はくちゅうむ
クルーをくうくうした概念
短い
ゲームのホラーな感じと映画のファンタジックな感じを出したかったけど無理だった
ふんわりとグロい
ひたひたと歩いていく。
ゆらゆらと意識が飛んでいく。
きょろきょろとあたりを見回して見えたのは、
きらきらと光る白い町。
にこにことつい笑ってしまう。
「⬛ャプテン!」
ばたばたと誰かがやって来る。
「キャ⬛テ⬛!⬛ャ⬛テ⬛!」
あとからあとからやって来る。
「無⬛だっ⬛⬛で⬛ね」
あまいあまいにおいがする
「⬛体は⬛丈⬛で⬛⬛?」
それはそれは目の前のぬいぐるみからだった。
「⬛に倒⬛たっ⬛聞いて⬛ック⬛⬛ました」
シャチはそばにやって来る。
「あ⬛て⬛戻⬛てき⬛⬛ど……戦⬛ます⬛?」
ぺンギンは身体をさすってくる。
「辛⬛と⬛う⬛⬛、⬛は⬛戦中⬛か⬛」
しろくまは抱き締めてくる。
くらくら。
くらくら。
くらくら。
あまいにおいでいっぱいになる。
魅力的なにおいでみたされる。
だから、つい。
中をまさぐってしまった。
「⬛んな⬛げ⬛!こ⬛⬛引⬛⬛める⬛⬛!」
ぎゅっと抱き締められて動けなくなる。
「……⬛めん、⬛⬛。敵⬛⬛力⬛⬛能⬛が抜け⬛⬛」
その間にみんな離れていく。
「全⬛海に飛⬛⬛め!⬛⬛⬛⬛⬛にお⬛達を⬛⬛せるな!」
ずるいずるいそんなの嫌だ。
そう思ったときにはもう終わっていた。
「⬛って⬛⬛て!お⬛いだ⬛⬛目を⬛まして⬛⬛⬛⬛⬛!」
ぱらぱらとキャンディが降ってくる。
「⬛⬛⬛!⬛気!⬛剰な⬛⬛で能⬛は⬛⬛化さ⬛るん⬛から……⬛?」
ぐちぐちとぬいぐるみは何か言っている。
「何⬛⬛も⬛⬛⬛な⬛⬛?……⬛⬛の⬛い⬛⬛⬛い⬛?」
きんきんうるさく響くので。
「そ⬛なわ⬛⬛⬛!⬛⬛⬛⬛⬛が⬛⬛な⬛⬛が⬛⬛!」
くうくうお腹が鳴りました。
「⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛」
――あーんむっ
もぐもぐ
むしゃむしゃ
ばりばり
ぐちゃぐちゃ
キャンディを口に入れる。
ぬいぐるみ二十個分のお菓子を頬張っていく。
いつの間にかぬいぐるみは何も言わなくなっていた。
自分のお腹だけがくうくうと鳴っていた。
足りるわけがない(当たり前だ)。
ただの人間の魂じゃ(あまいだけのおかしじゃ)、器は満たされない(お腹はいっぱいにならない)。
だからもっと食べないと。
もっともっと集めないと。
いっぱいにして向かわなければ。
だってそれが器(おれ)の役割だ。
ふらふらと立ち上がる。
よたよたと外へ出る。
くらくらする頭で外を見れば、
ぞろぞろと魂(ごちそう)は集まっていた。
ふわふわと魂(ごちそう)めがけて飛んでいく。
ぷかぷかと水に浮かぶぬいぐるみを無視して飛んでいく。
ぶるぶると水の側では震えるけれど、
大人だから飛んでゴーゴー。
わらわらと誰かは寄ってくる。
ぽたぽたと涎が垂れていく。
そろそろと手を伸ばせば
「 」
「 !」
「 」
だんだんとこつをつかんだ。
ばらばらにする必要はない。
近づけば簡単にのみ込める。
ごくりごくり
ごくりごくり
ごくりごくり
中身の詰まった七面鳥。
真っ赤なハートのルビーチョコ。
どくどくと震える歪な林檎。
たくさんたくさん食べたのに、
くうくうくうくう鳴っている。
食べても食べても物足りない。
集めても集めてもみたされない。
何でだろう?何でだろう?
考えても考えてもわからない。
どろどろと溶けた頭(理性)では何もわからない。
ぐるぐると悩んでいると
どかどかとまたやって来る。
うだうだと振り返ると
きらきらと目を輝かせてしまった。
何て美味しいそうなんだろう。
何てみたされそうなんだろう。
イートすればおそらく中身はダーク
味はチェリーできっとヤミー
ああ、今すぐに食べさせて。
今すぐに、取り込まさせて。
この器を満たすために
ここで今すぐ犠牲になって!
「ゼハハハハ!
ロード歴史の本文を奪うつもりが、まさかこんな場所で見つけることになるとはな!!」
――あれ?
何で動けないんだろう。
あ、そっか。
目の前の男が能力で無理やりおさえているからだ。
「いい加減、正気に戻ったらどうだ?トラファルガー・ロー……いや、ワンピースのための器!!」
何を言っているんだろうこの人は。
⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛って何だろう。
「もう十分だろう?それともまだ足りねェのか?
おれの仲間も自分の仲間も取り込んだってのにさァ!!!」
え?
え?え?
「――え?」