はじめての夜はありのままで

はじめての夜はありのままで

黒庭勇者さん

 世界を闇に陥れる存在を撃破した私と勇者様。いかなる困難にも立ち向かってきた私たちは仲間と共に無事に帰還することに成功しました。当然、その傍らには頼りになるグリフォンライダーさんや魔鉱戦士さんの姿もありました。

 ちょっと違っていたのは、私と勇者様が『一緒』になったということ……


「まさか女の子同士で入籍するなんて思わなかったニャ」

「なぁに、グリフォンライダー。悪いの?」

「まさか。パーティーメンバーとして幸せを願うけど、ビックリしただけニャ」


 改めて事実を認識すると少し気恥ずかしいものです。だって、こんなにも嬉しくて、祝福されているのですから。


「あの水遣いが勇気を振り絞って大好きって言ったんだ。俺様は格好いいって思ったな」

「あはは、わかる。それできゅんって来ちゃったもん」

「ラブラブだな!」

「もう、からかわないでくださいっ」


 白無垢のドレスにふたりで身に纏い、幸せな結婚式を迎えた私たち。

 いつまでも、この幸福が続くように願いました……




 そしてその夜。

 勇者様と私は、同じ布団の中、裸になっていました。


「結婚して、はじめての夜だね」


 優しく手を添えてくる勇者様。少しひんやりしていますが、その心はとても暖かいです。


「そうですね」


 私も勇者様の掌を両手で包みます。

 言葉は少ないですが、それだけで心の準備を整えていきます……


「緊張、してる?」

「うまく気持ちよくできなかったらどうしよう、なんて思ってます……」

「もう、可愛いんだから、水遣い」

「からかわないでくださいよぉ」


 ちょっと意地悪な勇者様に頬を膨らませます。こんな些細なやり取りでも幸せに感じるくらいには、心が満たされています。


「今日は……女性同士として、愛を紡ぎ会う日だね」

「はい。……男性のものを生やす魔法もないわけではないのですが、それはまた別の機会にしたくて……」

「女の子としての水遣いが好きで、水遣いも女の子の私が好きだからね。まずは女性同士で愛を育まないと」

「……はい♥️」


 はらり、と毛布を剥がして勇者様の身体を見つめます。

 形のととのったお胸。しっかりした身体。ちょっとだけ筋肉が見えているのも素敵な私のお嫁さんでお婿さんな勇者様。

 見ているだけでうっとりしてしまいます。


「水遣いも、綺麗だよね」

「ありがとうございますっ」

「傷付いたりしないで、本当によかった」


 ぎゅっと抱き寄せられて、甘い香りに包まれます。勇者様が気に入っている髪を洗う道具の香りは華のよう。それを感じると、心が弾んでいきます……


「じゃあ、しよっか」

「はいっ」


 抱きついた姿勢はそのまま、勇者様とキスを交わしていきます。


「ん、んっ」

「はむっ、はむっ……♥️」


 深く、深く。

 勇者様の舌と私の舌が絡まります。

 ごくん。

 勇者様の唾液を受け止めると、身体全体がひりひりしてしまいます。


「はぅ、ぅ……♥️」

「水遣い、好き」

「勇者様、大好きです……っ、んっ……♥️」


 全身の力が抜けて、お互いがお互いの身体を支え合います。ふとした拍子にお胸同士が擦れました。


「ひゃあっ♥️」

「……やっぱりずるい」


 勇者様がムッとした、顔になったかと思うと優しくお胸を揉んできました。


「あっ、あぁ……♥️」

「おおきくって、柔らかいおっぱい。私もほしかったなぁ」

「ゆ、ゆうしゃさまだって……♥️」


 むにゅ。

 そう音が出そうなくらい大胆に勇者様にお胸を触ります。


「にゃっ♥️」

「すべすべお肌で、形も整ってて、すてき、ですっ……♥️」

「ひうぅ……」


 とろんとした表情のまま、私も勇者様も待つめ合います……


「はぁ、はぁ……♥️」

「そろそろ、げんかいかも、です……♥️」


 きゅんきゅんと疼く身体がもう抑えられそうにありません。


「じゃあ、一緒に……合わせる?」

「はいっ……♥️」


 そっと、秘処を重ねあえる体位に変えて、勇者様のひくひくしている場所と、私のとろとろの場所を合わせます……


「イクとき、一緒だよ」

「は、はい、一緒に、イきましょう……♥️」


 くちゅ、くちゅ。

 ぐちゅ、ぐちゅ。

 激しく、勇者様の身体が動いていきます。

 私の身体も快楽を受け止めるためにたっぷり上下していきます。


「水遣い、みずつかいっ」

「ゆうしゃさま、ゆうしゃさま……♥️」


 くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ。

 お互いの息づかいが荒くなっていきます。

 どんどん、どんどん、激しくなって……


「あっ、ふぁ、あ、あっ♥️♥️」

「しゅき、しゅきですっ♥️♥️ ひぁ、あぁっ♥️♥️」


 もう、なにもかんがえられません。

 ただ、ゆうしゃさまと……きもちよく、なりたいです。


「イク、イクね、みずつかい、いっしょに、いっしょに♥️♥️」

「い、いっしょです、いっしょに、ふぁ、あ、あ、あぁ、あぁ……♥️♥️」

「「イクぅぅぅううぅ♥️♥️♥️♥️」」


 とろとろ。

 ふわふわ。

 びしょびしょ。

 でも、しあわせ、です。

 ゆうしゃさまと、ひとつになれましたから……


「ふふっ、はじめて、よかったね」

「はい、すごく、よかったです……♥️」


 ふたりでだきしめて、ねいきにかわるまで。わたしたちはずっと、あまいあまいかんかくをうけとめていました……




「……おはよう、水遣い」

「お、おはようございます、勇者様」


 朝、小鳥がちゅんっと鳴いた声で目が覚めます。勇者様も私も裸のままです。昨日のことを思い出すと、やっぱりどきどきしてしまいます。


「……ちゅっ」


 そんなことを考えていたら、勇者様に口つけを交わされてしまいました。


「まだ、朝早いし、もういっかいするとか、どうかな」

「ふ、ふぇっ」

「欲求不満そうだし」

「そ、そんなこと……あります」


 新婚の私たちにはまだまだたっぷり時間があります。蕩けるように、甘い日々が続いてもバチは当たらないでしょう。

 私は、勇者様と再び身体を重ねていきました。いっぱいの幸せを噛み締めるように…

  

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