ひろがるスカイ!プリキュア×仮面ライダーギーツ×王様戦隊キングオージャー(4)

ひろがるスカイ!プリキュア×仮面ライダーギーツ×王様戦隊キングオージャー(4)

タイトル順は放送枠に準拠です。キャラ面ではひろプリ、戦闘面ではギーツ、世界観の面ではキングオをそれぞれメインに据えたい(願望)。据えたかった(夢破れし者)。

「ましろさんっ!!」

「ソラちゃん!!」


 サロンの中に入った途端、ソラ・ハレワタールと虹ヶ丘ましろが互いに駆け寄って手を握り合う。

 聖あげはもましろを追って小走りだったようで、入室と同時にソラ達三人の姿に顔を晴れ上がらせた。


「少年、エルちゃん!」

「あげは、久しぶり!」

「お久しぶりです、あげはさん」

「……友達? じゃあここに来て正解だったかもね」


 再会を喜び合う五人の姿を見てそう言うのは桜井景和。

 三人分のティーセットを用意し直していたツムリが頭を下げる。


「お帰りなさいませ桜井景和様。……英寿は?」

「あ、聞いてくれよツムリ! 英寿の奴、急にいなくなって……。面倒な客がいるとは言ってたけど俺達じゃどこに行ったのかわからないし、一度ここに戻ってから直接英寿のところに送ってもらおうと思ってたんだ」

「そうでしたか……人騒がせな弟で申し訳ありません」


 再び、しかし先ほどとは全く違う意味で頭を下げるツムリ。

 そんな様子に鞍馬袮音が、ニマニマとしながら吾妻道長に耳打ちする。


「聞いた? ツムリちゃんが英寿のこと弟って言ったよ!?」

「あのふざけた願いまだ続行してんのか」

「……そこじゃなくて! ツムリちゃん、直接は言えないだけでちゃんと英寿のこと家族だと思ってるんだよ!? 尊いじゃん!」

「そうかよ。死ぬほどどうでもいいな」


 肩を落とす袮音をよそに、道長がツムリに問いかける。


「おい、そこのプリキュアはこれで全員揃ったみたいだぞ。ギーツのとこに殴り込みでもかけるのか?」

「そんな言い方はダメです! ……ダメですけど、それが一番早そうですね。こちらからも後お二人ほどお呼びしているので、その方達がいらっしゃり次第、英寿の元に向かいましょう」

「あと二人って?」


 景和が首を傾げていると、サロンの扉が開き「景和ー!!」と大きな声が響いた。


「ぅえ゛、姉ちゃん!?」

「景和さんのお姉さん? うわー綺麗!」

「ん、なになに? 聞こえなかったもっかい言ってよ!」

「綺麗ですねお姉さん〜!」

「ありがと〜! あなたも綺麗〜!」


 入室早々あげはと意気投合しているのは桜井沙羅。仮面ライダーハクビにして景和の実姉である。

 景和と夕凪ツバサが二人の間に割り入って「今それどころじゃないから!」と引き剥がすと、二人はそれぞれにぶーたれながら離れていく。

 そんなわちゃわちゃを、離れたところから人を食ったような笑みで見つめるメガネの男が一人。


「ちなみに僕もいたりして」

「……げ、ナッジスパロウ……」

「大智くん。なんで姉ちゃんと?」

「入口でバッタリとね。タイミングが被っただけさ。……ところでツムリ、僕を呼ぶ以上、今起こっている事態にはジャマトも絡んでいると見ていいんだね?」


 仮面ライダーナッジスパロウ……というよりも、今はジャマトを育て研究する面の方が強い男、五十鈴大智が尋ねる。

 その質問にツムリが頷き、状況を整理し始める。


「はい。英寿と景和様、虹ヶ丘ましろ様、聖あげは様の四人が既に交戦済み。頭部を見る限り、五十鈴大智様の育てたジャマトとは無関係のようです」

「そういえば俺、あの場所知らないんだけど……」

「ソラシド市っていいます。わたしとあげはちゃんが暮らしてる街で……、だから、景和さんたちの世界とは別の日本ってことになるのかなあ」

「知らない場所に送り込まれたといったら私と道長も一緒だ! あそこは?」

「……その前に大前提の確認を」


 問われて、ツムリが大きなホログラムの画面をサロンの壁に投影する。



 画面下側から上側へまっすぐ伸びた矢印。

 それぞれ「KAMEN RIDER」「PRECURE」「UNKNOWN」とラベリングされたその矢印が、ツムリの操作と共にねじれてぐちゃぐちゃに交差し始めた。


「現在のこの世界は、私達仮面ライダーの世界、ソラ様達プリキュアの世界、そしてもう一つの世界が混線した物です」

「混線……ですか?」

「はい。その結果起こった最も大きな出来事が、それぞれの世界における「ヒーローが主に戦っていた場所」が、ひとつの星に無理やり埋め込まれたこと」

「俺らの場合は日本だな」

「ああ、だからソラシド市とスカイランドとアンダーグ帝国だけだったんですね!」


 ソラが納得して声を上げる。


「あたし達、こう言っちゃなんだけど地域密着型っていうか、そこ以外で戦うことがあんまりなかったもんね」

「あげはさんの言う通りですね。もしボクらが日本中駆け回って戦っていたら……」

「日本がもう一個、世界地図に増えてた可能性もあるわけだ」


 袮音がそう結論づける。スカイランドとアンダーグ帝国についてはよくわからないが、そこについては後々聞けばいいと判断したのだろう。


「その世界地図なんですが……」

「あ、英寿さんが言ってたの、わたし覚えてる! 日本以外が丸ごと塗り変わっちゃってるって……!」

「そうなんです! 日本という島国が存在するのは変わらないんですが……その周りが、こうなってまして」


 切り替わる画面。そこに表示された世界地図は、なるほど確かに全く見覚えがない形状の陸地ばかりだ。


「あ、日本はここなんだね……」


 桜井景和が指を差すのは、地図の西側を南北に埋め尽くすような大陸の北西部と、その少し東側にある比較的小さな島国の北端を結ぶ中間地点であった。


「大きい方が丸ごとトウフ国、小さい島国の方がンコソパ国です」

「ってことは何だ、定義的にはトウフとかいうふざけた国も島国か。……で、俺らがいたのは」

「このンコソパ国の北部になるようです。……日本外洋に出ると三世界混線の影響で座標の情報がバグを起こしてしまい、位置がほとんど掴めないんですが、ンコソパ国は日本からの距離が比較的近かったのでなんとか辿ることができまして」

「ギーツの方は」


 ツムリが首を横に振る。英寿は日本から遠く離れた場所に移っていて、少なくともンコソパ北部やトウフ北西部にはいないということなのだろう。


「スカイランドのわたし達を見つけられたのは、わたし達がいた王都の位置する浮島が日本の真上にあったからかしら?」

「ラッキー……で済ませていいものなんですかね、これ」


 ツバサがそう言って、投影された地図に近づいていく。

 そのまま「うーん……」と唸り、次いで、地図の上の一点、地図の中心にある大陸を指差した。


「ここが重要そうですね。ツムリさん、ここ、なんて国ですか?」

「シュゴッダムという名前のようです。でも、どうしてこの国が重要だと?」

「ふむ。僕も彼と同意見だね」


 代わりに応えるナッジスパロウ。地図にある陸地をまじまじと観察し、こめかみをトントンと叩きながら考察する。


「トウフとンコソパ……二つの国を見るに、この世界はどうやら、日本を除いて概ね五つの国に大別できるみたいだ。民主制か君主制かはともかく、トウフがこの大きさで国として機能してる以上、それより領地の小さいこれらがそれぞれ国としてまとまらない方が不自然だからね」


 そう言いながら、ホログラムの地図を指でなぞって五つの丸をつけていく。

 丸をつけた指の軌跡を目で追い、ツムリが驚く。


「確かにそうです……、ちょうど今つけた五つの丸ごとに、この世界の国が区切られているようで」

「マジ? すごいじゃん大智さん」

「やはりね……となれば、地政学的見地として危ないのがこのシュゴッダムになる」

「ちせーがくって何ですか?」

「おいソラ、あんまそいつに近づくのはやめておけ」

「ざっくり言うのなら、国の政治を、地理的な条件から考えてみようって学問かな。とりあえずそんなふうに思っておけばいいさ」


 「なるほど!」と頷くソラがましろに手を引かれてゆっくり大智から離れていく。どういうわけかそんな扱いに慣れっこそうな大智は肩を竦めて説明を続けた。


「シュゴッダムは海に隔たれているとはいえ他四つの国に囲まれているわけだから、たとえば戦争なんかが起これば真っ先に激しい戦闘が繰り広げられるような場所なわけだ」


 大智の説明にツバサが同意したように頷く。


「大智さんの言う通りだと思います。だからこのシュゴッダムという国は、おそらくかなりの武力を持っているんじゃないでしょうか? それこそ他の四ヶ国に集中狙いされても生き延びられる────、必然的に他の四ヶ国が力を合わせた以上の軍事力を有していると考えた方が自然ですから」

「そんな大国ともなれば、一つの国が独断でシュゴッダムを出し抜こうと動くことも不可能になる。たった一国でシュゴッダム相手に事を構えてもあっさり潰されるだけだからね。シュゴッダムはそうやって強国としての立場を手に入れた。つまり地理的な話に限らず、他の国が無視できない政治的・軍事的な中心に居座ったのさ」

「そしてそれは、シュゴッダムこそがこの世界における、事態解決の動きの中心でもあるということにもなると思いませんか? そうなればここにこの世界のヒーローがいる可能性も出てくるし、それを探している神様もここに来ているかも!」


 二人の天才がそうつらつらと並べ立てるのを黙って聞いていた全員(道長を除く)が一様に「おー」と声を上げて拍手する。

 そして、景和がふと首を傾げる。


「……って、神様?」

「あれ、英寿さん以外にも神様いるの?」

「そんなほいほい降りてくるものかなぁ……?」


 あげはとましろも疑問をあらわにすると、道長が答えた。


「……ツバサの奴が言ってる神様っていうのが、まさに未来のそいつだ」

「「ええ!?」」

「あ、じゃあ英寿が言ってた面倒な客って」 

「未来のギーツなんだろ。……もうひとつの“ヒーロー”、それを探す未来のギーツ、そして、それを追う現代のギーツ。見つけるときは一網打尽かもな」

「つまり私たちは、その英寿さん? を追いかけるだけで目標を全て見つけられるってことですね! わかりやすいです!」

「ソラちゃん、一番に探してる目標は「事態の解決法」だよ〜……?」

「まあまあ大丈夫だよ、私の知ってる英寿様はすっごいんだから! きっとこの事態を解決する方法も見つけてるって!」

「「様……」」


 沙羅のフォローもよそに「英寿様」呼びという全く違うポイントが気になるソラとましろ。袮音が付け加える。


「英寿、私達の世界では世界中で有名なスターだったの。沙羅さんファンだから」

「「なるほど……」」

「ふふ、また声揃った! 仲良いね二人とも」


 それほどでもと言わんばかりに照れるソラとましろ。微笑ましい限りだとその様を見ていた袮音と沙羅だが、ツムリの唐突な大声に現実へ引き戻されてしまった。


「な、何ツムリ!?」

「デザイア神殿に侵入者……!? 皆様、急いでここを離れましょう!」


 全員の顔に緊張が走る。


「ここで倒すわけにいかねえのか!?」

「許可なくこの場所に入ることはできません! それを平然と無視する相手と無策で戦うのは危険です!」

「そうだよ! 一旦英寿と合流しよう!?」


 ツムリと袮音にそう言われ、吾妻道長が舌を打つ。


「……どいつもこいつもギーツばかりか。神頼みばかりじゃ見捨てられるぞ!」

「言ってる場合じゃないだろ行くよ道長さん!! ツムリ、さっきその子が言ってた場所、シュゴッダムに向かおう!」

「はい! プリキュアの皆さん、こちらを!」


 慌ただしくツムリが持ち出してきたのはデザイアドライバーだった。

 あげはが「ちょちょちょ」と声を上げて疑問を投げる。


「あたし達別に仮面ライダーになる必要ないんだけど、なんで!?」

「それを腰に当てればデザイアグランプリに参加したと見なされ、ここから目的地へ直接移動できるんです!」


 プリキュアの五人が顔を見合わせて頷き、デザイアドライバーを腰に巻く。

 その中心には真っ白のIDコアが装填されている。


「エースが作ったブランクのIDコアです。変身はできませんが、一時的にデザグラ参加者と同じ恩恵が受けられます!」

「わかりました! 行きましょう、皆さん!!」


 ソラが叫ぶ。


〈ENTRY〉


 響いた声と共に、ツムリも含めた全員の姿が消失する。

 直後サロンの扉が爆ぜたように吹き飛ばされ、ひとつの影が踏み入ってくる。


『イナイ……ザ、ザッ……逃ガシタ……?』


 ノイズのかかったような声。

 闖入者は首をゴキゴキと捻る。その様も、まるで映像の倍速再生や早戻しを不規則に繰り返したような不自然な動きであった。


『聴コエル、ザガッ、ライダー、ト……プリキュア、ザッ、ザ』


 その腕に巻き付いていたのは、紫色にわだかまる邪悪なオーラを纏ったツタ。

 左右に開かれた顎をガチガチと鳴らして、“それ”が言葉を継いでいく。


『“ヒーロー”を消セ、ト……! 全テヲ超エタ最強ノチカラ、ゾゾザザッ、ソノ、対価……!』



 時は戻り、シュゴッダム国コーカサスカブト城。

「遅かったな」

 そう言って、首に添えられたクモノスレイヤーの刃も気にせず振り返るのは創世の神、エース。

 言葉を投げられたのもまた、創世の神である浮世英寿だった。


「おっとぉ……?」

「もう一人出やがったぞ、どうなってやがる」


 ジェラミーとヤンマがそう言うのを見やり、英寿が挑みかかるように言う。


「千年経って俺も随分偉くなったみたいだな。よその世界のヒーローに喧嘩を売ったのか?」

「人間を信じろとお前は言った。だが俺は無責任な神じゃない。信じるという言葉を都合よく使って、できもしない使命を背負わせるわけにはいかないだろう」

「だから自分が出張ってヒーローの力を試したってワケか。……改めて言う。随分と偉くなったもんだなあ!」


 エースはそんな煽りには取り合わない。

 ただ黙して、手を上げるのみだった。


「……何をする気?」


 ヒメノ・ランが訝しむ。

 エースは口元を歪めたように笑い答えた。


「三世界混線の影響で座標がズレたみたいだからな。補正するんだ」

「意味がわからない。少しは噛み砕け」


 リタ・カニスカがそう言うが、エースは「今にわかる」と言うのみ。

 そして直後、荘厳な鐘の音が響き。


「……エース」

「久しぶりだな、ツムリ」


 シュゴッダム国コーカサスカブト城、王の間。

 三つの世界を守る、三つのヒーローが揃い踏みした。


「これはこれは……随分客の多い一日ですねぇギラ殿」

「ああ……。一体何が起こってるんだ……?」

「説明してやる。これでようやく、世界を救う“鍵”が揃ったからな」


 エースがそう言って睥睨する。

 仮面ライダー六人、王様戦隊六人、プリキュア五人で合計は一七人。

 ツムリも含めて一八人、こうなれば流石に大所帯である。

 その中に過去の自分である浮世英寿がいる以上、エースもいい加減戦う気は失せたようでもあった。


「クワガタオージャー。お前は俺に訊いたな、世界を救うために何をすればいいか」

「あ、ああ」

「混線した三つの世界それぞれの世界のヒーローが全員で協力して、世界が混ざった元凶を倒す。シンプルだが簡単なことじゃない」

「協力だ? 初対面のヤツらに背中預けろってかスカポンタヌキ」

「だから簡単じゃないと言ってるんだ。王様戦隊、仮面ライダー、プリキュア。お前達は皆、それぞれが似て非なる理念で動くヒーローだ。必ずしも方針が一致するとも限らないだろう。……だが、ただ一つだけ同じ志があると俺は確信してる」

「ふうん。それって何かしら」

「人々が笑って暮らせる世界を創る。迷い傷つき、時にはすれ違いや裏切りを重ねたとしても、その願いがある限り、お前達は“ヒーロー”のはずだ」


 エースがそう言うとギラが頬を掻く。この男は見下すのも褒めるのも真正面からのようだ。恐らくは彼が神として、浮世に住む凡百の人々から隔絶された存在になってしまっているが故に。

 元々立場の違う者同士が手を取り合うことに喜びを覚えるジェラミーはエースの首から短剣を離して納得したようにニコニコ笑い始めたが、 エースの宥めすかすような言い草では納得しない程度には癖の強い面々が集まったのが王様戦隊というものだ。

 その証拠とばかり、ヤンマ・ガストが「やる気ねえならどいてろジェラミー、オレがそいつを黙らす」と言い放ち、オージャカリバーをエースに向かい突きつけた。

 ンコソパの王であるヤンマ・ガストはかつて起こった災禍の後、国そのものが全てを失ったどん底のゼロから這い上がった男である。反骨精神と自負心は人一倍強い。

 そしてこの男は王様戦隊の中でも、ひときわ自分の中の好悪が判断基準として強い力を持った人物でもあるのだ。


「オレは媚びねえ諂わねえ。たとえ神とやらが相手だろうがな」

「そんな! 今は世界中の危機なんですよ!?」


 勇敢にもそのヤンマを止めようとするのはソラ・ハレワタールだ。

 しかしヤンマは一顧だにしない。


「うるせえぞ。こっちはとっくにギラに手ェ出されてんだ。理由はどうあれ、コイツの口車に乗せられてやる義理なんざねえよ」

「私もヤンマと同意見。ギラは特別な力を持った私のお気に入りだもの。好き勝手に傷つけられて黙ってられない」

「それでいけば、私もギラ殿の義兄ですからねえ」

「ちょちょちょっ! 待ってくれみんな! この人はただっ、僕の力を試したかっただけで……!!」

「それなら正当な手続きを踏むべきだ。事実としてコイツはシュゴッダム国王襲撃の現行犯でしかない」

「そんなぁ……ジェラミーどうしよう」


 崩れ落ちるギラがジェラミーを振り返る。

 ジェラミーは肩を竦めたまま「そうだねぇ」とのんびり呟き、


「まあ彼らの言うことにも一理はあるさ。かくいう俺も、お前さんが怪我をしているのを見て自分で驚くほど頭に血が昇ったぐらいだしな。こうなったら神様、お前さんの方からちゃんと、彼らを納得させてやれるだけの説明をしてやるべきじゃないか? 申し訳ないがうちの子達は、行間を読む手間を惜しむタイプなんだ」


 エースが面倒そうに目を細める。

 そんな未来の自分の様が面白いのか、浮世英寿も笑って言った。


「そういうことらしいぞ? 俺達にも教えてもらおうか」

「……そうだな。お前達に託すと決めた以上、何も知らせないわけにもいかないか」


 そして、エースが語り始めた。

 全ての歪み、その始まりを。


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