないような場所を選んでいたつもりだ」
「あまねからの通信で得た情報から察するに今回の相手、スキアヘッドというらしいのだけれども、どうやら次元を移動できる能力をもっているみたいね。今の話が本当なら、きっと彼だから見つけられたのね…」
「じゃあ、やっぱりあれは正真正銘、フェンネルさんが作ったスペシャルデリシャストーンなんですね」
「そうなるな。その怪物がかつての私の姿に似ているというのは、その影響だろう」
「クッキングダム…いえ、どちらかといえばブンドル団とアンダーグ帝国両方の力を持った怪物…恐ろしい相手だわ」
改めて敵の危険度を認識し表情がさらに真剣味を増すローズマリー。しかも先程の通信で届いた音声から察するに、ゆい達は特殊な空間に閉じ込められてしまったらしい。プリキュアになる事ができない彼女達の身のことを思うと、早く何とかしなければと焦りすらおぼえる。
「敵はアンダーグフィールドと言っていました…あれってもしかして」
「話を聞いた限りからの想像だが、デリシャスフィールドに近いものを、そのアンダーグエナジーとやらで再現したようだな。そんなことまでできるとは…」
「フェンネル、あなたならゆい達を助ける方法を何か知ってるんじゃないの?」
「……残念ながら今の私には何もないよ」
「そう……」
何かしらの突破口を開けるかもしれない、そう思っての訪問だったが、無理もない。アンダーグエナジーはフェンネルにとっても未知のもの。いくらストーンを作ったのが彼と言っても、そこまでのことを求めるのも無理があるだろう。
「情報ありがとう。ごめんなさいね、急に邪魔しちゃって。あとは私の方で「ただ」?」
立ち上がりながら締めの言葉を言おうとするローズマリーをフェンネルが遮る。目を閉じ考えをまとめていたらしい彼は、ゆっくりと目を開いた。
「少なくとも、そのフィールドがスペシャルデリシャストーンを用いてデリシャスフィールドを模しているのであれば、同じストーンを持っているお前なら干渉は可能かもしれない」
「干渉?」
首を傾げるセルフィーユに対し、ローズマリーは先程よりもさらに真剣な表情で聞き入る。
「そのフィールドは確かにアンダーグエナジーを使っているかもしれないが、ストーンが源である以上、我々と同種の力が働いているのは間違いないだろう」
「じゃあもしかして、ストーン同士の共鳴で力を封じられる?」
「いや、それはない。私との戦いを思い出せ。同じストーンの力とはいえ、ふたつの石をひとつにした時の私には共鳴は効かなかったはずだ。同じ系統の力でもそうなのだから、未知の力が混ざっていては尚更だろう」
「そうだったわね……じゃあどうしたら?」
「……この特殊なフィールドに干渉するのは、汚染された水を飲水に戻すようなものだ。全てを取り除くことは不可能だろう。だが、僅かなら穴を開けることは可能かもしれない」
「じゃあその穴から脱出を?」
「いや。そこまでの穴を作るのに時間もかかるだろうし、維持も難しい。だが、小さな穴を開けることくらいなら短い時間でも開き、かつ維持することが可能だろう」
「小さな穴?」
「その穴から、エナジー妖精達を送り込め。そうすれば彼女達はプリキュアになれる」
「確かに!プリキュアになれれば、自分たちで脱出する道も見つけられるかもしれない!」
確証は持てないものの、希望が見えた。それだけでやる価値がある、そう思える。
「ありがとう、フェンネル!」
「だが、彼女達がバラバラのフィールドに飛ばされたのなら、正確に位置情報を特定する必要がある」
「っ、そうね。確かにそうだわ。でもどうしたら…」
「彼女達が持っているハートキュアウォッチ、その位置が分かればいいはずだ」
「あ!それだったら!」
ここまで真剣な話に口を挟む余裕もなかったセルフィーユだったが、フェンネルの発言にひとつ閃くのであった。
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「で、俺様のとこに来たというわけか」
「もちろんタダでとは言わないわ。あなたたちの貢献によっては刑期が短くなるように取り計らうつもりよ」
「なるほど。確かに事態は深刻なようですね。ってゆーか、はつこ様の娘も巻き込まれてるってなら、ほんとに一大事だっつーの」
相変わらず妙に偉そうなナルシストルーと、呟きがはっきり聞こえてしまっているセクレトルーを前に、ローズマリーは交渉の席についていた。
セルフィーユのアイディアというのは言うまでもなく、ナルシストルーの発明家としての手腕である。レシピッピの反応を探知するレーダーを開発できた彼であれば、ゆい達の居場所を特定する術を持てるかもしれない、と。
「確かに俺様は超天才だ。だが、そのアンダーグエナジーとやらについては知らないことが多すぎる。解析してみない限りはなんとも言えん」
「できないって言われないだけありがたいわ。すぐにでも「ローズマリー隊長!」?どうしたの、セルフィーユ?」
面会スペースの外に待機していたセルフィーユが慌てた様子で駆け込んでくる。何事かと3人の視線が向く中、彼女から思いもよらぬ話が出る。
「先程、クッキングダムへ未知の通信が入ったようです!」
「未知の通信?」
「はい。なんでもスカイランド?という所の関係者である、ヨヨさんというお方だそうです。プリキュア救出のために協力したいと!」
「!それ本当!?」
何者かは分からないがプリキュアを知っている、これだけでこの通信は無視できないものになった。
加えてスカイランドという場所の名前。先程の通信で飛び出して行ったプリキュアの名前が確かキュアスカイだったはず。もしかしたらゆい達がクッキングダム由来の力を貰ったプリキュアだったように、彼女達はそのスカイランドという場所から力を貰ったのかもしれない。
「すぐ行くわ!ナルシストルー、セクレトルー。あなた達も一緒に」
「ちっ。仕方がないな」
「そうボヤくものでもありません。ってゆーか、さっさと終わらせてまたはつこ様の下で働くための勉強を再開したいっつーの」
すぐ様4人は駆け出し、通信が繋がっているという端末が設置されている部屋へと向かった。