はじめ先生へ
どうやら私は、死んでしまうようです。
呪具というものになって、何千年もこの家に使われてしまうようです。
それもその筈、私は恐神家の従者に捕われてしまったから。
先生に逃げろと言われても言うことを聞かない悪い生徒です。
本音を言えば死にたくありません。
でも、何日も火にかけられて水に入れられて爪を剥がれ髪を毟り取られ目を抉られ足を切られ腕を切られるのは嫌です。
治されてまた痛めつけられるのは嫌です。
でも、後悔はないです。
死ぬのは救いではないけれど、きっと先生が何とかしてくれるから。
この縛りに抜け穴はあります。
きっと、また私は生きる事ができます。
だから、心配しないで下さい。
字を教えてくれてありがとうございます。
呪術を教えてくれてありがとうございます。
変な子と言わないでくれてありがとうございます。
先生のことはずっと忘れません。
本当に、ありがとうございました。
ゆい